異国の森。 全身を光に包んだ巨人と、怪獣マガゼットンの戦い。 その様子を、1人の少女が目に焼き付けている。 マガゼットンの火炎弾が炸裂。凄まじい余波で、少女が吹き飛ばされる。 光の巨人が光の剣をふるい、必殺光線を発射。 光線を浴びたマガゼットンが爆発四散し、消滅する。 焼け野原同然の戦場跡の大地に、主人公の青年、クレナイ・ガイが降り立つ。 空から舞い降りてきた光が、ガイの手元で、[[ウルトラマン>http://neoending.web.fc2.com/anime/agyou/eulman.htm]]が描かれたカードに変わる。 あの少女は、どこのも見えない。ガイの嘆きが響き渡る。 ガイ「うっ、うっ、うわああぁぁ──っっ!!」 #center(){|BGCOLOR(#800000):COLOR(white):CENTER:&br()&bold(){&big(){&big(){&i(){夕陽の風来坊}}}}&br()&br()|} 東京都内の、昼下がりの公園。多くの人々や親子連れがくつろいでいる。 どこからか動物の声のような、不気味な音が響く。 幼い子供が、空を指さす。 「鳥!」 突如として、空が真っ黒な雲に覆われる。 いくつもの竜巻が巻き起こり、都会のビルが次々に空中に巻き上げられ、破片が飛び交う。 突然の異変に、人々が悲鳴を上げ、無我夢中で逃げ惑う。 同じく都内、怪奇現象追跡サイト「&ruby(サムシングサーチピープル){SSP}」の事務所。 キャップの夢野ナオミ、早見善太ことジェッタがテレビのニュースに見入っている。 『本日午前10時ごろ、東京都吉立市上空で、竜巻群が発生しました。この異常現象を受けて、鉄道各線とも、ダイヤは大幅に乱れています』 ジェッタ「すっげぇ……!」 ナオミ「こんな凄いことが起きちゃったら、私たちみたいに超常現象だのUMAだの言ってる場合じゃないわね」 ジェッタ「それがそうでもないんだなぁ、キャップ。今一番ホットなネタは、これだよ」 ジェッタが示すパソコンのSNSの画面には、「鳥を見た 竜巻がたくさんでてきて凄かった」との投稿とともに、竜巻の中に鳥らしきシルエットの画像がある。 ナオミ「鳥を見た──って、何?」 ジェッタ「ムチャクチャな竜巻でビルが降って来たりして大騒ぎのとき、巨大な翼をもつUMAを目撃した人がいるんだ!」 ナオミ「どうせ、コラ画像じゃないの? そんなの取り上げて、また炎上するのはコリゴリだからね」 ジェッタ「なんだよ……」 SSPの一員、松戸シンが乗り出す。 シン「調べてみる価値は、ありそうですよ」 ジェッタ「だろう!?」 シン「異常な気象が発生するのは、都会のど真ん中。数日置きに発生し、瞬く間に消滅している──」 ジェッタ「『嵐を呼ぶUMA』。うちのサイトにピッタリじゃん!」 ナオミ「でも、気象予報士でもないのに、どうやって追いかけるの?」 シン「僕は小学校でカオス理論の高次元定理を発見した、松戸シン博士ですよ~。これを見てください」 シンが大がかりな機器を取り出す。 シン「名付けて『ストームチェイサー』! 気圧センサーと磁力測定器が組み合わさった、万能気象追跡マシンです」 ナオミ「また、バカみたいに電気代食う代物じゃないでしょうね!? 先月、赤字なんだからね!」 ジェッタ「もしスクープ映像を撮れたら、俺たち大金持ちだよぉ! ねぇ、行こうよキャップ!」 ナオミ「でも、これやんないと」 ジェッタ「いいじゃん、後でも!」 ドアの外で声がする。 声「夢野さぁん、お家賃のことでお話にきたんですけど」 ナオミ「やっばい、大家さんだ! 先月の部屋代、まだだし……」 シン「さっさと出かけたほうがいいんじゃないですか、裏口から」 ナオミ「そうね…… よし、SSP、出動!」 とある街角に、冷凍便のトラックが停まる。 運転手が、ハーモニカのような音色に気づき、車から降りて辺りを見回す。 音色を辿ってトラックのコンテナを開けると、中ではガイが霜まみれで、ハーモニカに似た楽器・オーブニカを静かに吹き鳴らしている。 運転手「あんた、いつの間に!?」 ガイ「悪い、ちょっと乗せてもらった」 運転手「零下20度で5時間だぞ! 平気なのか!?」 ガイ「世話になったな」 ガイは何食わぬ顔で、去って行く。 一方でSSP3人は、河原で調査を始めている。 シンはストームチェイサーなる機器で天候を調査し、ジェッタはカメラを担当。 ナオミ「平和だね~。どう? 素敵なホームビデオが取れそう?」 ジェッタ「うぅん…… 本当に役に立つのかねぇ、あの機械」 ナオミ「さぁ? ほとんど、拾ってきたガラクタだしね」 シン「所詮、偉大な才能は凡人には理解できないのです」 ナオミ「はいはい」 そこへナオミの叔父、特捜チーム・ビートル隊の渋川一徹が駆けてくる。 渋川「お前たち! またこんなところで、おかしな実験してるのか?」 ナオミ「叔父さん」 渋川「この間の3丁目の停電も、お前たちのせいじゃないの?」 ナオミ「違います! 失礼なこと言わないでください!」 ジェッタ「大体、渋川さんたちの取っ掛かりが遅いからですよ!」 シン「そのくせ、ビートル隊は機密・機密で、隠し事ばっかりじゃないですか!?」 渋川「おい! お前、聞き捨てならねぇな。ナオミちゃんは姪っ子だから、大目に見てやってんのにな」 ナオミ「ちょっと、私の叔父さんってのは関係ないでしょ? 私たちSSPは──」 冒頭の公園のときと同様、不気味な声が響く。 渋川「ん? 何の音だ?」 いつの間にか、ガイが立っている。 ガイ「おい、兄ちゃんたち! 早く逃げろ。悪魔の風が来る」 ジェッタ「悪魔の風?」 ナオミ「あなたは?」 ガイは答えず、駆け出す。シンのストームチェイサーが警報音を鳴らす。 シン「920!? こんな数値はあり得ない! 猛烈な低気圧反応です! ここから距離300メートル、複数の竜巻が発生。それも直進風速150メートル!? すっごいパワーだぁ!」 ジェッタ「シンさん、運転して!」 シン「えっ、僕が!?」 ジェッタ「俺カメラ、あんた運転!」 ナオミ「早く! よぉし!」 渋川「おい待て、お前たち! 危険だ!」 専用車のSSP7に、ナオミたち3人が乗り込む。 ナオミ「SSP7、発進!」 一同「了解!」 嵐の吹きすさぶ中を、SSP7が行く。激しい竜巻で、周囲の家々が次々に砕かれる。 ジェッタ「シンさん、もっとちゃんと運転して!」 シン「しょうがないでしょ、こんな天気じゃ!」 ナオミ「ねぇ、あれあれ!」 風に吹き飛ばされた別の自動車が地面に叩きつけられ、一同の目の前で爆炎があがる。 ジェッタ「もっとちゃんと運転してよぉ!」 シン「僕は運転するには、進化し過ぎた人間なんですよぉ!」 ジェッタ「退化でしょ!?」 車の屋根にへばりついていたガイが、フロントガラス越しに車内を覗き込む。 ガイ「おい! 早く逃げたほうがいいぞ!」 ナオミ「あなた、何してんの!?」 ついにSSP7も竜巻に遭い、空へと舞い上げられてゆく。 シン「わぁ、わぁ、わぁ!」 一同の目の前を、鳥のような巨大な怪獣の顔が横切る。 ガイ「風の魔王獣、マガバッサーか!」 ナオミ「マ、マガバッサー!?」 ガイが車の屋根を蹴り、風に乗って飛び立つ。 ジェッタがカメラで追おうとするが、カメラが風に吹き飛ばされてしまう。 ジェッタ「お、俺のカメラが!?」 ナオミ「もう、どいて! 私が撮る!」 ナオミがスマートホンを構える。そのとき光が閃いて銀色の巨人が出現、マガバッサーなる怪獣と組み合う。 ジェッタ「わぁ、何だあれ!?」 ナオミ「怪獣対怪獣!?」 ジェッタ「すっげぇ!」 シン「皆さん、そろそろ万有引力の法則が発動しますよ~」 ナオミ「えっ!?」 シン「落ちるということです~!」 竜巻の中を舞っていたSSP7が、失速して宙を落ちてゆく。 一同「わああぁぁ──っっ!!」 巨大な光の手が伸び、SSP7をつかむ。 気を失っていたナオミが、SSP7の車内で目覚める。ジェッタもシンも気絶している。 ナオミ「何が、どうなったの……? みんな、大丈夫!?」 目を覚ました一同が車から降りる。SSP7は、地上に無事着地している。 竜巻はやみ、あちこちから煙が立ち上り、サイレンの音が響いている。 ジェッタ「撮った? 撮ったよね!?」 ナオミ「撮った、撮った!」 シン「大スクープですよ、キャップぅ!」 ジェッタ「これでアクセス、爆上がりだぁ!」 事務所に戻った3人は、スマートホンの記録動画を撮影している。 怪獣ではなく、ナオミの驚く顔だけがずっと映っているだけ。 ジェッタ「プッ! 信じらんない…… ねぇ、どうしてカメラ反対に向けて、自撮りにしちゃうの? これじゃ何か、わかんないじゃんか」 ナオミ「だって、とっさのことだったんだもん……」 シン「まぁまぁ、もうジェッタくんもキャップも、これを見てください」 シンのパソコンには、古文書の紙面が映し出されている。 シン「あの男が言っていた『悪魔の風』について調べてみたんですがね。太平風土記にも、悪魔の風を吹かせる『マガバッサー』という妖怪の記載があります。『&ruby(マガバッサー){禍翼}来たりて嵐呼び、地上すべてを滅ぼさん』」 ナオミ「じゃあ、あの怪獣が世界を滅ぼすマガバッサーだってこと?」 シン「うん。じゃ、今日の天気図を見てください」 日本の天気図には、全国あちこちに嵐が巻き起こっている。 ジェッタ「何だ、こりゃ!?」 シン「これだけじゃありませんよ。太平洋上にも台風が7つ発生しています」 ジェッタ「マジか!?」 ナオミ「どういうこと!?」 シン「バタフライ効果という奴ですよ。地球環境は密接に関連していて、小さなチョウの羽ばたきが、地球の反対側でハリケーンを起こすという考え方です。この方程式を簡単な数式で表すと──!」 興奮気味のシンが夢中の様子で、黒板にチョークで数式を書き始める。 シン「これがですね、dtx分のdy、そしてイコールsy-x、そしてdt……」 ナオミ「わかったわかった! もうチョークの粉が立つから、やめよ」 ジェッタ「でも、あれはチョウの羽ばたきどころじゃないだろ? 一体どんなことになっちゃうんだよ?」 ナオミ「とにかく、また明日、あの化け物を捜しに行こ。ね?」 翌日。ナオミたちは公園で、再び調査にあたっている。 ナオミ「なぁ~んも起きないわねぇ」 ジェッタ「あぁ、腹減ったぁ…… キャップ、なんか買ってきてよぉ」 シン「私にはコーヒーをお願いします」 ナオミ「えっ? なんで私がぁ!?」 ジェッタ「手が空いてるの、キャップだけじゃん?」 ナオミ「……割り勘だからね!」 仕方なくナオミは、カフェで買い出し。 シン『エスプレッソのワンショット、コームミルクシングルでマキアート風にしてくれましたか?』 ナオミ「細かい注文するなら、自分で買いに行きなさい!」 電話に気を取られたナオミが、通行人にぶつかり、手にした飲み物がこぼれ、服にかかってしまう。 ナオミ「あっ!? あぁっ! す、すいません……」 相手は謎の紳士、ジャグラス・ジャグラー。 ジャグラー「大丈夫です。では」 ナオミ「あの、クリーニング代を!」 昨日と同様に、謎の声が響く。 ジャグラー「嵐が来そうですね」 ナオミ「……変な、天気です」 ジャグラー「僕は嵐が好きですよ。退屈な世界から、心を解き放ってくれますからね」 ナオミ「はぁ……?」 空で、雷の音が響いている。 ジャグラー「アゥ・クードゥ・フードゥル」 ナオミ「はい?」 ジャグラー「日本語で何を意味するか分かりますか?」 ナオミ「あ、いえ」 ジャグラー「『雷の一撃』。出会い頭の一目惚れです」 空に稲妻が閃き、ジャグラーの姿に一瞬、不気味なシルエットがだぶる。 雷光に目がくらんだナオミが、視線を戻すと、ジャグラーの姿は消えている。 ナオミ「えっ!?」 シン『キャップ、ストームチェイサーが反応してます! 至急、戻って来てください!』 ナオミがジェッタたちのもとへ戻る。すでに周囲で、いくつもの竜巻が発生している。 ジェッタ「キャップ、遅いよぉ!」 シン「中心気圧905ヘクトパスカル、猛烈な推力です!」 ジェッタ「どこ、どこ!?」 シン「距離、0メートル…… 真上です!」 一同の頭上で、黒雲が激しく渦を巻く。 ジェッタ「ヤバいって! どど、どうする!?」 シン「900……895!」 竜巻が街を襲い、人々がパニックに陥る中、ナオミが竜巻に吸い込まれてしまう。 ナオミ「きゃああぁぁ──っっ!!」 ジェッタ「キャップぅぅ──!?」 ナオミが竜巻に巻き込まれ、なすすべもなく宙を舞う。 そのとき、あのガイが暴風の中を舞いつつ、空を飛ぶかのように、ナオミを抱きとめる。 ナオミ「えぇっ!? またあなた!?」 ガイ「目ェつぶってな」 ナオミ「う……うっそおおぉぉ──!? きゃああぁぁ──っっ!!」 ガイの上着のポケットからオーブニカが飛び出しているのを見て、ナオミは思わずそれを掴む。 ナオミ「きゃああぁぁ──っっ!!」 ガイがナオミを抱いたまま、竜巻の中を突っ切ってゆく。 ナオミ「はっ! うわっっ、うわああぁぁ──っっ!! ……ぁぁああ!?」 気がつくと、ガイはナオミを抱いたままで、無事に地面に降り立っていた。 ガイ「大丈夫か?」 ナオミ「……うん」 ガイ「じゃあな」 2人の前に、マガバッサーがその姿を現す。 ガイ「お出ましになったな」 必死に逃げ惑う人々を、渋川が誘導している。 ガイ「ちょうど良かった。お願いします!」 ガイは渋川の腕にナオミを預け、駆け去る。 渋川「えっ、何!? ちょ、ちょっと待って? お、重っ!」 ナオミ「重いってなんですかぁ!?」 渋川「……おい、君! 君ぃ!」 ガイは証明写真ボックスに隠れ、変身アイテム・オーブリングを手にする。 ガイ「[[ウルトラマン>http://neoending.web.fc2.com/animeop/agyou/opuman.htm]]さん!」 音声『&i(){ウルトラマン!}』 ガイ「[[ティガ>ウルトラマンティガの第1話]]さん!」 音声『&i(){ウルトラマンティガ!}』 ガイが、ウルトラマンと[[ウルトラマンティガ>ウルトラマンティガの第1話]]のカードをオーブリングにかざす。 オーブリングの応答音声と共に、ウルトラマンとティガの姿が、具現化する。 ガイ「光の力、お借りします!」 音声『&i(){フュージョンアップ! ウルトラマンオーブ・スペシウムゼぺリオン!}』 光の超人と化したガイに、ウルトラマンとティガの姿が融合し、巨大化。 ガイは光の巨人・ウルトラマンオーブへ変身を遂げる。 オーブ「俺の名はオーブ。闇を照らして悪を討つ!」 オーブとマガバッサー、巨体同士の戦いが始まる。 その様子を目に焼き付けているナオミのもとへ、ジェッタたちが駆けつける。 ジェッタ「大丈夫か!? 何なんだ、ありゃあ?」 一同の隣に、ジャグラーが並ぶ。 ジャグラー「ウルトラマンオーブ」 ジェッタ「ウルトラマンオーブ?」 ジャグラー「輝く銀河の星…… 光の戦士って奴さ」 マガバッサーが巨大な翼をはためかせ、巻き起こる強風がオーブやSSPの面々を襲う。 さらにマガバッサーは宙を舞ってオーブを翻弄するが、オーブは光輪を放って翼を切り裂く。 オーブとマガバッサーの空中での格闘の末、マガバッサーは大地に叩きつけられる。 証明写真『出来上がりまであと1分』 オーブの胸のカラータイマーが点滅し始め、体からウルトラマンとティガの力が漏れだしている。 オーブ「スペリオン光線!!」 オーブの必殺光線が炸裂──!! マガバッサーが爆発四散し、消滅する。 ナオミたち「やったぁ!」「よし!」「イェーイ!」 勝利を収めたオーブが、大地を蹴り、空の彼方へと飛び去る。 変身を解いて人間態に戻ったガイが、マガバッサーの残骸にオーブリングをかざす。 光と共に、[[ウルトラマンメビウス>ウルトラマンメビウスの第1話]]のカードが出現する。 ガイ「マガバッサーを封印してたのは、ウルトラマンメビウスさんの力でしたか。お疲れさんです」 証明写真『ご利用ありがとうございました』 上空では、ビートル隊の戦闘機・ゼットビートルが飛来している。 ジェッタ「おぉい、ビートル隊! 今頃来ても遅ぇよ!」 ナオミ「あの人はどこ?」 シン「あの人って?」 ナオミ「ほら、あのぶっきらぼうな人」 ジェッタ「あぁ、あそこにいるよ」 ガイは証明写真ボックスから、出来上がった写真を引き抜こうと悪戦苦闘している。 ガイ「堅っ! あっ、上か!」 ようやく取り出せた写真には、ガイが変身する過程がはっきりと写っている。 ガイ「あっぶねぇ……」 そこへナオミたちが駆けて来、ガイはとっさに写真を懐に隠す。 ナオミ「あの……」 ガイ「みんな、ケガはなかったかい?」 ナオミ「大丈夫。これ、あなたのでしょ?」 ナオミが、手にしていたままのオーブニカを渡す。 ガイ「あっ! ありがとう…… 大事な物なんだ」 ナオミ「私たちこそ、助けてくれてありがとう」 ガイ「じゃ」 ジェッタ「ちょっと待ってよ、お兄さん!」 ガイ「どうせ地球は丸いんだ。またその内どっかで会えるだろ。あばよ!」 ガイはオーブニカを吹き鳴らしつつ、夕陽の照らす中を去ってゆく。 その姿を見つめるナオミ。 ジェッタが冷やかすように、ナオミの顔を覗き込む。 ジェッタ「キャップぅ…… 惚れた?」 ナオミ「そんなんじゃないよぉ。それより、あの曲」 ジェッタ「曲がどうかした?」 ナオミ「どこかで、聞いたことがあるのよね……」 その夜。 ジャグラーの手にした、オーブリングに似たアイテム・ダークリングから、マガバッサーのカードが現れる。 ジャグラー「オーブ。お前は、希望の光か? それとも底知れぬ闇……かな?」 #center(){&big(){(続く)}}