妖刀仙烕

『終焉の象徴』
魔王候補の一人、魔将ノブナガが佩刀する悍ましいほどの邪気を纏った大太刀
ノブナガの振るう刀としては『圧し斬り覇世統』が知られていたが、ここ数年になってこれを携える姿が目撃されるようになった。
圧し斬り覇世統が特殊な能力や属性を持たない純然なる『刃』であるならば、此方は瘴気に満ち溢れ、あらゆるモノを闇で蝕み滅する“魔王”が振るうにふさわしき妖刀。

使用者の魔力や斬り殺した相手の魂を吸収し、周囲に死者の魂や魔力が漂っていればそれすら吸い取り力の糧とする。
幾千、幾万という夥しい数の敵を屍に変えてはその魂を取り込み続け、刀身に取り込まれた膨大な怨霊の怨嗟が凄まじい邪気として放たれている。

堕天白金の刀身は腰反り両刃造り大鋒、重ねはとても厚く元幅と鋒で殆んど変わらず刃紋は重花丁子。
鞘には黒紫色の竜皮が鞣され、その上から無数の骨の手が縋り付き握り締めるかのような装飾がされる。
一方で鍔と柄の造形は大慶帝国における剣のソレに近い。
黒銀色の菱形の鍔には黒い稲妻のような鋭角的な装飾があり、中央には紅い眼球を思わせる宝珠が埋め込まれている。
柄には赤黒い竜皮が巻かれ、そこにも黒い稲妻の意匠が施されている。


その実態は、妖刀魔鏖の“兄弟刀”であり、数百年前に劣勢となっていたヨモツマガツチノミコトにノブナガが声をかけ、支援の条件として打たせた物。
後に妖刀魔鏖光道に奪われはしたものの、完成した仙烕は約束通りノブナガに差し出された。

対となる魔鏖がオールスローターへと昇華したと同様、もう一振りの妖刀たる此方も神器への進化の可能性を秘めていると云う。


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最終更新:2022年10月31日 18:14