――西へ。ひたすらに西へ、跳び走る者がいた。
鎧とマントを着込んだ装いはさながら騎士のようだが、懐にあるはずの剣はない。
首から上に見えるのは緑色の肌と、大きく盛り上がった瞳。
その姿を、そしてその跳躍を活かした移動の仕方を見る者がこの場にいれば、両生類――蛙を想起するだろう。
首から上に見えるのは緑色の肌と、大きく盛り上がった瞳。
その姿を、そしてその跳躍を活かした移動の仕方を見る者がこの場にいれば、両生類――蛙を想起するだろう。
「ハァッ……!ハァッ……!」
その肉体は鍛え上げられてはいたが、それでも表情と息遣いからは疲労の色が隠せない。
無理もない。彼――カエルは、ずっと休みなく移動してきたのだ。
己の未熟さにより、年端も行かぬ少女を殺してしまったその時から。
無理もない。彼――カエルは、ずっと休みなく移動してきたのだ。
己の未熟さにより、年端も行かぬ少女を殺してしまったその時から。
カエルは逃げ続けている。
犯してしまった罪から、その姿を人の身から変じさせた魔族の王から、
何よりも、それに向き合うことすらできない己自身から――
犯してしまった罪から、その姿を人の身から変じさせた魔族の王から、
何よりも、それに向き合うことすらできない己自身から――
自分が何を為すべきかもわからないまま、彼は西へと跳び続ける。
――まるで、やがて昇るであろう太陽に、背を向けるかのように。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
赤髪の少年と茶髪の少女、二人は北――ばんだ荘を目指して歩いていた。
近づいてくる存在に気付いたのは少年、シュタルクだった。
少女、シャミ子を護るために東側に立つ。
少女、シャミ子を護るために東側に立つ。
「どど、どうしたんですか!シュタルクさん!?」
「こっちに近づいてくる奴がいる。しかも、けっこう速い……!」
「こっちに近づいてくる奴がいる。しかも、けっこう速い……!」
シュタルクの足が震える。生来の臆病さに加えて、まだ戦いを多く経験していない。
ましてや、殺し合いの場だ。
それでも、恐怖を押し殺して傍らの少女のために斧を構えて、近づいてくる存在を凝視する。
ましてや、殺し合いの場だ。
それでも、恐怖を押し殺して傍らの少女のために斧を構えて、近づいてくる存在を凝視する。
「あれは……服を着た、カエル……なのか?」
「かえるの……まぞくですか!?」
「わかんないけど、こっちに向かってきてるのは間違いないな。」
「かえるの……まぞくですか!?」
「わかんないけど、こっちに向かってきてるのは間違いないな。」
服を着た動物と聞いて、白澤店長を思い出すシャミ子。
シュタルクの世界においても、人ならざる者でありながら人を模すような存在は魔族しかいない。
シュタルクの世界においても、人ならざる者でありながら人を模すような存在は魔族しかいない。
「こっちに気付いてないのか……?
おい、あんた!どうしたんだ!?」
おい、あんた!どうしたんだ!?」
シュタルクが呼び掛けるものの、カエルの耳には入らない。
彼の思考は罪と恐怖で、肉体は疲労により支配されているためだ。
彼の思考は罪と恐怖で、肉体は疲労により支配されているためだ。
「くっ……仕方ない、体で止めるか。」
少し移動すれば衝突は避けられただろう。
だが、シュタルクはあえて立ち塞がった。
傷つけないように、斧の腹の部分を相手に向け、全身に力を込めて低く構える。
だが、シュタルクはあえて立ち塞がった。
傷つけないように、斧の腹の部分を相手に向け、全身に力を込めて低く構える。
ガキンッ――と鈍い音が鳴り、カエルが数メートル吹っ飛ばされる。
カエルの体重はその体躯の小ささ故に、小柄な女性程度しかない。
ましてや、衝突した相手が純粋な前衛たるシュタルクではなおさらである。
カエルの体重はその体躯の小ささ故に、小柄な女性程度しかない。
ましてや、衝突した相手が純粋な前衛たるシュタルクではなおさらである。
「カエル、さん……大丈夫ですか?」
シャミ子が倒れ伏せたカエルへと駆け寄り、体を優しく揺する。
通常の年頃の少女であれば、両生類に対して嫌悪感を抱く者もいるが、幸いシャミ子には当てはまらなかった。
ミカンのナビゲーターであるミカエルに挨拶された際にも好意的に反応していたぐらいだ(触れると即死すると聞いた時には流石に腰が引けていたが)。
通常の年頃の少女であれば、両生類に対して嫌悪感を抱く者もいるが、幸いシャミ子には当てはまらなかった。
ミカンのナビゲーターであるミカエルに挨拶された際にも好意的に反応していたぐらいだ(触れると即死すると聞いた時には流石に腰が引けていたが)。
カエルの大きい瞳がゆっくりと開く。
「うう……すまない。迷惑を――」
――無我夢中で走るあまり、ぶつかってしまったのか。
そう思い、詫びようとしたカエルは絶句した。
そう思い、詫びようとしたカエルは絶句した。
シャミ子の角や尻尾を見たからではない。
カエルが見たのは――自分が殺した少女とよく似たその、顔。
自分が殺していなければ、数年後には成長していたであろう、可愛らしいその表情を見た瞬間、カエルは全てを理解した。
カエルが見たのは――自分が殺した少女とよく似たその、顔。
自分が殺していなければ、数年後には成長していたであろう、可愛らしいその表情を見た瞬間、カエルは全てを理解した。
この少女の身内を――おそらく、妹だろう――俺は、殺してしまったのだ、と。
「おえっ……げほっ……」
目を背け続けてきた罪を、心構えも出来ていない状態で眼前に突きつけられ、カエルは思わず嘔吐した。
胃袋の中身を全て吐き出すとともに、血の気が引き、気が遠くなる。
カエルの精神と肉体は一気に限界を迎え、そのまま失神した。
胃袋の中身を全て吐き出すとともに、血の気が引き、気が遠くなる。
カエルの精神と肉体は一気に限界を迎え、そのまま失神した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ん……?ここは……」
次にカエルが目覚めた時、目の前には筋肉質な背中と斧の柄があった。
どうやら背負われているらしい。
どうやら背負われているらしい。
「……カエルさん、目が覚めたんですか?」
「……大丈夫か?びっくりしたぜ。
いきなり吐いてぶっ倒れるもんだからさ。」
「……大丈夫か?びっくりしたぜ。
いきなり吐いてぶっ倒れるもんだからさ。」
カエルは意識が戻ると同時に、自分が何故気を失っていたかを思い出した。
一瞬、胃袋が蠕動したが、無理やり押し込めて平静を装う。
一瞬、胃袋が蠕動したが、無理やり押し込めて平静を装う。
「……すまなかった。こちらからぶつかった上に介抱までしてもらうとは。
だが、もう大丈夫だ。下ろしてくれ。」
だが、もう大丈夫だ。下ろしてくれ。」
ガルディアの騎士としての矜持か、カエルは虚勢を張る。
実際にはようやく歩ける程度、といったところだったが。
シュタルクはカエルをその背から下ろした。
実際にはようやく歩ける程度、といったところだったが。
シュタルクはカエルをその背から下ろした。
「本当か?あんた、だいぶ酷い様子だったが……。
シャミ子も疲れてるみたいだし、ここで一旦休憩にするか。」
シャミ子も疲れてるみたいだし、ここで一旦休憩にするか。」
横ではシャミ子が肩で息をしていた。
まぞくの力が目覚めたばかりの頃よりだいぶ鍛えられたとはいえ、元々が虚弱体質だ。
ここまで歩き詰めだった上に、カエルと遭遇した時には介抱も率先して行っていた。
服も制服のまま、つまり危機管理フォームはまだ使っていない。
まぞくの力が目覚めたばかりの頃よりだいぶ鍛えられたとはいえ、元々が虚弱体質だ。
ここまで歩き詰めだった上に、カエルと遭遇した時には介抱も率先して行っていた。
服も制服のまま、つまり危機管理フォームはまだ使っていない。
「すまない。改めて、礼を言いたい。……名前を教えてくれないか?」
カエルの言葉を契機に、三人は自己紹介を行う。
「私は吉田優子!改めシャミっ……、シャドウミスっ……、…………もういいです。」
シャミ子はシュタルクに自己紹介した時にも噛んでしまったがために、元の世界と同じように呼ばれている。
今度こそはと意気込むシャミ子だったが、力むあまりにかえって悪化する始末だった。
いじけるシャミ子を横目にシュタルクは会話を続ける。
今度こそはと意気込むシャミ子だったが、力むあまりにかえって悪化する始末だった。
いじけるシャミ子を横目にシュタルクは会話を続ける。
「……というわけで、こっちは女の子はシャミ子、って俺は呼んでる。
それから、俺はシュタルクだ。よろしくな。
あんたは?」
「俺は……見ての通り、カエルでいい。」
それから、俺はシュタルクだ。よろしくな。
あんたは?」
「俺は……見ての通り、カエルでいい。」
カエルは自嘲気味に答える。
――魔王からむざむざ逃げ出した挙句に、罪を重ねたこの身には、もはやガルディアの騎士としてのグレンという名は相応しくない。
――魔王からむざむざ逃げ出した挙句に、罪を重ねたこの身には、もはやガルディアの騎士としてのグレンという名は相応しくない。
気付かれないように横目でシャミ子を見るカエル。
変わらず罪の意識は重く降りかかるが、気をしっかり張っていれば悟られないだろう。
変わらず罪の意識は重く降りかかるが、気をしっかり張っていれば悟られないだろう。
「一つ、質問してもいいですか?」
律儀に右手を挙げつつシャミ子が問いかける。
「カエルさんは、まぞく……なんですか?」
「いや、俺は元々人間だったんだが……ある時、呪いでこの姿に変えられちまったんだ。」
「ええっ!そんな呪いもあるんですね……」
「いや、俺は元々人間だったんだが……ある時、呪いでこの姿に変えられちまったんだ。」
「ええっ!そんな呪いもあるんですね……」
シャミ子は目を丸くする。彼女も元は人間……だと思っていたところから、ある日いきなり、角と尻尾が生えた経緯がある。
それだけでも大騒動だったのだから、人間からいきなり蛙となれば想像もつかないほどだろう。
呪いについても、光の一族からありとあらゆる能力を封印されてきただけに、無縁な話ではない。
それだけでも大騒動だったのだから、人間からいきなり蛙となれば想像もつかないほどだろう。
呪いについても、光の一族からありとあらゆる能力を封印されてきただけに、無縁な話ではない。
「ところで、シャミ子と会った時に話したんだけど、
俺たちはそれぞれ別の世界から集められた……かもしれないんだ。」
「別の世界……だと?」
俺たちはそれぞれ別の世界から集められた……かもしれないんだ。」
「別の世界……だと?」
カエルは怪訝な表情で尋ねる。
もし本当だとすれば、突拍子もない話だ。
もし本当だとすれば、突拍子もない話だ。
「参加者に魔王っていただろう?」
不意に聞こえた単語に、カエルは思わず身をすくめる。
「俺の世界の魔王は、80年ぐらい前に倒されたんだ。
倒したのは勇者ヒンメル――知らない人は誰もいないような有名人だ。
だけど、シャミ子は魔王もヒンメルのことも知らなかった。カエルはどうだ?」
「すまないが、俺も……ヒンメルという人物のことは聞いたことがない。」
倒したのは勇者ヒンメル――知らない人は誰もいないような有名人だ。
だけど、シャミ子は魔王もヒンメルのことも知らなかった。カエルはどうだ?」
「すまないが、俺も……ヒンメルという人物のことは聞いたことがない。」
勇者、という単語にカエルの心の奥がズキリ、と痛む。
自分が知る中で勇者に一番近しい存在を挙げるとするならば、サイラスをおいて他にいないだろう。
自分が知る中で勇者に一番近しい存在を挙げるとするならば、サイラスをおいて他にいないだろう。
「それに……、魔王は健在だ。」
――"俺たち"が討伐できていれば、あるいは……。
カエルは首を振り、浮かんだ記憶をすぐにかき消す。
カエルは首を振り、浮かんだ記憶をすぐにかき消す。
「ひょっとしてそれが――」
「そうだ。
悪いことは言わない。奴と出会ったら、すぐ逃げるんだ。
魔王には、手も足も出すな。」
「……そうか。」
「そうだ。
悪いことは言わない。奴と出会ったら、すぐ逃げるんだ。
魔王には、手も足も出すな。」
「……そうか。」
カエルの表情は鬼気迫っていた。
直接その脅威を感じた者でしか、語れない説得力に満ちていた。
直接その脅威を感じた者でしか、語れない説得力に満ちていた。
「それなら、やっぱり俺たちみんな違う世界から来たってことなんだろうな。」
「おそらくそうだろうな……。」
「おそらくそうだろうな……。」
カエルはクロノ達との旅を経験していない。
時空を渡る経験をしていれば、参加者が異なる時間軸から集められた、という可能性を考慮しただろう。
時空を渡る経験をしていれば、参加者が異なる時間軸から集められた、という可能性を考慮しただろう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それから三人はお互いの世界のこと、それぞれの仲間の情報を交換していった。
ここで、一つ特筆すべき点がある。それは、彼らが名簿を改めて見ていないということだ。
シュタルクとシャミ子は元々名簿に記載されていた参加者だ。
二人は名簿に参加者が追加されていることを知りようがないため、名簿を見るという発想が無かった。
知恵の回る人物であれば不自然な部分を再度確認しただろうが、二人とも純朴であった。
二人は名簿に参加者が追加されていることを知りようがないため、名簿を見るという発想が無かった。
知恵の回る人物であれば不自然な部分を再度確認しただろうが、二人とも純朴であった。
一方でカエルは名簿に載っていない参加者がいることを……知っていた。
だが、彼から名簿について言及されることはついぞなかった。
仮に名簿を開いてしまえば、カエルは恐怖と罪に向き合わねばならない。
故に無意識の内に名簿についての言及を避けたのだった。
だが、彼から名簿について言及されることはついぞなかった。
仮に名簿を開いてしまえば、カエルは恐怖と罪に向き合わねばならない。
故に無意識の内に名簿についての言及を避けたのだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
情報交換がひと段落したところで、シュタルクは話題を切り出した。
「カエル、俺たちと一緒に行動しないか?」
「俺は……お前達と一緒にいる資格はないんだ。
ほっといてくれないか。俺のことは……」
「俺は……お前達と一緒にいる資格はないんだ。
ほっといてくれないか。俺のことは……」
静かに、深く首を振る。
そんなカエルの言葉を遮るように、シュタルクが語り掛ける。
そんなカエルの言葉を遮るように、シュタルクが語り掛ける。
「なあ、――あんたはいつまで、逃げ続けるつもりなんだ?」
「――――ッ!?」
「勘違いだったら、悪いんだけど。
あんた、ずっと何かに怯えてるように見えるんだ。
――俺も、同じだったから……わかる。」
「――――ッ!?」
「勘違いだったら、悪いんだけど。
あんた、ずっと何かに怯えてるように見えるんだ。
――俺も、同じだったから……わかる。」
ひた隠しにしてきた恐怖を指摘され、カエルは狼狽する。
「俺の故郷の村が、魔族に襲われたことがあってさ。
俺はその時、逃げ出してしまったんだ。
兄貴も、親も、村の全員、みんなが戦っていたのに。俺一人、ひたすらに背を向けて。
――何もかも見捨てて。」
俺はその時、逃げ出してしまったんだ。
兄貴も、親も、村の全員、みんなが戦っていたのに。俺一人、ひたすらに背を向けて。
――何もかも見捨てて。」
シュタルクの口から自身の過去が紡ぎ出される。
それに呼応してカエルの記憶もまた、呼び起こされる。
あの日の――サイラスを殺され、自身に呪いをかけられた時の記憶が。
それに呼応してカエルの記憶もまた、呼び起こされる。
あの日の――サイラスを殺され、自身に呪いをかけられた時の記憶が。
「それだけじゃない。
戦うのが怖いあまりに、俺を拾ってくれた師匠からも逃げて、
辿り着いた村では、村を襲うドラゴンにも3年間挑むことができなかった。
戦うのが怖いあまりに、俺を拾ってくれた師匠からも逃げて、
辿り着いた村では、村を襲うドラゴンにも3年間挑むことができなかった。
――ずっと、逃げ続けてきたんだ。」
話しながら、次第に表情が陰を帯びていく。
これは、シュタルクにとっても積極的に思い出したい記憶ではない。
これは、シュタルクにとっても積極的に思い出したい記憶ではない。
「それでも、そんな俺に期待してくれた奴が、
逃げないって信じてくれた子がいたから、
俺は前に進めたんだ。」
逃げないって信じてくれた子がいたから、
俺は前に進めたんだ。」
元の世界で旅した仲間たちを想う。
まだ、シュタルクにとって長い時間を旅した訳ではないが、大事な存在だ。
まだ、シュタルクにとって長い時間を旅した訳ではないが、大事な存在だ。
「だからといって、逃げ出したくなる気持ちが無くなるわけじゃないけど、さ。」
苦笑した後に、一拍、大きく息を吸う。
元来、臆病なシュタルクは、こうして説得するのは不得手なタイプだ。
元来、臆病なシュタルクは、こうして説得するのは不得手なタイプだ。
――それでも今、それから逃げて、このまま別れてしまえば……カエルはいずれ、その命を散らしてしまうだろう。
そんな確信がシュタルクにはあった。
そんな確信がシュタルクにはあった。
シュタルクはカエルを真っ直ぐに見つめて、右手を差し出す。
「俺だって戦士のはしくれだ。体を見ればわかる。
あんたは、どんな時も修業は欠かさなかったはずだ。
――呪いを受けてからだって、絶やすことなく、ずっと。
あとは一歩、踏み出すだけなんだ。
だから、さ。
一緒に行こうぜ、カエル。」
あんたは、どんな時も修業は欠かさなかったはずだ。
――呪いを受けてからだって、絶やすことなく、ずっと。
あとは一歩、踏み出すだけなんだ。
だから、さ。
一緒に行こうぜ、カエル。」
――それは連綿と受け継がれしもの。
かつて、とある森の中で、勇者がエルフの魔法使いの手を取ったように、
かつて、とある崖の上で、聖都の司教がある少女を救ったように、
かつて、とある村の中で、魔法使いの少女が臆病な戦士を信じたように、
かつて、とある崖の上で、聖都の司教がある少女を救ったように、
かつて、とある村の中で、魔法使いの少女が臆病な戦士を信じたように、
戦士シュタルクはカエルへと手を差し伸べる。
"勇者ヒンメルならそうした"ように。
ここにはもう、いないけれど。
勇者ヒンメルの意志は、今もなお、世界に息づいている――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
――断るつもりだった。
だが、手を伸ばしこちらをしっかりと見据えるその瞳の奥に、ふと、懐かしい面影を見た。
「――サイラスッ!」
年齢も、風貌も、得物も、何もかも違うはずなのに。
赤髪の少年の姿が、かつての親友と重なる。
赤髪の少年の姿が、かつての親友と重なる。
――お前も俺に、この者らと行動を共にしろ、と言うのか?
そう心の中で呟いた俺に、眼前にいるサイラスは微笑み返す。
そう心の中で呟いた俺に、眼前にいるサイラスは微笑み返す。
『グレン、男はな、立ち向かって行かなきゃいけない時もあるんだぞ』
幼きころの記憶が去来した、その次の瞬間には、目の前にいたはずの親友の姿は消えてしまった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
我に還り正面に向き直ると、赤髪の少年が少し困ったような表情を浮かべている。
無理もない。目の前で会話していた相手が、いきなり知らない名前を叫んで、瞳の焦点が合わなくなったのだから。
無理もない。目の前で会話していた相手が、いきなり知らない名前を叫んで、瞳の焦点が合わなくなったのだから。
「――シュタルク。
俺にどこまでやれるのか、わからないが……
お前達に同行しよう。」
「本当か!?」
俺にどこまでやれるのか、わからないが……
お前達に同行しよう。」
「本当か!?」
シュタルクの表情がぱっ、と明るくなる。
「カエルさん、よろしくお願いします!」
「ああ……よろしく頼む。」
「ああ……よろしく頼む。」
シャミ子は無邪気な笑顔で喜んでいる。
いずれ、俺が犯した罪を――この少女に打ち明ける時が来るだろう。
いずれ、俺が犯した罪を――この少女に打ち明ける時が来るだろう。
だが、俺はいつまで経っても臆病者だ。
その覚悟だってもう固めてなきゃいけないってのに、まだできちゃいない。
その覚悟だってもう固めてなきゃいけないってのに、まだできちゃいない。
それでも、いつまでも逃げ続けてはいられない。
奪ってしまった命に報いる方法は、たった一つ。
この少女を護ること、それだけだ。
奪ってしまった命に報いる方法は、たった一つ。
この少女を護ること、それだけだ。
サイラス――お前ならそうする、だろう?
【E-5/橋のたもと/1日目 黎明】
【カエル@クロノ・トリガー】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)
[装備]:
[道具]:基本支給品、不明支給品0~2
[思考・状況]
基本行動方針:自身の行いに向き合わねば……
1.シャミ子を護る。それが俺の為すべきことだ。
2.いずれ、俺の犯した罪を打ち明けなければ……
3.シュタルク、シャミ子に同行する
4.サイラス……
5.魔王と出会いたくない。
※魔王に敗北し、勇者バッジを失くしている時期からの参戦です。マール救出に来たクロノ・ルッカとの出会いとの前後関係は、以降の書き手に一任します。
※シュタルク、シャミ子(吉田優子)と情報交換しました。
※最初に名簿を見てから、一度も開いていません。
[状態]:ダメージ(小)、疲労(中)
[装備]:
[道具]:基本支給品、不明支給品0~2
[思考・状況]
基本行動方針:自身の行いに向き合わねば……
1.シャミ子を護る。それが俺の為すべきことだ。
2.いずれ、俺の犯した罪を打ち明けなければ……
3.シュタルク、シャミ子に同行する
4.サイラス……
5.魔王と出会いたくない。
※魔王に敗北し、勇者バッジを失くしている時期からの参戦です。マール救出に来たクロノ・ルッカとの出会いとの前後関係は、以降の書き手に一任します。
※シュタルク、シャミ子(吉田優子)と情報交換しました。
※最初に名簿を見てから、一度も開いていません。
【シュタルク@葬送のフリーレン】
[状態]:健康
[装備]:シュタルクの斧@葬送のフリーレン
[道具]:基本支給品、不明支給品0~2
[思考・状況]
基本行動方針:古砂夢を倒して殺し合いを止める
1.シャミ子を守る。いい魔族もいるんだな
2.カエルが一緒に来てくれて嬉しい。けど、あまり無茶はさせらんないよな……
3.フリーレン、フェルンを探して合流。
4.アウラを警戒。
5.首輪の電撃、師匠なら耐えたんだろうな……
6.名簿にある魔王、一体どんな恐ろしい奴なんだ……?
※参戦時期はフリーレンの仲間になってからグラナト伯爵領に到着するまでの間です。
※アウラの事は名前は聞いたことある程度で、それ以外はよく知りません。
彼女以外の七崩賢についてどの程度知っているかは、次の書き手氏にお任せします。
※シャミ子、カエルと情報交換しました。
※名簿に名前が追加されたことを知りません。
[状態]:健康
[装備]:シュタルクの斧@葬送のフリーレン
[道具]:基本支給品、不明支給品0~2
[思考・状況]
基本行動方針:古砂夢を倒して殺し合いを止める
1.シャミ子を守る。いい魔族もいるんだな
2.カエルが一緒に来てくれて嬉しい。けど、あまり無茶はさせらんないよな……
3.フリーレン、フェルンを探して合流。
4.アウラを警戒。
5.首輪の電撃、師匠なら耐えたんだろうな……
6.名簿にある魔王、一体どんな恐ろしい奴なんだ……?
※参戦時期はフリーレンの仲間になってからグラナト伯爵領に到着するまでの間です。
※アウラの事は名前は聞いたことある程度で、それ以外はよく知りません。
彼女以外の七崩賢についてどの程度知っているかは、次の書き手氏にお任せします。
※シャミ子、カエルと情報交換しました。
※名簿に名前が追加されたことを知りません。
【吉田優子@まちカドまぞく】
[状態]:健康、疲労(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本行動方針:私は殺し合いなんてしない系のまぞくです!
1.ばんだ荘を目指す。……何で私の家が!?
2.カエルさん、大丈夫かな……?
3.エルフに魔王軍ですか。ファンタジーですね!
4.桃、ミカンさんを探したい
※シュタルク、カエルと情報交換しました。
※名簿に名前が追加されたことを知りません。
[状態]:健康、疲労(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3
[思考・状況]
基本行動方針:私は殺し合いなんてしない系のまぞくです!
1.ばんだ荘を目指す。……何で私の家が!?
2.カエルさん、大丈夫かな……?
3.エルフに魔王軍ですか。ファンタジーですね!
4.桃、ミカンさんを探したい
※シュタルク、カエルと情報交換しました。
※名簿に名前が追加されたことを知りません。
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| 吉田優子 | ||
| 013:Curses | カエル |