その手で守ったものは(前編)

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その手で守ったものは(前編) ◆Z9iNYeY9a2



「はぁ…はぁ……」

息を切らせる美遊。
騎英の手綱を移動用に発動させている彼女の体からは普段より激しい魔力消耗があった。

しかし解除するわけにはいかない。今、自分の後ろには血を流し続けている鹿目まどかがいるのだ。
彼女の治癒ができる場所があるとすれば、一番近い場所は病院だろう。

当然美遊が真っ先に向かったのもそこだった。

しかし―――――

「…何これ……」

そこにあった病院は、まるで巨大な剣か何かで切り裂いたかのように、中央から切れ目が入っていた。
しかも、壁から建物を成すコンクリートの破片がポロポロと落ちている様子からするに、その損傷は新しいもののよう。
下手をすれば、中にはこれを起こした者がいるかもしれないのだ。

一人ならまだしも、鹿目まどかのために向かうにはあまりにも危険すぎる。
そのまま美遊は、遠目から病院を視認しつつ、早急にペガサスをそこから立ち去らせた。

「っ……、どうすれば…」
『美遊様、この先に魔力反応が。先ほどの白い魔法少女のものに近いです。あるいは、まどか様のご友人である可能性が』
「分かった。サファイア、そっちに向かって…!」

その人に会ったところで鹿目まどかの傷を癒やし、命を繋げることができるかなど分からない。
しかし、それでも今は藁にもすがるような思いで、美遊はその魔法少女がいる場所へと向かった。


宙に光の軌跡を描いて飛ぶ美遊とサファイアの姿は思いの外目立つものだった。
まだ昼間とはいえ、空を白い光が飛んでいるのだ。
まるで飛行機が飛び立った後に残る飛行機雲のように、空には残留魔力が線を引くように残っていた。

当然空を見上げれば目立つそれ、ふとした拍子に偶然目にするものもいるだろう。

少なくとも、この時美遊、まどかに関わる者としては2組。
それに気付いた者がいた。


衛宮士郎の亡骸。

もはや物言わぬ躯となったその身を巡って、一悶着が5人の中で発生していた。

セイバー、イリヤ、そして巧。
彼らにとっては大きな存在だった少年。その体をそのまま放置していく、などということはできなかった。

だが、セイバーがその体に触れようとした瞬間、イリヤが魔力砲を放ってきたのだ。
セイバーにとってはそう大きな威力を持っているわけでもない一撃、しかし不思議とその一撃だけはこれまで受けたものと比べてとても重いものだった。

――――お兄ちゃんに触れないで

それを言った時のイリヤの目は、完全に据わっていた。

最初は士郎を殺したセイバーが、彼に触れることを嫌悪しているのかと思った。
だが、そうではなかった。
Lが士郎の体に触れようとした時も、イリヤは鋭い斬撃と化した魔力を放射してきたのだ。

何がされたのかは分かっていなかったが、某映画のごとく体を逸らすことでかろうじてLは己の命を繋ぐことができた。
しかしそれがもし体に当たっていれば間違いなく体を2分割していただろう。

その様子からLは推察した。
今の彼女は、この少年――名は衛宮士郎というらしい者の死を受け入れることそのものを拒んでいるのだと。

何者かがその体に触れても全く動かない体を目の当たりにすることで、受け入れたくない現実―――この少年の死を受け入れざるを得なくなることを心が拒絶しているのではないかと。

「お前、止めろ!危ないだろ!」
「うるさい!とにかくお兄ちゃんには触れないで!触ったら許さないから!」

それなりに長い共に行動していたはずの巧の言葉にすらも耳を貸さない。
だが、力づくで押さえつける、という選択もまた難しかった。

現状、この場で彼女を抑えられるのはおそらくセイバーのみ。
巧、結花は体のダメージが大きく、Lは一般人でしかない。

加えて、今のイリヤは攻撃の度に口から血を流している。
おそらくは攻撃に魔力を使うたびに、治癒しきっていない体の傷にダメージを与えているのだろう。
そんな彼女を、果たして傷つけずに取り押さえることができるか、と言われればセイバーには自信がなかった。

だが、このままでいるのは士郎のためにも、何よりイリヤスフィールのためにもならない。
それはその場にいた皆の共通認識だった。
感情に任せ、しかしその感情さえも不安定な状態の子供を説き伏せるのは、さすがにLとて難易度があまりにも高い。いわば爆発寸前の火薬の処理のようなものだ。
だからこそ、どう動くべきかと皆が考えている状態だった。

そこで、ふとイリヤの視線が空へと動いた。
何もないはずの宙。しかし一同が振り返った時、そこには飛行機雲のような白い軌跡が舞っていた。

それが何なのかは誰にも分からなかった。
しかし、イリヤはその時宙に流星のごとく煌めいた光を、確かに見ていた。
そして、それは他の誰に分からなくとも、彼女だけはそれに見覚えがあったのだ。

「……美遊…?」

それは、かつて美遊がバゼットと戦う中でライダーのカードを夢幻召喚した際の光によく似ていた。
そして、同じものが出せるならばあれは美遊だろうという確信に近い思いがイリヤの中にあった。

「…美遊……!!」

会いたかった。
生きている友に。大切な人に。
あれが本当に美遊なのかどうかなど、今のイリヤには考慮する暇などなかった。
気のせいであるとか、よく似た別のものであるとか、そのような可能性は頭にはなかった。
いや、仮にあったとしても行動は変わらなかったかもしれない。
もし違っていたとしても、今そこへ向かうのであればその間だけは兄の死を忘れられるのだから。

『イ、イリヤさん?!ちょっと待って下さい!』

静止するルビーをも無視し、イリヤは宙へと飛び上がる。

「イリヤスフィール!」
「おい、待て!」

そのままイリヤはゆっくりと飛び上がり、皆からすればその振り向いた方へと向かって進んでいった。
セイバーと巧はそれを静止しようと声をかけるも振り返りもせず。
しかし今の巧では走って追うこともできない。セイバーでは足の速さが足りず、空を飛ぶ彼女を補足することが難しい。Lに至っては言わずもがな。


「…それなら、私が追いかけます」

と、そこで手を上げたのは、それまで言葉少なく場の流れに全てを任せていた長田結花だった。

「ユカ?追いつけるのですか?」
「…はい、私ならたぶん…」

と、結花の顔に灰色の紋様が浮かび上がり、次の瞬間彼女の体は灰色の怪人へと変化させていた。
だが、そのうちの片翼は真ん中辺りから折れており、鳥の体に詳しくない者から見ても飛べるような状態には見えなかった。

それはかつてファイズによって負わされたダメージ。ここにきてもまだ完治はしていなかった。

「っ…。大丈夫です。私があの子を追いかけて様子を見てきます。
 私のバッグにトランシーバーが入ってました。大丈夫そうなら連絡入れますから、後から来てください」
「分かりました。お願いします」

と、最初に少し驚いて以降全く動じること無く結花からトランシーバーの片割れを受け取るL。

直後、地を蹴り翼を羽ばたかせ、空へと飛び上がりイリヤの後を追う。
地上で見守る3人が遠ざかる中、しかし結花は痛みを堪えることに必死だった。

本来ならばイリヤの飛行速度以上の速さでの空中移動も可能なクレインオルフェノク。しかし今の速度は本来のものと比べて随分と遅い。

だがそれでも止まっていたくはなかった。

あの少女が悲しみを背負うことになった一因は自分にある。
自分がセイバーや北崎を止めてさえいれば、あの少年は死ななくてもよかったかもしれないというのに。

かつて赤い服の少女を事故で死なせ。そしてその後間もなく、襲ってきたとはいえ一人の女を死に追いやったのだ。
未だその罪すら償いを行えてすらいない。
だからせめてこれくらいの痛みに耐えてでもできることをやりたかった。

羽から響き続ける鈍い痛みに耐えつつ前を向いていると、イリヤが地上に降りていった。
後を追うようにその地点までたどり着いた結花。

地上を見下ろすように視線を下げた先にいたのは、イリヤを除くと4人の人。
そして、うち一人は結花の見覚えのある人物だった。


その少し前に当たる頃。
さやかとシロナもまた、自分達の元に近づく光の存在に気がついていた。


「あの光は……」
「何?もしかして敵?!」

冷静に光を見据えるシロナと、慌てるさやか。
だが冷静に見えるシロナもその実心の中は穏やかではなかった。

現状シロナはポケモンを持っておらず、さやかも残りの魔力の関係から進んで戦うことまではできない。
実質非戦闘員が2人という状態だ。ここで襲撃を受けたならばひとたまりもない。

だがそれが杞憂であったことに気付くのはそう時間はかからなかった。

近づくそれは、目も眩みそうなほどに真っ白な体を持った、羽の生えた馬だった。
地上に降り立つと同時にその姿は消失し、その場に残ったのは2人の少女。

ぐったりした少女と、そんな子を背負って息を切らしているその子よりも小さな少女。

そしてぐったりしている方の少女、それはさやかには見覚えがある者だった。

「な、まどか!?」

その少女こそ自分の友である鹿目まどか。
突然とはいえ本来ならばその再会を喜ぶところなのだろうが、そうするにはあまりに様子がおかしい。
思わず駆け寄りその体に触れたさやか。

「…え、何、これ?」

背中にふと触れた手は、乾ききっていない鮮血で真っ赤に染まっていた。
その背中には見滝原中学の制服を切り裂いて体に深い傷を残し、流れ出る血で真っ赤に染まっていた。

「何なの…、何があったの?!まどか、しっかりして!」
「…!動かしちゃダメ!下手に動かすと傷が開くわ!」
「……彼女を、助けてあげてください…!」

息を切らしながら、そう懇願するまどかを背負った少女。
見覚えはないが、黒髪で特徴的な衣服を身に纏い、星型のステッキを持ったその姿。
かつて同行者から聞いた者の特徴に一致していた。

「美遊・エーデルフェルトちゃんね?」
「…どうして私の名前を?」
「あなたのことはクロちゃんから聞いてるわ。でも話は後。まずはその子を安静にさせられる場所に連れて行く事が先決よ」

ここから一番近い場所、となると病院となる。一番的確な場所だろう。
しかし病院に向かおうという提案は美遊によって却下されてしまった。
何者か危険人物がまだあそこにいるかもしれないというのだ。

地面に下ろした鹿目まどかの背の傷を確認しつつシロナは考える。
一応シロナのバッグの中にはある程度の医療道具や薬が入っているため、あるいは場所さえどうにかできれば処置は可能かもしれない。
だが、一刻を争う今の状態でそんな場所が近くにあるか―――――――


「美遊…っ!」

と、その時宙から名前を呼ぶ声が聞こえた。

美遊にとっては聞き慣れたその声。
思わず空を見上げた3人。その顔を見た時、シロナとさやかは一瞬息を詰まらせた。

そこにいたのは銀色の長髪で白い肌の少女。年齢は美遊と同じくらいだろうか。
その外見が、かつて共に行動していた少女の顔とあまりにも似ていたから。

少女は、そのまま美遊の元へと駆け寄り、飛びかかるかのようにその体に抱きついた。

「イリヤ!?」
「美遊…、良かった…、美遊…!」

安堵の声をあげて美遊へと抱きつく少女―――イリヤスフィール。
その体をぎゅっと抱きしめたまま、イリヤは美遊を離そうとしない。

「イリヤ、どうしたの?一体何があったの?」

美遊の問いかけにもまともに答えはしない。
それほどまでに、イリヤは切羽詰まっているのだろうか。


一体どうしたのか。何があったというのか。
それをどうやって問いかけるべきかと迷う美遊の前で、イリヤの後を追ってきたかのように空から羽毛が一枚地面に落ちた。

地面に降り立ってきた、白寄りの灰色の体を持った者を見て、シロナとさやかは今度は警戒するかのように下がる。
鳥のような羽毛や羽根にその体を包んだ灰色の怪人。オルフェノクだ。

だが、美遊だけはその存在を知っている。


「結花さん?!」
「美遊…ちゃん?」

それは美遊が探していた人物の一人、長田結花だった。



【事情は分かりました。その場所であれば近くに間桐邸という屋敷があるでしょう。
 ついさっきまで私のいた場所です。それまでの間に何者かが潜んでいなければ安全のはずです】

その後トランシーバーをもってLに状況を説明。ここまで来る道中には人の気配はなかった旨を説明した上で、どうするべきなのか指示を貰い、早急に移動を始めた。
幸いにして間桐邸とはそう離れた場所にいなかったため、その場にいた6人がそこに辿り着くまでは時間を要さなかった。

間桐邸についた一行は、まどかをベッドのある部屋まで連れていき横たえさせた。

シロナとさやか、そしてサファイアが処置のために室内に残り、美遊、結花が他の3人を出迎えると同時に他の参加者、特に危険人物が来ないかどうかの見張りを行っていた。

「結花さん、大丈夫そうで安心しました」
「大丈夫…になるんでしょうか」
「そういえば、海堂さんに会いました」
「え、海堂さんに?!どこでですか?!」
「ここから2エリア分ほど離れた地点で。放送前の話でここからは離れた場所だったので、今どこにいるかまではよく分からないです」
「そうですか…」

どこにいるか分からない。自分で言った言葉の中でふと、美遊の思考に嫌な予感が浮かぶ。
もしかして、海堂はさっき寄りかけた病院にいるのではないか?

一瞬それを伝えるべきか迷った末に、美遊は結局口を噤んだ。
不確定要素を話すには、あの場所は危ない。伝えれば彼女は一人で向かいかねないことも心配だ。

そしてもう一つの問題。

「ルビー」
『はいはーい』

今そばにいる、カレイドステッキ・ルビー。
その主であるイリヤは今その傍にいない。
イリヤは屋敷の一室に一人で篭ってしまっているのだ。
ルビーすらも追い出して、たった一人で。

あんな顔をしたイリヤを、美遊は見たことがなかった。

「ルビー、イリヤに何があったの?」
『いや~…こればっかりは仕方ないこととはいえ、ですねぇ…。おそらく皆さんが追いついてくれば、嫌でも知ることになると思いますね』
「教えて。一体何があったのかを」
『……、こればっかりは私の口から言うことはできないですね…。ただ、美遊さん、気はしっかりと持っていてください』

ルビーの答えは煮え切らない。結花も何か知っているようではあるのに、聞いても答えてはくれない。
何があったというのか。

その答えを知るまでにそう時間はかからなかった。

しばらくの時間の後、3人の人が屋敷に足を踏み入れた。

猫背の男と、彼に肩で支えられて歩いている男。
そして、金髪の美女。

男2人に見覚えはなかったが、金髪の女には不思議と見覚えがあるようにも感じた。
初めて出会った者のはずなのに。

「―――えっ」

だが、その女が背負っている人を見て、美遊は心臓に直接冷水をかけられたかのような衝撃に襲われた。
息をしておらず、ぐったりと血まみれの男。

肩から胴にかけて大きな傷を負っているが、その傷からの出血ももはやない。
まるで完全に体内の血液を流しきったとでも言わんばかりに、真っ赤に染まって固まっている。
呼吸すらしていない彼の姿は、もう生を感じることはなかった。

そしてその男。
赤髪で短髪の、優しさと孤独を感じさせる顔つきのその男は。

「――――士郎…さん…?」



(せめて、私が魔法を使えれば……)

まどかが処置を受けている部屋の外。
中では色々と慌ただしい物音が聞こえてくる。シロナさん自身そう医療技術がなく、サファイアの手助けでどうにか進められている、という状況。

さやかは意識を失ったまま動かないまどかの前で、強い無力感に襲われていた。
長年の親友であり、今や数少ない自分の友人であるといえる少女。
それがこうして死にかけているというのに、自分には何もできない。

かつて手の怪我を癒やすという願いで魔法少女になったように、魔法でまどかの傷を治すことさえできれば。
普段は自分の怪我の治癒に能力を集中していたせいで、他人に対する治癒がうまくいかない。
やろうとも思ったが、慣れないそれを行うには魔力消耗があまりにも激しいと察した。現状のソウルジェムの濁った状態ではできないのだ。

こうして、サファイアとかいうアクセサリーとシロナさんが頑張ってくれている中、自分にできているのはまどかの無事を祈って部屋の前で静かにしていることだけ

たった一人の親友すらも助けられないのに。

(……何が、正義の魔法少女よ…)


間桐邸。
豪邸であるだけに部屋もそれなりの数があり、まどか達のいる部屋以外にもいくつかの寝室があった。
その中の一つの中、陽の光もあまり入らない一室に、イリヤはいた。

部屋の隅で蹲るように座り込んで顔を埋めている。
身動きもとることなく、ただただじっとしているだけ。

ルビーの存在すらも拒絶し、体の痛みは未だ収まらない。
いっそのこと、このまま傷が悪化して死ぬことができるならどれほど楽なんだろうと。

そんなことまで思い始めていた。

コン コン

その時、部屋の扉をノックする音が響く。

だがイリヤは返事をしない。
数秒の静寂の後、扉が開く。

「イリヤ、入るね」

入ってきたのは、自身の、今となってはこの場において唯一の知り合いとなってしまった存在、美遊だった。
今はサファイアやルビーすらも連れていない。一人でこの場に来たということらしい。
静かに美遊はイリヤの元に歩み寄る。しかし、イリヤは顔をあげようとすらしない。

「巧さん達から、何があったのかは大体聞いた。バゼットさんやクロ、そして士郎さんのことも」
「……………」

話しかけても返ってくるのは沈黙だけ。
美遊も無理はないと思っていた。目の前で、衛宮士郎という大切な存在を失ったのだ。

可能なことなら、彼女の悲しみを少しでも自分が背負ってあげたいと、強く思っていた。
だが、どうすればいいのか、如何にすれば、イリヤの悲しみを癒せるのか。
途方にくれながらも、イリヤの隣に腰掛ける美遊。

静寂のまま、暗く重い空気が時を進める。





「……私、お兄ちゃんがいなかったら死んでたかもしれない」

ポツリと、イリヤが呟いた。

「………」
「最初に会ったのは黒いセイバーで、カード回収の時とは比べ物にならないくらい強くて……。
 もうダメだって思った時に、お兄ちゃんが助けてくれたの」

思い出すのは、あの時に迫った死の恐怖。
そして、兄の名を叫んだ時に自分を助けてくれた、あの背中。

あの時は結局勝つことはできなかったが、それでも自分のことを守ってくれたのだ。

「だけど…、お兄ちゃんが戦ったら命が危ないってルビーが言って、だから何があってもお兄ちゃんを守らなきゃって」
「…イリヤ」
「巧さんやバゼットさん達も一緒だったから、大丈夫だって信じてたのに、色んな人に襲われて、バゼットさんも、クロも、お兄ちゃんまで……」
「イリヤ…」
「ねえ、美遊…」


「私がいるから、皆が死んじゃうのかな?」

「…!イリヤ!」

嫌な予感がしてイリヤの方を向いた美遊。
その手には、どこから手に入れたのか小さな刃物が握られていた。
本当に小さいものだが、それでも人体における急所を突き刺せば致命傷となるだろう。
例えば、首筋のような。

震える手でそれを自分の首に突き刺そうとするイリヤの手を、とっさに払い抑える。
小さな刃は弾かれ、宙を回転しながら舞った末に壁に突き刺さった。

手を強く握りしめたまま、美遊はイリヤの顔を見る。
いつも明るい光で満ちていたはずの瞳は虚ろで、顔にも生気を感じない。

「…離して」
「…………」
「私の傍にいたら、美遊もきっと酷い目に会っちゃう。きっと、美遊のことも死なせちゃう。だから――――」
「―――――イリヤ!!」

手首を握りしめていた手を離し、美遊はイリヤの肩を掴む。

「イリヤ、私にとってあなたが死ぬ事以上に辛いことなんて、ない」
「………」
「イリヤの辛さは、士郎さんを失った悲しみは、私にも分かる。
 ――――――私も、イリヤと同じだから」
「えっ…」

光のない目のまま、イリヤは美遊の顔を見つめる。
真っ直ぐ、強い意志に満ちた、美遊の瞳を。

「前に話したよね、私には敵しかいなくて、唯一の味方のお兄さんが『友達ができますように』って願ってくれたって。
 私も、イリヤと同じなの。あの時兄は、私を逃がすために敵に一人立ち向かっていった。私が今こうして生きていられるのは、そのおかげ。
 だから、お兄ちゃんは、もうきっと……」

悲しみを堪えるかのようにイリヤから一瞬瞳を逸らす。
しかし、それでも。

「イリヤ、きっと士郎さんもイリヤに生きてほしいと思ったからこそ戦ったんだと思う。
 誰に言われたわけでもない、それが士郎さんの願いだったから」
「………」
「イリヤの悲しみは、私も受け止めてあげる。あなたの苦しみも、一緒に背負う。
 だから、イリヤ。生きよう?生きて2人で………ううん、生きているみんなで、帰ろう?
 クロのためにも、士郎さんのためにも、そして、イリヤの帰りを待ってるみんなのためにも。
 あなたは、一人じゃないから」

イリヤにそう告げた美遊の瞳は、どこまでも真っ直ぐに未来を見ていた。

イリヤの脳裏に浮かぶのは、きっと帰りを待っているだろうセラやリズ、いなくなった自分達を探して駆け回っているだろう両親。
そして――――セラやリズときっと一緒に帰りを待っているだろう、兄の姿。


(そうか、ルビーの言ってたことってそれだったんだね…)

いつだったか言われた言葉。
あの士郎が自分の知っている衛宮士郎とは違うことをはっきりと認識しておかないと、自分はいつか傷つくことになる、と。

自分を守って死んでいった衛宮士郎も確かにお兄ちゃんだった。
だけど、そのお兄ちゃんは、自分をその元にいるべき場所に帰すために戦った。

彼ははっきり認識していたのだろう。自分が彼の知るイリヤとは別人であるということを。
認識した上で、彼は戦ったのだ。自分を生かすために。

だが、それでも。たとえ自分の本当の兄である衛宮士郎でなかったとしても。
自分を守った彼もまた、衛宮士郎であったことには代わりはない。

ならば、生きる。生きなければならない。
生きて、帰る。それが、彼が最後に自分に託した想いなのだから。

「美遊…。ありがとう。美遊のおかげで私がこれからどうしなきゃいけないのか、分かった気がする」
「イリヤ……」
「それとね、美遊。少しだけお願いがあるの」

と、イリヤは美遊の体を静かに抱き寄せる。

「イリヤ?」
「少しだけ、このままでいさせて」

ぎゅっと美遊の体を抱きしめ、肩に顔を埋めるイリヤ。
ジワリ、と。その顔を押し付けられた部分が濡れるのを美遊は感じ取った。
その体を抱きしめたまま、友や仲間、兄の名前を震える声で呟くイリヤの悲しみを、静かに受け止め続けた。








『おやおや、いいんですか?イリヤさんに用があったんでしょう?』
「…私の出る幕ではなかったようです」
『まあ確かに、今のイリヤさんの目の前にあなたが出て行くというのもあまりいい影響を与えはしなかったと思いますが』
「そうでしょうね…。ですが、彼女はきっと、立ち上がってくれるでしょう。私のことを受け入れてくれるかは分かりませんが」

そんな2人の部屋の前。
イリヤに用があっただろう一人の少女がルビーと話していた。

今にも壊れそうな、士郎が守り切った少女の心を守らねばならないとここまで来た。しかしその必要はなさそうだった。
今の彼女には、自分よりもっと相応しい、そしていい友を持っている。
だから、私には役不足だろう。

彼女が自分を許すかどうかは分からないし、許さないならそれはそれでいい。それは受け入れるべき罰なのだから。

それでも、今イリヤスフィールが士郎の死をはっきりと受け入れ前に進む決意はしてくれた。
それだけを確認して、セイバーは静かに、ルビーと共に部屋を去っていった。




間桐邸の一室。
また彼らのいる部屋とは異なる部屋の中。

そこで静かに横たえられている衛宮士郎の亡骸。

その傍で、乾巧は静かに佇んでいた。
もう動くことのない士郎の体を、静かに見下ろしながら。

その顔はとても安らかだった。
まるで、何の後悔もなく死んだのだとでも言わんばかりの。
実際はそんなはずはないのに。

こいつには守りたいものが、守るべき夢があった。
俺なんかよりも、ずっと生きる意味があったのだ。

なのに、守れなかった。
小さな願いは、まるで砂のようにこぼれ落ちて消えていったのだ。

「………ああッ!」

ガン

思わず壁に拳を叩きつける。
拳に衝撃が走り手の皮が切れるが気にならない。そのくらいの痛みなど気にならない。

士郎を守れなかったことに比べれば。


いっそ泣くことができれば楽だっただろう。
だが、涙を流すことはできなかった。

かつて真理を死なせ。この場では啓太郎を守れず。
そして今、守ると誓ったはずの少年すらも守ることができなかった。

「…どうすりゃ、いいんだよ……」

いっそ出会わなければ。いっそ知り合わなければ。
こんな思いをしなくてもすんだのだろうか。
マミの時のように、深く関わる前にその元を去るべきだったのだろうか。


「……乾さん?」

ふと自分を呼ぶ声が聞こえ、振り返った先にいたのは長田結花。
こちらを見るその顔には心配そうな表情が浮かんでいる。

どうやら壁を殴った時の音が外まで響いていたらしい。

だが、そんな彼女を見ても、今は話す気にはなれなかった。

「…………」

何となくだが今の自分の表情を見られたくはなかったのだろうか、思わず顔を反らす。
その結果、出て行ってくれと言いそびれ、結花は部屋に入ってきてしまったのだが。

「乾さん、この人とは親しかったんですか?」
「…出会ってからちょっとの間一緒にいたってだけのやつだよ」
「ずっと、一緒にいたんですか?」
「…ずっとじゃねえけど、朝に会ってからは割とずっと一緒だったってだけだ」
「そう…ですか」

何かを考え、確かめているかのように巧に質問を投げかける結花。
おかしなことを言っただろうか、とふと巧は疑問に思う。
そういえばここで合流してから彼女の自分に対する様子は何か違和感を感じたような気がする。

やがて、結花は心を決めたかのように問いかけてきた。

「あの、乾さん。ファイズのベルトのことなんですけど…」
「…ああ、あれは今はたぶん草加のやつが持ってる。もしかしてあいつと会ったのか?」
「………そうですか、あれは乾さんじゃなかったんですね」
「なあ、もしかしてお前のその傷って――――」
「いえ、いいんです。大丈夫ですから、これくらいの傷は」

思い起こすのは、結花の翼に目に見えて分かるほど残っていたあの傷。
確かに草加ならばやりかねないものだが、それを責める気にはなれない。

そもそも、ファイズであることから逃げた自分に、あいつの戦いを責める資格などない。

「乾さん、ファイズのベルトはいいんですか?」
「………」
「それに、美遊ちゃんが真理さんに会ったって言ってました。もし探しに行くんでしたら、一緒に探しますけど…」
「……今は真理に会いたくない。いや、会えねえんだよ」

真理。ファイズ。
それらは今の自分には求めるべくもないものだ。
草加ならば俺なんかよりもっとうまくやるだろうし、真理も守ってくれるだろう。
俺は、必要ないのだ。

「…乾さん、まるでちょっと前の、何だか色々迷ってた時みたい。何かあったんですか?」
「…?」

ちょっと前の迷っていた時、というのが何を意味するのかは分からなかった。巧自身、現在進行形で迷っている最中だ。

「何日か前に傷ついてた乾さん、私達の部屋でしばらく過ごしたことあったじゃないですか。何だかその時と同じ顔をしてます」
「…何のことだ?」
「よかったら、ちょっと話してみてくれませんか?少しは力になれるかもしれないですし」

彼女は口だけではない、本心から巧の力になりたいと願っていた。
同じオルフェノクとして、もしかしたら自分になら彼の力になれるのではないかと。

「俺は、何も守れなかったんだよ。啓太郎も、木場の心も、こいつ、士郎のやつも」
「木場さんの心…?」
「あいつは、人間の心を捨ててオルフェノクになった。啓太郎を殺したのも木場だ」
「……嘘…」

結花は巧の言葉をすぐに信じることはできなかった。
あんなにも人間との共存を願っていた彼が、よりにもよって菊池啓太郎を殺したという事実を。

「俺が、せめて俺があそこで間違えたりなんかしなけりゃ、啓太郎は死ななかった。木場もあんな風にはならなかったんだ。
 なのに、俺はまた同じことをして…、今の俺にファイズになる資格なんてねえんだよ…!」

頭を打ち付けかねないほどに嘆きながら、壁に手をつき頭を下げる巧。
その様子を見て、木場勇治が人の心を捨てたことを嘘だとは言えなかった。

「…乾さん、それならなおさらファイズになってください。木場さんを、止めてあげてください。お願いします…!
 勝手なことを言ってるのは分かってます。でもきっと、真理さんもそれを望んで――――」
「俺は真理に何かを望まれるようなやつじゃねえんだよ!」

そう吐き捨てるように叫び、巧はドン、と音をたてて壁を叩いた。

園田真理。その名前を出されるのは何よりも辛かった。
何故なら―――――

「俺は…、真理を一度殺してるんだ……」

それが、自分の背負っている罪なのだから。

「…え、それって……」
「お前に話すようなことじゃねえが、この際だから言っておく。俺はお前の思ってるようなやつじゃない」

流星塾の同窓会の惨劇。
草加や真理達の夢を壊したのは、他ならぬ自分なのだから。
だから、真理に会う資格なんてない。

彼女にも分かっておいて欲しかった。こんな、人の心を失うか分からない化け物、そして疫病神の近くにはいるべきじゃないと。

「…私、その話知ってるかもしれません」

だが、彼女の口から出た言葉は巧の思ってもいなかったものだった。

「乾さん、覚えてないんですか?ちょっと前に真理さんと私達のうちで話してたじゃないですか。
 真理さん達を殺したかもしれないって悩んでた時、真理さん言ってましたよね。
 乾さんは襲ったんじゃなくて守ろうとして戦ってくれたんだって」

そんな事が言われた時の自分の顔がどんなものだったのかは巧には分からなかった。
というか言われた言葉の意味が分からなかった。

俺は襲おうとしたんじゃなくて、真理達を守ろうとした?

「…何言ってんだよ。勝手に話作ってんじゃねえよ」
「作ってないです!私だってあんまり詳しいこと聞いたわけじゃないですけど、確かに真理さんはそう言ってました」

結花自身その事情を把握できているわけではない。
ただほんの偶然、隣の部屋にいた時にそういう会話を耳にしてしまっただけのこと。

「俺が…殺したんじゃない…?」

ただ、その結花の言葉が巧の中に小さな迷いを持たせたことは確かだった。

言葉の意味を確かめるために、真理に会うべきではないのか、というそれまでのものとは違う方向性を持った迷いを。




「…ここにおられましたか」

と、その時扉が開いて一人の少女が姿を見せる。
歳はよく見れば結花とそう変わらない、むしろ年下ほどだろうが、纏っている雰囲気はまるでその外見とは不釣り合いなほどに精錬された、金髪の少女。
その衣服はボロボロだった先ほどから着替えたのか、今は白いシャツにベージュのベスト、黒いスカートのまるで学校の制服のようなものを纏っている。
一件すればその外見はまるで外見通りの少女とも見えてしまうかもしれないが、彼女がただの女の子ではないことは二人とも身を持って知っている。

セイバー。かつて結花を恐怖によって従わせ、他ならぬ士郎を殺した相手。


結花にとっても巧にとってもやりづらい相手であった。
結花はそのあまりの雰囲気の変化に戸惑うことも多く。
巧にしてみれば士郎を殺した張本人。なのにその佇まい、雰囲気は殺人者のものには見えない。あの戦いを見ていなければ士郎を殺した、などと言われても信じられないほどだ。

彼女を前にしていると、どうしてもジレンマを感じてしまう。
だから、可能な限り距離をとっておきたかった。特に巧にとっては。
だというのにこうして話しかけてきたのだ。


「何の用だよ」

ため息を吐くように、巧はセイバーを見やりつつ答える。
見ると、後ろにはイリヤの傍にいるはずのルビーの姿も見える。

「あいつのところに行くんじゃなかったのか?」
「いえ、私に彼女を慰める権利などないでしょう。今のイリヤスフィールには、もっとそれに相応しい者がいます」
『まあ、今は私の出られる空気でもなさそうでしたしねー』
「…あいつは大丈夫そうだったか?」
「今はまだ心の傷も癒えていないようですが、いずれきっと持ち直してくれるでしょう。
 彼女には、その心を支えてくれる存在がいますから」
「そうか…」

正直なところ、巧も気がかりではあったのだ。
目の前で兄を死なせてしまったというのは、まだ少女である彼女にどれだけの悲しみを与えてしまったのか。
それが気がかりでもあったから。

「じゃあ、どうしてセイバーさんはここに来られたんですか?」
「…少し、話をしてみたくなりまして。シロウと共に行動をしたというあなたと」
「出てけ」

セイバーの、巧と話してみたいという思いに対する返答はにべもないものだった。
同行者であった士郎を殺された巧の心境を考えれば仕方のないことではあるし、その答え自体もそう予想外のものでもなかった様子であるセイバーも無理をいうことなく部屋を出ようとしていた。
その一瞬、セイバーが悲しそうな表情を浮かべていたことに唯一気付いた結花は思わずセイバーを呼び止めた。

「待ってくださいセイバーさん」
「ユカ?」
「セイバーさんは、その士郎さんって人のことはよく知ってるんですか?」
「…よく知っている、というほどでは。過去に一度パートナーとして数日の時を共に過ごしたくらいです」
「そうですか。乾さん、セイバーさんと一度話してみられてはどうでしょう?士郎さんって人のこと、もっと分かるかもしれないですし」
「………せめて場所を変えさせてくれ」

一瞬、おそらく無意識だろうが視線を逸らした巧。
その先には士郎。この場所で話すにはやはりその存在が気になってしまうようだ。
実際にはセイバーにも士郎に対して思うところは多いほどの仲なのだが、今巧にそこまで察することはできない。

「分かりました」

セイバー、巧、結花、そしてルビーは士郎のいた部屋から、その隣の空き部屋へと移動した。





話した内容自体はそう他愛のないものだ。
ただ、出会ってからこれまでの間にどんなことがあったかをあれこれと話していっただけ。

怪我をした自分を拾って手当てしたこと。あの時のやり取り。
呉キリカという魔法少女の遭遇、そして戦い。
そして、キリカという少女の言葉で迷いを持っていたあの時の士郎の様子、そして頼まれたもの。

その後のゼロやバーサーカーと戦った時は士郎とは一時的に別行動をとっていたため多くを語れはしなかった。
後のことは目の前の少女も知るままだ。彼女と戦い、死んでいった。

こうして話してみると、衛宮士郎という存在について話せることは思ったより少なかった。
こんなものでいいのだろうか、と一瞬巧は思ったが、そんな身中を察したのかセイバーはそれだけ聞けたならば十分、と言った。

「…こんなものでいいのか?」
「ええ。あなたとシロウの間に大きな信頼があったことが伺えます。
 確かに過ごした時間でいうのならば私の方が長かったのかもしれませんが、私にはそこまでのことを彼から知ることはできなかった」
「そうか…」

むず痒い気分になった。褒められているのだろうとは思ったが、その事実に対してどう返せばいいのか分からない。
というか、この少女にそんな反応をされたらどう返すべきかということを全然考えていなかった。

「私はかつてシロウの剣となり彼を守ると誓った。しかし、私にはそれ以上の関係を築くまでに至るには時間が足りなかった。
 しかしあなたはそれより遥かに短い時間で、彼に多くのものを託されているほどに信頼されている。私にはそれが羨ましい」
「あいつから、託されたもの…?」
「はい。それはあなたが一番よく知っているはずです」

セイバーの言葉で、ふと記憶を呼び起こす。
士郎を守れなかった事実に押しつぶされそうになっていたこともあって、そういったことの多くを失念していた。

士郎から託されたもの。

―――――お前の夢くらいは、俺が守ってやるからよ

―――――俺にもしものことがあったら、イリヤを守ってやってほしいんだ

夢。衛宮士郎が守りたかった一人の少女が、幸せに過ごせる世界。
願い。この場で出会った妹を、元の世界に帰すこと。

「……そうか、そうだよな。あいつの夢も、願いも、まだ終わっちゃいねえ。
 士郎は守れなかったけど、まだあいつに頼まれたものは残ってる」

士郎を守れなかったという事実を背負い、あいつのやれなかった、守りたかったものを守ってやらなければいけない。
あいつにそれを頼まれた者として。

ふと正面のセイバーに視線をやると、彼女は小さく笑みを浮かべていた。
優しく、しかしどこか寂しさと悲しみを感じさせるような、そんな微笑み。


「…何だよ?」
「いえ、少しだけ羨ましくなりまして。
 ―――――良き友を持ったのですね。シロウも、イリヤスフィールも」

巧にはセイバーの心中を図ることはできない。
だが、それでも今の言葉を呟いた時のセイバーの目には深い羨望の中に仄かな温かみを感じた気がした。
家族や友人、大切な人に向けるよう優しいもの。

士郎を殺したという事実には、未だに受け入れきれない複雑な思いもある。
だけど、今目の前にいるこの少女のことは信じてもいいのではないか、と。
巧はそう思った。





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