機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGEの第1話

PHASE:00 —過去—MEMORY


アスラン(‘血のバレンタイン‘の惨劇によって母は死んだ。農業プラント『ユニウスセブン』への突然の核攻撃――――理解できない・・・許せない行為だった・・・)
(こんな悲劇を二度とくり返してはいけない———そんな思いを抱えて俺は『ザフト』に身を投じた。軍の命令に従い‘敵‘を討つ———それが戦争を終わらせるための唯一の手段だと信じていた)


アスラン(戦場で刃を向けた先によく知る瞳があった
キラ・ヤマト———幼年学校時代をともに過ごした大切な・・・友人だった。次に会った時、キラは地球連合軍のMSに乗っていた。キラは『ザフト』にとって————強大なる‘敵‘だった)

アスラン「キラァッ!!」
キラ「アスランッ!!」

アスラン(キラは俺の友を殺し、俺はキラの友を殺した)
(俺達はお互いに———殺し合った)


アスラン(———ひとりの少女と出会った)

カガリ「カガリだ!・・・お前は?」

アスラン(彼女はまっすぐな瞳で俺に問いかけた)

カガリ「殺したから殺されて、殺されたから殺して・・・?それでホントに最後は平和になるのかよッ!?」

アスラン(俺は・・・答えることができなかった)

アスラン(——やがて戦争はお互いを殺すまでの撃ち合いへと変貌していった
この負の連鎖を何としても止めなくてはならない。
俺は想いを同じくする同志とともに最後の戦場へと向かった。
今度こそ本当に戦争を終わらせるために。
そして、暴走していた父を止めるために・・・)



PHASE:01—偽名—SUSPEN



アスラン(ヤキン・ドゥーエの奥・・・プラント軍『ザフト』の中央司令部で、父・・・パトリック・ザラの体は静かに漂っていた)

アスラン「ち・・・父上っ!!」
アスランとカガリが、部下に撃たれたパトリックに駆け寄る。

パトリック「う・・・撃・・・て・・・ジェネ・・・・シ・・・我・・・ら・・・の世界・・・を奪っ・・・・報い・・・」

アスラン(血に染まった父の手は、まだ温かった——・・・)

アスランのジャスティスとカガリのストライクルージュがジェネシスの内部に入った。
アスラン「ジェネシス内部でジャスティスを核爆発させる・・・!それしか止める方法はない!!」
カガリ「ダメだ!そんなことしたらお前・・っ」
アスラン「ついて来るな!戻れ!!」

ジャスティスがリフター・ファトム00を切り離し、ストライクルージュを押し戻した。

ジャスティスはジェネシスの中心部に来た。
アスラン(俺がやらなければならないと思った。ひとりで片づけるべきだと・・・)
アスランが自爆コードを入力しようとした所で、ストライクルージュが追いついた。
カガリ「アスラン!!逃げるな!生きる方が戦いだ!!」

そして―――ジェネシスが大爆発した。


カナーバ「宙域のザフト全軍ならびに地球連合軍に告げます———現在プラントは地球連合軍との停戦協定に向け準備を始めています・・・それに伴いプラント臨時最高評議会は現宙域におけるすべての戦闘行為の停止を・・・

アスラン(———勝者も敗者も存在しない、「双方の戦線維持困難」という形での停戦だった)

キラとディアッカ、アスランとカガリ達が帰艦した。
アスラン(生き残った人々の一時の安堵感の中———あまりにも多くの犠牲者たちのことを思うと、この戦争の意味・・・自分がやってきたことの意味を、改めて考えずには———いられなかった)
(戦いを終えた者たちは皆その傷を癒やすべく、それぞれの帰るべき場所―———あるいは望む場所へと戻っていった)
(俺は・・・)

アスランに、『アレックス・ディノ』の身分書が渡された。
カガリ「お前はお前だ。こんなの必要ないと思うけど・・・な」
アスラン「いや・・・すまない・・・ありがとう」

アスラン(俺はプラントを離れ、『アレックス・ディノ』として中立国オーブに降りた)

アスラン(やがて双方合意の下、かつての悲劇の地、ユニウスセブンにおいて停戦条約が締結された———プラント国家の臨時評議会代表カナーバ議長は、本戦争においてザフト軍は、OPスピットブレイク以降指揮系統の混乱により多くの公式記録を紛失したとした———)
(そのため戦争終結までに起こった幾つかの出来事は闇に消えていったのだった。その中でも無益な戦いを止めるために自らの命を懸けた人たちがいたことは公には人々に知られることはなかった―――)
(己の信念を信じ暴走したパトリック・ザラと平和を訴え自ら起ったラクス・クライン。両者の対比が終戦後、プラント国民に浸透したのは当然だった)
(世界は再び安定を取り戻そうと、この時確かに歩み始めていた―———)
(あの時から二年・・・——C・E73年10月2日)


ザフト軍軍事工業プラント『アーモリーワン』、
そこをカガリと『アレックス』が訪れていた。

アスラン「カガリ、服はそれでいいのか?」
カガリ「なっ・・・何だっていいよ!いいだろこのままで!」
アスラン「必要なんだよ演出みたいなことも・・・馬鹿みたいに気取ることもないが、軽く見られてもダメなんだ。君は今はオーブの国家元首なんだからな」

通行人たち「・・・やっぱり必要ですものね・・・」
「ああ、ナチュラルに見せつけてやるともさ・・・」

カガリ「明日は新型艦の進水式ということだったな・・・」
アスラン「ああ・・・」
カガリ「こちらの用件はすでに御存じだろうに―――――そんな日にこんな所で、とはまったく恐れいるな!」


カガリと『アレックス』は、プラント現最高評議会議長、ギルバード・デュランダルと面会した。
デュランダル「やあ!これは姫、遠路お越し頂き誠に申し訳ありません」
カガリ「いや、デュランダル議長もご多忙のところお時間を取っていただきありがたく思う」

デュランダルが『アレックス』を一瞥する。

デュランダル「どうぞこちらへ」

デュランダル「さて・・・この情勢下、代表がお忍びで火急なご用件とは?我が方の大使の伝えるところではだいぶ複雑な案件のご相談とのことですが・・・」
カガリ「複雑・・・なのか?私にはそう複雑とも思えるのだがな」

デュランダルの護衛がざわついた。

カガリ「我々オーブ゙はかのオーブ戦の折にモルゲンテーレから流出した技術と人的資源の、そちらでの軍事利用を即座にやめて頂きたいと何度も申し入れている!」


その頃、街中で少年、シン・アスカが待ち合わせをしていた。
シン「ヨウラン遅いな・・・集合時間に遅れるぞ」
(・・・・先に行ってるか・・・)

ステラ「きゃっ・・・」
シン「うわっ」
シンが歩き出した所で少女、ステラとぶつかった。
シン「ご、ごめん、大丈夫?」

ステラ「・・・・・」
ステラが駆けだした。

シン「あ」
(・・・・来賓の子かな?)
ヨウラン「シン!」

待ち合わせの相手のヨウランが来た。
シン「ヨウラン!遅いぞ!」
ヨウラン「悪りぃ、ついうっかり」


デュランダル「姫は先の戦争でも自らMSに乗り最前線を闘われた勇敢なお方だ・・・また最後まで圧力に屈することなく自国の理念を貫かれたオーブの獅子・ウズミ様の後継者でもいらっしゃる」

アスラン「・・・!」
『アレックス』はハンガーの中の新型MS、ザクウォーリアに気づいた。

デュランダル「ならばこの情勢下、我々はどうあるべきか、よくご存知でしょう?」
カガリ「・・・・我々は中立国だ・・・自国の理念を守り抜く、それだけだ」
デュランダル「他国を侵略せず他国の侵略を許さず他国の争いに介入しない・・・それは我々とて同じです」
「だが力なくばそれは叶わない・・・それは姫の方がよくお判りなのではありませんか?」

カガリ「そ、その・・・『姫』というのはやめて頂けないか?」
デュランダル「これは失礼致しました、『アスハ代表』」
アスラン「・・・・・・」
デュランダル「しかしならば・・・・・・何を怖がっていらっしゃるのです?貴女は」
「大西洋連邦の圧力ですか?オーブが我々ザフトに軍事技術供与をしていると?・・・・そんな事実は無論無い。かの戦争で難民となったオーブの同胞たちを我々は快く受け入れました・・・その彼らがここで暮らすために持てる技術を活かそうとするのは当たり前・・・仕方ないことではありませんか?」
カガリ「だが・・・!強すぎる力はまた争いを呼ぶ・・・!」
デュランダル「いいえ・・・姫、争いが無くならぬから力が必要なのです」

その時、警報が鳴り響いた。
アスラン「!?」

ザフト兵たち「何だ!?」
「警報!?」
「どうした!?」

アスラン「!!?カガリ!!」
カガリ「えっ・・・」

『アレックス』がカガリを押し倒すのと同時に、爆発が起こった。
カガリ「うっ・・・」

ザフト兵「議長!!」

アスラン「な・・・っ、な、何だ?」

爆発の向こうから3体の新型モビルスーツ、カオス、ガイア、アビスが出てきた。

ザフト兵たち「カオス!?ガイア・・・アビス・・・!!六番ハンガーの新型だ!!何者かに強奪された!!」

カガリ「!?あれは・・・・」
アスラン「ガンダム・・・!?」

ザフト兵「議長・・・!」
デュランダル「対応急げ!何としても抑えるんだ・・・!」

ザフト兵「こちらです」
カガリ「・・・・・・」

デュランダル「姫をシェルターにご案内しろ!ミネルバにも応援を頼め!」

新造艦ミネルバ。
タリア「・・・!了解しました」
「アーサー!あれを出します!準備を!」
アーサー「は、はい!」

オペレーター「インパルス発進スタンバイ。パイロットはコアスプレンダーへ・・・・」


ザフト兵「もうすぐです!この建物の向こうに・・・」
アスラン「!」

ザフト兵「うわあ・・・っ」
アスラン「!!」
『アレックス』とカガリが誘導されていた先に、ビームの流れ弾が来て、
誘導していたザフト兵が爆発で吹き飛ばされた。

カガリ「なっ・・・何でこんなっ・・・・!」
アスラン(くそ・・・これじゃあ・・・)

『アレックス』は、近くに一体のザクウォーリアがあるのを見つけた。

アスラン(さっきの新型・・・!?)
「来い!!」
カガリ「えっ・・・?」


攻撃を続けるガイアを操縦していたのはステラだった。

『アレックス』はカガリを連れて、ザクウォーリアに乗り込んだ。
カガリ「お、お前・・・」
アスラン「生身でうろついてたら危険すぎる・・・!こんなところで君を死なせるわけにいくか!!」

ザクウォーリアが立ち上がった。

ステラ(・・・・?)
ガイアがザクウォーリアにビームライフルを向ける。
ステラ「!!?」

ザクウォーリアはガイアにタックルを炸裂させた。
ステラ「・・・っ!?何っ・・・!?」

カガリ「アスランっ・・・!」
アスラン「しっかりつかまっててくれカガリ!」
(とりあえず早くこの場から離れて安全な場所へ・・・あの一機の動きさえ止められれば・・・・)

ステラ(コイツ・・・!!)

ザクウォーリアとガイアがにらみ合う。
しかし、ザクウォーリアの背後にスティング・オークレーの乗るカオスが回り込んだ。
スティング「ステラ!!何をしてる!!」
アスラン(ちっ・・・!もう一機に見つかったか!)

カオスのビームサーベルがザクウォーリアの左腕を切り飛ばした。
そこへガイアが突っ込んできたが、その前に新型MS、ソードインパルスが立ちふさがった。

シン「なんでこんなこと・・・!また戦争がしたいのか!?あんた達は!!」
インパルスのパイロットはシンだった。

シン「そこのザク!さっさと離脱して下さい!」
アスラン「!!?」

シン「ええええい!」
ステラ「!??」
インパルスがガイアとアビスと戦う。

アーサー「シン!命令は捕獲だぞ!わかってるな?あれは我が軍の・・・」
シン「わかってます!!でもできるかどうかはわかりませんよ!大体!!何でこんなことになったんです!?」

ステラ「何だっ!?」
スティング「あれも新型か!?」

その時、地面が揺れた。
シン「!!?」

カガリ「こっ、今度は何だ!?」
アスラン「これは・・・‘外から‘の攻撃だ!港か!?」
カガリ「え・・・?‘外から‘って・・・」
アスラン「・・・ああ!そういうことさ・・・ヘリオポリスと同じだ・・・!」

アウル・ニーダの乗るアビスが来た。
アウル「スティング!今の!!」
スティング「アウル!?わかってる!お迎えの時間だろ!?」

アスラン(まだ来るのか・・・!?)

アウル「早くしないとバス行っちゃうぜぇ?大体ありゃ何だよ・・・?新型は三機のハズだろ?」
スティング「俺が知るか!けど追撃されても面倒だ・・・堕とすぞ!いいな!!アウル!ステラ!」
ステラ「・・・・」

カオス達が一斉にインパルスに向かってきた。
シン「!!」

インパルスがガイアのサーベルをシールドで防ぎ、カオスのライフルをかわしたが、
その後ろでアビスがビームランスをふりかぶっていた。

アスラン「・・・まずい!!」
カガリ「うっ・・・」

ザクウォーリアがタックルでアビスを弾き飛ばした。

アウル「何っ!?」
シン「・・・・」

ザクウォーリアがトマホークをガイアに投げつけた。

アウル「このォ!!」
アビスの胸のカドウリス改ビーム砲が、ザクウォーリアの左肩を破壊し、
その衝撃がコックピットを揺るがした。
アスラン「うぐっ・・・カガリ!」
カガリが倒れた。

ザクウォーリアが後退し始める。

アウル「くっそアイツ・・・逃がすか!」
「!?」

ディンの編隊が新たにやって来た。
アウル「ち・・・増援か・・・!」
「あーもう・・・キリがないぜ、スティング!」
スティング「ああ!さっさと離脱する!」
カオス達が上昇していった。

シン「逃げる!?させるかっ!!」
レイ「シン!」

レイ・ザ・バレルの乗るザクファントムが来た。
シン「レイ・・・!」
レイ「落ちつけ!今のうちに換装するんだ!」

アスラン(・・・どこか降りられる場所は・・・)
モニターに、デュランダルの乗る車が映った。
アスラン(あれは・・・)

カガリ「う・・・・」
アスラン「カガリ!」
「大丈夫か?すまなかった・・・」
カガリ「う・・・ん・・・だいじょうぶ・・」
アスラン「議長は新造艦の方に向かったみたいだ・・・行ってみようと思う」
カガリ「ああ・・・頼む。それにしても・・・」
アスラン「ああ・・・これはひどいな・・・」


ミネルバのモニターにも、離脱していくカオス達が映っていた。
アーサー「艦長・・・・これマズいですよね・・・もしこのまま逃げられでもしたら・・・・」
そこへ、デュランダルが入ってきた。
アーサー「議長!」
デュランダル「状況は!?どうなっている!?」
タリア「見ての通りです。奪われたMSとインパルスは現在も戦闘中、‘外‘に母艦がいるものと思われますが・・・司令部は応答ありません」

そこへシンからの通信が入った。
シン「ミネルバ!フォースシルエットを!」
アーサー「艦長!」
タリア「許可します!射出して!」
「・・・もう機密も何もありませんでしょ?」
デュランダル「ああ・・・頼む。あれの奪還もしくは破壊・・・これは現時点での最優先事項だ」


格納庫に、ルナマリア・ホークのザクウォーリアが帰艦していた。
ルナマリア「どう?私のザク」
ヨウラン「損傷はバーニアの中だけみたいだ、すぐ出れるよ」
ルナマリア「良かった、お願いね!」
「ン?」

同じく、ミネルバの格納庫に入っていた『アレックス』とカガリがザクウォーリアから降りてきた。

ルナマリア「!?何!?あの子たち・・・・!?貸してっ!」
ルナマリアが近くのザフト兵から銃を取り、『アレックス』とカガリに向けた。
ルナマリア「そこのふたり!動くな!!」
「何だお前たとは。軍の者ではないな!?なぜその機体に乗っている!?」

アスラン「銃を下ろせ。こちらはオーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ氏だ。俺は随員のアレックス・ディノ!」
ルナマリア「オーブの・・・アスハ・・・?」
アスラン「デュランダル議長との会談中騒ぎに巻き込まれ、この機体を借りた。議長はこちらに入られたのだろう!?お目にかかりたい!」


高機動装備のフォースシルエットに換装したインパルスがカオス達を追いかけていた。
アウル「クソッ・・・しつこい!」
スティング「あの新型・・・換装するのか!?やっかいだ・・・早く外に!」

攻撃で開いた穴から、アビス達が出て行った。
アウル「よし!!脱出だ!!」

シン「!!コロニーに穴が・・・!!くっそのアイツらっ!!」
レイ「待て!一度引くんだ、闇雲に出ても!待て!」

インパルスは穴から出て行き、ザクファントムもそれを追っていった。

アーサー「あっ・・・アイツら・・・!!何を勝手に・・・」
メイリン「二機のエネルギー、危険域です!」
アーサー「ぇえ!?」

タリア「・・・インパルスまで失うわけにはいきません。ミネルバ発進させます!」
「議長は早く下船を」
デュランダル「いや私も同行する」
タリア「は?」
デュランダル「残って報告を待っていられる状況ではない・・・!」


アナウンス「コンディション・レッド発令、パイロットはブリーフィングルームへ集合してください」
そのアナウンスは、ルナマリア達と『アレックス』にも聞こえた。
アスラン「!!?」
「何だと!?この艦は戦闘に出るのか!?」
カガリ「アスラン!」
「あ・・・っ」
ルナマリア「状況については私からお答えできません。とにかく医務室にご案内しますので」

アスラン(・・・・・)
カガリ(・・・・・・)

ルナマリア(・・・・・アスラン・・・?)


タリア「機関始動・・・ミネルバ発進する!」
「索敵急いで!」

オペレーター「インディゴ53、マーク22、ブラボーに不明艦1、距離150!」
デュランダル「それが母艦か・・!」

タリア「緒元をデータベースに登録、以降対象をビギーワンとする」
メイリン「同157マーク80アルファにインパルスとザク!戦闘中の模様です!」
タリア「・・・・・ボギーワンを討つ!インパルスとザクを呼び戻して!」

アスラン(始まった・・・)


インパルスがミネルバの格納庫に帰艦した。
ウィーノ「シン!大丈夫か?」
シン「ああ・・・何でいきなり帰還信号?」
ヨウラン「母艦を討つんだってあさ」
シン「・・・・・」
ヨウラン「おい」

シンは『アレックス』の乗ってきたザクウォーリアを見つけた。


オペレーター「ボギーワン、船体の一部を分離!!」
タリア「!!?撃ち方待て!!面舵10!!機関最大!!・・・・・・!!」

ボギーワンが切り離したタンクがミネルバに衝突し、爆発した。

メイリン「キャアア――――ッ」
アーサー「うわああっ」

ルナマリア「・・・な、何!?」
アスラン(被弾した!?大丈夫なのか!?)

シン「うっ・・・」

アーサー「敵艦の位置は!?」
オペレーター「待ってください・・・見つけました。レッド88、マーク6チャーリー、距離500」
タリア「逃げた・・・?やってくれるわね・・・こんな手で逃げようなんて・・・・!」
デュランダル「・・・・・・」



アスラン(進水式も待たずに出航したザフト軍の新造艦『ミネルバ』は三機のMSを奪った所属不明艦の追撃を決定し、更なる砲火へと船を向けようとしていた)

デュランダル「本当に・・・お詫びの言葉もない。アスハ代表までこのような事態に巻き込んでしまうとは・・・」
カガリ「あの部隊についてはまだ本当に何もわかっていないのか?」
デュランダル「ええ・・・・まあそうですね。艦隊などにもハッキリと何かを示すようなものは何も・・・」
「ですが、だからこそ我々は一刻も早くこの事態を収拾しなくてはならないのです。取り返しのつかないことになる前に」

カガリ「ああ・・・判っている。それは当然だ、議長。今は何であれ世界を刺激するようなことはあってはならないんだ・・・絶対に!!」
デュランダル「ありがとうございます。姫ならばそうおっしゃってくれると信じておりました。一刻も早く解決できるよう、我々も全力でことにあたりますので・・・」

アスラン(拳を握りしめるカガリの傍らで、俺は黙って立っていることしかできなかった。オーブでもそうだったように・・・)


シン「オーブのアスハが!?この艦に?」
ルナマリア「うん!私もびっくりだよ。こんなところで大戦の英雄に会うとはね!」
シン「・・・・・・」
ルナマリア「でも何?あのザクがどうかしたの?」
シン「あ、いや・・・・誰が乗ってたのかなって・・・・」
ルナマリア「操縦してたのは代表の護衛の人みたいよ。アレックスって名乗ってたけど・・・・」
「でも、アスランかも」
シン「え?」
ルナマリア「代表がそう呼んだのよ!とっさに・・・その人のこと『アスラン』って!ザフトの伝説のエース、アスラン・ザラ・・・今はオーブにいるらしいって噂でしょ?」
シン「アスラン・ザラ・・・」

(続く)

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最終更新:2020年04月13日 18:02