多くのビルが立ち並ぶ都会。 どこからか、通信の声が響く。 『誰か…… 誰か、聞こえますか?』 静まり返った街。 道路にも建物にも、人はまったくいない。 『こちらは地球防衛隊です。この通信を聞いている人、誰かいませんか? 聞こえていたら返事をください。こちら、地球防衛隊』 無人の喫茶店、荷物の放置された公園。 車道にあふれる、無人の車。 つい先ほどまで街に満ちていた人々が、一瞬にして消えてしまったかのような光景。 『誰か、返事をしてください!』 誰からの返事もなかった。聞こえてくるのは、 奴の高笑いと、不気味な風の音だけ。 この地球に残されたのは、 もう私たちだけになったのかもしれない。 どこかの建物。 テーブルの上の新聞は「宇宙人襲来」の記事を報じている。 物語のヒロインたち、尾崎杏奈(アンナ)、放生ミサト、高山咲和子(サワ)が戦闘装備に身を固める。 アンナ「チームU! レディー…… ゴ──ッ!!」 3人が、地球防衛軍チームUの戦闘メカ、Uローダー3機に乗り込む。 隊員の1人、浜松ヒナの合図で3機が出動する。 ヒナ「フォースゲート・オープン! レッツゴー!」 隊員の赤星野乃子(ノンコ)、大澄マオミを乗せ、3機が空を行く。 アンナ「第6地区に侵入」 サワ「ちゃっちゃと済ませますかぁ~」 ミサト「サワ、油断しない!」 ノンコ「リーダー、地表の安全確認!」 マオミ「目的地、到着!」 アンナ「全機、タッチダウン!」 町はずれのスーパーマーケットの前に、3機が着陸する。 ミサト、サワ、マオミの3人が店内に飛び込む。 ミサト「2人とも、リスト以外の物には手をつけないでよ!」 サワ「わかってるって!」 ミサト「ショッピングタイムは5分!」 一同「OK!」 ノンコは店外で、機器に目を光らせている。 ノンコ「あと1キロ~! 980、960……」 店内の3人は次々に商品を物色。 マオミは必死に、子供靴を選ぶ。 マオミ「16.5センチ、16.5センチ…… 駄目だ、ピッタリしたのがなぁい!」 ミサト「子供はすぐ大きくなるって」 サワ「もう、頭カタいんだよ、マオミは」 ノンコ「あっか~ん! レーダーのエリア設定、1目盛り間違えてしもた!」 アンナ「ってか、もう真下じゃない!? 全員退避! すぐにマーケットから出て!」 ミサト「急いで!」 ミサトたちは慌てて、商品の物色を切り上げる。 壁に地球防衛軍名義の借用書を貼付け、店を飛び出す。 ミサト「すいませ~ん! 必ずお返しします!」 ノンコ「ごめ~ん! ミスってもうた~!」 サワ「ごめんじゃねぇよ!」 地面を突き破り、巨大な怪獣が姿を現す。 一同「うわぁぁ!」「きゃあぁ──っ!」 そこへ、アンナの乗ったUローダーが割って入る。 ミサト「リーダー!」 アンナ「ミサト! ここから一番近いのは何番だ!?」」 ミサトたち「え!? 何番、何番?」「な、7!」「7番です!」 アンナ「OK! 7番! かっ飛ばすよぉ──っ! さぁ、ついておいで!」 Uローダーが怪獣に背を向け、走り出す。 怪獣が追って来る。 アンナ「こっちだ、こっちだぁ!」 怪獣が火を吐くが、アンナはUローダーを操って巧みにかわす。 アンナ「おっとぉ! もう少しだ!」 やがて怪獣が、「7」の旗の掲げられた場所へと足を踏み入れる。 アンナ「ファイヤァ──っっ!!」 あらかじめ仕掛けらていた火薬が爆発する。 地盤が抜けて怪獣が地面に埋まり、身動きが取れなくなる。 サワ「ナイスイン! さっすがカシラぁ!」 ノンコ「よっしゃぁ──っ!」 アンナ「足元には気を付けな!」 だが怪獣が突然起き上がり、火を吐く。 油断したアンナのUローダーに、火炎が直撃する。 Uローダーは足回りを損傷し、今度はアンナのほうが身動きがとれなくなる。 アンナ「うっ、くそぉ!」 地面の大穴から抜けだした怪獣が、次第にアンナに迫る。 そのとき。 どこからか、巨大な足音がひびく。 都会のビル群の間を縫って出現した、赤と青と銀の巨人── ウルトラマンダイナ。 アンナ「巨人……!?」 怪獣が火を吐きかけるが、ダイナは素手で炎を払いのけ、怪力で怪獣を投げ飛ばす。 宙を舞う怪獣目がけ、ダイナが必殺のソルジェント光線を撃ちこみ、怪獣が爆発四散する。 Uローダーからなんとか降りたアンナに、仲間たちが駆け寄る。 ミサト「リーダー!」 アンナ「ミサト!」 サワ「ケガ、ないっスか?」 ミサト「あの巨人は…… もしかして?」 ダイナが地上のアンナたちに、サムズアップを決める。 一同「味方だぁ!」「よっしゃあ──っ!」 #center(){|CENTER:&br()世界が終わりに向かっていたとき、&br()3人の勇者がやって来た──&br()&br()|}