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【スター】オリジナルスタンドSSスレ【ゲイザー】第二十七話

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orisuta

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氷室「そんな・・・!お前ッ!!


―ガシガシッ・・!!


それは、氷室の両腕を掴んだ。


そして・・・


―ガブウゥウッ!!


氷室「ウォオオアァアァッ!?


それは、氷室の首もとに噛みついた。


―グジッ・・グチ


氷室「ぐぁあああああッ!!(引き・・剥がせねぇ!)
離・・せ!
幸田ぁッ!!


幸田「UUUURRR・・・!


―ゴガンィッ!!


横からE・Uが幸田を殴り飛ばし、その体は氷室から引き剥がされる。


ドドドドドドドド・・・

准一「はぁ・・はぁ・・・!
てめえッ!寝ぼけてんじゃねえぞ!!
生きてるなら最初から・・・・

ッ!?


―ノソ・・

ゆっくりと起きあがる幸田を見て愕然とする准一・・・

幸田の首は、あらぬ方向へ曲がっていた。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


氷室「ぐっ・・ソイツは・・もう!
屍生人・・だッ!!

准一「そんな・・!

―ズッ・・・


幸田はゆっくりと、
体に刺さったナイフを抜き取る。
このナイフは、先ほど悠の命を奪った雨の際に幸田に突き刺さったものである・・・

それを、投擲の構えから、投げた。


―ビュオッ!!


准一「うぉ!?

―ガキィッ!


寸でのところでE・Uは、そのナイフを弾き飛ばす。


准一「ちくしょう・・!
完全に敵になっちまったのかよ!?

氷室「・・だろうな。


ドドドドドドド・・・


遥「・・てめえ・・


乱堂「ん~・・・最低だとでも言いたげだな?
だが考えてもみろ・・・お前達はよってたかって一人の僕を倒そうとしているぞ?
味方が一人や二人いたって良いだろう?
完全なる世界を創り出そうとしている僕の邪魔をする奴ら・・・後世の人類は卑劣漢として君達を認識するだろうな。
尤も、覚えていればの話だがな。
・・・ところで、もう一つ手頃な駒が欲しいと思うんだが。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
 
 
 




遥「そんな事は・・させないッ!!
ォオオッ!ラアァ!!


―ゴアッ!


S・Gが乱堂へと殴りかかる。


乱堂「フフッ!全く・・・単純すぎる。
安い挑発に乗って、大振りで打ち込んでくると思ったよ。


―バチィッ!


片手で軽く拳を跳ね上げられ、顔面が完全に無防備になる。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


乱堂「頼みのママも使えない・・・
血のナイフも既に見切った・・・

三度目の正直って奴だ。
祈りは済んだか?


アクセンスターッ!!


晶「遥ぁーッ!!




―シュピピッ・・・


乱堂「ぬッ!?


遥の脇から何かすばしっこい物体が飛び出したかと思うと、乱堂の頭上を掠めて後ろへと着地する。


―・・ット。



―パッカァアア・・ッ!

その軽い着地音と同時に、乱堂の片目・・眼球が半分に割れる。


乱堂「くあッ!?

反射的にその目を押さえる乱堂の隙を突き、晶は遥を抱えて林の中へと消えていく!!




ドドドドドドドド・・・


乱堂「・・・何かと思えば。畜生か。


乱堂が手を離すと、割れた眼球はすっかり元通りになっていた。


「・・・(その畜生にも劣る、地獄の亡者めが。)

明菜「ヒ・・ヒゲッ!!?


御園「意外な援軍だな・・・。
だが、これで2対1だ。
やるぞ、メタル・ジャスティス・・。


乱堂「クク・・魚がないとスタンドが出せない猫と、金属を溶かすしか出来ないお前で・・?
2対1だと?


ま・・・どちらにしろ、お前等は生かしておかない。
2度ならず3度も邪魔されて、怒らない方が不思議だろ?


アクセンスター・・・!


御園「行くぞ、猫。

ヒゲ「(吾が輩は猫であるが、ヒゲと言う名前がある。
名前で呼べ・・人間ッ!)



ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
 
 
 




幸田「UUUUUU・・・


氷室「くッ・・そ!
R・H!!


―ッゴオ!

口元から鮮血を滴らせる幸田へと、R・Hが殴りかかる!!



幸田「UUURRRRyyyーッ!!




―バッギャアアアンッ!!


氷室「んなッ!?


氷室の拳は、いとも簡単に弾かれる。


准一「ス・・スタンドを使えるのか!?


ドドドドドドドド・・・・


幸田「・・・ドロップキック・マーフィーズ・・ッ!!


幸田の傍らに現れる三体の小人・・・以前のような可愛らしさはすっかり消え失せ、凶悪そうな表情で氷室と准一を睨む。


准一「ははっ・・・2対1かと思ったら・・。



幸田「ロアァアアアッ!!


―ドバドバドバドバアァーッ!!


氷室「―ッ!!
ドラドラドラドラドラドラドラアァーッ!!


―ガスガス!ガシッ!ゴガガガガガッ!


お互いの拳がぶつかり合うラッシュの応酬が始まる。



氷室「おぉおあぁあッ!


隻腕の幸田よりも両腕のあるR・Hの方が、当然素早く・・途中何度か幸田の顔面やら腹部に【いいの】を見舞わせるも、幸田はそれを全く意に介さず殴り返してくる!


氷室「チィイッ!!タフにも程ってもんが・・・



―グッ!

氷室「ッ!?


幸田の顔面を殴ろうとした腕が上がらない。



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


氷室「これは・・!


D・M「・・・・・ツカマエタゾ!!!


氷室「何ぃッ!?(D・M・・・こいつ!何て力だ!・・腕が動かせない・・・ヤバい!)



―・・・パシュッ。


幸田の眼球が内側から破れる音がした。
 
 
 




遥「ちょ・・・離してッ!みんなが・・!!


遥を脇に抱え、林の中を疾走する晶。



―ザザザザザッ・・


―バンッ!!


人間離れした脚力を用いて、一跳びのもと高い木に飛び移る!


ゴゴゴゴゴゴ・・・


晶「追って来ない・・御園が上手く足止めしてくれてるのね。



遥「ちょっとお母さん!!逃げてたらみんなが・・・


晶「・・・


遥を適当な枝に降ろし、向き直る晶。

その瞳は真っ直ぐに遥を見つめていた。


ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・

晶「勿論、ただ逃げただけじゃあないわ。あなたに少し・・・話したい事があったからね。
遥・・・あなた私の能力を認識出来ているの?




遥「認識・・・ゆっくりになる?


全く関係なさそうな質問ではあったが、この状況で敢えて聞くという事は何かあるのだろう。
遥は質問に素直に答える。


晶「そう・・・認識出来ている訳ね。
これが血の繋がりって奴かしら。
それじゃあ、ゆっくりの中を動き回れた?

遥「・・・動く?
さぁ・・試したことないわ。


ゴゴゴゴゴゴ・・・


晶「・・・

遥「・・・・


無言のまま視線を交わす親子。
先に視線を背けたのは晶であった。



晶「一か八か・・・ね。相対性理論は分かる?


遥「・・・?






ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・








御園「・・・迂闊だったな。


乱堂「フハハハハハッ!!どうした?・・・もう弾切れか?


ヒゲ「・・・!



乱堂と対峙する御園とヒゲ・・・
御園は金属を溶かし、自在に操る能力のスタンド。
ヒゲのスタンドは魚を媒介として発現する自動操縦スタンド。


彼らの目の前には、強大な力と凶悪なスタンドを持ち合わせる乱堂・・・


だが、御園とヒゲには戦闘の肝となる【金属】と【魚】が無かった。
 
 
 




御園の放った無数の金属の弾丸は、その全てが乱堂へ届く前に、消えゆく空間に飲み込まれ消失してしまったのだ。


御園「・・・仕方ないか。



―ダッ!


自ら乱堂との間合いを詰め、近接格闘に依る攻撃を試みる御園。


乱堂「・・・来い。



御園「おぉおッ!!



―ビュオッ!!

風を切る鋭い音が響く。

御園の攻撃を乱堂は紙一重で避けていた。
つまり、攻撃は失敗・・そう思われたが


頬を何かが伝う感触に、乱堂の表情が変わる。



ドドドドドドドド・・・


乱堂「ブレードか・・・・



薄闇の中で、炎の灯りを反射して、御園の両腕から生えたブレードが不規則に煌めく。


御園「・・・スタンドで俺の腕を変化させた。


乱堂「知っているさ。切られた傷の治りが遅いのは動く刃によるものだろう。
・・・つくづく時間稼ぎが上手いな。
だが、そろそろ終わりにしようか。


アクセンスターッ!!
ォオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァアアッ!!!


―ドバドバドバババアァアアアッ!!


機銃の弾幕の様なラッシュが御園に襲いかかる!


御園「――ッ!(メタル・ジャスティスッ!!!




―――――










―ヒューッ・・・


―カヒュッ・・



氷室は夜空を見上げていた。


氷室「・・(なん・・・だこりゃ?
息が・・・苦しい。


ドドドドドドドドド・・・
 
 
 




准一「――おいッ!しっかりしろ!!


氷室に駆け寄ろうとする准一だが・・・
その行く手を幸田が阻む。


幸田「・・・行かせん。

准一「うぉおおッ!!邪魔だああぁッ!
イースタン・ユース!!



―バシュウゥッ!!




准一「・・・いない!?


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

准一の目の前に立ちはだかっていた幸田の姿が、一瞬にして消える。


准一「な・・どこに?



―ガッ・・!


唐突に背後から首根っこを掴まれ、空中へ吊り下げられる准一!


准一「かッ・・は・・!?


ドドドドドドドド・・・


幸田「後ろが・・・がら空き・・だ。


准一「~~!(後ろががら空きなんて、当然だろッ!後ろに目なんか付いて・・ねえんだぞッ!!


幸田「お前は・・攻撃が単調過ぎるUUUUUURRRYYYYY!!


―ググッ・・!


さらに高く吊り上げられる准一。

懸命に足をばたつかせながら、首もとの手を解こうとするが全くの無駄であった・・・
頼みのスタンドもD・M達に完全に組み伏せられ動かす事が出来ない。


准一「・・・(意識が・・・遠の・・



准一の意識はそこで途絶え、彼のスタンドもかき消される様に姿を消す・・・



幸田「・・・。


幸田は准一の首から手を離し、襟を掴む。
そして、虫の息の氷室の方へと向き直った。
 
 
 




氷室の視界には、星空が広がっていたが・・ふいに、その星空を遮る物が現れた。



氷室「(明・・・菜?

その瞬間、茫然と空を眺めていた氷室の感覚が甦る。


氷室「(そうだ・・・俺は幸田と戦っていて・・・


明菜「やっくん!しっかり・・!!


氷室「(そんな泣きそうな顔すんな・・・
俺なら大丈夫。ちょいといいのを貰っただけだぜ・・



だが、それは声になっていなかった。
ただただ、ヒュウヒュウと笛の様な音が鳴るばかり・・・


氷室「・・・?



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

氷室「(・・・そうだ、幸田の眼から何かが出て・・それで・・・撃たれたんだ。



―ザッ・・・


氷室「・・・?

明菜「ッ!?


ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


幸田「まだ・・生きているか?



氷室たちのすぐ側には、准一を引きずる幸田の姿があった。


幸田「・・・お前たちは、我が主の傷を癒すための・・・献上品だ。


明菜「献上品?・・・そんな事、させるものですかッ!
ニューオーダーッ!


―バシュウゥッ!!



尋常ならざる速度で携帯電話を取り出す明菜だが・・・




―バッシィィイッ!!


明菜「きゃあッ!!


明菜の手から携帯が弾き飛ばされ、バラバラと地面へと落ちる。


明菜「今・・・何を?


ドドドドドドド・・・

幸田「動きに反応出来ない・・・いや、何をされたかすら分からないお前が・・俺の前に立つ。
どういう意味か分かっているか?


明菜「・・・分かっ・・・てるわよぉッ!!


スタンドの使えない、無手の女子高生は

スタンド能力を備える不死身の怪物へと・・・



殴りかかった。
 
 
 



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