Nobody to watch over me

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Nobody to watch over me ◆Z9iNYeY9a2


―――――――Intrude

「最低でも6人以上、あるいは10人以上、という可能性もあるか…」

それはゼロが間桐邸の傍を通りすがった時のこと。
人の気配を感じ取ったゼロは、屋敷の近くから様子を伺っていた。

襲撃するか否かの判断のため、気配、自身の存在を可能な限り抑えるようにギアスを使う。
もし仕掛けるのであれば先手を取るに越したことがいい。
そうして様子を探った結果、屋敷内にいる人数は想定以上であることが分かった。

(仮に非戦闘要因がいるとしても、最低三人以上が戦闘能力を持っていると見たほうがいいな)

オルフェノクか、魔法少女のような者か、あるいはまだ知らぬ何者かか。

例え戦闘力を持っているのがこれまでの己の常識に当てはまる程度のものであれば、例え一軍を相手にしても遅れを取らぬほどの能力は持っているつもりだ。
無論それをやっては相手の警戒心を煽ってしまったり無用な力を使ってしまう可能性もあるため黒の騎士団などを操ってきたのだが。

この場所ではそのような長期的視野で見ることに大きな意味は無いとゼロは考えていた。
先の2度の放送の脱落者を合わせれば、残り一日と経たずに殺し合いは終わるだろう。
それが殺し合いに反対する者の勝利となるか、それとも主催の狙い通り最後の一人まで殺しあってのことになるのかは分からないが。

しかし同時に、この場における戦闘力はこれまでの常識とは異なっている。
ただの軍人が3人程度なら例えKMFを持っていたとしてもそう苦戦はしない。
が、この場で相手にする者達はそれとは異なっている。
これまで戦った者達でも、3人集まれば戦い方次第でこちらに食いついてくる。
増してや4人、5人と人数が増えればそれだけ不利となる。村上や木場の乱入で一度は撤退せざるを得なくなったあの時のように。

この場は一旦放置し、木場と合流した後仕掛けるか、あるいは分散した際に各個に倒していく方が利口だろう。

今連れているロロは暗殺、奇襲能力に向いた力を持っているがギアスが効かない相手がいるか、あるいはギアスのタネが割れていれば高い効果は上げられない。

「どうしたの?兄さん」

思考するゼロに、純粋な笑みを向けるロロ。
その顔に浮かぶ表情は暗殺者としても処世術によるものではなく、彼自身が心を許した相手にしか向けないだろうもの。
つまりは、今のロロにとっては自分は完全に彼の知る”ルルーシュ”ということなのだろう。

「あそこにいる人を殺せばいいんだよね?僕ならできるよ?」

都合が良くもあるが、しかしそれでもむず痒い想いがないわけでもなかった。
そんな感情を抑えて、ゼロは”ルルーシュ”の声色で話しかける。

「ああ、だがお前のギアスは多数の人数を一度に殺すには向いているわけではない。
 それに、万が一ギアスの効かない相手がいた場合もまずいだろう」
「…それは、確かにそうだけど」

ロロの言葉が若干歯切れの悪くなっている様子を見て、そういう相手に出くわしてしまったのだろうと推測を立てるゼロ。
そうなら尚更慎重に行かねばならない。

「向こうで手を組んでいる奴と待ち合わせをしている。
 殺すというのならばそいつと合流してからでいいだろう」
「うん、分かったよ兄さん。兄さんの言うことはいつも間違ってなかったもんね」
「ああ、そうだな」

そうしてゼロはロロから視線を外し、間桐邸に背を向け足を進め。
ロロはそんなゼロに静かに付き添って歩いて行く。

笑みを浮かべたその瞳に喜びと、深く大きな闇を写したまま。

―――――――Intrude Out


―――――――IntrudeⅡ

「………」
「………」
「えっと、あの……」

そんなゼロの襲撃の危機から逃れたことを知らぬ一行が、ゼロ達の歩んだ道と同じ場所を歩いていた。
歩くのは3人の少女。
しかし華やかで華奢にも感じる一行に見えるが、その実全員が高い戦闘力を持ったチーム。

美遊・エーデルフェルト、セイバー、長田結花。
殺し合いに乗った者の襲撃を受けている者がいるかもしれない病院へと向かうために戦うことができるメンバーで組まれたチーム。

うち、長田結花は美遊、セイバーの両名にちょっとしたものでこそあるが関わりを持っていた。
だがセイバー、美遊の間に直接的な繋がりは薄い。
そんな空気を少しは気遣って話しかけたりもしていたのだが、やはりこの空気を変えることはできなかった。

結花は知らないことだが、美遊にしてみればセイバーという存在はかつて敵対し自分達を最も追い詰めた存在であり、加えてこのセイバーは”衛宮士郎”を殺した者だ。
確かにその事実を、そしてセイバーのこともイリヤは受け入れた。だが美遊にしてみれば分からないことも多く受け入れる以前の問題だった。
先に述べた二つの事実もあり、セイバーに対しどうしても余所余所しさを隠せず、セイバーもまたそんな美遊の様子を察して踏み込むことができず。
そうして生まれてしまった微妙な空気に結花は居心地の悪さを感じていた。

『結花様、申し訳ありません』

そんな結花の心中を察したように、小さな声で結花に謝罪するサファイア。

「あ、いえ…、別に謝られるようなことは無いんで、気にしないでください」

悲しいかな、この場にはムードメーカーとなりうるような者はいなかった。
故にこの空気を打開するには、誰かがきっかけを作るしかない。

『そういえば、セイバー様』
「はい」

そこで、ふとサファイアがセイバーに話しかけた。

『セイバー様と士郎様は、一体どのようなご関係だったのですか?』
「……」
(……?!)

沈黙を保ち続ける美遊と、その言葉の意味に気付きその質問をしたサファイアに内心驚く結花。
今の状況の大きな原因である衛宮士郎という人物のことについて聞くこと。
確かに今の微妙な空気を崩すことは可能だろうが、一歩間違えればこの危うい空気に亀裂を入れかねない。

その事実に内心肝を冷やす結花。

「士郎との関係、ですか」
『はい。大まかには我々も把握しておりますが、私としてはあなた自身のお言葉で聞かせていただきたいのです』

衛宮士郎。
他でもないセイバー自身が死に追いやった一人の少年。
美遊自身もその存在には特別な想いを持っていたことはサファイアにも分かっている。

「かつて私は彼の剣であった。ただそれだけです」
『本当にそれだけなのですか?』
「…何が言いたいのです?」
『セイバー様はどうして士郎様の剣になろうと思われたのです?』
「サーヴァントがマスターに仕えるのは当然のことです」
『そうですね。それは私にも分かります。
 私は美遊様のステッキとして、例え奈落の果てまでも美遊様にお付き合いする覚悟があります。
 あなたはどうだったのかお聞きしたいのです』

衛宮士郎に仕えたのは、あくまでサーヴァントであるからか。それとも士郎を本当に護りたいという想いがそこにあったのか。
それをサファイアは問うているのだろう。

「何故そのようなことを聞くのです?」
『深い意味はありません。しかしあなたは士郎様の妹であったイリヤ様を気遣っておられました。
 衛宮士郎個人に特別な感情があったのではないのですか?』
「………」

そんなセイバーとサファイアの会話を聞く結花と美遊。
チラチラとサファイアが美遊の様子を伺っているのが結花には分かった。彼女なりに何か考えがあっての行動なのだろう。
少なくともそうおかしなことにはならないと信じたい。

「そうですね。確かに私が最初に彼に仕えたのはサーヴァント故でした。
 しかし……」

セイバーの脳裏に浮かぶ士郎との短いながらも深い絆を抱いてきた思い出。
バーサーカーとの戦闘に飛び出して、その身を呈して自分の体を庇ったこと。
自分がかつて衛宮切嗣のサーヴァントであることを知り、かつての彼の戦いを知りながらもなおも自分を受け入れたこと。
彼と過ごした、生前の自分では得られなかった短いながらも楽しかった時間。

それは、あの闇に呑み込まれてもなおも色褪せることなく心の中に焼き付いていたものだった。
だが、

「…今の私にはその言葉を口にする資格はありません」
『士郎様を殺されたのがあなただから、ですか?』
「………」
『美遊様?』

そこまで話を聞いていた美遊がセイバーに近寄ってその目前で問いかけた。

「答えてください」
「ミユ?」
「資格がないというのなら私が許可します。返答にもよるけど、士郎さんのことも私の中で全て決着をつけます。
 ですから、答えてください。あなた自身の言葉で」
「………」

しばらく気圧されるように沈黙を保っていたセイバーだったが、美遊のその真っ直ぐな瞳に諦めたように口を開いた。

「私は、せめて最後まで彼の剣であり続けたかった。例えあの泥に呑まれた後でも、その想いは変わらなかった。
 しかし、私を捕えた者はそれを許してはくれなかった。だから、せめて彼の手で討たれるのであれば、とも」
「……それでも、士郎さんはあなたにイリヤや他の大切な人たちを託したのは、セイバーさんに強い信頼があったからじゃないんですか?
 それに対して、セイバーさんはどう思ってたんですか?」

美遊の口調がセイバーを問い詰めるようなものに変わっている。
セイバーも大人しく無口な少女だと思っていた相手の思わぬ一面に若干気圧されていた。

「答えてください」
「………ええ、私は衛宮士郎に、主と従者として以上の想いを抱いていたのかもしれません。
 それが一体何だったのか、今となっては確かめようもありませんが」
「…………」

あまり煮え切っていない返答。しかし美遊は静かにセイバーに寄せていた身を離す。
その答えに満足したのか、若干だが固かった表情が和らいでいるようにも見える。

「ありがとうございます。士郎さんが信じて、あなたが士郎さんに抱いていたその想いは信用しましょう」

そうセイバーに告げ、静かに美遊は前に進む。

「…えっと」
「セイバーさん、結花さん、急ぎましょう。こうしている今も病院じゃ大変なことが起こっているかもしれません」
「あ、はい」




『美遊様、セイバー様のこと、少しは分かっていただけましたか?』
「サファイア、それが狙いだったの?」
『もしあの空気のまま戦闘になった場合の士気にも影響するかもしれないと思いましたから』
「そう…。ありがとう。少しは気が楽になれた。それに……」
『?』
「士郎さんにも、孤独に戦うあの人にも信頼できる仲間がいる世界があったんだって、それが分かっただけでも良かった」

―――――――IntrudeⅡ Out


もし歩む道の上で仲間が死したとしても、残された者はそれを乗り越えてでも生きねばならない。
例え時間がかかっても、その死を乗り越えなければならないのは残された者の義務だろう。

しかし、彼女にはその時間もまともに与えられてはいなかった。

「チュッピィ!!」

ピカチュウの体から放出された電撃が地を這い、追跡者へと走る。
しかし灰色の追跡者はその軌道を読み、当たる直前で歩幅を緩めて回避する。

灰色の追跡者、木場勇治。タケシを殺しただろう相手だ。
ピカチュウの怒りはNが思わず彼をモンスターボールに戻したいと思うほどに苛烈だった。
その抵抗があるからこそこうして撤退が成立していることもありピカチュウを止めることはできなかった。

だが、それも時間の問題だ。


「ピィ……カァ!!」
「フンッ!」

肉薄してきた木場に対し、ピカチュウはその尾を鋼のごとき硬さに変化させて振りかざす。
それを灰色の魔剣を持って迎え撃つ木場。

金属同士がぶつかったかのような音が周囲に響き。

「ピカァ!!」

小柄な体躯を吹き飛ばされるピカチュウ。
そのまま地に叩きつけられる間一髪のところで飛ばされたピカチュウをNが受け止めた。

「もういい、止めるんだ!これ以上は……!」
「ピ、ピカ…」

Nの言葉に戦闘を止めざるを得なくなるピカチュウ。
それまでの逃走がピカチュウの迎撃あってこそ成り立っていたものであった状況であった以上、そこから木場に追いつかれるまでにはそう時間は掛からなかった。

巨大な馬の四肢で地を蹴りあげ、逃げる真理達の頭上を飛び上がった木場はその逃走先に立ち塞がる。

「………」

足を止めた真理達を静かに見据える木場。
その時、その見据えた先を見ていたNは気付く。目の前にいる者の視線は、真理のことしか見ていないことに。
自分のことは眼中に入れていない。

「待て」

Nはタケシから託されたバッグから一本のベルトを取り出す。
視線をその姿に移した木場の体が僅かに反応する。
しかし真理はその光景を見て顔色を変えた。

「ダメ!そのベルトを使ったら……!」

その言葉が言い終わらぬうちに、木場は真理の体に向けて剣を振り下ろす。
間一髪でそれに気付いた真理はギリギリのところで避ける事に成功。

―――――そのベルトを使ったら

どうなるというのか。
そういえば海堂が言っていた。オルフェノクのために作られたこれらのベルトには人間が使うと何かしらの副作用があるかもしれないと。
それは間桐桜のように精神に異常をきたさせるものか、あるいは命に関わるものかもしれない。

だから、これを使う。
本来は藤村大河が持っていた謎の液体。
変身一発。
このベルトを使う時に”変身”と掛け声をすることと何かしらの関係があるのだろうと思っていたが、改めてベルトで変身する者達の姿を見て確信した。
これはきっと人間が彼らに対抗するために生み出したものだのだろうと。

「その薬は…、もしかして」

一気にその薬を呷り、ベルトを腰に巻く。

ゾロアークやピカチュウ、リザードンばかりに戦わせ傷を負わせてきた責任がある。
戦う術があるなら、自ら抗わねば理想を抱く資格などないのだから。

「――――変身」

カイザギア。ならば変身コードは語呂合わせから913だろうと直感し入力しベルトに装着し。
閃光が走り、その体を紫の光が覆う。
光の収まった時に見えたのは、紫のスーツと装甲に身を包まれたN。

「いいだろう、相手をしてやる」

ベルトの変身者であるということに興味を引かれた木場が真理から視線を外してカイザを見据える。
剣を構えてカイザへと肉薄する木場に対し、Nは冷静にカイザブレイガンを構える。

剣の一撃を刃を出すこともなくブレイガンの銃身で受け止めた。
衝撃で後ろに後退するN。しかしその瞬間、間髪入れずブレイガンの引き金を引き金色の閃光が木場へ向けて放たれた。

一直線に体に迫る閃光を、木場は魔剣で弾き返し。
次の瞬間、間髪入れずに放たれたもう一発の光弾が木場の体に命中する。

「…くっ…?!」

胸に感じる熱に微かに呻きながらも剣を上にかざす。
魔剣に青く光る閃光が集まり、そのまま地面に振り下ろされた一撃は衝撃波となって地を這い3方向からNへと襲いかかる。

不規則に流動しつつカイザに迫る衝撃波を、しかしNは正確に回避する。
が、3本目の衝撃波を避けたその時、その光の奥から灰色の剣が突き出される。
衝撃波を避けられた時の保険に木場が追撃に迫っていたのだ。

しかし。

突き付けられた剣は、カイザブレイガンの銃身により反らされていた。

「―――!」

ブレイガンが剣の軌跡をそらすと同時に自分の頭に銃口を向けていることに気付いた木場は、瞬時に顔を反らす。
顔を反らす木場のすぐ傍を閃光が掠め頬を焼く。
何故か自分が知っているそれよりも威力は下がっているものの、動きを読まれたかのような気持ち悪さがある。

苛立ちながらも木場はその至近距離で疾走態へと変身。カイザをその前脚で踏みつけようと地に向け脚を振り下ろす。
しかしNは動揺することもなく、あくまで冷静に身を翻して避ける。

(―――何だこいつは)

思わず木場はその戦い方に疑問を持つ。
あの衝撃波の避け方といい、今の不意打ちを冷静に回避したことといい。
こちらの攻撃のことごとくに驚くほど冷静に対処している。
まるでそこに攻撃が来ることが分かっているかのように。

あまりにも不気味だった。

「なら―――!!」

だったら小細工は無しだ。
力で強引にねじ伏せる。

カイザブレイガンの銃身だけでは受け止めきれないだろうほどの膂力を持って剣を振り下ろす。
銃身で受け止めきることはできないと判断したNは振り下ろされた一撃目は態勢を低くすることで回避。
その間にミッションメモリーをカイザブレイガンに装填しブレードモードを展開。
追撃の一撃を受け止める。

ギリギリと後ろに下がらされるカイザの体。
木場はそんな様子を見て今のカイザはそこまでの力を持っていないと判断する。
カイザとの戦闘経験自体を過去に持っている木場、その知識から言ってもカイザの本来の力はこんなものではなかったはずだ。
少なくとも草加雅人の変身したものであればもっと力を持っていたはずだ。

あの薬で変身したことで力が抑えられているのか、それとも変身者の力量の差か。
しかしあの予知にも近い能力は厄介だ。

剣を押し出しながらブレイガンのブレードを両断するかのように迫る木場。

―――――Exceed charge

その背後から電子音が響く。
木場は咄嗟に剣での攻撃を中断し蹴り上げる。
それも読んでいたかのようにNは後ろに下がって攻撃を回避。

すかさず木場は振り返り盾を左腕に形成、その音声が聞こえた方にかざす。
次の瞬間、赤い円錐がかざした盾に狙いを定めて木場の体を拘束。

その奥から、何者かが飛び蹴りを放ってくる光景が目に入った。

「木場ああああああああああああああああ!!」
「ファイズ!?草加雅人か!」

叫びながら木場にクリムゾンスマッシュを撃ち込むファイズ、草加雅人。
盾で防いでいるが、徐々にその体をその勢いで押し出している。

やがてクリムゾンスマッシュが木場の盾を打ち崩し、その体を吹き飛ばした。

青い炎を上げ消滅する盾、そして衝撃で大きく吹き飛ばされる木場。

「ま、雅人…?」

突如目の前に現れたファイズに驚きつつ、木場の言葉から目の前のファイズが草加雅人だという推測を持った真里はそれを確信とするために話しかける。

カイザギアが今こっちにある以上、ファイズギアを持っているのが草加雅人であったとしても何ら不思議はない。
だが、そうすると今巧はどうしているのか。

そんな真理の疑問を他所にこちらを向いたファイズ――草加雅人が発した言葉は。

「真理…?!何故君がここにいる!?君は確かに病院で……」
「え?」

何かに驚くような声だった。
確かに草加の言うとおり真理は病院にいた。しかしそれが彼の驚きに繋がるのだろうか?

「ど、どうしたのよ雅人?何か変だよ?」
「変なのは真理、君の方じゃないか…、どうして病院で倒れていた君がここにいる?
 あの緑色の髪をした男はどこだ!?」
「緑の髪……って、Nのこと?」
「それなら僕のことだけど、どうかしたのかい?」

警戒からか未だカイザギアを纏ったままのN。
しかし、今の草加雅人にそれはまずかった。

「お前が…、何故そのベルトを持っている!
 オルフェノク風情が、よくものうのうと!」
「落ち着け、君は何を言っているんだ?」
「黙れ!この化け物がぁ!!」

声を荒げる草加は、Nに向かって思い切り拳を叩きつける。
本来ならば避けることもできたであろうN、しかし一瞬反応が遅れ腕でその一撃を受け止めることが精一杯となっていた。

化け物。

異質な目で見られることこそあれ、面と向かってそんなことを言われたことは無い、はずだった。
それを今言われたところで何ら気にすることもないはずだったのに。

その言葉が、まるで心の奥底で記憶していたかのように脳内で反響していた。
まだ物心つかぬ頃に、そんな言葉を投げかけられたことがあったような、そんなとても曖昧な、しかし何処かに染み付いた言葉。

――――Exceed charge

そんな思いに気を取られふと気が付いた時には、目の前のファイズはその手に何かの機械を握るように持っていた。
その一撃はこれまでとは比べ物にならない威力のものが叩きつけられるだろう、そんな直感がよぎって尚も、それに対抗する意思が浮かび上がらなかった。

化け物。

―――ポケモンと話せるなんて、何だか気味が悪いわ…
――――それに何だかおかしなことも口走るし、これが俺達の子供なのか?
―――森に捨てていきましょう、そして私達でやり直すのよ
――――そうだな、それがいい。こんな化け物のような子のことなど忘れて、またやり直せばいい

「………」
「おおおおおおおおおおおおお!!!」
「待って雅人!!」

あわやグランインパクトがその体に叩きつけられそうになったその瞬間、二人の間に真理が割って入った。
その振り上げた腕をすんでのところで止める草加。
カイザ、Nを庇うように立ち塞がるその真理の姿が草加の怒りを増幅させる。

「何故そいつを庇う!そいつは化け物だぞ!君も襲われただろう!」
「だからさっきから何言ってるのよ、言ってることわけわかんないわよ!ちょっと頭を冷やしなさいよ!」

草加の言うことの意味が、真理には全く分からない。
当然だろう。確かにタケシと比べればNと出会ってそう長い時を過ごしたわけではないが、彼は真理の危機を幾度も救った、仲間と呼んでも差し支えない存在だ。
そんな彼を化け物と罵り襲いかかる草加の姿は、むしろそちらの方が化け物のようだった。

元々草加雅人にはいい印象を持っていなかったこともあり、真理は草加が何を見て、何を考えているのかまで察しようと思うことができなかった。

「……そうか、そういうことか。何故君が生きてるのか不思議に思ってたが、やっぱり君もオルフェノクになってしまったんだな……」
「は?雅人あんた何言ってるの?」

結果、草加の導き出した結論は真理は既に人間でないというものだった。

オルフェノクに襲われて一度死んだはずなのに生きている。それはオルフェノクとして覚醒し蘇ったことに他ならない。
ならば、倒さなければならない。
オルフェノクであるなら、どれだけ親しい相手だろうと殺さねばならない。例えそれが旧友や育ての親であったとしても。
そして、愛しき存在であったとしても。

せめてオルフェノクの醜い姿を見せられる前に、この手で。

「真理…、せめて君だけは俺のこの手で……」
「雅、人………?」

動かぬNの目の前で、拳を振りかざすファイズ。
それが直撃すれば、人間である真理の体はひとたまりもないだろう。

草加の凶行に、思わず目を背ける真理。
そして、拳が振り下ろされ。


激しい音を立てながら、一つの体が宙を舞った。



「セイバーさん、美遊ちゃん!もう少し先に誰かいるみたいです!」
「確かですか、ユカ?」

3人が道を行く先で、ふと激しい音を知覚した結花が二人に呼びかけた。

「はい。それも、誰か戦っているみたいで……、急がないと……」
「…走ってもたぶん間に合わない、私が空から先行するから、二人は後から来て!」

瞬時にサファイアを手に転身した美遊は宙へと飛び上がる。
魔力消費が激しくなる移動手段だが、今それを気にしている暇はない。

「ユカ、あなたもミユと共に。私は後から追います」
「でも…、それだとセイバーさんは…」
「私なら大丈夫です。少し魔力を使えばすぐに追いつけます」
「………」

先に行くように告げるセイバー。しかし彼女も万全とは言いがたい状態、移動に消耗させてしまっていいのか。
数秒の沈黙の後、結花は何かを決心したかのようにセイバーに近寄る。

「ユカ?」
「しっかり捕まってください!私が美遊ちゃんの後を空から追います!」

その身を白い鳥型の怪人態へと変身させた結花は、セイバーを後ろから抱えた状態でその背の巨大な翼で空へと上がり。
宙を蹴るように移動する美遊を追って飛翔した。



悲鳴と共に激しい音と共に人の体が地に叩きつけられる音が真理の耳に届く。
しかし、真理の体にはいつまで経っても衝撃は与えられなかった。
食いしばるように目を閉じた真理がゆっくりと目を開く。

そこにはファイズの姿はなく、代わりに漆黒の鎧を纏った何者かがいた。
オーガ、帝王のベルト。ここに連れてこられる前、巧と戦っていた存在。

「醜いものを見せてくれるな」

グランインパクトが叩きつけられる直前、カウンターの要領で木場はファイズの胸に拳を叩き込んだのだ。
装甲を凹ませるほどの衝撃を持ったそれを受けたファイズは吹き飛び、同時にその変身も解除されベルトは地に転がっていた。

真理には目をくれることもなくファイズギアの元に向かう木場。

「これは彼のものだ。君が持っていていいものじゃない」

既に視界に映らない草加にそう告げながらもファイズギアを拾い上げ。
ようやく興味を得たかのように真理へと目を向ける。

帝王のベルトの恐ろしさを真理はその目で見ている。
例えNがカイザに変身していようと、今の状態でどうにかできる相手ではない。

「N、逃げて!今のあんたじゃ木場さんには―――」
「!!」

そこまで言いかけたところでNが何かに気付いたかのように顔を上げ。
次の瞬間には、その姿が視界から消えていた。

「やっているようだな、木場よ」
「遅いぞ、何をしていた?」
「何、少し寄り道をな。遅れたことは謝罪しよう」

突如真理の目の前に現れた全身を漆黒の衣装に包んだ仮面の男。
そして、その後ろには目の虚ろな少年の姿。

消えたNは、ベルトの変身を解除された状態で口から血を垂らしながら膝をついていた。


「…今、何をした?見えたはずの未来と、辻褄が合わない…」
「なるほど、貴様もその手の能力を持っている者か。ならこいつはお前にとって天敵ということだな」

仮面の男、ゼロが視線を向けた少年。
少年は静かに、虚ろな目のままNを見て。

次の瞬間、ゼロはNの目前まで迫り、その首を掴みあげていた。

「ガァッ!!」

Nにも真理にも、そして木場にすらも何が起こったのか理解できなかった。
気がついたらゼロの体が移動し、一人の人間の身を掴み上げているのだから。

その現象には見覚えがあったが、これまでゼロと共闘している間彼がこのような能力を使った覚えはない。
ふとゼロが拾ってきたという少年を見る。

「その人間は何だ?」
「言っただろう、拾い物だと。私の言うことには絶対服従の存在だ。
 お前の気に入らない人間だが、今は私の所有物だ、手を出すことは許さんぞ」
「………」

その拾い物が今のまるで時間を止めたかのような現象の原因だとするならば、と木場は心中ゼロに対する警戒を強める。
いずれその時がきた時のために。

だが、今はその時ではない。
目の前には、何としても殺さねばならない者がいるのだから。

Nの首を掴み上げるゼロを尻目に、真理へと足を進める。
と、その目の前に光と共に小さな影が姿を現す。
紫の体の異形の生物。オルフェノクではない。先の電気を放つ生物の仲間かと木場は判断する。

それはタケシが真理に託し、そして真理を託したグレッグルだった。

真理を庇うようにその前に立ち塞がるグレッグル。
しかしそれは帝王のベルトを纏った木場にとって大きな障害とは成り得ない程度の存在でしかない。

「ダメ!下がって!」

邪魔をするなとばかりに剣を振りかざす木場、そして叫ぶ真理。
それでも尚身動ぎせず仁王立ちするグレッグル。





「砲撃(シュート)!!!」

その時だった。
そんな一人と一匹の間に、空から降り注いだ一迅の光が割り込んだのは。

思わず見上げた木場、その目前には一本の刃を構えた少女が迫っていた。
オーガストラッシュを振り上げその一閃を弾き返すと同時に、少女は着地。

「はぁっ!!!」
「ぬ」

その後に続くように空から舞い降りた、甲冑を纏いし少女がゼロの腕めがけて視認できない何かを叩き下ろす。
咄嗟にNを掴んでいた手を離し後ろに下げたことでその一撃は空振りとなった。
しかし間髪入れずにそこから振り上げられた衝撃によって後退を余儀なくされる。

「君は……」
「私の名はセイバー。助太刀に参りました」

そうしてNと真理の前を守るように立ち塞がる二人の少女。
そしてその後を追うように白い羽をはためかせながら舞い降りる白き異形の鳥。

「「真理さん!」」
「美遊ちゃん、結花さん……?」

美遊・エーデルフェルト、そして真理の友人である長田結花。
もう一人の少女も彼女達の味方、敵ではないのだろう。

「真理さん、タケシさんは……」
「………」
『そんな……』

同行者であったタケシの所在を確かめるが、真理の返答は静かに首を横に振っただけ。
それだけでも彼に何があったのか察した美遊とサファイアは言葉を失う。

そして、この場において邂逅した者は真理と美遊、結花だけではない。

「結花か」
「木場さん、なんですか…?」

見覚えのない姿に変身している何者か、しかしその声だけで結花はその仮面の下が誰なのかを知ってしまう。
乾巧から聞いていた、しかし信じたくはなかった事実を。


「ロロさん!!」
「……!」

そして名前を呼ぶ美遊の視線の先にいるのはかつてほんのひと時共に行動し、美遊に銃を向けた後行方しれずとなった少年。
美遊に呼びかけられたロロは、虚ろな目のまま驚くように体を震わせ反応した。


(…どうしたものか)

そんな戦況を一人冷静に見守るのはゼロ。
3対2、うち1人が非戦闘員という圧倒的優位だった状況は一瞬のうちに3対5という構想に変化してしまった。
しかもロロ、木場共に因縁のある相手が混じっている様子だ。
さらに分析すると、木場に斬りかかった少女は数時間前に戦った、平行世界にアクセス可能な武器を持ったあの白い少女、それと同じ武器、能力を持っているように見える。
単純なスペックならこちらが負けることはないだろうが、しかし新たに現れた少女と共に油断できない相手だ。

「木場よ、あの黒髪の少女の相手を任せられるか?可能ならばこちらは甲冑の女とお前の仲間を請け負うが」
「俺に対する気遣いか何かのつもりか?」
「フン、相手をしづらいなら、と思ってやっただけだ」
「対処なら俺にもできる」

と、木場は結花に、ゼロはこの中で最も高い身体能力を持っていると見た甲冑の女、セイバーに目をやる。
セイバーの手には何も持っていないように見えて、手元には風が渦を巻いている。光の屈折か何かで手元の武器を視認しづらくしているのだろう。

「はぁっ!」

そのままセイバーはゼロ目掛けてその手に持った何かを振り下ろし。
迎え撃つようにゼロはギアスを発動させた手を突き出そうとしたところでセイバーは急停止。
勢いを殺しながら後ろに下がり、その手の間合いから離れる。

「ほう、いい勘をしている」

そのまま向かってきてくれていれば虚無のギアスをその体に打ち込めたのだが、間一髪のところでセイバーは直進を止め隙を伺うかのように構えている。
だがこちらの戦い方はギアスだけではない。
間合いを図るセイバーに向けてその背のマントを一斉に射出。

それを一つ一つ弾きながらもセイバーはゼロ目掛けて駈け出した。



「木場さん、乾さんから聞きました。
 本当なんですか?人間として生きるのを辞めたって…」
「………」

セイバーとゼロがぶつかり合う後ろで、結花は信じたくない事実を問いかける。
自分が最も信じた者が人間を捨て、菊池啓太郎の命をも奪ったなど。

しかし帰ってきた答えは沈黙。この場でのそれは肯定と同義だ。

「木場さん!」
「結花、君なら分かるはずだ。人間に守る価値なんてないということが」
「…!」
「話は後だ、今はそこを退け。園田真理は、何としても殺さなければならない」
「そんな……」




「ロロさん!どうしてあの男と一緒に…!」
「…美、遊…?」

そんな木場やゼロを挟んだ位置から、木場に対して牽制を行いつつもロロに話しかける美遊。
虚ろな瞳をしたロロが美遊を視界に収めた時、思い出したくない記憶を掘り起こされたかのように頭を抑えて膝を着いた。

「ロロさん?!」
「兄さん、兄さんは……、死んでなんかない……兄さんは生きて…」
「ロロ!何をしている!」

そのまま何かを唱えるかのように呟くロロに、これまでとは若干色の変わったゼロの声が響く。
そんな声をかけながらもセイバーの鋭い突きを避けカウンターで拳を突き出し、隙を見せる様子はない。
名前を呼びロロに発破をかけただけ、たったそれだけの行為でロロの瞳に光が僅かに映る。

「兄さん…?そうだよね、兄さんはそこにいるんだよね。
 なら、何の問題もないんだよね」
「ロロさん…!?今ゼロのことをお兄さんって…」
「何言ってるのさ、ゼロは兄さんしか有り得ないんだから、何もおかしくなんてないじゃないか」

ロロは明らかに正気を失っている。
騙されているのか、それとも現実逃避をして精神をもたせているのか。
どちらにしてもまともな状態ではない。
一刻も早くロロの元に駆け寄りたい想いが生まれる。

しかし、その前に立つ木場勇治が、オーガの存在がそれを許さない。
たった今刃を交えた美遊はその強さがはっきりと分かる。元の仲間らしいことを考慮しても、結花だけで抑えきれるものではない。
この膠着状態は美遊がいてこそ成立しているもの。離れることはできない。

しかし、木場とてそれを察しないわけもない。

「海堂なら病院にいる。向かうなら今は見逃そう」
「…!海堂さんが……」

それは結花に対する揺さぶりの言葉。
木場の言葉が嘘か本当か、美遊には判別はできない。しかしそれを結花に言った事実は大きい。

「早く行ってやれ。きっとあいつも怪我をしているはずだ」
「黙れ!!」

まるで仲間に伝えるような声色で結花に対しそんなことを呟く木場に思わず刃をぶつける美遊。
しかし、一直線に木場に向かうはずだった美遊の体は大きく木場のいたはずの場所を反れて、刃を空振らせた。

(この現象は…もしかして――)
『美遊様!ロロ様が…』

木場自身もその現象に若干驚いている様子。
今発動したロロのギアスは一瞬だったがそれだけでセイバーはゼロに組み伏せられ抵抗するのが精一杯という状態になっている。
唯一その体感時間停止の効かなかったサファイアだったが、彼女だけでその状況をどうにかできることもなく。

ゼロ以外で最も落ち着きを取り戻すのが早かったのは、この場ではそれを見たのが2度目であった木場。
美遊にそのまま振り下ろされたオーガの刃を彼女は受け止めるが、態勢と美遊の状況把握の遅れが押し返す力を弱めてしまった。

受け切ることができずそのまま地に伏してしまう美遊の目の前で振り上げられる、帝王の長剣。

「…!木場さん!」

そんな木場を前に、戦うことも木場の言う通り海堂の元に向かうこともできぬ結花が、それでもかろうじて木場の名前を呼ぶ。
しかしその声は理想を失した帝王の耳には届かず。

無慈悲に少女の身を切り裂かんと振り下ろされた刃。



「グオオオォォォォォォ!!!」

そこで宙に響いたのは、唸るような獣の鳴き声。
次の瞬間、オーガの体を真っ赤な炎が包み込んだ。

『美遊様!退いてください!』

サファイアの声で咄嗟に後ろに数歩下がる。
それでも熱された空気が顔の表面を嬲るのを感じるほどの威力を持った赤炎。
しかし、閃光と共に現れたその姿には大して堪えている様子はない。

そんなオーガへと向けて、今度は赤い影が空から飛来し突撃をかける。
木場はオーガストラッシュを構えてどうにか防ぐが、衝撃を殺しきれず数歩後ろに下がる。

影が宙を飛んだまま静止しその姿を現す。
翼をもった赤い竜が、怒りの声をあげるように唸りながら木場に敵意を向けていた。

「…彼の達ての願いだからね。タケシを殺した君と、守れなかった自分に対する強い怒りだよ。
 リザードン、炎の渦だ」

外れた場所から、復帰したNがリザードンに指示を送る。
するとリザードンはまるでオーガの周囲を覆うかのように火炎の渦を放射。

「…ちぃ!」

オーガの装甲には大きなダメージを届かせるものではなかったが、その炎の渦は行動を制限する。
足止めをくらったことに舌打ちする木場。

「ふんっ!!」
「くっ!」

その向こうではセイバーがゼロの光る掌を風王結界で受け止める。
しかしその瞬間、武器を纏っていたはずの風が消失、その中にあった竹刀が露になった。

「そんな武器で私を迎え撃つとは、なめられたものだな」

再度風王結界を纏わせる暇も与えずゼロが突き出した拳は、竹刀を易々と圧し折った。
武器を失ったセイバーは、脇に持っていたスペツナズナイフで牽制をかけつつゼロから距離を取る。

と、そんな時だった。
セイバーの元に鞘に収まった一本の刀が投げ渡されたのは。

「これは君に。僕よりはうまく使えるんじゃないか?」
「ありがたい」
「構わないさ。ただあの仮面の男の相手は任せてもいいかい?」

と、鞘から刀を引き抜くと同時、炎の渦が消失し中に呑まれていた木場が姿を見せる。
その向こう、ゼロの後ろに位置していたロロがこちらに背を向け、胸を抑えながら走り去る様子が目に入った。

「ロロさん!」

声をかけるが、ロロは振り向かない。
聞こえていないかのように、ゆっくりとだが視界から離れていく。

「――ユカ、ミユ。ここは私が押さえます。あなた達はあなた達のやるべきことを」
「…!」

美遊と結花にそう告げるセイバー。
美遊がロロを、結花が病院にいる結花自身の仲間を気にしていることを読んだのだろう。
その事実にビクッとしたのか結花が僅かに驚いたような顔を見せる。

『しかし、あの二人を相手にされては…』
「私なら大丈夫です。一瞬だけ隙を作ります。その間にあなた達は先に向かいなさい」
「…分かった。セイバーも気を付けて」
「ユカも、早く」
「…真理さんをお願いします」

そんな会話を最後に地を蹴る美遊と結花。
だが、そんな二人を前にいる二人、特にゼロは見逃すことはしない。
だからこそ結花が白い翼を広げ、美遊が魔力で作った足場を蹴ったその瞬間。

セイバーはその剣に一斉に風を渦巻かせ。

「――――爆ぜよ、風王結界!!風王鉄槌(ストライク・エア)!!」

剣を突き出すと同時に、一気に全面に放出した。
暴風が衝撃となってゼロと木場の二人に襲いかかる中、結花と美遊は逆にその風に乗るように宙を飛び立っていく。

風が収まると同時、セイバーはゼロに、リザードンはオーガに向かい攻め込む。

もし二人のいずれか、あるいは二人が同時にでも美遊、結花を追うようならばその足止めにもできるように攻めたセイバー。
しかしそんなセイバーの心配とは裏腹に、二人は美遊、結花、そして逃げていったロロにも目をくれることすらなかった。

そうして、魔王と帝王、赤竜と騎士王の戦いが始まった。



目の前で戦い始めた木場やその仲間らしき仮面の男、Nのポケモンや甲冑の少女。
彼が連れてきたロロなる少年や、彼や海堂の元に向かうために去って行った美遊と結花。
草加の姿は見えないが、死んではいないだろう。何故彼があそこまでおかしくなったのかは分からないが。

こちらを心配そうに見つめるグレッグルをギュッと抱きしめながら、真理はそれでも戦いを見つめることしかできなかった。
タケシはこんな自分を守って死んでいったというのに。
目の前にファイズギアがあるというのに。

「――――巧……」

脳裏に浮かぶ一人の男の姿。
せめて今彼がどこにいるのか、それさえ分かれば。

ファイズギアを持った木場を視線の先に据えつつ、真理はそう思うことしかできなかった。

【E-5/草原地帯/一日目 午後】

【ゼロ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:健康、コード継承
[装備]:なし
[道具]:共通支給品一式、ランダム支給品0~3(本人確認済み、木場勇治も把握)
[思考・状況]
基本:参加者を全て殺害する(世界を混沌で活性化させる、魔王の役割を担う)
1:目の前に立ち塞がる相手(セイバー、N、リザードン)を殺す
2:木場と手を組むが、いずれ殺しあう
3:ナナリー……
4:可能であるなら、今だけは木場のように同盟を組むに値する存在を探す
5:ロロ・ランペルージは己の駒として利用する、が………?
[備考]
※参加時期はLAST CODE「ゼロの魔王」終了時
※第一回放送を聞き逃しましたが、木場勇治から情報を得ました
※C.C.よりコードを継承したため回復力が上がっています。また、(現時点では)ザ・ゼロの使用には影響が出ていない様子です


【木場勇治@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)
[装備]:オーガドライバー一式 (変身中)@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト
[道具]:基本支給品、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、アヴァロンのカードキー@コードギアス 反逆のルルーシュ
    クラスカード(ランサー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、ファイズギア@仮面ライダー555、コンビニ調達の食料(板チョコあり)、コンビニの売上金
[思考・状況]
基本:オルフェノクの保護、人間の抹殺、ゲームからの脱出
1:目の前に立ち塞がる相手(セイバー、N、リザードン)を排除し真理を殺す
2:すべての人間を殺したあと、村上を殺す。
3:ベルトを手に入れた乾巧と決着をつけたい。
4:たとえ別世界の長田であっても、自分を止めるなら容赦はしない。
5:ゼロとは組むが、いずれ殺しあう。 そろそろ病院で合流したいが…
[備考]
※コロシアムでの乾巧との決戦の途中からの参戦です


【園田真理@仮面ライダー555 パラダイス・ロスト】
[状態]:疲労(中)、身体の数カ所に掠り傷 、強い後悔
[装備]:Jの光線銃(2/5)@ポケットモンスター(アニメ) 、タケシのグレッグル@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:基本支給品一式、支給品0~2(確認済み)、グレッグルのモンスターボール@ポケットモンスター(アニメ)、ファイズアクセル@仮面ライダー555、スマートバックル(失敗作)@仮面ライダー555
[思考・状況]
基本:巧とファイズギアを探す
1:私は…何もできない……
2:巧以外のオルフェノクと出会った時は……どうしよう?
3:イリヤと出会えたら美遊のことを伝える
[備考]
※参戦時期は巧がファイズブラスターフォームに変身する直前
※タケシと美遊、サファイアに『乾巧』、『長田結花』、『海堂直也』、『菊池啓太郎』、『木場勇治』の名前を教えましたが、誰がオルフェノクかまでは教えていません    
※美遊とサファイア、ネモ経由のナナリーから並行世界の情報を手に入れました。どこまで理解したかはお任せします


【N@ポケットモンスター(ゲーム)】
[状態]:疲労(小)
[装備]:サトシのピカチュウ(体力:疲労(大)、ダメージ(中)、精神不安定?、ボール収納)@ポケットモンスター(アニメ)、サトシのリザードン(疲労(小)、木場に対する怒り)@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:基本支給品×2、割れたピンプクの石、プロテクター@ポケットモンスター(ゲーム) 、傷薬×3、いい傷薬×2、すごい傷薬×1
[思考・状況]
基本:アカギに捕らわれてるポケモンを救い出し、トモダチになる
1:リザードンの怒りの原因である木場勇治とその協力者らしき仮面の男(ゼロ)を倒す。
2:世界の秘密を解くための仲間を集める
3:ポケモンセンターに向かいたいが…?
4:化け物…………
[備考]
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
※並行世界の認識をしたが、他の世界の話は知らない。
【変身一発の効能について】
本ロワにおける効果は以下のものとします。
『一本しか支給されていないこの薬品はそれだけでもベルトでの変身を可能とし、なおかつベルトを消滅させることはありません。
しかし本来の適合者が使用した時と比べてスペックが低下しています』


【セイバー@Fate/stay night】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(大)、魔力消費(中)
[装備]:枢木スザクの日本刀@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー、スペツナズナイフ@現実
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:シロウの願いを継ぎ、桜とイリヤスフィールを守る
1:ゼロ、木場勇治の打倒
2:間桐桜を探す
3:余裕があれば約束された勝利の剣を探したい
[備考]
※破戒すべき全ての符によりアンリマユの呪縛から開放されセイバーへと戻りました

【枢木スザクの日本刀@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
ユーフェミアの騎士である枢木スザクが帯刀している武器。
ブリタニア風の装飾が施されている日本刀。



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