※主人公の名前は「浅倉 又一」に設定しています((各ガール(キャラクター)はボイスとしては発音しない、もしくは「君」「彼」といった別の呼称に置き換える。))。 太字表示されたサブタイトルはイベントビューワー上にあるものです。 尚、ゲームのテキスト上における人名表記はフルネームですが、名前のみに統一します。 #center(){&size(18){&bold(){『文緒との夏祭り』}}} ~8月30日・夜~ 文緒から電話が来た。 文緒「もしもし、村上ですけど。あ、浅倉君。どうしたんですか、こんな時間に。 ……はい。図書館は明日も開いていますよ。返却期限には間に合いますから大丈夫です。わざわざ電話で確認してくれたんですね。 ……………………。 ……ええっと。そ、そういえば夏休みはなにをしていましたか? どこかに出かけたりしましたか? あの、もしよかったら……。あ、やっぱりなんでもないです。 ……………………。 ええと、では失礼します……。 あ、あの……やっぱりちょっと待ってください! じ、実は明日の夜、お祭りがあるんですけど…… よかったら、私と一緒に行きませんか? も、もちろん先約があるのならそちらを優先してください。 え? 浅倉君も私と行きたかったんですか? ……あ、ありがとうございます。勇気を出して誘ってよかったです……。 それでは明日の夜、神社の境内で待ち合わせということで……。はい……お祭り、楽しみにしていますね。」 &bold(){<8月31日>} ~神社~ 文緒「あ、浅倉君。こっちです。はい。私も今来たところですよ。実を言うと、少しだけ不安でした。浅倉君が来てくれないのではないかと思って。」 【[楽しみにしてたよ]を選択。】 文緒「本当ですか? よかったです。私も、今日は朝からそわそわしてしまって……。お祭り、たくさん楽しみましょう。」 #region(以下は好感度の上がらない選択肢の返答です。) 【[他に相手がいなかったから]を選択。】 文緒「そうですか……私なんかで申し訳ないです。でも、ひとりでいるよりきっと楽しいですよ。」 【[本当は気が乗らなかった]を選択。】 文緒「そうですか……。なんだか無理を言ったみたいですみません。でも、せっかくですから一緒に見て回りませんか?」 #endregion 文緒「今日は花火もあるみたいですね。楽しみです。 そうだ。まずは神社にお参りしましょう。お願いごとがあるんです。」 鈴を鳴らして手を2回叩き、願掛けをする。 文緒「…………………………。 ……お待たせしました。真剣にお参りしていた、ですか? そうですね。大切なお願いがありましたから。 内容は……ええと、内緒です。内緒なものは内緒です。そんな顔しても教えてあげませんよ。 え? 賑やかな方に行ってみたい、ですか? 浅倉君がそう言うなら……いいですよ。」 ~金魚すくい~ 文緒「うわぁ……お祭り、素敵ですね。 提灯のオレンジ色と藍色の空とのコントラストがとても幻想的です。祭り囃子も流れてきて、まるで現実じゃないみたいです。 それにしても、いろいろな屋台が出ていますね。金魚すくいや射的……。 金魚すくいが得意なんですか? 一度に十匹すくったことがある? すごいですね……。ええと、私は……一匹くらいならありますよ。 やってみたい、ですか? わかりました。行きましょう。」 金魚すくいが終わった。 文緒「浅倉君は本当に金魚すくいが得意なんですね。まわりの人も驚いてました。私は……残念でしたけど、とても楽しかったですよ。 それに浅倉君は優しいんですね。自分ですくった金魚を男の子にあげるなんて。ふふ。あの子、ずっと金魚のことを見ていましたからね。」 鐘が鳴る。 文緒「あ、もうすぐ盆踊りが始まるみたいですよ。えっ? 一緒に行こう、ですか?」 【[2人で踊りたい]を選択。】 文緒「浅倉君、どうしたんですか? 急に手を引っ張ったりして……。わ、私と踊りたいのですか? あの……どうしても…? ……わかりました。浅倉君がそこまで言うのなら、行きましょう。」 #region(以下は好感度の上がらない選択肢の返答です。) 【[村上さんの踊りが見たい]を選択。】 文緒「ええっ!? でも私……踊りは苦手で……。踊るかどうかはともかくとりあえず行ってみよう、ですか? わ、わかりました。」 【[みんな踊ってるし]を選択。】 文緒「みんなが踊ってるから……ですか? お祭りの楽しみはそれだけじゃないと思いますが……。でも、浅倉君がどうしてもと言うのなら、行くだけ行ってみましょうか。」 #endregion 文緒「もうすぐ始まるみたいですね。」 ~盆踊り~ 文緒「思っていた以上に賑やかですね。音楽を聞いていたら、なんだかうきうきしてきました。知っている人たちも何人かいますね。みんな楽しそうに踊っています。」 クロエ「文緒サーン。」 文緒「あ、クロエさん。こんばんは。クロエさんもいらしてたのですね。」 クロエ「お祭りは日本の伝統行事だから、見逃せませんヨ。もちろんワタシも盆踊りに参加します。これを見過ごす手はありませんヨ。踊りに行きましょう!」 そして3人は、踊る人たちの中に入っていった。 クロエ「文緒サーン。ワタシの踊り、どうでしょう?」 文緒「とても素敵ですよ、クロエさん。」 クロエ「さあ、文緒サンも一緒に踊りましょう。」 文緒「え、で、でも……。浅倉君はどうしますか? ……あ、浅倉君も踊るんですね。……わかりました。恥ずかしいですけど、私も浅倉君と一緒なら……。」 一緒に踊り始める。 文緒「私、盆踊りは初めてなんです。こ、こんな感じで大丈夫でしょうか? 浅倉君は上手ですね。」 クロエ「文緒サンもお上手ですヨー。」 文緒「そ、そうですか? ありがとうございます。」 踊り終わって…。 クロエ「盆踊り、とっても楽しかったですネー。日本の伝統行事をタンノウしましたヨ。 今度は屋台に突撃します。お面屋さんに行きたいのですヨ。日本のアニメキャラクターのお面、絶対ゲットしてきますネ。 では、ごきげんよう。」 クロエと別れた。 文緒「ふぅ……最初はうまく踊れるかどうか心配でしたけど、やってみると意外と楽しかったです。 え? 私の踊りが可愛かった、ですか? そんなにまじまじと見ていたんですか? は、恥ずかしいです……。 でも浅倉君と一緒に踊ってよかったです。いい思い出ができました。」 花火が上がる。 文緒「きゃっ! ……花火ですか。いきなりなのでびっくりしました。す、すみません。しがみついてしまって。あの、浅倉君……?」 左隣から見つめる文緒。 文緒「……………………。」 (文緒をタッチして2人の気持ちを近づけよう!) 【画面をタッチ((各ガールが出ている部分であればどこをタッチしても良い。))。】 文緒「浅倉君……。もう少しこうして……いたいです……。」 【画面をタッチ。】 文緒「浅倉君……私、今日のこと絶対忘れません。勇気を出して、誘ってよかった。」 【画面をタッチ。】 文緒「夏休みが始まった時は、こんなに素敵な思い出ができるなんて想像もしていませんでした。浅倉君とは、いろいろなところに行きましたし……それがとても楽しくて…その……なんだか、ずっと夢の中にいるようで…… ……ええと、うまく言えなくてごめんなさい。でも、この気持ちだけはきちんと伝えておきたくて……。私と一緒の時間を過ごしてくれて…………本当にありがとうございます。 あの…さっき神社でなにをお願いしたのか知りたいですか? 実は……これからも浅倉君いろいろなところに一緒に行って、経験して……同じ時間を共有できれば……嬉しいなって。……そんなお願いをしたんですよ。 浅倉君……あなたは、どんなお願い……したんですか?」 &bold(){<スタッフクレジット>} #center(){&size(18){&bold(){『笑顔の図書館』}}} 文緒「こんにちは、浅倉君。今日も図書館に来てくれて嬉しいです。ゆっくりしていってくださいね。もちろんお静かに……ですけど。ふふっ。」 茉莉「わぁ、格好いいですね。」 クロエ「素敵ですネー。これが日本のヤマトナデシコです。」 エレナ「さすがは文緒ちゃんだわ~うんうん。」 文緒「今日はいつもより図書館が騒がしいですね。」 館内で騒いでいる3人の元へ。 文緒「あの、みなさん? 図書館ではお静かにお願いします。」 真尋「先輩、村上先輩!」 文緒「どうしたんですか? 夏目さんまでそんなに大きな声を出して。」 真尋「今日、掲示板に張られたばかりの校内新聞読みましたか?」 文緒「新聞部のですか? いえ、私はまだ見てないですけど。」 真尋「じゃあ、一緒に来てください。浅倉君も、ほら早く。」 文緒「今は仕事中なんですけど……夏目さん!?」 茉莉「あっ、噂のご本人登場ですね!」 クロエ「文緒サン、待ってましたヨ。」 文緒「あの……これはいったい……?」 真尋「この記事の見出し、読んでみてください。」 文緒「『図書館の才媛、地元書店でも大活躍』…って、ええっ!? しかもこの本を抱えてる写真、私じゃないですか!? このお店……天凛堂ですよ……ね?」 茉莉「新聞部の方が撮影したみたいなんですけど、気づきませんでしたか?」 文緒「い、いつの間に? 全然気づきませんでした。浅倉君は知ってましたか? えっ!? 知ってたんですか? どうして教えてくれなかったんです? 私が仕事に集中していたから声を掛けられなかったんですか? そ、そうだったんですね……。」 エレナ「記事の続きも読んでみて~。」 文緒「『取材によると村上文緒さんはきびきびと接客をこなし、誠実な対応が好評とのこと。店主の話では夏休み期間に顧客が倍増。商店街の話題をさらっている。その姿に知られざる村上さんの新たな一面がかいま見られた気がした』 ……こ、これって。知られざる一面って……なんだか恥ずかしいです……。 ……でも、確かにそうかもしれませんね。浅倉君と一緒にアルバイトをして、新しい自分を見つけられた気がします。 店内で雨漏りがあった時、夢中で本を守ったり……。最初はぎこちなかった接客も、なんとかできるようになりました。 大変だったけど、これまでとは違う、かけがえのない時間を過ごせたと思います。それにこの夏休みは……図書館でお話しをしたり、遊園地に行ったり……。 そのどれもが浅倉君と一緒でした。夏休みの思い出は浅倉君とのことばかりです。私は、それがとても楽しかったです。浅倉君は……どうでしたか? ……そうですか。そう言ってもらえると、嬉しいです……。 ……………………。」 真尋「急に黙り込んでどうしたんですか、村上先輩?」 文緒「いえ、なんでもないです。ただ……。」 真尋「ただ?」 文緒「今年の夏休みは特別で、とても楽しかったな……って。」 エレナ「文緒ちゃん。こっち向いて。又一くんも並んで並んで。」 文緒「はい?」 エレナがシャッターを切る。 エレナ「校内新聞用に一枚撮らせてもらったわ~。又一くんとのツーショット。さて、どんな写真になったかなっと……。 あらあら? 今日はすっごくいい表情が撮れちゃったかも~。」 文緒「あ……。」 写真の中の文緒の表情は、以前よりもずっと素直な笑顔だった。 エレナ「どうかしら、文緒ちゃん?」 文緒「……はい。とても、その……いいと思います。望月さん、どうもありがとうございました。 え? 浅倉君、なんですか? 私の新しい一面……新しい笑顔が見れて嬉しい? そ、そんな、恥ずかしいです……。 でも、前に比べると少しだけ、素直に笑えるようになったの……かな? これも浅倉君のおかげですね。……ありがとう。」