ヨシヒコたちは さきんじて あくりょうのかぎを てにいれた あんこくのかみ デスタークを たおし すべての あしき まものを ふういんするため まものたちが すむ 「うらせかい」へ とつにゅうした。▼ |
ダンジョー「さぁ、いよいよ殴り込みだ」
メレブ「……えっ、待って待って? これ、いきなり勝負? え? 偵察とかではない感じ?」
ムラサキ「それは状況次第だろ。デスタークって奴に出会ったら、戦うしかねーじゃん」
ヨシヒコ「その通りだ」
メレブ「待ってくれよ…… 俺は果たして、デスタークに対抗しうる呪文を手に入れただろうか……」
メレブ「……いける」
ムラサキ「え? どの呪文で『いける』と判断した?」
ヨシヒコ「行きましょう。そして再び世界に平和を取り戻すのです」
メレブ「では……」
メレブは へんげのつえを つかった。 ダンジョーの すがたが もみあげの めだつ スライムに へんかした。 ムラサキの すがたが かみかざりの ついた スライムに へんかした。 ヨシヒコの すがたが ぼうしを かぶった スライムに へんかした。 メレブの すがたが へんなホクロの スライムに へんかした。▼ |
ダンジョー「なるほど、これならバレない」
ヨシヒコ「行きましょう。私についてきてください」
ヨシヒコたちは なかにわに やってきた。 おおぜいの まもののむれが つどっている。▼ |
ヨシヒコ「なっ!?」
メレブ「なんだ、これは?」
ムラサキ「やばい…… これ、やばいよ」
メレブ「暗黒の神は、魔族をすべて掌握しているようだな」
ダンジョー「ふふふふ、身震いがするぜ。これだけの子分を引き連れる親分の顔を早く拝みたいもんだな」
ヨシヒコ「行きましょう」
ヨシヒコたちは デスタークを さがしはじめた。 スライム そっくりに すがたを かえている ヨシヒコたちは ほかの まものから まったく あやしまれていない。▼ |
メレブ「うむ、うむ、うむ…… 誰もこちらを見る者はいないな」
ヨシヒコ「外見は完全に魔物ですからね」
ヨシヒコたちは しろのなかへの いりぐちを みつけた!▼ |
ヨシヒコ「あれだ」
メレブ「うむ、間違いない」
魔物たち「皇帝! 皇帝! 皇帝! 皇帝!」
メレブ「もしや、ここがデスタークの部屋なのでは?」
ダンジョー「デスタークは自らを『皇帝』と名乗っているのか」
ヨシヒコ「皇帝だと……」
ダンジョー「あっ! 出てくるぞ、皇帝が」
メレブ「こんなにも早く、ボスの姿が拝めるとはな」
ヨシヒコ「皇帝、デスターク……」
魔物たち「うおぉーっ!!」
ヨシヒコ「や、奴が暗黒の神・デスタークか……」
皇帝「なんと喜ばしい限りだ…… 今日も歓喜の声がそこかしこから上がっている。我々魔族の力は、日に日に増しているようだな」
魔物たち「うおぉーっ!!」
皇帝「我々魔族は、人間たちが支配する表の世界を制圧しうる力を持った。いよいよ、この裏世界という不名誉な大地を飛び出し、表世界の覇者となろうぞ」
ヨシヒコ「そうはさせん!!」
メレブ「あっ、ヨシヒコ…… あら、もう言っちゃう?」
ムラサキ「何してんだよ~、もう少し様子見るとこでしょうよ!」
メレブ「言いたくなっちゃうのな、ついついな」
ムラサキ「空気読めよ、空気……」
ヨシヒコ「空気など読む必要はない!」
メレブ「うん…… 確かに、君が空気読んだとこ見たことないけど……」
ダンジョー「よいではないか。いずれ戦う相手だ」
皇帝「君たちは、新入りか?」
ヨシヒコ「違う! 私はお前を倒すためにやってきた勇者だ」
メレブ「うん、ヨシヒコ、うん…… そこまで言うなら、変装した意味ないな。変化の杖、必要なかったな」
皇帝「ほほう、変化の杖でな…… 人間の勇者がここまで来たことは褒めてやる。しかし…… 私もあまり優しくないのでな……」
こうていの ひとみが ぶきみな ひかりを はなちはじめた!▼ |
皇帝「消えてもらおうか」
こうていの ひとみから ほとばしる まりょくが はげしい ばくはつを おこす!▼ |
ヨシヒコ「………」
ヨシヒコは めをさました。 ダンジョー ムラサキ メレブは しんでしまっていた。 ヨシヒコは きょうかいの なかに いた。▼ |
神父「おお、死んでしまうとは情けない」
ヨシヒコ「……なぜだ。仏に言われた最強の装備を身に着けていながら……」
神父「何したいの? セーブ?」
ヨシヒコ「いえ……」
神父「呪いを解く?」
ヨシヒコ「いや、これを……」
神父「生き返らせる?」
ヨシヒコ「はい」
神父「となるとね、ダンジョーさんは、50000ゴールド。ムラサキさんは、10000ゴールド。メレブは…… 6ゴールドかかっちゃうけど」
ヨシヒコ「高い…… メレブさんしか生き返らすことができない」
神父「裏世界価格だからね」
ヨシヒコ「メレブさんと戦っても60000ゴールドなど、いつになることやら……」
神父「まけてほしいの?」
ヨシヒコ「……そうですね」
神父「わかった。じゃあタダでいいよ」
ヨシヒコ「なんだとっ!?」
神父「なぜならば、この教会は、今日で閉店。ということで、一斉処分市」
ヨシヒコ「なぜ……」
神父「なぜって、デスタークに消されるわけよ。だから、死んだら、二度と生き返れないよ。だから、簡単に死んじゃいけないよ」
ダンジョーは いきかえった! ムラサキは いきかえった! メレブは いきかえった!▼ |
ヨシヒコ「ありがとうございます、神父様」
ヨシヒコ「ああ…… だんだん、お姿が見えなくなってきている……」
メレブ「これも、デスタークの仕業なのか……」
神父「最後に、1つだけ言っておきたいことがある」
ヨシヒコ「はい!」
神父「歯磨きって、毎日しすぎると、知覚過敏になるよ」
しんぷは どうでもいい メッセージを のこして きえさった。▼ |
ヨシヒコ「さ、最後まで…… 最後までお聞かせください、神父様!!」
メレブ「……多分、聞かなくていい類のことと思われる」
ヨシヒコたちは ひとまず さくせんを かんがえはじめた。 ヨシヒコは オリハルコンのこてを そうびした。 ヨシヒコは オリハルコンのすねあてを そうびした。▼ |
メレブ「果たして、その装備は本当に無敵なのだろうか。あの仏のお告げによるものだけに、なんとも疑わしい……」
ムラサキ「おーい、仏! どうなってんだよ!」
ムラサキは てんに むかって よびかけた。 しかし なにも おこらなかった。▼ |
メレブ「……こうなったら、奥の手だ」
ダンジョー「奥の手?」
メレブ「ムラサキの『パルプンテ』で、何かしら突破口が開けるかもしれん」
ムラサキ「えー…… 何が起こるかわかんないのに?」
メレブ「わからないからいいのだ」
ヨシヒコ「ムラサキ、やってみろ」
+
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【オンエア時にカットされたシーン】 |
ムラサキ「それよりさヨシヒコ、新しい特技覚えたんだよ。見よ、必殺『アヒル口』!」
メレブ「お前、それ、だからさ、鼻の下ぐちゃぐちゃになってるよ? 大丈夫?」
ヨシヒコ「早くパルプンテを」
ムラサキの アヒルぐちは ヨシヒコには なんの こうかも なかった。▼ |
ムラサキ「……わかったよ。でも、なんかわかんないけど、あれやるとすげー疲れんだよね」
メレブ「だろうな。相当のMPを消費するはずだ」
ダンジョー「しかしな、何か必殺の武器が出てくるかもしれんぞ」
ムラサキ「マジで?」
ダンジョー「うんうん」
メレブ「とにかく、やってみるしかない」
|
ムラサキ「わかりました…… えいっ!」
ムラサキは パルプンテを となえた! ・・・ どこからともなく レベルが あがったときに ながれる おとが きこえてきた。▼ |
ヨシヒコ「……何か、どんどんレベルが上がっているような……」
ダンジョー「ああ…… ただ、俺は今ひとつ、力がみなぎってこん……」
ヨシヒコ「私もです…… どういうことだ?」
メレブ「これは……? 俺だけが! 一気に!! どんどんと!!! レベルが上がってるよ!!!! そうだよ、そうだよきっと!!!!!」
ムラサキ「意味ねぇじゃん!!」
ヨシヒコ「いや、意味はある。これでメレブさんにたくさん呪文を覚えてもらえる」
ダンジョー「そうか…… やったな!」
ヨシヒコ「でかしたぞ、ムラサキ」
ムラサキは ぜんぜん なっとく していない。 レベルが あがったときに ながれる おとが なりやんだ。▼ |
メレブ「どうやら…… 一気に、20レベルほど上がったようだ!!」
ヨシヒコ「すごい……!!」
ムラサキ「最強の攻撃呪文を手に入れたろ!?」
ダンジョー「生き返りも、自由自在だな!」
ヨシヒコ「メレブさん! 今覚えた呪文を、かけまくってください!!」
メレブ「よかろう!」
ヨシヒコ「すごいです…… しかし、もっとすごいのを見せてください」
メレブ「よかろう! どんどんかけるぞ」
メレブは なんらかの じゅもんを となえた! ヨシヒコが おなかを おさえて くるしみだした!▼ |
ヨシヒコ「……これは……」
メレブ「ヨシヒコ、今うんこしたいでしょ」
ヨシヒコ「はい……」
メレブ「『ダイベイン』! そういう呪文だよ?」
ヨシヒコ「魔物は、トイレに一目散ですね」
ムラサキ「早く解け、バカヤロー、
ダンカン、コノヤロー!」
メレブ「ヨシヒコ、うんこしたい? 大丈夫?」
ヨシヒコ「えぇ…… はい……」
メレブ「バカヤロー、コノヤロー!」
ムラサキ「バカヤロー、コノヤロー!」
メレブ「
らっきょ、らっきょ」
ムラサキ「らっきょ…… らっきょ」
メレブ「おいおいおい、
ヒガシ、お前はさ」
ヨシヒコ「メレブさん…… もう……」
メレブ「限界? ギリまでがんばれ。ギリ、ギリいけるよ? まだいける…… 危ない危ない、ヨシヒコ危ない、あっ、あっ、ヨシヒコ危ない。ねぇ、無表情になってきちゃった。無表情に…… よし、解いてやろう」
ムラサキの タケシズンが とけた! ムラサキは もとに もどった! ヨシヒコの ダイベインが とけた! ヨシヒコの べんいが おちついた!▼ |
ムラサキ「あのさぁ…… 今んとこ、全然使えない呪文ばっかだけど大丈夫?」
ダンジョー「ハハハ…… まあ、20レベルも上がったんだ。今までのはほんのお遊びだ、な?」
メレブ「その通りだ。いいことを言ったダンジョーに!」
ダンジョー「ワンッ! ……ワンッ?」
ダンジョーの こえが いぬの なきごえに かわった!▼ |
メレブ「味方1人の声を小型犬に変えて敵を威嚇する『イヌゴラム』だ!」
ダンジョー「ワンッ…… クゥーン……」
ムラサキ「ねぇ…… いつものおっさんの方が怖いよね……」
ダンジョーは ひょうじょうも どことなく よわよわしくなった!▼ |
メレブ「まぁ…… これもお遊びだと思え」
ダンジョーの イヌゴラムが とけた! ダンジョーの こえは もとに もどった!▼ |
ヨシヒコ「そろそろすごいのが出てきそうだ」
メレブ「ああ。期待せよ」
メレブは なんらかの じゅもんを となえた! メレブは なんらかの じゅもんを となえた! メレブは なんらかの じゅもんを となえた! ・・・ そうこうしている うちに よるに なった。▼ |
ムラサキ「おーい、次が最後ですかー?」
メレブ「ああ。自覚している最強の呪文が、次のやつだ」
ヨシヒコ「かけてください、メレブさん。お願いします」
メレブ「よかろう!」
ムラサキ「なんも起こんねーぞ?」
メレブ「ヨシヒコ、大きく息を吐いてみよ!」
ムラサキ「まさか……? ヨシヒコ、火ぃ吹くとか!?」
ダンジョー「おおっ、危ない! ちょっと離れよう」
メレブ「どうや?」
ヨシヒコ「……ミントの香りがします」
メレブ「『ケアブレス』…… そういう呪文だ」
ムラサキ「おい!! 20レベ上げて最強の呪文が息リフレッシュってどういうこった!!」
ダンジョー「期待した俺が馬鹿だった!」
メレブ「もっともっと期待してください、褒められて伸びる魔法使いです!」
ヨシヒコ「これで敵に接近しても大丈夫だ!」
メレブ「うむ…… 餃子を食べたら、まずこの呪文だよ?」
ヨシヒコ「無敵ですね……!!」
皇帝「こいつか、勇者の妹というのは」
ギガンテス「はい」
まものたちは ぜんかいの ラストシーンで とらえた ヒサを こうていの まえに つきだした!▼ |
皇帝「人質にとって、勇者をおびき出すか」
がいこつ「おびき出すも何も、奴はもう死にました」
皇帝「いや、仏の使いである以上、生き返るやもしれんぞ」
ギガンテス「何度生き返っても、皇帝の敵ではありません」
皇帝「ハハハハハハ…… そうだな。では…… 殺してしまえ」
ヒサ「やめて! やめてください!!」
皇帝「……やれ」
ヨシヒコ「……ヒサっ!」
ヨシヒコは ゆめを みていたようだ。 めをさました ヨシヒコは なぜか かいがんに いた。▼ |
ヨシヒコ「どこだ、ここは……」
ムラサキ「おーい、何やってんだよヨシヒコ! 早く遊ぼうぜ?」
ヨシヒコ「遊ぶ……?」
メレブ「気持ちいいぞヨシヒコ! ほら、あそこのスイカを割って、食そうぜ!」
ムラサキ「イェーイ!」
ムラサキと メレブは なぜか なつの よそおいを している。 あきらかに ようすが おかしい。▼ |
ヨシヒコ「皆さん、私たちにそんなことをしている余裕は……」
ダンジョー「ヨシヒコ! ここは、いい波が来るぜ」
ダンジョーが サーファースタイルで あらわれた。 あきらかに ようすが おかしい。▼ |
ヨシヒコ「ダンジョーさんまで……!? どうしたんですか、皆さん! 早くデスタークを倒さなくていいんですか!?」
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【オンエア時にカットされたシーン】 |
ムラサキ「誰だよ、デスタークって。ねぇねぇねぇ、見て見て! 『ヨシヒコスキ』って書いちゃった!」
ヨシヒコ「浮かれるな、ムラサキ!!」
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メレブは スイカわりに むちゅうで ヨシヒコの はなしを きいていない。 ・・・ なんと スイカに みえた ものは なぜか すなに うまっている ほとけ(4ごう)の あたまだった!▼ |
ヨシヒコ「メレブさん、それはスイカではありません!!」
メレブは スイカわりに むちゅうで ヨシヒコの はなしを きいていない。 ヨシヒコは メレブを おしのけた!▼ |
ヨシヒコ「仏っ!」
仏「……こんにちは。いやー、しかし、よくぞ気づいたぞヨシヒコよ」
ヨシヒコ「これは、一体どうなっているんですか!?」
仏「私は今、お前の頭の中にいる。今やデスタークは、お前の頭の中を占拠し、夢の楽園を見せつけることによって、戦う本能を失わせようとしている」
ヨシヒコ「デスタークは、人間の脳にまで侵入できるのか……」
仏「そのようだ。危ないところだった」
ヨシヒコ「しかし仏様、私は仏様のお告げによってそろえた最強の装備をもってして一撃で死にました」
仏「うん…… ごめんね。その装備を機能させるためには、もう1つアイテムが必要だ。それは『光のオーブ』。太陽よりも明るく光り輝くと言われるその玉は、なんと、暗黒の神デスタークの双子の兄弟が持つと言われる。陰と陽に分かれたその兄弟は、今まで常に均衡を保ってきたが、とうとう陽の光を持つ兄が敗れた。暗黒の裏世界のどこかに、今や悪魔と化した…… あー、弟…… 弟を…… えー、弟を倒すため、姿を隠しているはず。えー、その兄を、一刻も早く探し出し、光のオーブを手に入れるのだ。さすれば、弟のどんな悪の呪文も、光の力で跳ね返すことができるであろう」
ヨシヒコ「……わかりました。その兄様の名は?」
仏「光の子・シンポジオン」
ヨシヒコ「シンポジオン……」
仏「このような状態で、噛まずに言えた私を、褒め讃えよ」
ヨシヒコ「……ありがとうございます」
仏「ヨシヒコ、よく聞け。闇は常に、光を闇に葬ろうとする」
ほとけは うちあげはなびの ように そらたかく とんでいった。▼ |
ヨシヒコ「闇は、光を闇に……」
ヨシヒコは いまのことばを ふかく こころに きざみこんだ。▼ |
われにかえった ヨシヒコは シンポジオンを さがしだすため なかまたちと ともに うらせかいを かけまわった。▼ |
ムラサキ「なんでこんな暗いとこばっか歩くんだよ!」
ヨシヒコ「仏はおっしゃった、『闇は光を闇に隠す』と」
メレブ「暗黒の神をはねのけるための光の玉とは、クソ仏にしてはかなり信ぴょう性の高い話だ。がんばろう」
ダンジョー「しかし、こんな洞窟で強い敵に会ったら、ひとたまりもないぞ」
ムラサキ「おい、洞窟から一瞬で外に出れる呪文とかねーのかよ?」
メレブ「洞窟から、別の洞窟に行ける呪文ならあるぞ?」
ムラサキ「意味ねーし……」
メレブ「『マタカヨ』。そう名付けております」
メレブ「うむー、このあたりの暗闇という暗闇は見て回ったなー」
ムラサキ「ねぇ、考えすぎなんじゃねーの? この街すげー進歩してるしさ、そうそう暗闇なんて……」
ダンジョー「ヨシヒコを信じろ。ひと晩寝て、すぐ出発だ。な?」
メレブ「つか、この民宿大丈夫か? 夜中にまた追われたりしないか?」
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【オンエア時にカットされたシーン】 |
ムラサキ「お前が『ババアだから大丈夫だ』っつったんだろ」
メレブ「うむ」
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ヨシヒコ「早く見つけなくては。光のオーブを、早く……」
ダンジョー「焦るな、ヨシヒコ。運命は、勇者にたなびく! 探し物はきっとお前の前に現れる」
メレブ「そうだな…… よし、考えよう! 他に暗闇と言ったら、どこがある……?」
ムラサキ「暗闇ねぇ……」
とつぜん みんしゅくの おしいれの ふすまが ひとりでに ひらいた。▼ |
ヨシヒコ「………」
ダンジョー「………」
ムラサキ「………」
メレブ「………」
おしいれの なかには あやしい ろうじんが いた。 ろうじんは しずかに ふすまを しめた。▼ |
メレブ「……誰かいたよね?」
ムラサキ「いたと思うね……」
ダンジョー「……うん……」
メレブ「……開けてみる?」
ダンジョー「……うん、そうだな」
メレブは ふすまに てをかけた。 しかし あやしい ろうじんは うちがわから ふすまを しめた。▼ |
ムラサキ「いるな。これ明らかにいるな」
あやしい ろうじんが ふすまを あけた。 ろうじんは ヨシヒコたちと めが あった とたんに うちがわから ふすまを しめた。▼ |
メレブ「いるな。明らかにいるな」
ムラサキ「うん」
ダンジョー「うん」
ヨシヒコ「誰なんでしょうか」
メレブ「………!!」
ダンジョー「なんだよ」
メレブ「押し入れ…… 暗闇…… 光の神……」
ムラサキ「嘘だろ……」
ヨシヒコは ふすまごしに あやしい ろうじんに はなしかけた。▼ |
ヨシヒコ「もしかして、あなたは光の神・シンポジオン様でしょうか」
シンポジオン「……いかにも」
メレブ「いや……!!」
ダンジョー「おいおいおい……」
ムラサキ「嘘だろ、おい!? 洞窟だ鍾乳洞だ、散々探しまくって、結局押し入れ!?」
ヨシヒコ「光を閉ざすため、デスタークがあなた様をそこに?」
シンポジオン「その通りじゃ……」
メレブ「デスタークどうなのよ、押し入れってどうなのよデスターク…… え? 他に冒険もの的な、秘境みたいな、考えられなかったかね……」
ヨシヒコ「シンポジオン様。デスタークを倒すため、あなたの『光のオーブ』が欲しいのですが」
シンポジオン「それはできん! 今では悪の化身となったデスタークだが、弟は弟。以前は、本当に善い弟だった…… そんな弟を殺すためには……」
ヨシヒコ「殺しはしません! デスタークを操る悪を消し去るだけです」
シンポジオン「そんなことができるわけがない!」
ヨシヒコ「できます! 私を信じてください」
シンポジオン「嫌!」
ヨシヒコ「お願いします!」
メレブ「とりあえず一回出てきましょうかね」
シンポジオン「やめろってば!」
メレブ「何がだよ!? 一回出てきたらお話ししましょうよ!」
シンポジオン「嫌だってば!」
メレブ「何が?」
シンポジオン「嫌!」
シンポジオンは なぜか じぶんで ふすまを あけしめ しはじめた。▼ |
メレブ「いや、開け…… 自分で開けてんじゃないですか! 出てきなさいよ、だから、そしたら!」
メレブは むりやり シンポジオンを ひきずりだそうと した。 シンポジオンは いうことを きかない。 シンポジオンは おしいれの なかに とじこもった。▼ |
メレブ「もう見えてるじゃん、お互い顔が! 目ぇ見てしゃべりましょうよって!」
シンポジオンは おしいれの なかに とじこもったまま かたりだした。▼ |
シンポジオン「よいか! 私とデスタークとは表裏一体、奴の苦しみは……」
シンポジオン「やめろって、お願いだから! ギャグやんなくちゃいけなくなるでしょ…… 痛っ」
シンポジオンは ふすまを しめようとして かおを ふすまに はさんだ。 シンポジオンは またも おしいれに とじこもった。▼ |
メレブ「自分発信じゃない、全部!」
シンポジオンは なにごとも なかったかのように はなしを すすめた。▼ |
シンポジオン「奴の苦しみは私の苦しみ。この世界が魔族のものになるなら、なればいい!」
ヨシヒコ「いけません! それによって、表世界に生きる大勢の人間たちが苦しんでいるんです。私は、その人間たちを救わなければならないのです」
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【オンエア時にカットされたシーン】 |
シンポジオン「ほほう、まるで勇者のようなことを言うな」
ヨシヒコ「勇者なのです。私は勇者なのです!」
ダンジョー「かつて魔王の手から世界を救った、伝説の勇者・ヨシヒコだ!」
シンポジオン「ほほう? ヨシヒコなら知っておるぞ」
ムラサキ「だったら信じてよ!」
シンポジオン「いいや、その姿を見せぬ限り、信じるわけにはいかん!」
メレブ「あなたが隠れて出てこないからでしょ!?」
ムラサキ「見たきゃ出てこいよ!」
メレブ「何、もう…… 引きこもりのおじいちゃんじゃん……」
シンポジオン「……あっ」
シンポジオン「本物の、勇者ヨシヒコだ……」
ダンジョー「確認したな? ではさっそく、光のオーブを渡してくれ」
シンポジオン「そう簡単にはいかんのよ」
シンポジオンは またまた おしいれに とじこもった。▼ |
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ヨシヒコは ついに しびれを きらした! ヨシヒコは はんたいがわの ふすまを いきおいよく あけてみた!▼ |
シンポジオン「あいてっ、いて……」
ダンジョー「ヨシヒコ、かまわん、行け!」
ヨシヒコ「すいません、シンポジオン様」
ヨシヒコは おしいれの なかに もぐりこんだ! シンポジオンは とうとう おしいれから ひきずりだされた!▼ |
ヨシヒコ「お願いします」
シンポジオン「私とて、光の玉は2つしか持っていない。この2つは、私にとっても大切な玉なのだ。そう簡単に、そうやすやすと、渡すわけにはいかん」
ヨシヒコ「光の神ならば人々の幸せを望むはずです!」
シンポジオン「わかっておる! そなたが真の勇者なら、私がどこに光の玉を隠し持っておるのか、すぐにわかるはずだ。もしそれが言い当て……」
ヨシヒコは シンポジオンの しょうぞくの またしたに すばやく うでを つっこんだ!▼ |
シンポジオン「はうっ!!」
ヨシヒコ「ぬぬぬ、ぬあああああああーーーーっ!!!」
ヨシヒコは シンポジオンの こかんから ひかりのオーブを もぎとった!▼ |
ヨシヒコ「これが光のオーブか」
ヨシヒコ「もう1ついただきます」
シンポジオン「え、2つも? うわーっ!!」
メレブ「アリなんじゃん、これはこれでアリって顔してんじゃないか」
ヨシヒコは シンポジオンの こかんから もうひとつの ひかりのオーブも もぎとった! シンポジオンは こころなしか うれしそうだ。▼ |
ヨシヒコ「ムラサキ、持っていてくれ」
ヨシヒコは け まみれの ひかりのオーブを てわたした。▼ |
ムラサキ「やだよ、汚ねぇな!! 最悪!!」
シンポジオン「ちょっと待て! 私の玉が汚いだと? 無礼なことを言うな!」
ムラサキ「逆にきれいなわけねーだろ!?」
シンポジオン「行け、勇者! 私の弟・デスタークを、悪の手から救ってください!」
ヨシヒコ「わかりました」
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【オンエア時にカットされたシーン】 |
ムラサキ「また死んだら、二度と生き返れないんだよね?」
ヨシヒコ「元より死んでいた身…… 魔物を封印するため、仏から再びいただいた命だ」
ダンジョー「そりゃそうだ」
メレブ「うむ、確かに。この戦いを生きて終えることなど考えてはいけないのだ」
ダンジョー「目指すは、暗黒の神・デスターク」
ヨシヒコ「そこに悪霊の鍵があります。行きましょう」
メレブ「よし」
メレブは へんげのつえを つかった。 ダンジョーの すがたが もみあげの めだつ スライムに へんかした。 ムラサキの すがたが かみかざりの ついた スライムに へんかした。 ヨシヒコの すがたが ぼうしを かぶった スライムに へんかした。 メレブの すがたが へんなホクロの スライムに へんかした。▼ |
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ヨシヒコたちは ふたたび スライムに すがたを かえて デスタークのしろへ のりこんだ!▼ |
ダンジョー「デスタークの居場所はわかっている。速攻で勝負だ!」
ヨシヒコ「わかりました!」
皇帝「………」
ヨシヒコ「出たな、デスターク!」
皇帝「ほほう、予想通り生き返ってきたか」
ムラサキ「やばいよ、バレてんじゃん!」
メレブ「奴に変化の杖は効かぬようだな」
こうていの ひとみが ぶきみな ひかりを はなちはじめた! ヨシヒコたちの へんげが とけた!▼ |
皇帝「やはり人間だったか」
ヨシヒコ「デスターク、悪霊の鍵を渡せ」
皇帝「何か勘違いしているようだな。私は悪霊の鍵など持っていない」
ムラサキ「この期に及んでシラ切る気かよ。こちとらお前に勝てる装備は万端なんだからな?」
皇帝「ほほう、面白いことを言うな。では試させてもらおう」
こうていの こうげき! しかし こうていの こうげきは ひかりのオーブに かきけされた!▼ |
皇帝「なぜだ…… 貴様、なぜ光のオーブを……」
ヨシヒコ「光の神が私に託したのだ、お前をまっとうな神に戻すためにな」
皇帝「ほほう…… これでも私を斬れるかな?」
まものたちが ヨシヒコのまえに ヒサを つれてきた!▼ |
ヨシヒコ「ヒサ!?」
ヒサ「すみません、兄様……」
皇帝「ふふふふ…… 生かしておいて正解だったよ、やはりお前の妹か」
ヨシヒコ「なんということだ……」
皇帝「妹を大事に思うのなら、光のオーブをこちらに差し出せ」
ムラサキ「ヨシヒコ……」
ダンジョー「……まぁ、仕方なかろう。差し出せ、ヨシヒコ」
メレブ「妹のためだ」
ヨシヒコ「……皆さん……」
なんと ヨシヒコは こうていに ひかりのオーブを ふたつとも さしだした!▼ |
メレブ「バカ、2つあるから許したのに! バカ……」
ヨシヒコ「……あっ…… そうですね……」
ヨシヒコは そしらぬかおで ひかりのオーブを ひとつだけ さしだした!▼ |
皇帝「ほう、光のオーブは2つあるのか」
ムラサキ「ヨシヒコ…… 死ねよ、お前よぉ!」
ヨシヒコ「いや、1つしかない!!」
メレブ「お前、バカ…… もう好き。モロバレだから」
こうていの ひとみが ぶきみな ひかりを はなちはじめた! ひかりのオーブは ふたつとも こうていの てもとに とんでいった!▼ |
皇帝「ふふふふ、涙ぐましい兄妹愛だな。では、救った妹の前で死ぬのもまた一興」
ムラサキ「待てよ! お前にも兄ちゃんいんだろ? 素晴らしい兄ちゃんだったぞ。妹のために命なげうったヨシヒコを見てなんとも思わねーのかよ!?」
皇帝「何を言ってるのかな? 私に兄などいない」
ダンジョー「その存在まで忘れるほど、腐ったか!」
皇帝「どれだけ言われても兄などいないのだ。死ねいっ!!」
ヨシヒコたちは みがまえた! しかし とつぜん こうていの すがたが ペンギンに へんかした!▼ |
メレブ「……どうした?」
皇帝「ん……? これは……?」
メレブ「どうした? 何かを思い出してる様子だが……?」
皇帝「あなたは…… ヨシヒコ様……」
ヨシヒコ「何……?」
皇帝「ヨシヒコ様ですね? 私です! アイシスの格闘場で、あなたに助けていただいたペンギンです!」
ヨシヒコ「なんだとっ!?」
ヨシヒコは ペンギンと すごした ひびを おもいだした!▼ |
メレブ「あっ…… 思い出したけど、こんなことはしてなかったと思うよ」
ムラサキ「あ、だから『
コウテイ』って呼ばれてたんだね」
ヨシヒコ「それでは、お前はデスタークでは……」
皇帝(ペンギン)「私の体は魔物に操られ、強大な力を持ったのでしょう。デスタークは奥にいます」
ムラサキ「え? ちょっ…… お前じゃねーの? ってことはもっと強いってこと?」
皇帝(ペンギン)「遥かに……」
メレブ「げんなり」
皇帝(ペンギン)「私の言うとおりにしていただいてよろしいですか」
ヨシヒコ「ああ……」
皇帝(ペンギン)「……その女を城の外に放り出せ! もう用はない。私はこいつらを、デスターク様にいけにえとして差し出す」
まものたちは ヒサを しろのそとへ つれていった。▼ |
ヒサ「兄様!! 兄様っ!!」
ヨシヒコ「………」
皇帝(ペンギン)「……さぁ、こちらへ。共に戦いましょう」
皇帝(ペンギン)「デスターク様の悪霊の鍵を狙う不届き者を、連れてまいりました」
デスターク「ご苦労だった。生まれ出でるかわいい子供たちの餌にちょうどいい」
ダンジョー「どうやらあれが、魔物たちを封印する棺のようだな」
皇帝(ペンギン)「そうです。あれを閉じれば、すべての魔物が封印できます」
ヨシヒコ「私たちは魔物の餌になるために来たのではない。貴様たちを永遠に封印するためにやってきたのだ。悪霊の鍵を渡せ」
デスターク「……どうした、皇帝よ。なぜこんな奴らを連れてきた? さっさと殺すのだ」
皇帝(ペンギン)「……死ぬのはあなたです、デスターク様!」
こうていの こうげき! しかし デスタークには きかなかった!▼ |
デスターク「ほほう…… 恩を仇で返すとはこのことだぞ、皇帝よ!!」
デスタークの こうげき! こうていは かなりの ダメージを うけた!▼ |
ヨシヒコ「なんだとっ!?」
デスターク「さぁ…… 勇者の魂とはごちそうだな。ゆっくりと料理してやろう」
デスタークは あやしいひかりを はなった! ダンジョーを ねむらせた! ムラサキを ねむらせた! メレブを ねむらせた!▼ |
ヨシヒコ「何をした!?」
デスターク「彼らは今、楽園にいる。目覚める頃には私への敵対心などすっかり消えて、私の忠実な家来になるだろう」
ヨシヒコ「何っ!?」
ムラサキは ねむっている。 ・・・ ムラサキは ゆめのなかで アイドルとして チヤホヤされていた。▼ |
ダンジョーは ねむっている。 ・・・ ダンジョーは ゆめのなかで ぼくじょうぬしとして テレビに でていた。▼ |
メレブは ねむっている。 ・・・ メレブは ゆめのなかで じだらくな せいかつを していた。▼ |
ヨシヒコ「皆さん、目を覚ましてください! 皆さん!!」
デスターク「勇者よ、私は魔王ガリアスほど甘くないぞ!」
デスタークの こうげき! しかし デスタークの こうげきは ひかりのオーブに かきけされた!▼ |
デスターク「そうか、兄に会ったのか。仏の仕業だな」
デスタークは いてつく れいきを はなった! しかし デスタークの こうげきは ひかりのオーブに すいこまれた!▼ |
ヨシヒコ「お前の兄上は、お前が元のまっとうな神に戻ることを望んだ。魔物の悪の力は、弟を想う愛と正義の力には勝てん!!」
デスターク「ハハハハハハ…… その考えが甘いと言っているのだ!! 人間の歴史を見てもそうだろう。いつの時代も悪の力だけが、進化を遂げるのだ!!」
デスタークは はげしく もえさかる ほのおを なげつけてきた! デスタークの こうげきを うけとめた ひかりのオーブは くだけちった!▼ |
ヨシヒコ「何っ!?」
デスターク「私には兄への想いなどひとかけらも存在しない。私にあるのは、この世界を魔族のものにするという欲望だけだ!!」
デスタークは じゃあくな まりょくを ためはじめた! ムラサキは めをさました!▼ |
デスターク「死ねーーーーっ!!!」
ムラサキ「えいっ!!」
ムラサキは パルプンテを となえた! ・・・ そらから いなずまが ふりそそいだ!▼ |
デスターク「ぐわああああーーーーっ!!!」
ヨシヒコ「パルプンテか……」
ダンジョーは めをさました! メレブは めをさました!▼ |
ダンジョー「俺は、何を……」
ヨシヒコ「デスタークが頭の中に侵入していたのです」
メレブ「なんだと!? ……そういえば、ずいぶんと幸せを味わった気がするが」
ダンジョー「奴は、奴はどこに!?」
ヨシヒコ「ムラサキのパルプンテで……」
メレブ「姿が見えないのが、若干不気味だが……」
しかし どこからともなく おぞましいこえが きこえる・・・。▼ |
デスターク「グオオオオオオッ!!!」
デスタークは おおきな かいぶつに すがたを かえた!▼ |
メレブ「デスタークは第2形態を持っていたか!」
デスターク「私の邪魔をする者は、1人たりとも生かしてはおけん!!」
じごくのいかずちが あたりを なぎはらう! しかし デスタークの こうげきは ひかりのオーブに すいこまれた!▼ |
ムラサキ「ふざけんなっ!!」
メレブ「何も起こらなかったな」
ムラサキの パルプンテで メレブの かみがたが かわった。▼ |
ムラサキ「なんでお前が若干イケメンになってんだよ」
ムラサキは パルプンテを となえた! ・・・ メレブの かみがたが もとに もどった。▼ |
ダンジョー「戦士ダンジョーの一撃、受けてみろっ!!」
ダンジョーの こうげき! デスタークは びくともしない!▼ |
ダンジョー「くそっ……」
皇帝(ペンギン)「奴の弱点は、あの中心の赤い点です。あれが、デスタークに取り憑いた魔物なのです…… ヨシヒコ様、私の背中に乗ってください。私と一緒に、あの中心めがけて、飛び込むのです!!」
ムラサキ「そんなことしたら、ヨシヒコも死ぬだろ……」
皇帝(ペンギン)「もちろん…… 命と引き換えです」
ヨシヒコ「この光のオーブが持ちこたえられるのも時間の問題だ。私はこの命など惜しくはない…… 連れて行ってくれ」
皇帝(ペンギン)「その剣で、確実にあの点を刺し貫いてください」
ヨシヒコ「わかった」
ムラサキ「やだよ…… ヨシヒコ死ぬなんてやだよ!」
ヨシヒコ「言ったはずだ。元より絶えていた命、天の仏に戻すまでのこと」
メレブ「ヨシヒコ、お前という奴は……」
ヨシヒコ「ムラサキ、あの棺をしっかりと封印するんだぞ。二度と魔物たちがよみがえることのないように」
ムラサキ「……わかったよ」
ヨシヒコ「生き返ることができて、再び皆さんと旅ができたこと、とても幸せでした…… しかし、二度と私たちがよみがえる必要のない、平和な世界にしてください」
メレブは ヨシヒコの ふくの ズレを なおしてあげた。▼ |
メレブ「任せておけ」
ヨシヒコ「お願いします…… では」
ヨシヒコ「うおおおおおおおーーーーーーっ!!!」
ヨシヒコは いざないのつるぎを デスタークの きゅうしょに つきたてた!▼ |
デスターク「ぐわああああーーーーっ!!!」
デスタークを やっつけた! ヨシヒコと こうていは デスタークに とりついた まものと ともに きえさった。▼ |
デスターク「………」
メレブ「デスタークの素顔は、こんなにも優しいのか」
ダンジョー「ムラサキ…… 鍵を」
ムラサキは ふういんのひつぎを とじた。 せかいじゅうの あしき まものが ふういんのひつぎに すいこまれた。 ムラサキは ふういんのひつぎの かぎを かけた。▼ |
ムラサキ「ヨシヒコ…… 悪霊の鍵、今かけたぞ」
ヒサ「兄様? ……勝ったのですね、兄様!」
うらせかいも きえさり せかいに へいわが もどった。▼ |
ダンジョー「なぁみんな、俺たちは戦うためによみがえった…… そして、戦いは終わった…… ヨシヒコと一緒に、天国に連れて行ってもらわないか」
メレブ「私もね、そう言おうと思っていたよ」
ムラサキ「賛成。生きてても、知り合いいねーし」
ダンジョー「決まりだな。一緒に、天国に行こうぜ」
メレブ「うむ…… 仏ー!」
メレブは てんに むかって よびかけた。 ほとけが あらわれた!▼ |
仏「何、どうした? 戦いは終わった?」
メレブ「うん。終わったからさ…… ほら、俺たちもともと死んでたわけじゃん? だからさ、また天国に行きたいんだけど」
仏「ああ、いいじゃん。お安い御用。じゃあね、行くよ…… のののの~~~~ん!!」
仏「……はい、もう、あの、みんな天国に行けるから。ごめん、ちょっと今さ、ちょっと大掃除中なの。ね? だからもう、ちょっと忙しいから、もう行くね。じゃあ……」
メレブ「……じゃあな、おっさん、平ら胸」
ダンジョー「お疲れ」
ムラサキ「じゃ」
そのとき てんから ふしぎな ひかりが さしてきた!▼ |
ヨシヒコ「……どういうことだ、これは」
メレブ「またも、仏がうっかりしたと思われる」
ムラサキ「……どうしようもねぇ仏だな!」
ダンジョー「さーて…… どこへ行こうか」
ヨシヒコ「……わかりません」
メレブは てきとうな ほうこうを さししめした。 ヨシヒコたちは とりあえず あるきだした。▼ |
ヨシヒコ(こうして、世界中に放たれた魔物たちは再び封印された。しかし、この1ヶ月後、宇宙からの生物が地球を侵略し始めようとは、誰も知る由もなかった……)
ヨシヒコ(……と言っておくと、今度こそ映画になるかもしれないので、とりあえず言ってみた私だ)
にど ある ことは さんど ある。 ますます きけんな りょういきに とつにゅうする だい3シーズン 「ゆうしゃヨシヒコと みちびかれし しちにん」 に すすみますか?▼ |
→はい →いいえ |
最終更新:2023年11月09日 22:54