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実況パワフルプロ野球シリーズ@2chエロパロ板まとめwiki

ぱわQ1-5

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匿名ユーザー

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 1-5


  一礼して中に入ると、見るからに高価なソファーとデスクの一揃えが二人を出迎えた。
入ったドアの対面に位置する執務机には、噂から作り上げていた豪腕理事長のイメージ
から程遠い、若くすらりとした女性が座っている。

  ──いや女性、というよりは少女と言うべきだろう。染料のそれとは明らかに違う、透
き通るような金髪を、前は額の中ほど、後ろは肩甲骨の辺りできっちりと揃えている。両
の横髪を結んだ赤いリボンのアクセントが、センスある洒落っ気と自身の容姿に対する自
負を感じさせた。

「ご用件は何かしら?」

「え、あ。えーっと、理事長にお願いがあってきたんですが」

「そうですか、それは申し訳ありません。祖母は所用で出かけておりますの。私でよけれ
ば代わりにお伺いさせて頂きますわ。そちらにおかけ下さいな」

  祖母、というからには理事長の孫なのだろう。やはり本人ではなかったらしい。勢い込
んでいただけに、小波は少しばかり拍子抜けした気分を覚えた。

「あー、じゃあ良いです。二度手間になっちゃいますから、ご本人がいらっしゃるときに
出直してきます」

「あら、お気になさらないで下さい。おばあさまから、学内のことであれば自由に采配を
揮って構わないと言われてますの。あんまり無茶なお話でなければ、善処しますわよ?」

「……それじゃあ公私混同でヤンス」

  ぼそりと横で矢部が呟いた言葉に全面的に同意しながらも、黙ってろと言う意味を込め
て、目の前の少女には見えないように彼の秘孔を突く。その場に声もなく倒れ落ちる少年
を無視して、小波は笑みを作りながら言った。

「それじゃあ、お願いできますか」

「それは良いですけれど、……そちらの方はどうなさったんですの?」

  流石に気になったのか。床にうずくまったままの矢部を不思議そうな目で見つめる綾乃
だが、小波はしらばっくれた。

「気にしないで下さい。時折、床が恋しくなる病に患っているらしくて」

「まあ、お気の毒ですわ。では、どうぞお座りになって」

「はい。じゃあ遠慮なく」

  今度は言われたとおり、手近に合ったソファーの一つに腰を下ろす。普段の使っている
勉強椅子の感覚で体重をかけたものだから、体が埋まりそうになって小波は内心酷く慌て
た。対面に座ろうとする綾乃の姿が見えたので、それを顔に出すことだけは耐えたが。

「ではお話を聞かせて下さいな」

  交差させた膝の上で自然に組んだ指を、無意識にだろうか。軽く動かすその仕草が、如
何にもこういう場所に慣れて見える。精々気圧されないように、背筋を必要以上にピンと
立てて小波は頷いた。

「その前にお名前を伺ってよろしいですか? 自分は新入生の小波です」

「これは失礼しました。私としたことが、殿方とお話をするのに名乗りもしないなどと。
私の名は倉橋綾乃。ここの理事長の孫娘に当たります。小波様と同じように、新一年生と
して今日からこちらにお世話になっておりますの」

  同じ学年同士よろしくお願いしますわ、との言葉にこちらこそと返す。向こうはどう考
えても社交辞令だが、小波は半分本気である。理事長の孫が相手なのだから、共通点や話
題は少しでも多いほうが良いに決まっている。

  とは言え今は、無駄話をしにきたわけではない。小波は早速、本題を切り出した。

「実は俺──僕たち、野球部を作ろうと思うのですが」

「野球部。……つまり新しい部活の申請、ということですわね?」

「何か問題でもありますか」

「いえ、男子生徒受け入れるを決めたときにある程度そういう話が来ることはおばあさま
も考慮なさっていましたわ」

  その辺りはさすが、敏腕理事長と言った所か。しかし、歯切れの悪い綾乃の口調に小波
は危惧を覚えた。そして予想通り、少女は申し訳なさそうにその台詞の後を続けた。

「──ただ、一つの部活に男子がみんな集まってしまうと、来年度以降もそちらに人数を
取られてしまう可能性が高いので、今年は原則として今ある部活で我慢してもらおうと言
う結論が出ておりますの。お力になれませんで申し訳ないですわ」

「そんな……」

  理事長の考えたことは小波にも大体想像がついた。せっかく共学にしたのに、男子と女
子がそれぞれ別々のグループで固まっていたのでは、その意味がないではないかというこ
とだ。クラブ活動は、学校内での生活グループを決める最たる要因である。ここで躓く訳
には行くまいとでも思ったのだろう。

  様々な改革を繰り広げて来た人物の考えにしては、随分とせせこましい物の見方に思え
るが。

  ──もっとも、こっちにだって都合がある。

  来年創部の許可が下りたところで、どれだけの人数を集めることが出来ることか。幾多
の部活に散らばってしまった男子生徒を集めなおすのも一苦労だろう。何より、高校生活
は三年しかなくて、甲子園へのチャンスは五回。そのうちの二回を易々と不意にするわけ
にはいかないのだ。

「どうにかならないんですか?」

「そうですわね……」

  心底困り果てた小波の表情に気兼ねたのか。目線を明後日の方角へ向けながら、綾乃は
腕を組んだ。少なくとも彼女は、クラブを新設するのに反対ではないらしい。

  ここは気合で交渉する他ない。決意して小波は顔を上げた。挑みかかるような視線にさら
された為か、綾乃はびくりとわずかに身を竦めた。

「な、なんですの?」

「一生のお願いだからなんとかして下さい」

  立ち上がって最敬礼する小波に、驚きに見開いていた瞳を一転。細く笑みの形に変える。

「私が言うのもなんですが、うちのおばあさまはかなりの孫馬鹿ですの。私が頼めば少し
ぐらい融通して下さるかも知れませんわ」

「本当ですか」

「私、嘘は申しません。ただ、少し問題がありますの」

「それはいったいどのような?」

  ソファーに座り直しながら聞き返す小波に、綾乃は微笑みのニュアンスを若干変えた。

「私の喋り方は元からこうですけれど、あなたまで真似なさることはなくてよ? 普段の
通りに喋って下さいな。私たち、同い年なんですから、対等な相手に敬語を使うと言うの
もおかしな話でしょう?」

「……じゃあ、お言葉に甘えて」

  自分でもかなり無理している感はあったので、小波はありがたくその申し出を受けるこ
とにした。こう言う気配るようなことを口にするということは、幾らかは成果があったと
見るべきだろうか。

  表情に何か表れていないか、その顔を穴の開くほど見つめても、本気かわざとか、目の
前に座った少女はほんのり赤くなるだけで、何のヒントも出してはくれない。諦めて、再
び同じ疑問を小波は口にした。

「それで、問題って言うのは?」

 「簡単なことですわ。私、野球というものをあまりよく知りませんの。得体の知れない部
活動に許可を与えるわけには行きませんでしょう」

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