多くのロボット生命体たちが平和に暮す街。 突如として、デストロン兵士2人が現れ、銃を打ちまくり、建物が砕けてゆく。 立ち昇る硝煙の中から、サイバトロンの新司令官・スターセイバーが現れる。 デストロンたちが銃を撃ちまくるが、スターセイバーにはまったく通じない。 スターセイバー「セイバーブレード!」 必殺剣が炸裂する。 デストロン2人はまとめて吹っ飛ばされる。 スターセイバー「トランスフォーム!」 勝利をおさめたスターセイバーがジェット機に変形し、空へと飛び去って行く。 #center(){|BGCOLOR(darkblue):COLOR(white):CENTER:&br()&big(){&big(){&bold(){宇宙の勇者&br()スターセイバー}}}&br()&br()|} ゴッドジンライたちに 地球から追い出されたデストロンは、 新たな本拠地となる星を求めて 宇宙の各地に出没し、侵略を続けていた。 こうした動きに対し、 平和を愛するサイバトロンは、 同じく平和と正義と愛する、 宇宙の様々な生命体と手を結び、 宇宙平和連合を組織。 地球もその一員に加わった。 さらに凶悪なデストロンに対するため、 宇宙防衛軍を結成。 その本部を、地球から離れたV惑星に置いた。 そして、その総司令官に任命されたのが、 サイバトロン最強の戦士・ スターセイバーであった。 デストロンの恐竜型トランスフォーマー部隊、恐竜戦隊が宇宙を突き進む。 隊長のゴウリュウと、彼の率いるカクリュウ、ガイリュウ、ライリュウ、ヨクリュウ、ドリュウ、5人の隊員たち。 ゴウリュウ「野郎ども、遅れるな!」 カクリュウ「遅れそう~! 待ってぇ~!」 ゴウリュウ「いいか、俺たちの狙いは月面基地のエネルギーをかっぱらって持ち帰ることだ。わかってんなぁ!?」 隊員たち「へ~い!」 ゴウリュウ「そしてリーダーは俺だ。わかってんな!?」 隊員たち「へ~い!」 ゴウリュウ「行くぞ! 遅れるなぁ!」 隊員たち「へ~い!」 カクリュウ「待ってぇ! 遅れそう~、待ってぇ~!」 V惑星の宇宙防衛軍本部。 サイバトロンのウィングウェーバーのもとに、救援要請が届く。 ウィングウェーバー「総司令官、地球人のいる月面基地から『デストロンが現れた』と救援要請が今、入りました」 スターセイバー「月に?」 ウィングウェーバー「デスザラスの恐竜戦隊と思われます」 スターセイバー「銀河第一方面軍に連絡。緊急出動指令!」 ウィングウェーバー「了解!」 宇宙防衛軍・銀河第一方面軍。 司令官ブラッカーのもとを、第二方面軍司令官のゴッドジンライが訪れている。 ブラッカー「ゴッドジンライ、もっとゆっくりして行けよ」 ゴッドジンライ「いや、そうもいかんよ。お互い防衛範囲は違っても、司令官の身。のんびりはできんな」 ブラッカー「正確には、今日から俺は第一方面軍の副官だ」 ゴッドジンライ「あぁ、そうだったな。しかし、スターセイバーが自ら出向いて来て指揮をとるということは……」 ブラッカー「デスザラスが俺たちの庭に出没したからだ」 ゴッドジンライ「今、デストロンでマークしなければならないのは、破壊大帝と呼ばれるデスザラスだからな」 ブラッカー「同感だな」 そこへ、サイバトロンのホーリーと、反重力ボートに乗った地球人少年のジャンがやって来る。 ジャン「ホーリー、急げ!」 ホーリー「早すぎるよ、ジャン!」 ブラッカー「どうしたんだ、慌てて?」 ホーリー「デ、デストロンに月が現れました」 ブラッカー「何!?」 ジャン「馬鹿、逆だよ、逆」 ホーリー「ややっ、失礼致しました。月面基地にデストロンの恐竜戦隊が現れました」 ジャン「総司令官から、ただちに出動せよとの連絡が入りました」 ブラッカー「わかった。ラスターとブレイバーに知らせてくれ」 ホーリー「はい、わかりましたです!」 ブラッカー「ゴッドジンライ。いずれ、また」 ゴッドジンライ「うむ」 ジャン「ジンライ司令官、帰るの?」 ゴッドジンライ「私の受け持つ第二方面軍にも、強敵がいるんでな」 ゴッドジンライが帰還のために転送ブースに入る。 ゴッドジンライ「転送スタンバイ、ポートへ転送!」 ブラッカーたち「トランスフォーム・ブレインセット!」 ブラッカー、ラスター、ブレイバーの3人のサイバトロン戦士が出撃する。 ホーリーは本部で、通信連絡を担当する。 ホーリー「総司令官も、V惑星から月面基地へ向かってるそうです」 ブラッカー「OK!」 ジャン「総司令官が来てくれれば、デスザラスなんて目じゃないさ! な?」 ホーリー「でも、かなり手強いって噂だぜ」 ジャン「ホーリーより弱いデストロンなんて、1人もいないよ」 ホーリー「むっ、その反重力ボート、誰が作ってやったと思ってんだよぉ~! 馬鹿にすんなよ!」 ジャン「冗談だよぉ、そう怒るなよ」 ホーリー「ククッ、わかってるって」 ブラッカーたちが、恐竜戦隊の暴れ回る月面に到着する。 ブラッカー「くそぉ、派手に暴れてるぜ」 ラスター「誰かさんとそっくり……」 ブラッカー「よせよ、デストロンと一緒にするのは」 月面基地では、所員たちの避難作業が進められている。 「全員、脱出体制に入れ!」 恐竜戦隊たち「トランスアウト!」「トランスアウト!」 恐竜戦隊の恐竜型ボディから、本体のトランスフォーマーたちが分離する。 ゴウリュウ「行けぇぇ!」 ブラッカーたち「スリーソード!」 ブラッカーたちブレインマスターと、ゴウリュウたち恐竜戦隊の戦いが始まる。 カクリュウが旧式の拳銃を撃ちまくる。 ゴウリュウ「バカタレ! そんな銃で奴らを倒せると思ってるのか!?」 カクリュウ「あ、すんません…… じゃ、これで」 カクリュウが武器を持ち替えて攻撃にかかる。 ブレイバー「ラスター、このままじゃ地球人は皆殺しにされるぞ!」 ブラッカー「ブレイバー、こいつらは俺とラスターが引き受ける。月面基地の方を頼む」 ラスター「それしかないようだな」 しかしブレイバーはゴウリュウの攻撃を食らい、谷底に落とされてしまう。 ブレイバー「うおわぁぁっ!」 ブラッカー「ブレイバー!?」 ゴウリュウ「お前ごときに邪魔はさせん」 ブラッカー「何ぃ!?」 ホーリー「くそぉ、相手が多すぎる」 ジャン「どうすればいいんだ!?」 ホーリー「どうするったって……」 ジャン「総司令官…… 早く、早く!」 そこへサイバトロン新戦士、マルチ戦隊のダッシュタッカー、マッハタックルが降り立つ。 ダッシュタッカー「いかん! ここは私たちに!」 ブラッカー「ダッシュタッカー、マッハタックル、地球人を避難させろ」 ダッシュタッカーたち「マルチアウト!」 ダッシュタッカーたちがビークルモードに変形して基地に向かい、避難誘導にあたる。 「緊急脱出です! シャトル乗場へ急いでください!」「急げ!」 「所長、全員シャトル乗場へ写りました。我々も脱出しましょう」「よし」 「所長、スターセイバーです!」「うむ、彼が来たらもう安心だ」 スターセイバーが月面に近づく。 スターセイバー「トランスフォーム・ブレインセット!」「バトルアップ!」 しかしそこへ、デストロンの新リーダーである破壊大帝デスザラスが現れ、行く手を阻む。 デスザラス「トランスフォーム!」 スターセイバー「デスザラス!」 デスザラス「生きてたか、スターセイバー! 絶対に俺の邪魔はさせん!」 ホーリー「総司令官を足止めしてる」 ジャン「なんで、こんなときに?」 ホーリー「どうしよう……」 ジャン「そうだ! 総司令官、月面基地へ急いで! ブラッカーたちがやられそうだよ!」 スターセイバー「この勝負、一時預ける!」 月面ではブラッカーたちが、恐竜戦隊6人を相手に苦戦を強いられている。 ラスター「い、いかん!」 ブラッカー「くそぉ、ブレイバーがいれば合体できるんだが」 ゴウリュウ「フハハハ! 俺たちを甘く見るなよ!」 そこへ、スターセイバーが降り立つ。 ブラッカー「司令官!」 スターセイバー「ブラッカー、ラスター、ここは私に任せて、生存者をギャラクシーシャトル基地に避難させろ」 ブラッカー「了解!」 スターセイバーの登場に震え上がる恐竜戦隊。 ゴウリュウ「こらぁ、何をビビッってんだ!? 数はこっちの方が多いんだ。算数もできねぇのかい!?」 隊員たち「ホントだ、隊長の言うとおりだ」 ゴウリュウ「だったら倒せ!」 カクリュウ「あ、隊長、お先に」 ゴウリュウ「こういうときは部下からやるもんだ!」 ヨクリュウ「隊長を差し置いて、そんな出すぎた真似を……」 ゴウリュウ「どいつもこいつも! はっ、今だ! 行けぃ」 隊員たち「へぇ~い!」 スターセイバーの注意が基地に向いた隙を突き、恐竜戦隊たちが襲いかかるが、一瞬にしてまとめて倒される。 ゴウリュウ「あ~ぁ、情けなくって涙が出るぜ。次は俺の出番だな!」 月面基地ではダッシュタッカーとマッハタックルの誘導のもと、人々を乗せたシャトルが飛び立つ。 ブラッカー「全員、ギャラクシーシャトルへ誘導しろ。総司令官の命令だ」 マッハタックル「OK、あとはよろしく」 ブラッカー「奴らの狙いはここのエネルギーだ」 ラスター「よし、俺たちはエネルギーブロックを守ろう」 ゴウリュウが単身スターセイバーに挑むが、スターセイバーの前に返り討ちに遭う。 しかし、さらにそこにデスザラスが立ち塞がる。 ゴウリュウ「デスザラス大帝……」 デスザラス「わしが相手だ」 スターセイバー「私は逃げも隠れもせん」 デスザラス「貴様の出現は、今やデストロンのトップはこのわしだと認めたこと。だが、二度と姿を見せるな」 スターセイバー「私が司令官に任命された以上、地球には一歩たりとも入れん!」 デスザラス「フハハハ、強がりも今のうち。食らえぇ!」 デスザラスの放つ鎖分銅を、スターセイバーの剣が叩き斬る。 デスザラス「ブレストアタック!」 デスザラスの胸部パーツ・ブレストが分離、トラ型メカとワシ型メカと変形。 2体がスターセイバーに襲いかかるが、スターセイバーはその攻撃も跳ね返す。 デスザラス「ブレストチェンジ!」 ブレストがデスザラスの手に戻り、弓型に変形する。 スターセイバー「口ほどでもないな、デスザラス!」 デスザラス「フフフ」 デスザラスがブレストの弓矢を放つが、スターセイバーは剣身で矢を打ち返す。 スターセイバー「お返しをさせてもらう!」 双方の剣同士がぶつかり合い、凄まじい鍔迫り合い。 スターセイバー「お望みならもう一度、暗黒星雲に閉じ込めてやる」 渾身のスターセイバーの剣撃がデスザラスを吹き飛ばし、岩盤に叩きつける。 デストロン移動要塞サンダーアローが、月面に接近してくる。 デスザラスがその上に飛び乗る。 デスザラス「貴様はいつか必ず倒す! ハハハハハ!」 ゴウリュウ「引き上げるぞぉ!」 隊員たち「おぉ!」 カクリュウ「待ってぇ~!」 デスザラスたちが飛び去って行く。 デストロン撃退に成功したスターセイバーたちのもとに、ジャンとホーリーが駆けつける。 ジャン「総司令官──!」 スターセイバー「ジャン!」 ジャン「総司令官!」 スターセイバー「ジャン、元気そうだな!」 ジャン「逢えて嬉しいよ、スターセイバー」 スターセイバー「あぁ、私もだ」 ジャン「ねぇ、これからはずっと僕のそばにいてくれるんでしょ?」 スターセイバー「もちろん」 ジャン「やったぁ!」 彼方に見える地球の姿に、スターセイバーが想いを馳せる。 スターセイバー「美しい星だ…… 宇宙広しと言えども、あのような美しい星は、そうあるものではない。地球はこの私が、絶対に守ってみせる!」 #center(){&big(){(続く)}}