外見と心象の違い ◆qbc1IKAIXA
知っている人間の死をどう反応すればいいのか、ミュウツーは決めかねていた。
サトシに対して良き感情は抱いている。同時に人間という種にはいまだ複雑な感情だ。
ポケモンであるがゆえ、個人と種をわけて考えるのが難しかった。
自分を生み出し、利用していた連中しか知らず、人間とは彼らのような存在しかいないと思い込んでいたのもある。
それに優しき少年は亡くなったのに、悪の限りを尽くすロケット団の首領は生きていた。
いずれ奴とも決着をつけないとならない。ただ、どう対応するかはいまだ迷っていた。
人間という存在がわからないからだ。
さて、とミュウツーは移動を再開する。ちょうど南は禁止領域に指定されるようだが、どうしたものか。
公園に即した道路をゆっくり歩きながら、周囲の気配を探った。
瞬間、銃声が聞こえる。続けて、ポケモンの鳴き声、いや泣き声が聞こえてきた。
銃弾を打たれた恐怖の声ではない。悲哀に満ちた想いが込められていた。
導かれるようにミュウツーは向かう。
交差点を曲がると、目的の相手は簡単に見つかった。それもそうだ。
彼はサイドカーと呼ばれる人間の乗り物に乗る少女の腕に抱かれて、泣いていたのだから。
人間がいる可能性も考慮していたミュウツーは相手が気づくのを待った。結果、黒髪の少女のほうが反応する。
「動かないで」
かすかにミュウツーは動揺する。あっさりと背後に回られ、銃器をつきつけられたのだ。
とはいえ、より気にかかることがある。あくまでポケモンに話しかけた。
『誰かの死を悲しんでいるのか?』
ミュウツーの問いかけに、ポッチャマが顔を上げた。
彼を抱いている方の少女は驚いていたが、銃を持つ娘は微動だにしない。
『私は危害を加える気はない。ただ、彼と話がしたいだけだ』
心からの訴えが風に乗る。黒髪を流すままにしている彼女は、無表情を保っていた。
サトシに対して良き感情は抱いている。同時に人間という種にはいまだ複雑な感情だ。
ポケモンであるがゆえ、個人と種をわけて考えるのが難しかった。
自分を生み出し、利用していた連中しか知らず、人間とは彼らのような存在しかいないと思い込んでいたのもある。
それに優しき少年は亡くなったのに、悪の限りを尽くすロケット団の首領は生きていた。
いずれ奴とも決着をつけないとならない。ただ、どう対応するかはいまだ迷っていた。
人間という存在がわからないからだ。
さて、とミュウツーは移動を再開する。ちょうど南は禁止領域に指定されるようだが、どうしたものか。
公園に即した道路をゆっくり歩きながら、周囲の気配を探った。
瞬間、銃声が聞こえる。続けて、ポケモンの鳴き声、いや泣き声が聞こえてきた。
銃弾を打たれた恐怖の声ではない。悲哀に満ちた想いが込められていた。
導かれるようにミュウツーは向かう。
交差点を曲がると、目的の相手は簡単に見つかった。それもそうだ。
彼はサイドカーと呼ばれる人間の乗り物に乗る少女の腕に抱かれて、泣いていたのだから。
人間がいる可能性も考慮していたミュウツーは相手が気づくのを待った。結果、黒髪の少女のほうが反応する。
「動かないで」
かすかにミュウツーは動揺する。あっさりと背後に回られ、銃器をつきつけられたのだ。
とはいえ、より気にかかることがある。あくまでポケモンに話しかけた。
『誰かの死を悲しんでいるのか?』
ミュウツーの問いかけに、ポッチャマが顔を上げた。
彼を抱いている方の少女は驚いていたが、銃を持つ娘は微動だにしない。
『私は危害を加える気はない。ただ、彼と話がしたいだけだ』
心からの訴えが風に乗る。黒髪を流すままにしている彼女は、無表情を保っていた。
□
「お互い、探している人は無事みたいね」
目が覚めたほむらの言葉を聞きながら、ナナリーの無事をアリスは喜んだ。
禁止領域と死者を記録している彼女の側で、サイドカーはやはり舗装された道路に限る、と感想を持った。
このバイク(に変形するKMFもどき)の走破性は高いのだが、凸凹の道は腰にくる。
できることなら、移動はちゃんとした道路に限定したいと内心文句をつけた。
もっとも、そうはいかないだろうが。
「……なにか動いた」
冷静な言葉にはっと意識を戻す。そこからはプロ意識も働き、周囲を警戒した。
視界の端に何かが動く。グロッグの感触を確かめながら、次の展開を待った。
「ポッチャマ~ポチャー……」
「ペ、ペンギン?」
曲がり角から無謀に現れた存在に、アリスは驚いた。
相手は生物というより、ペンギンのぬいぐるみのような愛らしい存在だ。
思わずグロッグを下げ、無防備に近寄ろうとする。
「待ちなさい。何を仕掛けてくるかわからない。慎重に行動して」
「わ、わかっているって」
反論しながらも、警戒態勢を崩さないほむらにやり過ぎだと感想を抱いた。
目の前のペンギン? は涙を流し、悲しんでいる。今すぐにでも駆け寄って抱きしめてあげたい。
「喋れる、もしくはテレパシーが使える? 事と次第によってはあなたの命はないわ」
冷徹な警告も無視して、ただ泣き伏せている。進展のない状況にほむらが苛立ったのか、一発足元に撃った。
銃弾の乾いた音が晴天に響き渡る。
「ちょっと、いきなり発砲はないでしょ!」
「こういう生物が一番油断ならないことを、私は経験しているわ」
無感情な瞳に甘いと責められているような気がして、アリスはむかっ腹を立てた。
そもそもこの子は銃を撃たれても反応せず、ただ泣いているのだ。事情はわからないが、ほむらの行動は行き過ぎている。
無言でバイクを降り、銃を収めてから近寄った。
「あなた……」
「ねえ、君。どうしたの?」
アリスが優しい口調で聞き出そうとしても、相手はイヤイヤと首を振るだけだ。
涙が止まらない生物をとりあえず抱き上げてバイクに戻るり、ほむらの咎めるような視線は無視した。
「ほら、泣いて吐き出せるものは全部吐き出して、すっきりしちゃいなさい」
「あなたは随分と余裕ね」
「皮肉? でも、こんなに無防備でいる相手を撃つのはちょっとね」
「甘いわね」と吐き捨てるほむらを一瞬だけ睨んだが、もう一つの足音に反応せざるを得なかった。
またも現れた来訪者は人間でなかった。ただ、愛らしい手元の動物と違い、2メートル近い身長の白い怪物だ。
切れ目の大きな瞳がこちらに向けられ、口がへの字に曲げられている。意思の疎通が期待できそうにない。
「動かないで」
なのにほむらはあっさりと後ろに回ってから警告した。答えを期待しているわけではないだろう。
アリスも返ってくるとは思っていない。
『誰かの死を悲しんでいるのか?』
しかし予想外の出来事は起きる。低い声の問いかけに答えるように、腕の生物が顔を上げる。
『私は危害を加える気はない。ただ、彼と話がしたいだけだ』
「信用できないわ。あなたはインキュベーターの知り合いかしら?」
『インキュベーター? 私はそのポッチャマと同じくポケモンの一種だ。ミュウツーという』
アリスは腕の子がポッチャマという名前であることを、頭の片隅においておく。
相手の言葉通り殺意がないため、ほむらにアイコンタクトを送った。
だが、銃を収める気配がない。
「ほむら?」
しかたなく話しかけるが、無視される。アリスはどうするか迷ったが、先にミュウツーが動いた。
容赦無くほむらは引き金を引こうとするが、それより先に謎の光が彼女の腕を上に向けさせた。
ポケモンの技、サイコキネシスを手加減した形だとまだわからなかった。
『先に言っておくが、私にその武器は通用しない』
「そう。なら……」
「やめなって。いざというときは私のギアスとあなたの魔法で逃げることができるし、ひとまず様子を見るわよ」
こちらの指示に対し、不満気な態度を返されるが放置しておく。
彼らの行動を見届けるのが先だ。
『感謝する。ポッチャマと言ったな。さきほど泣いていた言葉の中に気になる名前があった。ヒカリ、サトシ、と』
「ポ、ポチャ!?」
『私はヒカリという少女を知らない』
ポッチャマが明らかに落胆したような態度を示す。
『だが、サトシという少年は知っている。彼の優しさに救われたし、その最期も偶然教えられた』
「ポチャ! ポチャポチャ、ポチャ!!」
『残念ながら、彼は殺されてしまった。ポケモンバトルの最中、不意を突かれた。手持ちのリザードンがそう教えてくれた』
「ポチャ……ポチャチャ……」
またも涙ぐむポッチャマにアリスは焦る。どうやら、ヒカリやサトシと言った人物は彼にとって大切な人らしい。
アリスにとってかつての妹や、ナナリーのように。
『サトシを殺した女は、因果が巡ったのか別の殺人者に殺された。しかし、私の胸は晴れない。お前もそうなのか?』
「ポチャ~」
『言うまでもなかったな』
それからしばらくは、ポッチャマの嗚咽があたりに響いた。
アリスはゼロたちが追いつく可能性も、他の襲撃者に襲われる可能性も考えて警戒を続けた。
彼らが大切な人を喪った、悲しみに浸る時間を作るために。
目が覚めたほむらの言葉を聞きながら、ナナリーの無事をアリスは喜んだ。
禁止領域と死者を記録している彼女の側で、サイドカーはやはり舗装された道路に限る、と感想を持った。
このバイク(に変形するKMFもどき)の走破性は高いのだが、凸凹の道は腰にくる。
できることなら、移動はちゃんとした道路に限定したいと内心文句をつけた。
もっとも、そうはいかないだろうが。
「……なにか動いた」
冷静な言葉にはっと意識を戻す。そこからはプロ意識も働き、周囲を警戒した。
視界の端に何かが動く。グロッグの感触を確かめながら、次の展開を待った。
「ポッチャマ~ポチャー……」
「ペ、ペンギン?」
曲がり角から無謀に現れた存在に、アリスは驚いた。
相手は生物というより、ペンギンのぬいぐるみのような愛らしい存在だ。
思わずグロッグを下げ、無防備に近寄ろうとする。
「待ちなさい。何を仕掛けてくるかわからない。慎重に行動して」
「わ、わかっているって」
反論しながらも、警戒態勢を崩さないほむらにやり過ぎだと感想を抱いた。
目の前のペンギン? は涙を流し、悲しんでいる。今すぐにでも駆け寄って抱きしめてあげたい。
「喋れる、もしくはテレパシーが使える? 事と次第によってはあなたの命はないわ」
冷徹な警告も無視して、ただ泣き伏せている。進展のない状況にほむらが苛立ったのか、一発足元に撃った。
銃弾の乾いた音が晴天に響き渡る。
「ちょっと、いきなり発砲はないでしょ!」
「こういう生物が一番油断ならないことを、私は経験しているわ」
無感情な瞳に甘いと責められているような気がして、アリスはむかっ腹を立てた。
そもそもこの子は銃を撃たれても反応せず、ただ泣いているのだ。事情はわからないが、ほむらの行動は行き過ぎている。
無言でバイクを降り、銃を収めてから近寄った。
「あなた……」
「ねえ、君。どうしたの?」
アリスが優しい口調で聞き出そうとしても、相手はイヤイヤと首を振るだけだ。
涙が止まらない生物をとりあえず抱き上げてバイクに戻るり、ほむらの咎めるような視線は無視した。
「ほら、泣いて吐き出せるものは全部吐き出して、すっきりしちゃいなさい」
「あなたは随分と余裕ね」
「皮肉? でも、こんなに無防備でいる相手を撃つのはちょっとね」
「甘いわね」と吐き捨てるほむらを一瞬だけ睨んだが、もう一つの足音に反応せざるを得なかった。
またも現れた来訪者は人間でなかった。ただ、愛らしい手元の動物と違い、2メートル近い身長の白い怪物だ。
切れ目の大きな瞳がこちらに向けられ、口がへの字に曲げられている。意思の疎通が期待できそうにない。
「動かないで」
なのにほむらはあっさりと後ろに回ってから警告した。答えを期待しているわけではないだろう。
アリスも返ってくるとは思っていない。
『誰かの死を悲しんでいるのか?』
しかし予想外の出来事は起きる。低い声の問いかけに答えるように、腕の生物が顔を上げる。
『私は危害を加える気はない。ただ、彼と話がしたいだけだ』
「信用できないわ。あなたはインキュベーターの知り合いかしら?」
『インキュベーター? 私はそのポッチャマと同じくポケモンの一種だ。ミュウツーという』
アリスは腕の子がポッチャマという名前であることを、頭の片隅においておく。
相手の言葉通り殺意がないため、ほむらにアイコンタクトを送った。
だが、銃を収める気配がない。
「ほむら?」
しかたなく話しかけるが、無視される。アリスはどうするか迷ったが、先にミュウツーが動いた。
容赦無くほむらは引き金を引こうとするが、それより先に謎の光が彼女の腕を上に向けさせた。
ポケモンの技、サイコキネシスを手加減した形だとまだわからなかった。
『先に言っておくが、私にその武器は通用しない』
「そう。なら……」
「やめなって。いざというときは私のギアスとあなたの魔法で逃げることができるし、ひとまず様子を見るわよ」
こちらの指示に対し、不満気な態度を返されるが放置しておく。
彼らの行動を見届けるのが先だ。
『感謝する。ポッチャマと言ったな。さきほど泣いていた言葉の中に気になる名前があった。ヒカリ、サトシ、と』
「ポ、ポチャ!?」
『私はヒカリという少女を知らない』
ポッチャマが明らかに落胆したような態度を示す。
『だが、サトシという少年は知っている。彼の優しさに救われたし、その最期も偶然教えられた』
「ポチャ! ポチャポチャ、ポチャ!!」
『残念ながら、彼は殺されてしまった。ポケモンバトルの最中、不意を突かれた。手持ちのリザードンがそう教えてくれた』
「ポチャ……ポチャチャ……」
またも涙ぐむポッチャマにアリスは焦る。どうやら、ヒカリやサトシと言った人物は彼にとって大切な人らしい。
アリスにとってかつての妹や、ナナリーのように。
『サトシを殺した女は、因果が巡ったのか別の殺人者に殺された。しかし、私の胸は晴れない。お前もそうなのか?』
「ポチャ~」
『言うまでもなかったな』
それからしばらくは、ポッチャマの嗚咽があたりに響いた。
アリスはゼロたちが追いつく可能性も、他の襲撃者に襲われる可能性も考えて警戒を続けた。
彼らが大切な人を喪った、悲しみに浸る時間を作るために。
□
『私を信用してくれて助かった。礼を言う』
「まあ、あなたよりこの子を信用したからね。正直、まだ疑っているわ」
『そうか。人間ならそれが普通なのか?』
「私の場合は訓練の結果でもあるし。ほむらの方はわからないけど」
距離をとっているほむらに話をふるが、彼女は一瞥しただけで沈黙を守る。
なんとも警戒心の高いものである。アリスの方は油断はしていないもの、今すぐ襲い掛かることはないと判断する程度には心を許していた。
油断だと蔑まれたのなら、それでもいい。誰かを失って悲しむ相手を、たとえ人間でなくても見捨てることができなかった。
(ああ、そうか)
妹を亡くしたときの自分と、今のポッチャマを重ねたのだ。
泣きつかれて眠った彼を優しく抱き直し、ミュウツーと向き合う。
「それであなたはどうするの? 私たちと一緒に行く?」
『いや、私は人間を見て回りたい。美樹さやかという、興味のある相手も見つかったことだしな』
「美樹さやかって、ほむらの知り合いよ」
『そうか。ならば、彼女らは学校に集まり、各方面に散った。美樹さやかは北の方面だったが……ポッチャマと仲間のポケモン、ピカチュウは東の方面に向かった。
まさか旧知の彼らと、ポッチャマが知り合いとは思わなかったが』
「へえ。で、私たちはどうするの?」
「……そのポッチャマの仲間とかいう連中を追いましょう」
「どういう風の吹き回し?」
「簡単なことよ。美樹さやかと再会するのはやめたほうが身のため。南には化け物がいるわ。
なら、比較的安全な東に向かうのは当然の判断よ。もっとも、ミュウツーの言うことが本当なら、だけど」
彼女の疑り深さに辟易しながらも、ミュウツーの顔を伺う。
彼の表情の変化はわかりづらく、不快に思っているかどうかは判断つかなかった。
『忠告しておく。その東には殺人者も向かっていた。充分気をつけておくことだ』
「うん、ありがとう。他に誰かいた?」
アリスの質問がきっかけになって、学園の出来事が目の前のポケモンより語られる。
ほむらの反応は薄かったが、興味がないのだろう。
ただ、自分は聞き逃せないことが多かった。
「C.C.!? こんなところでウィッチ・ザ・ブリタニアの話を聞くなんて……」
『知っているのか? 彼女はニャースに信頼されていたようだが』
「私たちにとっては死活問題よ」
「ならどうするの? C.C.を追いかけるのかしら?」
アリスはポッチャマを抱き直しながら、首を横に振った。
「私のことはあと。ナナリーを優先したい」
「そう。なら言うことはないわ。それと、ゼロらしき人物のことはわかっているわね?」
「乾巧に教えたように平行世界とか言うんでしょ。わかっているけど、南にいるゼロと同じ思想かな?」
「そう見たほうが危険は少ないでしょうね」
「かもね。ミュウツーも気をつけて。南にいるゼロはバケモノだから。それと、オルフェノクの木場って奴は人間をつけ狙っている」
『人間を? 私に話しかけた海堂と呼ばれた男はむしろ守ろうとしていたが』
片眉をしかめ、うなだれた巧の姿を思い出す。
胸のどこかが重くなりながら、木場の情報を教えた。
「乾巧って人を裏切ったみたい。私たちと別れた、菊池啓太郎が殺された。強化スーツを召喚できるし、実力も魔王と同等と見ていいかも。とにかく、気をつけて」
『人を裏切った。なら、あの場にいた人間も危ないということか』
ミュウツーは微かにうなずき、踵を返す。
「どうするの?」
『この付近にいる人間に警告をする。普通の人間を魔王と名乗る輩や、仲間を裏切るような男の犠牲にさせるのは良くないだろう。
私はまだ人間を理解できないが、それくらいは判断がつく』
「そう、じゃあ縁があったらまた会いましょう」
『ああ。それとサカキには気をつけろ。奴はロケット団という組織を率いていた。私からはもうそれだけだ』
ミュウツーはいい終ると自分たちのもとから離れていった。
その背中を見届け、頬を緩めながら息を吐く。
「もう気がすんだかしら?」
「刺々しいわね。不満でいっぱいってこと?」
「別にそうでもないわ。ただ、外見が愛らしいからといって肩入れするのはどうかと思うだけよ」
「あんたぬいぐるみにでもトラウマがあるわけ?」
呆れ半分で言うが、ほむらは肯定も否定もしなかった。
彼女は無言で半壊のサイドカーに移るよう促す。アリスがポッチャマを抱いているため、運転を代わるつもりなのだろう。
サイドバッシャーが発進し、比較的安全と思われる東に向かう。
あいかわらず何を考えているかわからない相手だ。
特にミュウツーにではなく、ポッチャマに警戒をする態度は。
まあ、特に手を出す気はないみたいだ。アリスはならばこの子の仲間に会わせてあげたいと、ぼんやりと思った。
「まあ、あなたよりこの子を信用したからね。正直、まだ疑っているわ」
『そうか。人間ならそれが普通なのか?』
「私の場合は訓練の結果でもあるし。ほむらの方はわからないけど」
距離をとっているほむらに話をふるが、彼女は一瞥しただけで沈黙を守る。
なんとも警戒心の高いものである。アリスの方は油断はしていないもの、今すぐ襲い掛かることはないと判断する程度には心を許していた。
油断だと蔑まれたのなら、それでもいい。誰かを失って悲しむ相手を、たとえ人間でなくても見捨てることができなかった。
(ああ、そうか)
妹を亡くしたときの自分と、今のポッチャマを重ねたのだ。
泣きつかれて眠った彼を優しく抱き直し、ミュウツーと向き合う。
「それであなたはどうするの? 私たちと一緒に行く?」
『いや、私は人間を見て回りたい。美樹さやかという、興味のある相手も見つかったことだしな』
「美樹さやかって、ほむらの知り合いよ」
『そうか。ならば、彼女らは学校に集まり、各方面に散った。美樹さやかは北の方面だったが……ポッチャマと仲間のポケモン、ピカチュウは東の方面に向かった。
まさか旧知の彼らと、ポッチャマが知り合いとは思わなかったが』
「へえ。で、私たちはどうするの?」
「……そのポッチャマの仲間とかいう連中を追いましょう」
「どういう風の吹き回し?」
「簡単なことよ。美樹さやかと再会するのはやめたほうが身のため。南には化け物がいるわ。
なら、比較的安全な東に向かうのは当然の判断よ。もっとも、ミュウツーの言うことが本当なら、だけど」
彼女の疑り深さに辟易しながらも、ミュウツーの顔を伺う。
彼の表情の変化はわかりづらく、不快に思っているかどうかは判断つかなかった。
『忠告しておく。その東には殺人者も向かっていた。充分気をつけておくことだ』
「うん、ありがとう。他に誰かいた?」
アリスの質問がきっかけになって、学園の出来事が目の前のポケモンより語られる。
ほむらの反応は薄かったが、興味がないのだろう。
ただ、自分は聞き逃せないことが多かった。
「C.C.!? こんなところでウィッチ・ザ・ブリタニアの話を聞くなんて……」
『知っているのか? 彼女はニャースに信頼されていたようだが』
「私たちにとっては死活問題よ」
「ならどうするの? C.C.を追いかけるのかしら?」
アリスはポッチャマを抱き直しながら、首を横に振った。
「私のことはあと。ナナリーを優先したい」
「そう。なら言うことはないわ。それと、ゼロらしき人物のことはわかっているわね?」
「乾巧に教えたように平行世界とか言うんでしょ。わかっているけど、南にいるゼロと同じ思想かな?」
「そう見たほうが危険は少ないでしょうね」
「かもね。ミュウツーも気をつけて。南にいるゼロはバケモノだから。それと、オルフェノクの木場って奴は人間をつけ狙っている」
『人間を? 私に話しかけた海堂と呼ばれた男はむしろ守ろうとしていたが』
片眉をしかめ、うなだれた巧の姿を思い出す。
胸のどこかが重くなりながら、木場の情報を教えた。
「乾巧って人を裏切ったみたい。私たちと別れた、菊池啓太郎が殺された。強化スーツを召喚できるし、実力も魔王と同等と見ていいかも。とにかく、気をつけて」
『人を裏切った。なら、あの場にいた人間も危ないということか』
ミュウツーは微かにうなずき、踵を返す。
「どうするの?」
『この付近にいる人間に警告をする。普通の人間を魔王と名乗る輩や、仲間を裏切るような男の犠牲にさせるのは良くないだろう。
私はまだ人間を理解できないが、それくらいは判断がつく』
「そう、じゃあ縁があったらまた会いましょう」
『ああ。それとサカキには気をつけろ。奴はロケット団という組織を率いていた。私からはもうそれだけだ』
ミュウツーはいい終ると自分たちのもとから離れていった。
その背中を見届け、頬を緩めながら息を吐く。
「もう気がすんだかしら?」
「刺々しいわね。不満でいっぱいってこと?」
「別にそうでもないわ。ただ、外見が愛らしいからといって肩入れするのはどうかと思うだけよ」
「あんたぬいぐるみにでもトラウマがあるわけ?」
呆れ半分で言うが、ほむらは肯定も否定もしなかった。
彼女は無言で半壊のサイドカーに移るよう促す。アリスがポッチャマを抱いているため、運転を代わるつもりなのだろう。
サイドバッシャーが発進し、比較的安全と思われる東に向かう。
あいかわらず何を考えているかわからない相手だ。
特にミュウツーにではなく、ポッチャマに警戒をする態度は。
まあ、特に手を出す気はないみたいだ。アリスはならばこの子の仲間に会わせてあげたいと、ぼんやりと思った。
【D-2とC-2の境目の公園/一日目 朝】
【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:ソウルジェムの濁り(少)、疲労(中)、頭蓋骨骨折(回復中)
[服装]:魔法少女変身中
[装備]:盾(砂時計の砂残量:中)、グロック19(15発)@現実、(盾内に収納)、ニューナンブM60@DEATH NOTE(盾内に収納)、サイドバッシャー(サイドカー半壊)@仮面ライダー555
[道具]:共通支給品一式、双眼鏡、黒猫@???、あなぬけのヒモ×2@ポケットモンスター(ゲーム)、ランダム支給品0~1(武器類はなし)
[思考・状況]
基本:アカギに関する情報収集とその力を奪う手段の模索、見つからなければ優勝狙いに。
1:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先)
2:協力者が得られるなら一人でも多く得たい。ただし、自身が「信用できない」と判断した者は除く
3:ポッチャマを警戒中。ミュウツーは保留。
4:サカキは警戒。
最終目的:“奇跡”を手に入れた上で『自身の世界(これまで辿った全ての時間軸)』に帰還(手段は問わない)し、まどかを救う。
[備考]
※参戦時期は第9話・杏子死亡後、ラストに自宅でキュゥべえと会話する前
※『時間停止』で止められる時間は最長でも5秒程度までに制限されています
※ソウルジェムはギアスユーザーのギアスにも反応します
[状態]:ソウルジェムの濁り(少)、疲労(中)、頭蓋骨骨折(回復中)
[服装]:魔法少女変身中
[装備]:盾(砂時計の砂残量:中)、グロック19(15発)@現実、(盾内に収納)、ニューナンブM60@DEATH NOTE(盾内に収納)、サイドバッシャー(サイドカー半壊)@仮面ライダー555
[道具]:共通支給品一式、双眼鏡、黒猫@???、あなぬけのヒモ×2@ポケットモンスター(ゲーム)、ランダム支給品0~1(武器類はなし)
[思考・状況]
基本:アカギに関する情報収集とその力を奪う手段の模索、見つからなければ優勝狙いに。
1:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先)
2:協力者が得られるなら一人でも多く得たい。ただし、自身が「信用できない」と判断した者は除く
3:ポッチャマを警戒中。ミュウツーは保留。
4:サカキは警戒。
最終目的:“奇跡”を手に入れた上で『自身の世界(これまで辿った全ての時間軸)』に帰還(手段は問わない)し、まどかを救う。
[備考]
※参戦時期は第9話・杏子死亡後、ラストに自宅でキュゥべえと会話する前
※『時間停止』で止められる時間は最長でも5秒程度までに制限されています
※ソウルジェムはギアスユーザーのギアスにも反応します
【アリス@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
[状態]:疲労(小)
[服装]:アッシュフォード学園中等部の女子制服、銃は内ポケット
[装備]:グロック19(15+1発)@現実、あなぬけのヒモ@ポケットモンスター(ゲーム)、
ポッチャマ(モンスターボールなし。泣きつかれて眠っている)@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:共通支給品一式、ヨクアタール@ポケットモンスター(ゲーム)
C.C.細胞抑制剤中和剤(2回分)@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー
[思考・状況]
基本:脱出手段と仲間を捜す。余裕があればこの世界のナナリーも捜索。
1:とにかくゼロ達のいた場所から離れる
2:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先)
3:脱出のための協力者が得られるなら一人でも多く得たい
4:余裕があったらナナリーを探す。
5:ほむらの隠し事が気になるが重要なことでなければ追求はしない
6:ポッチャマを気にかけている
7:ミュウツーはとりあえず信用する
8:サカキを警戒
最終目的:『儀式』から脱出し、『自身の世界(時間軸)』へ帰る。そして、『自身の世界』のナナリーを守る
[備考]
※参戦時期はCODE14・スザクと知り合った後、ナリタ戦前
※『ザ・スピード』の一度の効果持続時間は最長でも10秒前後に制限されています。また、連続して使用すると体力を消耗します
[状態]:疲労(小)
[服装]:アッシュフォード学園中等部の女子制服、銃は内ポケット
[装備]:グロック19(15+1発)@現実、あなぬけのヒモ@ポケットモンスター(ゲーム)、
ポッチャマ(モンスターボールなし。泣きつかれて眠っている)@ポケットモンスター(アニメ)
[道具]:共通支給品一式、ヨクアタール@ポケットモンスター(ゲーム)
C.C.細胞抑制剤中和剤(2回分)@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー
[思考・状況]
基本:脱出手段と仲間を捜す。余裕があればこの世界のナナリーも捜索。
1:とにかくゼロ達のいた場所から離れる
2:情報を集める(特にアカギに関する情報を優先)
3:脱出のための協力者が得られるなら一人でも多く得たい
4:余裕があったらナナリーを探す。
5:ほむらの隠し事が気になるが重要なことでなければ追求はしない
6:ポッチャマを気にかけている
7:ミュウツーはとりあえず信用する
8:サカキを警戒
最終目的:『儀式』から脱出し、『自身の世界(時間軸)』へ帰る。そして、『自身の世界』のナナリーを守る
[備考]
※参戦時期はCODE14・スザクと知り合った後、ナリタ戦前
※『ザ・スピード』の一度の効果持続時間は最長でも10秒前後に制限されています。また、連続して使用すると体力を消耗します
【ミュウツー@ポケットモンスター(アニメ)】
[状態]:軽傷
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3(確認済み)
[思考・状況]
基本:人間とは、ポケモンとは何なのかを考えたい
1:まだ、相手を選びつつ接触していく
2:プラズマ団の言葉と、Nという少年のことが少し引っかかってる。
3:できればさやかと海堂、ルヴィア、アリスとほむらとはもう一度会いたいが……
4:プラズマ団はどこか引っかかる。
5:サカキには要注意
[備考]
※映画『ミュウツーの逆襲』以降、『ミュウツー! 我ハココニ在リ』より前の時期に参加
※藤村大河から士郎、桜、セイバー、凛の名を聞きました。 出会えば隠し事についても聞くつもり
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
[状態]:軽傷
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、不明支給品1~3(確認済み)
[思考・状況]
基本:人間とは、ポケモンとは何なのかを考えたい
1:まだ、相手を選びつつ接触していく
2:プラズマ団の言葉と、Nという少年のことが少し引っかかってる。
3:できればさやかと海堂、ルヴィア、アリスとほむらとはもう一度会いたいが……
4:プラズマ団はどこか引っかかる。
5:サカキには要注意
[備考]
※映画『ミュウツーの逆襲』以降、『ミュウツー! 我ハココニ在リ』より前の時期に参加
※藤村大河から士郎、桜、セイバー、凛の名を聞きました。 出会えば隠し事についても聞くつもり
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
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059:ナイトメア ~騎士と悪夢と起動兵器~ | 暁美ほむら | 086:Cross point |
アリス | ||
057:「Not human」(後編) | ミュウツー | 078:虚無の華 |