憐れみをください ◆Z9iNYeY9a2
目の前を歩く士郎の姿。
その背には眠り続ける小さな少女が背負われていたが、巧には何だかそれ以上に重い何かを抱えているようにも見えた。
その背には眠り続ける小さな少女が背負われていたが、巧には何だかそれ以上に重い何かを抱えているようにも見えた。
思えば、あの時からもっとあいつの傍を離れずにあんなことにはならなかったのかもしれない。
そんな選択は互いに取れないのだろうと思っていながらも、今思い返すとそう考えずにはいられなかった。
そんな選択は互いに取れないのだろうと思っていながらも、今思い返すとそう考えずにはいられなかった。
「…なあ、お前の気にしてるやつ、間桐桜、だっけ。お前の彼女なんだろ、どんなやつなんだ?」
雑談のつもりでふと口にした言葉。
その中で無意識のうちに、その背が背負わされているものが何なのかということにもっと近づきたくて探ろうとしていたのかもしれない。
その中で無意識のうちに、その背が背負わされているものが何なのかということにもっと近づきたくて探ろうとしていたのかもしれない。
「桜は、…、まあ話せば長くなるんだけどな」
ポツポツと思い出を語り始めた士郎。
その一つ一つに、士郎が桜に対して抱いている想いを感じさせた。
その一つ一つに、士郎が桜に対して抱いている想いを感じさせた。
「だけど、桜は俺の前以外だと、今でもあまり笑わないらしいんだ」
語る細かい内容はよく理解できなかったが、要約すれば彼女は家で行われていた実験のようなものの結果短命であり、そこで命を伸ばすために人を食らうこともあったのだという。
「そうなったのは最近だったんだけど、でもずっとそうやって、誰にも助けを求めずに過ごしてきたってことに俺はずっと気付けなかった」
自分を責めるように言う士郎。
慰めの言葉を口にしかけて、しかし言いかけたところで喉元で止まった。
慰めの言葉を口にしかけて、しかし言いかけたところで喉元で止まった。
「お前は、そいつを助けたいんだよな?」
「そうだな。助けたい、生きてほしい、一緒に隣で歩んでいきたい、そう思う」
「そうだな。助けたい、生きてほしい、一緒に隣で歩んでいきたい、そう思う」
空を見上げながらそう言う士郎。
「だけど」
その視線のまま、どこか遠くを見ているような目のままでこう続けた。
「こうも思うんだ。一緒に歩むだけじゃない。
桜が、いつか俺がいなくても、笑えるようになってほしいって」
「…縁起でもないこと言うんじゃねえよ」
「はは、そうだよな」
桜が、いつか俺がいなくても、笑えるようになってほしいって」
「…縁起でもないこと言うんじゃねえよ」
「はは、そうだよな」
笑い飛ばした士郎。
「…だけど、そうだな。
そんなふうにできたら、いいな」
「そうだな」
そんなふうにできたら、いいな」
「そうだな」
その言葉の奥底に含まれていた意味に、あの時の俺は気付けなかった。
そして自分が口にした言葉がどれほどの重みを持っていたものだったのかも。
そして自分が口にした言葉がどれほどの重みを持っていたものだったのかも。
◇
「……」
「お、おい。大丈夫か」
「…だ、大丈夫です……。自分で歩けます…」
「お、おい。大丈夫か」
「…だ、大丈夫です……。自分で歩けます…」
躓きそうになりながら歩を進める桜。
遊園地を出発して以降、フレンドリィショップが見えてくるこの場所まで来るところまでで既に四度は躓いている。
うち一度は地面に倒れており、出発前に遊園地で見繕ったシャツとロングスカートも既に土で汚れている。
遊園地を出発して以降、フレンドリィショップが見えてくるこの場所まで来るところまでで既に四度は躓いている。
うち一度は地面に倒れており、出発前に遊園地で見繕ったシャツとロングスカートも既に土で汚れている。
そして、そのたびに時間をかけて起き上がる。手を貸そうとする巧を拒絶して。
「……ねえ、少し休んでいった方がいいんじゃ…」
イリヤがポツリと、フレンドリィショップを指差しながら言う。
何度も転ぶ桜の姿があまりにも痛々しく、歩いているだけでも辛そうだ。
何度も転ぶ桜の姿があまりにも痛々しく、歩いているだけでも辛そうだ。
無理もない。そもそも右腕を喪失した桜にはバランスを取ろうとして歩くだけでも常人より負担がかかる。
転んでしまおうものなら尚の事だ。
転んでしまおうものなら尚の事だ。
「…大丈夫、です。まだ行けます。急がないと、行けないんですよね…?」
しかし桜はイリヤの提案も断って前に進む。
『確かに今はあまりゆっくりするよりも次の放送までに目的を果たした方がいいだろうからね。
まあ、もう一方の彼らがどれだけ時間がかかるかは分からないけど』
まあ、もう一方の彼らがどれだけ時間がかかるかは分からないけど』
そんな背中を見ながら、ひょこひょこと歩いてきたキュゥべえ。
『一つ聞いておきたいんですが、キュゥべえさん、あなたのいうやり方には桜さんが必要、ということでしたが。
それは桜さん自身に危険が及ぶってことはないんですよね?』
『全ては彼女次第だよ。
例えば精神状態を悪化させた人間は得てして不幸に巻き込まれやすくなる。事故や事件、魔女の餌になるなんてことも僕たちの世界じゃあったね。
そういう因果が集まりやすくなる。彼女に生きる気力がなければ結果は一つしかない』
『答えになっていませんよ。桜さん自身に危険が及びはしないのかどうかという一点を聞いてるんです』
『敢えて言わせてもらうなら、五分五分といったところだ。
だけど彼女の気力があの様子なら、結果は見えている。
イリヤスフィール、そんな顔をしないでほしいな。少なくとも現状だとこれが最善なんだよ。
時間をかけるわけにもいかないし、君たちに間桐桜という罪を背負った存在を抱えたままアカギ達との戦いに挑むことは難しいんだから』
それは桜さん自身に危険が及ぶってことはないんですよね?』
『全ては彼女次第だよ。
例えば精神状態を悪化させた人間は得てして不幸に巻き込まれやすくなる。事故や事件、魔女の餌になるなんてことも僕たちの世界じゃあったね。
そういう因果が集まりやすくなる。彼女に生きる気力がなければ結果は一つしかない』
『答えになっていませんよ。桜さん自身に危険が及びはしないのかどうかという一点を聞いてるんです』
『敢えて言わせてもらうなら、五分五分といったところだ。
だけど彼女の気力があの様子なら、結果は見えている。
イリヤスフィール、そんな顔をしないでほしいな。少なくとも現状だとこれが最善なんだよ。
時間をかけるわけにもいかないし、君たちに間桐桜という罪を背負った存在を抱えたままアカギ達との戦いに挑むことは難しいんだから』
言外で見捨てようとも取れる言葉を投げるキュゥべえをにらみつけるイリヤ。
弁解のように、これが最善だと告げるキュゥべえだったが、その言葉が逆にイリヤと巧の心に強い敵愾心を植え付けていた。
弁解のように、これが最善だと告げるキュゥべえだったが、その言葉が逆にイリヤと巧の心に強い敵愾心を植え付けていた。
「一番いいやり方だから見捨てるとか、そういうものじゃねえだろ、人の命ってのは」
『君たち人間はどこの世界でも変わらないよね。
僕たちが宇宙全体のために行動してるって話しても、みんな決まって同じ反応をする』
「まどかさんがあなたのこと恨むような目で見ていた気持ち、何か分かった気がする…」
『君たち人間はどこの世界でも変わらないよね。
僕たちが宇宙全体のために行動してるって話しても、みんな決まって同じ反応をする』
「まどかさんがあなたのこと恨むような目で見ていた気持ち、何か分かった気がする…」
これがわざわざこっちに来たのもその辺りの事情だろう。
きっと巧やイリヤには自分を手に掛けるほどのことはできないと踏んでいるのだとルビーは推測した。
きっと巧やイリヤには自分を手に掛けるほどのことはできないと踏んでいるのだとルビーは推測した。
『僕のことよりも間桐桜を追った方がいいんじゃないのかな?』
キュゥべえがそう言うやいなや、視界の外まで行った様子の桜が再び転倒するかのような音が響いた。
駆け出す巧、その後を少し遅れて追うイリヤ。
駆け出す巧、その後を少し遅れて追うイリヤ。
キュゥべえはそんな二人を後ろから見ながら、ゆっくりと後を追って歩き始めた。
追いついた巧が見たのは、地面に倒れた状態でまた起き上がろうとする桜の姿。
「おい、大丈夫か!」
「…大丈夫です、自分の力で起きられ……っ」
「…大丈夫です、自分の力で起きられ……っ」
桜は手を地面についたところで、一瞬息を詰まらせた。
それでも起き上がった桜。その様子が気になった巧は、桜を無理やり座らせた。
「…!何するんですか…!」
「いいから!じっとしてろ!!」
「いいから!じっとしてろ!!」
スカートの膝元を捲ると、膝を擦りむいていたようで肌に血が滲んでいた。
「お前、足が」
「…足が、どうかしたんですか?」
「そうか、見えねえんだったな。悪い。
擦りむいてるぞ。痛かったんだろ」
「これぐらい、大したことないです。どうせ体はもう、ボロボロですから…、今更傷一つくらい」
「だからって放っとけるか」
「…足が、どうかしたんですか?」
「そうか、見えねえんだったな。悪い。
擦りむいてるぞ。痛かったんだろ」
「これぐらい、大したことないです。どうせ体はもう、ボロボロですから…、今更傷一つくらい」
「だからって放っとけるか」
残っていた飲料水で濡らした布で傷口を拭き取る。
「ねえ、ルビー。あれくらいの傷は治せない?」
どこからいたのか、巧の後ろでその様子を見ていたイリヤがルビーに問いかける。
『んー、やろうにもイリヤさん自身治癒魔術とか医療技術とかに精通してたりってことがないですからねぇ。
それにあれくらいの傷ならすぐに治るでしょうし』
「そうかもしれないけどさ、でも」
「…気にしないでください。これくらい、大丈夫ですから」
それにあれくらいの傷ならすぐに治るでしょうし』
「そうかもしれないけどさ、でも」
「…気にしないでください。これくらい、大丈夫ですから」
巧が傷を拭き終わったと見るや、バランスを崩しながら立ち上がる。
手を貸そうとした巧を、桜は振り払って歩き出す。
その後ろに追随しながら、思わず巧は問いかけていた。
「お前、何でそんなに全部自分でやろうとするんだよ」
他人を拒絶して全部を自分で背負い込んで。
何だか、少し前の自分を見ているような錯覚を覚えた。
何だか、少し前の自分を見ているような錯覚を覚えた。
「…だって、全部私のせいだから…、私にできることは、私がやらなきゃだめじゃないですか」
こちらに背を向けたままそう呟き。
「先輩も、もういないんだから…」
諦めの混じった、その小さな呟きを巧の耳は聞き逃さなかった。
その言葉に、士郎が語った間桐桜という少女についての話が脳裏をよぎった。
『桜は俺の前以外だと、今でもあまり笑わないらしいんだ』
笑わなかった。それはどういうことか。
もしかして、こんなふうに感情全てを押し込んで辛いという気持ちも外に出すことなく抱え込んでいたんじゃないか。
そして、その感情を出せる唯一の相手が、士郎だったんじゃないか。
そして、その感情を出せる唯一の相手が、士郎だったんじゃないか。
『桜が、いつか俺がいなくても、笑えるようになってほしいって』
士郎の言葉が、再び蘇ってきた。
前を行く桜の前に回り込んで、その左腕を自身の肩に置く。
「な…、っ、止めてください!一人で行けます!」
不意の行動に思わず声を荒げてしまう桜。
その体を支え、抗議する桜を放さないようにしながら巧は言った。
「ああ、士郎はもういねえんだ。守れなかった俺の責任だからな。
でも、だからってあいつの代わりにお前を守ってやるなんてことは言えねえ」
「…だったら邪魔しないでください!私は一人でも大丈夫だって言ってます!」
「だけど、俺は俺として、お前を支えてやることはできる」
「…!」
でも、だからってあいつの代わりにお前を守ってやるなんてことは言えねえ」
「…だったら邪魔しないでください!私は一人でも大丈夫だって言ってます!」
「だけど、俺は俺として、お前を支えてやることはできる」
「…!」
桜の抗議する力が緩まった。
「お前がどんな世界で生きてきたかなんて、俺には分からねえけど。
でも、お前の世界はどうあれ、俺は俺が守りたいものを守る。それだけだ」
「私の世界は、もう壊れてるんですよ…。父さんに捨てられて蟲だらけの倉で心と体を壊されたあの日から…」
でも、お前の世界はどうあれ、俺は俺が守りたいものを守る。それだけだ」
「私の世界は、もう壊れてるんですよ…。父さんに捨てられて蟲だらけの倉で心と体を壊されたあの日から…」
それでも、拒絶の意思は曲げられなかった。
「もし私の役目を果たしたら、たぶん私は死にます。それが私の償いで、私の最後の願いなんですから…」
そう願うからこそ、これ以上こちらに情けをかけられることも手を差し伸べられることも、受け入れたくはなかった。
このまま、虚無の中で沈んでしまいたい、消えてしまいたい。
このまま、虚無の中で沈んでしまいたい、消えてしまいたい。
「それは、嘘だよ」
そんな桜の言葉を否定したのは、二人の後ろを追っていた少女、イリヤだった。
「私見てた。最後に撃ち合ったあの時、桜さん、泣いてたの」
宝具を放つ直前の一瞬。
ほんの小さな光だったが、イリヤは怪物と化しつつあった桜の瞳から漏れ出た一筋の光を見逃さなかった。
ほんの小さな光だったが、イリヤは怪物と化しつつあった桜の瞳から漏れ出た一筋の光を見逃さなかった。
それが、あの決死の一撃への意思に繋がったのだ。
「そ、れは」
夢を見ていたかのように記憶から薄れかけていたものが蘇る。
狂気の中、英霊との同化が進行しすぎて記憶を食いつぶしそうになったあの瞬間。
狂気の中、英霊との同化が進行しすぎて記憶を食いつぶしそうになったあの瞬間。
「あれは、あの記憶は、私の、私だけのものだから、それだけは無くしたくなかったから」
罪を重ね、狂気に堕ち、最後は死すらも望んでおきながら。
大切な記憶を、想いすらも失って何でもない何かになってしまうことだけは恐れていた。
大切な記憶を、想いすらも失って何でもない何かになってしまうことだけは恐れていた。
「身勝手なんですよ、私。死んでもいいって思っても、そんなことに怖いと思っちゃって。
みんなを殺したことだってそうです。たくさん人を殺したことより、藤村先生を殺したこと、先輩が死んだことの方が、ずっと悲しいんです」
「いいんですよ、ワガママで。みんなぐちゃぐちゃで、その時々で言うことも違ったり後先考えないことしちゃったり。
私の周りにもいたんだし」
「…私は、あなたの友達も殺したんです。
恨んだりはしないんですか?」
みんなを殺したことだってそうです。たくさん人を殺したことより、藤村先生を殺したこと、先輩が死んだことの方が、ずっと悲しいんです」
「いいんですよ、ワガママで。みんなぐちゃぐちゃで、その時々で言うことも違ったり後先考えないことしちゃったり。
私の周りにもいたんだし」
「…私は、あなたの友達も殺したんです。
恨んだりはしないんですか?」
イリヤの胸に、一瞬チクリと刺さるような痛みが奔る。
美遊やルヴィアの命を奪ったという事実は、取り繕おうとしてもそう簡単に拭えるものではない。
美遊やルヴィアの命を奪ったという事実は、取り繕おうとしてもそう簡単に拭えるものではない。
「正直、私にもまだ整理しきれてないのかもしれない。
もしかしたら士郎さんのことがあるから、目を背けてるだけなのかもしれない」
もしかしたら士郎さんのことがあるから、目を背けてるだけなのかもしれない」
それは現状のイリヤの正直な気持ちだった。
「だけど、どんなことをした人でも、どんな悪いことをした人でも。
私の目の前に苦しんでいる人がいるなら、私は手を伸ばすよ」
私の目の前に苦しんでいる人がいるなら、私は手を伸ばすよ」
桜に向けて手を差し出すイリヤ。
その表情はよく見えない桜はその白い手を見つめていた。
その表情はよく見えない桜はその白い手を見つめていた。
「……今までずっと1人でした。助けてとも言えなくて、ずっと孤独で苦しくて。
もし私の周りにいた人に、あなた達みたいな人がいたら、ここまで苦しまなくてもよかったのかな」
「何言ってんだよ。まだこれからだろ」
「………」
もし私の周りにいた人に、あなた達みたいな人がいたら、ここまで苦しまなくてもよかったのかな」
「何言ってんだよ。まだこれからだろ」
「………」
こんな自分を助けようとする巧とイリヤ。
拒絶することを止め、巧に肩を貸された状態で歩く桜。
だけど。
この二人の放つ光は、桜にはあまりにも眩しすぎた。
この二人の放つ光は、桜にはあまりにも眩しすぎた。
◇
「巧さん、疲れたら言ってね。私が代わるから」
「これくらい何ともねえよ。それに子供に無理させられねえだろ」
「そうかもしれないけど、…あんまり一人で背負いすぎないで」
「これくらい何ともねえよ。それに子供に無理させられねえだろ」
「そうかもしれないけど、…あんまり一人で背負いすぎないで」
歩み始めた三人。
イリヤは巧と桜の後ろをその背を見ながら付いていく。
イリヤは巧と桜の後ろをその背を見ながら付いていく。
『イリヤさん、いいんですか?スザクさんに言われたことは』
「……うん、よくはないけど、どうしたらいいのかが思いつかなくて」
「……うん、よくはないけど、どうしたらいいのかが思いつかなくて」
後ろから見る二人の背中。
覇気も生きる気力も薄い桜の背に対して、巧の背は何だか色々なものを背負いすぎているようにも見えた。
覇気も生きる気力も薄い桜の背に対して、巧の背は何だか色々なものを背負いすぎているようにも見えた。
出発前にスザクに呼び止められて、言われた言葉を思い出す。
「僕は乾巧、彼のことをよく知ってるわけじゃない。
そんな僕から見ても、彼はいろんなものを背負い込み過ぎているように見える。
僕にもそんな経験があったけど、彼はそれを全部自分の中で完結させようとしてるんじゃないかって」
「…それは」
『あー何か分かります。最初に会った時だってかなり壁高かったですし』
「そうだな、死者に心を囚われているとでもいうべきなのかな。僕にも覚えがあるから何となく分かるんだ。
間桐桜のこともそうだ、僕と彼はなんとなくだけどいざというところで相容れないと思う。だけど気がかりではある。
ここまで生き残れた同士とも言うべき存在だ、あまりその生命を散らして欲しくはない。
だから、もし君にできるなら、彼の心を支える役割をお願いできないか?」
そんな僕から見ても、彼はいろんなものを背負い込み過ぎているように見える。
僕にもそんな経験があったけど、彼はそれを全部自分の中で完結させようとしてるんじゃないかって」
「…それは」
『あー何か分かります。最初に会った時だってかなり壁高かったですし』
「そうだな、死者に心を囚われているとでもいうべきなのかな。僕にも覚えがあるから何となく分かるんだ。
間桐桜のこともそうだ、僕と彼はなんとなくだけどいざというところで相容れないと思う。だけど気がかりではある。
ここまで生き残れた同士とも言うべき存在だ、あまりその生命を散らして欲しくはない。
だから、もし君にできるなら、彼の心を支える役割をお願いできないか?」
断る理由もなかったから、その役割を承諾した。
ただ、現状は桜のことで手一杯であり巧に対してどうするべきなのか、何ができるのか。
それが思いつかなかった。
それが思いつかなかった。
(どこかで何かできる時が、来るのかな)
【C-4/西部/二日目 黎明】
【乾巧@仮面ライダー555】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(小)、皆の死に対する強い悔恨
[装備]:ファイズギア一式(ドライバー、フォン、ポインター、ショット、アクセル)@仮面ライダー555 、ファイズブラスター@仮面ライダー555
[道具]:共通支給品、、クラスカード(黒騎士のバーサーカー)、サファイアの破片
[思考・状況]
基本:ファイズとして、生きて戦い続ける
1:キュゥべえのいう会場の装置をどうにかするため柳洞寺に向かう
2:見知った人や仲間がいなくなっていくことに対する喪失感
3:間桐桜を絶対に死なせない
[備考]
[状態]:疲労(中)、ダメージ(小)、皆の死に対する強い悔恨
[装備]:ファイズギア一式(ドライバー、フォン、ポインター、ショット、アクセル)@仮面ライダー555 、ファイズブラスター@仮面ライダー555
[道具]:共通支給品、、クラスカード(黒騎士のバーサーカー)、サファイアの破片
[思考・状況]
基本:ファイズとして、生きて戦い続ける
1:キュゥべえのいう会場の装置をどうにかするため柳洞寺に向かう
2:見知った人や仲間がいなくなっていくことに対する喪失感
3:間桐桜を絶対に死なせない
[備考]
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:疲労(中)、全身にダメージ(小)、ツヴァイフォーム使用による全身の負荷(回復中)、クロ帰還による魔力総量増大
[装備]:カレイドステッキ(ルビー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:クラスカード(キャスター、ランサー、アサシン、アーチャー、ライダー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本:皆と共に絶対に帰る
1:巧、桜と共に柳洞寺に向かう
2:桜に手を差し伸べる
3:巧のことも気がかり
[備考]
[状態]:疲労(中)、全身にダメージ(小)、ツヴァイフォーム使用による全身の負荷(回復中)、クロ帰還による魔力総量増大
[装備]:カレイドステッキ(ルビー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[道具]:クラスカード(キャスター、ランサー、アサシン、アーチャー、ライダー)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本:皆と共に絶対に帰る
1:巧、桜と共に柳洞寺に向かう
2:桜に手を差し伸べる
3:巧のことも気がかり
[備考]
【間桐桜@Fate/stay night】
[状態]:右腕欠損、魔力消耗(大)、顔面の右目から頬にかけて切り傷、右目失明、視力障害、全身傷だらけ、強い罪悪感
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、呪術式探知機(バッテリー残量5割以上)、自分の右腕
[思考・状況]
基本:死にたい
1:柳洞寺に向かう。あわよくばそこを自分の死に場所としたい
2:二人の優しさが眩しすぎる
[備考]
※黒化はルールブレイカーにより解除されました。以降は泥の使役はできません。
※切断された右腕はナナリーのギアスの影響で修復不可となっていました。
[状態]:右腕欠損、魔力消耗(大)、顔面の右目から頬にかけて切り傷、右目失明、視力障害、全身傷だらけ、強い罪悪感
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、呪術式探知機(バッテリー残量5割以上)、自分の右腕
[思考・状況]
基本:死にたい
1:柳洞寺に向かう。あわよくばそこを自分の死に場所としたい
2:二人の優しさが眩しすぎる
[備考]
※黒化はルールブレイカーにより解除されました。以降は泥の使役はできません。
※切断された右腕はナナリーのギアスの影響で修復不可となっていました。
165:消せない罪(前編) | 投下順に読む | 167:白き牙の飛翔 |
時系列順に読む | ||
165:消せない罪(前編) | 乾巧 | 169:I beg you |
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン | ||
間桐桜 | ||
キュウべぇ |