勇者ヨシヒコと魔王の城の最終回

ここは まおうビル(まおうのしろ)▼

魔王の秘書ゴードン「ガリアス様、ひとつご報告が」
魔王ガリアス「なんだ」
魔王の秘書ゴードン「何やら、ガリアス様を倒そうとこちらに向かっている一行がいるという情報が入りました」
魔王ガリアス「ふふふふ、それは面白い話だな…… 久しぶりにワクワクするよ。どれ、見せてもらおうか」
魔王の秘書ゴードン「はっ」

まおうのひしょゴードンは
パソコンを とりだした。▼

魔王ガリアス「ほほう。勇者はまだ子供じゃないか」
魔王の秘書ゴードン「しかし、魔王ガリアスを倒すための武器・装備をそろえているという情報もございます」
魔王ガリアス「ふっ、面白い。なんならこの城まで、丁重にエスコートしてやれ。この勇者の名は、なんというのだ?」
魔王の秘書ゴードン「ヨシヒコ。勇者ヨシヒコです」
魔王ガリアス「勇者…… ヨシヒコ……」

ヨシヒコたちは
まおうビルに やってきた。▼

ヨシヒコ「ここ…… ですかね」
ムラサキ「わかりやすすぎじゃね?」

ヨシヒコたちは
まおうビルのなかに はいった。▼

ヨシヒコ「すいません。こちら、魔王ビルですか」
受付嬢「はい、さようでございます」
ヨシヒコ「ここに魔王はいらっしゃいますか」
受付嬢「ガリアス様でございますか?」
ダンジョー「魔王の名は、ガリアスというのか」
ヨシヒコ「……はい。ガリアス様です」
受付嬢「おりますが、アポイントは取られていますか?」
ムラサキ「いるんかい」
メレブ「アポは取っていないよ」
受付嬢「そうですか。アポがございませんと、面会は難しいかと…… どのようなご用件ですか?」
ヨシヒコ「倒しに来たんですが」
メレブ「わーお、ヨシヒコ直接フリーキック」
受付嬢「倒しに、とおっしゃいますと……」
ヨシヒコ「こ…… 殺しに……」
受付嬢「はい、殺しにいらっしゃったということですね。少々お待ちくださいませ」
メレブ「淡々……」

うけつけじょうは
ないせんを かけはじめた。▼

受付嬢「はい、こちら受付でございます。ガリアス様にお客様がお見えになっております。あっ、お名前は?」
ヨシヒコ「勇者ヨシヒコです」
受付嬢「勇者ヨシヒコ様。はい、殺しにいらっしゃったということですが……」
ムラサキ「これで通してくれたら奇跡だな……」
受付嬢「わかりました…… はい、お待たせいたしました。ガリアスの部下・ゴードンという者がお迎えに参りますので、少々お待ちくださいませ」
ヨシヒコ「ありがとうございます」
ダンジョー「案外、早めに倒せそうだな」
メレブ「何か、きな臭い気もするのだが……」

まおうのひしょゴードンが あらわれた!▼

魔王の秘書ゴードン「あっ! 勇者ヨシヒコ様ですか」
ヨシヒコ「はい」
魔王の秘書ゴードン「どうも初めまして。魔王の秘書の、ゴードンと申します」
ヨシヒコ「よろしくお願いします」
魔王の秘書ゴードン「何か本日は、ガリアス様を殺しにいらっしゃったと……」
ヨシヒコ「はい。魔王を倒すのが、私の使命ですから」
魔王の秘書ゴードン「それではその前に、わたくしが相手になってもよろしいですか?」
ダンジョー「なんだと?」

まおうのひしょゴードンは
こちらが みがまえるまえに
おそいかかってきた!
まおうのひしょゴードンの てのひらから
はげしいほのおが ほとばしる!▼

メレブ「おい!! これ、やばいぞ!!」

つうこんの いちげき!
ヨシヒコは しんでしまった!
ダンジョーは しんでしまった!
メレブは しんでしまった!
ムラサキは にげだした!▼

ムラサキは
まおうぐんの ついげきを のがれ
なかまの かんおけを ひきずりながら
しぜんこうえんに みを かくした。▼

ムラサキ「魔王の城にも、月は出るんだな……」

ムラサキは
ヨシヒコの ことばを おもいだした。▼
「ムラサキ…… 私にはお前が必要なんだ」

ムラサキ「なんなんだよ…… なんで自分が死んでんだよ…… あたし1人で、どうしろっつんだよ……」

ムラサキは
なかまの かんおけに すがりついた。▼

ムラサキ「お願いだよ…… 生き返ってよ……」

なんと
メレブが とつぜん いきかえった!▼

ムラサキ「うわ!! なんだ!?」
メレブ「これは……? 生き返った? そんな感じ?」
ムラサキ「なんで!?」
メレブ「ははぁ…… 考えられることはただ1つ」
ムラサキ「何!?」
メレブ「教えてほしくば…… 『メレブさんのイカしたホクロに反して、わたくし、平ら胸で、サーセン』と言え」
ムラサキ「お前、生き返って早々うぜーな!! もっかいぶっ殺すぞ!?」
メレブ「言わないのかい」
ムラサキ「……メレブさんのイカしたホクロに反して、わたくし、平ら胸で、サーセン」
メレブ「サーセン」
ムラサキ「……サーセン」
メレブ「サーセン!」
ムラサキ「サーセン!」
メレブ「むね、たいらです!」
ムラサキ「むね、たいらです」
メレブ「よかろう。教えてやる…… から、その間、かわいいダンスを、するがいい」

ムラサキは
しぶしぶ かわいいダンスを おどった!▼

メレブ「笑って」

ムラサキは
しぶしぶ つくりわらいを してみせた!▼

ムラサキ「はい、もう早く言って」
メレブ「前に言っていた、お前が覚えたという呪文。あれは、生き返らせる呪文『ザオリク』だったと考える」
ムラサキ「ザオリク?」
メレブ「あの時、どんな呪文でも効くヨシヒコに何も起こらなかったろ。あれは……」
ムラサキ「ヨシヒコが生きてたから!」
メレブ「うむ、その通りだ。しかし、最初に覚える呪文がザオリクとは…… かなりのレアケース」
ムラサキ「じゃあ、そのザオリクでみんなを生き返らせよう!」
メレブ「うむ!」

ムラサキは ザオリクを となえた!
ダンジョーは いきかえった!▼

ムラサキ「やった! 次は、ヨシヒコ!」

ムラサキは ザオリクを となえた!▼

ムラサキ「やったー! ヨシヒコ生き返った!」
ヨシヒコ「よーし、手始めにムラサキのパンツを覗いてやっる~!」

ヨシヒコは
ちゅうとはんぱに いきかえった!▼

ダンジョー「いかん! ヨシヒコが中途半端に生き返った!」
メレブ「あっ、魂抜けたやつだ。アホな奴だ。ただのスケベな奴だ」
ムラサキ「おい、なんでだよ!?」
メレブ「魔法の力が不足したのだろう。ざ~んねん」

ヨシヒコは われにかえった!
われにかえった ヨシヒコは
いままで てにいれた
すべての どうぐを そうびした。▼

ダンジョー「何はともあれ、ヨシヒコが完全に戻ってよかった」
ムラサキ「これで、魔王を倒す装備を着けていけば勝てるわけでしょ? なんでこの間着けていかなかったんだよ」
ヨシヒコ「油断してしまった……」
メレブ「すべてを完全装備すれば、まさに無敵だな」
ヨシヒコ「そうですね」
仏「おいおいお前ら、勘違いすんなよ~~~~い」

ほとけが あらわれた!▼

ヨシヒコ「仏様!」
仏「お前たちがねぇ、集めてきたぁ、装備は、実はその魔王だけに効くものであって、あのめっちゃ強いゴードンという秘書には、効かないっす」
ヨシヒコ「なんですって!?」
ムラサキ「じゃあ、またあいつに全滅させられて終わりかよ!」
メレブ「ちょっ、苦労して集めた意味ねぇじゃねーかよ!」
ムラサキ「使えねぇ仏だな、ったくよぉ!」
仏「……ねぇごめんちょっと待って、えーと、なんでそんなによってたかってみんなによって、あの、キレられなければいけないの? 剣よ剣!」
ヨシヒコ「私にはいざないの剣があります」
仏「いやいや、それは決して殺生をしない平和の剣だ。しかし今回の戦いは、そうはいくまい」
ダンジョー「魔王の息の根を、止めねばならぬということだな」
仏「うむ。そのためには、より強い剣、『勇者の剣』が必要だ」
ヨシヒコ「その勇者の剣は、どこにあるのですか」
仏「その昔、お前と同じように魔王と戦った伝説の勇者がいた。彼は魔王との戦いには勝ったが、その優しさゆえに、命を奪うことができなかった。そのあと魔王は復活し、この街のどこかに彼を封じ込めたのだ…… うん、言えた。噛まずに」
ヨシヒコ「伝説の勇者……」


魔王ガリアス「ゴードン、監視モニターが奴らを見失ったぞ」
魔王の秘書ゴードン「何やら、また仏が余計なことをしたらしいですね」
魔王ガリアス「まさか、奴のところに行ったのでは……」
魔王の秘書ゴードン「そんなはずは…… 至急、探します」


ヨシヒコたちは ほとけに みちびかれ
まちの こりょうりやに やってきた。▼

ヨシヒコ「『小料理 ロト』…… ここか」
メレブ「うん、なんか、すごく勇者っぽい名前だな」
ダンジョー「入ってみるか」
ヨシヒコ「……はい」

ヨシヒコたちは
こりょうりやのなかに はいった。▼

店主「店、6時からだよ」

ヨシヒコは
てんしゅの かおを のぞきこんだ。▼

ヨシヒコ「ち、父上!?」
店主「え? なんつった?」

なんと てんしゅは
ヨシヒコのちち テルヒコに
うりふたつだった!▼

ヨシヒコ「父上、こんなところにおられたのですね。付き合ってらっしゃった女性はいかがされました? 連れ子の方は!?
店主「入ってくるなり、いきなりなんだよ! 俺、ずっと独り身だぜ?」
ダンジョー「ヨシヒコ、どうやらすごーく似てる人のようだ」
ヨシヒコ「えっ!? ……似すぎている……!!」
店主「ま、世界には何人かいるって言うからな、似た奴ってのは」
メレブ「時に、あなた様は伝説の勇者ですか?」
店主「……何を寝ぼけたこと言ってんの? 見ての通り、小料理屋の主人ですよ」
ムラサキ「小料理屋の主人は魔王に封印され身を隠すための仮の姿、本当は伝説の……」
店主「うるせぇな! 店、6時からだから、ね? 帰って。帰って」
ヨシヒコ「あなたが持つという、勇者の剣をいただきたいのですが。そして、魔王を倒したいのです」
店主「いや、だから…… 勇者でもなんでもないの。毎日、小料理を作る小料理屋。さぁ、仕込み始めるから、邪魔しないでくれ」

てんしゅは
ちゅうぼうに はいった。
てんしゅは
ヨシヒコと いろちがいの ぼうしを
そうびした。▼

メレブ「あっ! それ、勇者の被るやつ!」
店主「ははっ、違うよ。これ、俺の料理用だよ」
ダンジョー「とはいえ、勇者ヨシヒコのと似た感じだな」
店主「こんな帽子、誰でも被ってんだろ」

てんしゅは
さかなを とりだした。
てんしゅは
はがねのつるぎを そうびした。▼

メレブ「えっ?」
ムラサキ「だから勇者でしょ、あなた」
店主「違うっつってんだろ!」

てんしゅは
はがねのつるぎで さかなを さばきはじめた。
てんしゅは
あきらかに てまどっている。▼

メレブ「普通の包丁でやりましょうよ、あんだけ種類あるんですから」
ヨシヒコ「わざわざやりづらい剣で魚をさばくとは。やはり勇者だ」
店主「俺は、ずーっとこれでやってきてんだ!」
メレブ「にしてもさばききれてないでしょ、上からグリグリやってるだけですもの」
店主「さぁ、あぶるか。お前ら、これから魚あぶるから、火、気をつけろよ」

てんしゅは
ガスバーナーを そうびした。
てんしゅは いきなり
ガスバーナーから ほのおを はなった!
ヨシヒコたちは あとずさった!▼

メレブ「こっち向けないでくださいよ」

てんしゅは
てつのたてを そうびした。▼

ダンジョー「完全に勇者だ!!」
ヨシヒコ「勇者なんですね? あなたこそ、伝説の勇者様なんですね!?」
店主「もー、しつこいな~!! 違うっつってんだろ!! おい、シゲ! 仕込み手伝え!」
シゲ「はいよー!」

なんと みせのおくから
まものが すがたを あらわした!▼

ヨシヒコ「魔物使い……!!」
メレブ「100パー勇者だ。あなた勇者だ!」

てんしゅは かんねんした。▼

店主「……もう、隠し立てはできないようだな……」
メレブ「自らバレる流れを作ったとしか思えませんが……」
店主「確かに私は、かつての勇者・ロトスケ」
ヨシヒコ「ロトスケ……」
ダンジョー「あなたが、勇者の剣なるものを持ってると聞いたんだが」
ロトスケ「そうか。奥に入れ」

ヨシヒコたちは
みせのおくに とおされた。▼

ロトスケ「『はい、どうぞ』と差し上げたいところだが、通らねばならぬ関門がある」
ヨシヒコ「なんですか、それは」
ロトスケ「これから、7本の剣を見せる。お前が真の勇者なら、本物の勇者の剣を選べるはずだ。ただし、間違った剣に手を触れたとたん…… お前の体は、一瞬にして朽ち果てる! やめるなら、今のうちだぞ」
ヨシヒコ「……私は真の勇者です。必ずや、真の剣を選んでみせます」
ロトスケ「よくぞ申した。さぁ、選べ」

ロトスケは ヨシヒコに
ななほんの つるぎを みせた。
しかし そのうちの ろっぽんは
とうしんが さびつき
クモのすまで はっている。▼

メレブ「おっと、これは…… 選ぶまでもないような気が、しますけども……」
ロトスケ「まぁ…… 1本しか、メンテしてないもんだから……」
ムラサキ「さらにヒント出しちゃった感じになったぞ?」
ダンジョー「しかしこれは逆に、罠ってこともある。明らかにそれと見せかけ、サッビサビのやつが本物だったりとか……」
メレブ「そっか! ヨシヒコ、よく考えろ?」
ロトスケ「さぁ、選べ!」
メレブ「逆に、質素なやつが名器という……」

ヨシヒコは すこしも まよわずに
いちばん きれいな つるぎを
えらびとった。▼

ロトスケ「正解」
メレブ「引っ掛け、なかった! なかった……」
ムラサキ「子供レベルの関門だな」

ヨシヒコは
ゆうしゃのつるぎを てにいれた。▼

ロトスケ「待っていたぞ、勇者よ! 今度こそ魔王ガリアスの息の根を止めてくれ」
ヨシヒコ「はい!」
ロトスケ「奴の生命力は恐ろしいぞ。何しろ、もともと目の玉だけだった体をすべて復活させたバケモンだ」
メレブ「鬼太郎の親父みたいだな」
ロトスケ「えっ? 『きたろう』?」
メレブ「いや、そこ引っかかんなくていいですから。めんどくさくなりますから」
ロトスケ「あ、そう」

ロトスケの なかのひとは
ようかいの ほうの きたろうの
しゅだいかを うたった ことも
あった。▼

ロトスケ「ある日、宇宙より飛来し、体は砕け散ったが目玉だけは残った。奴は、不死身なのだ」
ムラサキ「じゃあ、勝てないってことじゃん……」
ロトスケ「しかし、命あるものは必ず死ぬ! 戦いの中で、それを見出すんだ」
ヨシヒコ「わかりました」

ヨシヒコは
ゆうしゃのつるぎを そうびした。
ヨシヒコたちは ふたたび
まおうビルに のりこんだ。
うけつけじょうは あわてて
ないせんを かけようとしたが
ダンジョーに とめられた。▼

ダンジョー「わかってると思うが、ゴードンを呼んでくれ」

まおうのひしょゴードンが あらわれた!▼

魔王の秘書ゴードン「これはこれは、生きてらっしゃったとは。何度も来られては、困りますね」

まおうのひしょゴードンの てのひらから
はげしいほのおが ほとばしる!
しかし ほのおは
ゆうしゃのつるぎに すいこまれた!▼

魔王の秘書ゴードン「そ、その剣は……! 貴様ら、やはり…… 伝説の勇者に……!!」
ヨシヒコ「その通りだ。これぞ魔王を窮地に追い込んだ勇者の剣…… 受けてみよ!」

ヨシヒコは いなずまぎりを はなった!
かいしんの いちげき!▼

魔王の秘書ゴードン「……魔王は進化した。そんな剣で、倒せると思うなよ……!」

まおうのひしょゴードンを やっつけた!
まおうビル さいじょうかいへ つづく
とびらが ひらいた!▼

ギガンテスが あらわれた!
ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!
つるぎから いなずまが ほとばしる!
ギガンテスを やっつけた!▼

オークキングが あらわれた!
ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!
つるぎから いなずまが ほとばしる!
オークキングを やっつけた!▼

くさったしたいたちが あらわれた!
ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!
つるぎから いなずまが ほとばしる!
くさったしたいAを やっつけた!
くさったしたいBを やっつけた!▼

まもののむれが あらわれた!
・・・
キメラを やっつけた!
マタンゴを やっつけた!
ドラキーマを やっつけた!▼

ヨシヒコは
いままで てにいれた
すべての どうぐを そうびした。▼

ここは まおうビル おくじょう▼

ヨシヒコ「魔王、出てこい! 私は勇者ヨシヒコ。世界の平和を取り戻すため、お前を倒しに来た!」

まおうガリアスが あらわれた!▼

魔王ガリアス「見ろ、この繫栄した都市を。私がここに城を築いた時は何もない平原だった。すべて…… すべて私が作ったのだ」
ヨシヒコ「お前が…… 魔王ガリアス!」
魔王ガリアス「ここでは皆、平和に暮らしている。あくまで私の支配下のもとでな。お前たちも街の人間たちと触れ合ったはずだ、彼らが何か不満を漏らしていたか? 彼らは幸せだ。お前たちと1つだけ違うのは、私の思いのままに動くチップが、内蔵されているかいないかだ」
ヨシヒコ「人間は自由だ。誰かの支配を受けて幸せなどありえない」
魔王ガリアス「私の支配を受ければ私に守られるのだ、何が悪い?」
ヨシヒコ「お前は…… お前は間違っている!」
魔王ガリアス「そう考える人間を、魔物と疫病で処理してきたまでだ。どうだ? 文明の遅れた外の世界など捨てて、私の街で暮らさないか」
ヨシヒコ「断る。私はお前を倒しに来たのだ!」
魔王ガリアス「そうか…… 残念だな」

まおうガリアスの ちからで
そらが あんうんに つつまれた!▼

ムラサキ「死んでもお前の使いっぱになんてなんねーからな!」
魔王ガリアス「じゃあお前は…… 死ねいっ!!」

まおうガリアスの ゆびから
ひかりの やが とびだす!
ムラサキは しんでしまった!▼

ヨシヒコ「ムラサキっ!!」
魔王ガリアス「ハハハハハ…… その女、どうも生き返りの呪文を持っているらしいからな。さっさと消させてもらったよ。これで、誰も生き返れないな。ハハハ、さぁ、どうする?」
ダンジョー「お前と戦うことを決めてから…… 生き返ろうなんて思ってはおらんよ」

ダンジョーの こうげき!
まおうガリアスは
ダンジョーの こうげきを うけとめ
うちやぶった!▼

ダンジョー「なんだとっ!?」
メレブ「ならば、俺の『メラチン×100(100連発)』を受けてみよ。1回ならご飯を温める程度…… だが、100回受けたら…… 灼熱地獄だ」

メレブは メラチンを となえた!
メレブは メラチンを となえた!
メレブは メラチンを となえた!
メレブは メラチンを となえた!
メレブは メラチンを となえた!
・・・
100かい かさねがけされた
メラチンは なんと
しゃくねつの ほのおと なって
まおうガリアスを おそう!▼

魔王ガリアス「うおぉぁっ!!」
ヨシヒコ「やった!」

しかし まおうガリアスは
まったく ダメージを うけない!▼

魔王ガリアス「そんな子供だましの呪文が効くと思われたら心外だなっ!!」

まおうガリアスの こうげき!
メレブは
かなりの ダメージを うけた!
ダンジョーは
かなりの ダメージを うけた!▼

ヨシヒコ「魔王! 私と戦え!!」
魔王ガリアス「ふふふふふ…… 仏に言われていろいろと揃えてきたらしいな。はっ!!」

まおうガリアスの こうげき!
しかし てんにょのはごろもの ちからで
ヨシヒコは ダメージを うけない!▼

魔王ガリアス「ほほう、『みかわしの羽衣』か…… ぬあっ!!」

まおうガリアスは
はげしく もえさかる ほのおを
なげつけてきた!
しかし けんじゃのよろいの ちからで
ほのおは かきけされた!▼

魔王ガリアス「なるほど…… はあぁーっ!!」

まおうガリアスは
いてつく れいきを はなった!
しかし ドラゴンのたては そのれいきを
うけつけない!▼

ヨシヒコ「無駄だ、魔王。お前の攻撃は私には通じない!」
魔王ガリアス「そのようだな。よくも集めたもんだ」
ヨシヒコ「覚悟しろ!」

ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!▼

魔王ガリアス「勇者の剣だな? 私の体を引き裂くことができる、唯一の剣だ!」
ヨシヒコ「魔王…… お前の支配はこれで終わりだ!」

ヨシヒコは いなずまぎりを はなった!
かいしんの いちげき!
まおうガリアスを やっつけた!▼

メレブ「やったぞ、ヨシヒコ……」
ダンジョー「勝ったんだな!」
ヨシヒコ「……はい!」

そのとき どこからともなく
らいめいが とどろいた!▼

ダンジョー「なんだとっ!?」
魔王ガリアス「私の本当の姿を、見せてやる!!」

まおうガリアスは
しょうたいを あらわした!
しん・まおうガリアスは
はげしい いなずまを よびよせた!
きしんのかぶとは くだけちった!
ドラゴンのたては くだけちった!
けんじゃのよろいは くだけちった!▼

ヨシヒコ「なんだと……!?」
メレブ「俺に…… 俺に任せろ」

メレブは チョヒャドを となえた!
メレブは チョヒャドを となえた!
メレブは チョヒャドを となえた!
メレブは チョヒャドを となえた!
メレブは チョヒャドを となえた!
・・・
しかし チョヒャドを 100かい
かさねがけするより さきに
しん・まおうガリアスは
はげしい いなずまを よびよせた!
メレブは しんでしまった!▼

ヨシヒコ「メレブさんっ!!」
ダンジョー「ヨシヒコ!! 勇者の剣で戦うんだ!!」
ヨシヒコ「はい!!」

ヨシヒコは ゆうしゃのつるぎを ふりかざした!
しん・まおうガリアスは
はげしい いなずまを よびよせた!
ヨシヒコは
かなりの ダメージを うけた!
しん・まおうガリアスは
はげしい いなずまを よびよせた!▼

ダンジョー「……っ! 危ないっ!!」

ダンジョーは みかたのまえに たちはだかり
てきからの こうげきを いっしんに うけとめた!▼

ヨシヒコ「……ダンジョーさん……」
ダンジョー「ヨシヒコ…… お前なら倒せる…… 絶対にあきらめっ……」

ダンジョーは しんでしまった!▼

ヨシヒコ「ダンジョーさんっ!!」

しん・まおうガリアスは
はげしい いなずまを よびよせた!
ヨシヒコは
ゆうしゃのつるぎで ふせごうとした!
しかし いなずまを うけた
ゆうしゃのつるぎは とけてしまった!
しん・まおうガリアスは
はげしい いなずまを よびよせた!
ヨシヒコは
かなりの ダメージを うけた!▼

ヨシヒコ「私は…… 私は…… 絶対に、お前を…… 倒す……」
真・魔王ガリアス「よく粘ったのは褒めてやる。しかし、次がとどめだ!!」

ヨシヒコは
ロトスケの ことばを おもいだした。▼
「もともと目の玉だけだった体をすべて復活させたバケモンだ」

ヨシヒコは
むてきのくつに ちゅうもくした!▼

ヨシヒコ「この靴…… もしや……!!」

ヨシヒコは むてきのくつを ぬいだ。
ヨシヒコは さいごのちからを ふりしぼり
むてきのくつを へんけいさせ
もういちど はきなおした。▼

ヨシヒコ「『無敵の靴』の意味が、ようやくわかったぞ……!!」

ヨシヒコは こしを ふかく おとし
みぎあしを ふりかぶった!▼

ヨシヒコ「行くぞ魔王…… 食らえぇ!!!」

ヨシヒコは
ようかいの ほうの きたろうの
ように むてきのくつを けとばした!
かいしんの いちげき!▼

真・魔王ガリアス「うぎゃああああーーーーっ!!!」
ヨシヒコ「貴様の心臓部は…… すべてを復活させた、その目だ!!」

しん・まおうガリアスを やっつけた!▼

ヨシヒコ「………」

ヨシヒコは いのちのゆびわを
どうぐとして つかってみた!
ムラサキは いきかえった!
ゆびわは おともなく くずれさった。▼

ムラサキ「ヨシヒコ……」
ヨシヒコ「ムラサキ…… 勝ったぞ。魔王を、倒したぞ……」

ムラサキは ヨシヒコを だきしめた。
そして ムラサキの ザオリクで
ダンジョーと メレブも いきかえった。▼

まおうガリアスは ほろびさり
せかいに へいわが もどった。▼

ダンジョー「それじゃ、俺はここで」
ヨシヒコ「ダンジョーさん……」
ダンジョー「俺は、もっともっと修行して、世界一の戦士になる」
メレブ「私も、魔法の修業ができるという西の大きな国に旅に発つ。人の役に立つ呪文を手に入れたい」
ヨシヒコ「メレブさん……」
ムラサキ「あたしは…… 故郷に帰らないと」
ヨシヒコ「私の首は持ち帰らなくていいのか?」
ムラサキ「冗談でしょ? ……家族が待ってる」
ヨシヒコ「ムラサキ……」
ダンジョー「お前はどうするんだ、ヨシヒコ」
ヨシヒコ「私は、この旅で通ってきた村々が平和になったかを見届けながら、故郷のカボイへ帰ります」
メレブ「そうか」
ヨシヒコ「きっと、皆、笑顔で過ごしていることでしょう」
ムラサキ「だといいな……」
メレブ「大丈夫だ。もう魔王はいないのだ」
ダンジョー「元気でな、みんな! 楽しかったぞ」

ダンジョーは さっていった。▼

メレブ「さらばじゃ…… うむ」

メレブは さっていった。▼

ムラサキ「……じゃあな。ヨシヒコ」
ヨシヒコ「……ああ」

ムラサキは さっていった。▼

ヨシヒコ「………」
ムラサキ「………」

ムラサキは もどってきた。▼

ムラサキ「いいのか、止めなくて! ほんとに行っちゃうぞ?」
ヨシヒコ「……またいつか」
ムラサキ「……ふん! バーカ、バーカ!」

ムラサキは こんどこそ さっていった。
ヨシヒコは きろの とちゅうで
のびきった ヒゲを そってから
カボイのむらに かえった。▼

村長「村の民よ、勇者ヨシヒコが帰ったぞ!!」
ヨシヒコ「ただいま戻りました」

ヒサが ヨシヒコを でむかえた。▼

ヒサ「兄様…… おかえりなさいませ」
ヨシヒコ「ヒサ……」

ヨシヒコと ヒサは だきあった。▼

ヨシヒコ(こうしてカボイの村に平和が戻った。魔王に操られし魔物たちも姿を消し、人々は再び平穏な暮らしを取り戻した…… しかし、この時私は知る由もなかった。新たな悪がこの世界に降り立とうとしていることを……)


ヨシヒコ(……と言ったら、映画になるかもしれないので、とりあえず言ってみた私だ)


えいがには なりませんでしたが
ヨシヒコたちの ぼうけんは
まだまだ つづきます。
だい2シーズン
「ゆうしゃヨシヒコと あくりょうのかぎ」
に すすみますか?▼
はい
いいえ

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最終更新:2022年12月06日 22:04