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平穏の裏に潜む影

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平穏の裏に潜む影 ◆Z9iNYeY9a2



「目が覚めましたか、オーキド博士」
「う、うむ。わしは一体…」
「気になるなら僕が教えようか?あ、僕はマオ。よろしく」

目を覚ましたオーキド博士に対し、話しかける村上。
オーキド博士には気絶する前の記憶が少しあやふやになっていたため、マオが説明を行った。
無論あの騒ぎの途中通りかかっただけという嘘をついた上でだが。

「つまりあの後、黒と銀の機甲服を纏った謎の少女が現れて、皆散り散りに去っていったというんじゃな、マオくん?」
「少しよろしいですか?その黒と銀の機甲服についてもう少し詳しく教えてもらいたいのですが」
「えっと、こんな形のオレンジの目で、光線銃みたいなものを持っていたよ」
「やはりデルタギアか…」

村上の目を覗いたマオは、彼がそのベルトにそれなりの執着心を持っているのを感じた。
心を少し読みすぎて情報を整理しきれなかったのだろう。もう少しここを慎重に行っておけばよかったと後悔する。

「それで、その少女はどちらに?」
「東に、蛇のオルフェノクと金髪ドレスの女を追っていった」
「なるほど。少しその少女、追わせていただきたいのですが、構いませんか?」

オーキド博士の老体を一応気にしての村上の発言。
その発言の裏にあるものに気付いたのはマオだけである。

「うむ、ここにいても何もならんじゃろうしな」
「僕はあまりお勧めはしないけど。第一、彼女オルフェノクではないけど人間でもなかったみたいだったよ」

そう、海紗を彼女が殺す直前のほんの一瞬、マオは間桐桜の瞳から彼女の思考の一部を読み取った。
あの時もしもギアスの副作用が起こらなければもっと深くの思考を読み取れたかもしれない。だが、今にして思えばそれが幸いだったという可能性もある。
記憶の一部。虚無、妬み、嫉み、そして■■への依存。大量の蟲、そしてその奥底には黒い何か。
あれは決して触れてはいけないものだと直感で感じ取った。だからこそ、あのタイミングでの副作用はありがたかったかもしれない。

そんなマオの心中を知ってか知らずか、村上はその言葉に興味を示す。

(ほう、面白い。オルフェノクでも人間ではないものがあれを使うというのは。果たしてデルタギアの呪縛に耐えることができるのか、非常に興味をひかれますね)

あくまでそれは村上の思考内による言葉。オーキドには一応災害や救助活動のための鎧と言っているため、あまり危険性を表に出すのはあまり芳しいことではなかったのだろう。
まあ当然その程度のことでこの男を揺さぶることなどできないだろう、とマオも考えたが。

「しかし村上君、やはり君は追うのじゃろう?」
「ええ、あれが悪用されるというのは私にとっても耐え難いことだ。可能なら急ぎ回収したい」
「僕も着いて行ったほうがいいのかい?」
「言いたいことは分かります。もしデルタギアを奪還した暁にはゼロ討伐に協力することも約束しましょう」
「…はあ、まあ仕方ないか」

村上の言葉に了承した後、この後についてどうするのかを問う。

「そうじゃな…、村上くん、わしも少し寄りたいところがあるのじゃ。少し寄ってもらっても構わぬか?」
「それはこれから向かう先にある施設ですか?」
「おお、この地図上にあるじゃろう。Nの城という施設じゃ」


オーキド曰く、そこがプラズマ団なる組織の根城になっている可能性があるということらしい。
プラズマ団自体の実態は、アッシュフォード学園がファーストコンタクトであったため多くは知らない。
しかし組織的に動きポケモンを管理しようとする者達。何かしらの研究機器がある可能性があるとのこと。
急ぎの用ではあるが、村上も何らかの資料は欲しいと思っていたところ。
少々寄るくらいなら大丈夫だろう。

元々会話を弾ませられる面子ではないため、移動中はある程度の情報交換を行った程度だった。
それにも改めて目ぼしい情報はなかったが。

そして歩くこと数十分。

「これは、また大きな建造物ですね。博士、大丈夫ですか?」
「何、このくらい大丈夫じゃ。伊達にポケモンの研究者をしとらん」

焼け崩れた教会を過ぎ、森の中を歩いた先にあったのは謎の開けた道。地図にもあったとおりのものだ。
そしてそこからでも見える、見上げるほど巨大な石造りの建物。
プラズマ団の王であるNの居城なのだろう。


かなりの広さを誇るこの城のどこを見るべきか。
そもそも研究施設があるかどうかというのも推測に過ぎない。無かったときのことも考えなければいけないだろう。

中に入る三人。
内部もかなりの広さとなっており、組織の大きさを伺わせる。

「これは、探すとなると少し手間かもしれんのう」
「では手分けして探しましょう。もし何かあれば、大声で私を呼んでください。
 私であればすぐに向かえるはずですので」

そう言って各々散開していった。


部屋の中には大きな机や門の前にでもありそうな石像が並べられている。
どの部屋を見てもほとんど同じものばかりだ。
当然誰かがいたような形跡はない。

一方、誰かがこの城を訪れた形跡は微かにあった。
城の廊下にはうっすらと不自然に砂や土が落ちていた。何者かがこの城の中を歩いた証だ。
だが、それは廊下にばら撒かれているのみ。おそらく城内部を深く調べることも無く出て行ったのだろう。

「ついていましたね。もし、我々と同じように情報を求めてきたのであれば、あるいは先を越されていたかもしれません」

だが、これだけ目立つ施設だ。
興味本位で寄ってくる者もいるだろうし、その者が安全である保障もない。ゼロのような参加者が来ようものなら最悪だ。
しかし拠点としては優秀な施設だ。研究施設次第で考えなくもない。

と、村上の耳にオーキド博士の声が届いた。
オルフェノクであるからこそ聞き取ることができる声。何かあったら自分を呼ぶように言った理由だ。



「どうしましたか?」
「見てくれこれを。この部屋、かなり高度な機器が揃えられておる」

村上がオーキドのいる部屋を見つけるまで1分もかかってないだろう。
その一室には様々な演算機器らしきものやコンピューターが置かれていた。
ここが何かしらの研究室であることは容易に推測できた。

「これほどの物、一般企業で作るのは難しいでしょうね。おそらく我々スマートブレインに匹敵するほどの技術力を、そのプラズマ団という組織はお持ちのようだ」
「そうじゃろうな。見たところここには多くのデータがそのままの状態で放置されているようじゃ。村上君、調べるのを手伝ってもらえるか?」
「分かりました」

そう言ってオーキドは机に置かれたノートパソコンに、村上はそれとは別の、備え付けられた機器に向かった。


村上の見たコンピュータの中には、多くのポケモンについてのデータが入っていた。
おそらく数百を超えるほどのデータが入っているのだろう。

(ポケモンか、やはり不思議で興味深い存在だ)


ふと、その中に載ったポケモンのデータを見る。
そこには様々な形の生き物がいた。
ねずみ、犬、猫、トカゲ、蟷螂、白熊、ラッコ、タコ、蝋燭、石、霊体、銅鐸。
様々な種族の生き物から、無機物、エネルギー体のようなものまで幅広く生息しているようだった。

だが、それらの生き物にもこちらの常識が通用するわけではないようだ。

例えば、ドラゴンという属性を持ったポケモンがいる。
ドラゴンといえばラッキークローバーの北崎を思い出す。
彼は自らを最強のオルフェノクと謳っているがそれに見合うだけの力を持っているのも事実。
そしてこのポケモン達においても、そのドラゴンという種族は高水準の戦闘力を持っているらしい。
しかしそんな彼らの弱点。それは同じドラゴン、そして氷の属性らしい。
ドラゴンの属性はやはり目には目を、といったところなのだろう。だが、より興味深いのは氷の方だ。
ドラゴンといえばやはり爬虫類のイメージが大きい。そして爬虫類といえば寒さが弱点。それが我らの世界の常識だ。

しかし、そこで爬虫類という種がその氷に弱いかと聞かれるとそうではないらしい。
例えばハブネークやアーボックという蛇のポケモンがいる。
彼らは毒の属性を持っており、我らの世界の蛇と比べても強い毒を持っているようだ。
だが、戦いにおける彼らの弱点はエスパー(超能力的な力を操る属性)と地面(大地の力を操る属性)であり、氷自体には弱くはない様子。
彼らが冬眠するのかという点も気になるが、ポケモン同士を戦わせる上では寒さというのは弱点にならない。
いかなる進化をしたのか、あるいは我らの世界の蛇とは別の存在なのか。

思考を進め、他の部分を見てみる。
アーケオス、ケムッソ、マグマッグ、シザリガー、テッポウオ、
オムナイト、メガヤンマ、デスカーン、トロピウス、ウォーグル――

(全てを調べるというのはとてつもなく時間が掛かりそうですね)


どのポケモンを調べることが我々にとって有用なのか、それは今この場でやることではないかもしれない。
オーキド博士は何かに気付いただろうか。

「博士、何か見つかりましたか?」
「うむ…、気になるものを見つけたのじゃが」

そう言って備え付けのデスクトップパソコンにつく。
そこには謎のユーザー名の纏められたページ。

「オーキド博士、これは?」
「プラズマ団め、こんなものまで作っておったとは。
 これは他のポケモントレーナーの預かりシステムに侵入するプログラムのようじゃな。
 奴ら、一体何をしようとしておる…?」
「これは今使用することは可能なのですか?」
「いや、どうもロックが何重にも掛けられておる上に一部のプログラムが消されておる。これの使用は無理じゃろうな。
 …ん?これは何じゃ?」

ふと気付いたそれを起動させる。
聞くところによると、ポケモンセンターという施設には、ポケモン預かりシステムとトレーナー自身のメールボックス、図鑑登録数評価が主にできることらしい。
そしてここのパソコンはそれと同じことができるという。
だが他にもプラズマ団の物らしきデータも多数ある。当然だろう、彼等の城なのだから。

「しかし、これはそのどちらでもない。どうやら独自に組まれたネットワークらしい。
 もしかすると、何処かに繋がるかもしれん」



マオはその頃、城の中を探索することもなく屋上で遠くを見つめていた。

「全く、何をやっているんだろうね」

村上は言った。
このギアスによる副作用も、自身の技術によって治療することが可能かもしれない。
そして、ポケモンという生き物に調査ももしかするとそれに近づく部分があるかもしれない、と。

果たしてそれが可能か、と言われたら、あくまで自身の推測でしかないが厳しいだろう。
ポケモンというもの、オルフェノクというもの、村上の持つ技術力がどれほどのものかはおそらく一部しか知らない。
だが、それらがエデンバイタルの力に勝るものかといわれれば厳しいものがある。
それでもゼロの力を得るには村上の力を借りなければならないかもしれないということもある。
今は協力関係を維持しておく必要があるのだ。

「ん?」

ふと見た時、ここからある程度離れた場所の森の木々の間に変な空洞があった。
森の樹木が不自然に消えているというか、何者かが意図的に伐採したかのような。

「何あれ?」

気にはなったがどうするべきだろう?
まあ考えるのは後でいいか、と考えを打ち切る。
そろそろ戻らないと村上に何か言われるのも面倒だ。

と、村上を探しているところである部屋に気付く。
何か他の部屋とは違う空気。
興味が沸いたマオはそこに入った。

「へえ…」

空の絵が描かれた床。
途中まで組まれたレールのおもちゃ。
ふと地面に放られたボールに手を伸ばす。
ちょうどバスケットのゴールがあるのに気付いて放ろうとすると、そこには電車のおもちゃが刺さっていた。
ボール自体に目をやると、そこにはハルモニアと書かれていた。

「ハルモニア、ね」

そういえば弥海砂から心を読んだ際に見えたNという青年の名、なんといったか。

マオはバスケットボールを数回地面についた後、ゴールに向かって投げつけたのち部屋を後にした。
ボールはゴールに入ることもなく、壁を跳ねて地面を転がった。

【B-4/Nの城/一日目 午前】

【マオ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:魔女細胞の浸食(中)
[装備]:左目の眼帯
[道具]:共通支給品一式、魔女細胞の抑制剤@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー、モンスターボール(サカキのサイドン・全快)@ポケットモンスター(ゲーム)
コイルガン(5/6)@コードギアス 反逆のルルーシュ、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
基本:ナナリーの魔道器を奪って魔女となり、この『儀式』から脱出する
1:村上と行動。オルフェノク化は避けたい
2:ナナリー、C.C.、二人のゼロに接触したいが、無理は出来ない。
3:『ザ・リフレイン』の多用は危険。
4:抑制剤を持つものを探す
5:この『儀式』から脱出する術を探す
[備考]
※日本に到着する前からの参戦です
※海砂の記憶から断片的なデスノート世界の知識と月の事、及び死神の目で見たNの本名を知りました。
※スザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)


【村上峡児@仮面ライダー555】
[状態]:疲労(中)、人間態
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×3、拡声器@現実、不明ランダム支給品0~2(確認済み)
[思考・状況]
基本:オルフェノクという種の繁栄。その為にオルフェノクにする人間を選別する
 1:この場で収集できる限りの情報を集めた後、デルタギアを追う
 2:ミュウツーに興味。
 3:選別を終えたら、使徒再生を行いオルフェノクになる機会を与える
 4:出来れば元の世界にポケモンをいくらか持ち込み、研究させたい
 5:魔王ゼロはいずれ殺す。
[備考]
※参戦時期は巧がラッキークローバーに入った直後
※マオのギアス、魔女因子、ポケモンに興味を持っています
※スザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまでマオ目線)

【オーキド博士@ポケットモンスター(ゲーム)】
[状態]:ダメージ(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~3(確認済み)
[思考・状況]
基本:ポケモンの保護、ゲームからの脱出
1:Nの城で情報収集を行う。
2:プラズマ団の思想には賛同できない。 理解は出来なくもないが。
3:ミュウツーについては判断できる材料を持ちきれていない。
4:オルフェノクに興味
[備考]
※プラズマ団について元々知っていることは多くありません。
※スザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまでマオ目線、また全てを聞いたとは限りません)


088:Lost Colors 投下順に読む 090:引かれ合うチルドレン
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079:接触 村上侠児 105:いきなりは変われない
オーキド博士
マオ


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