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  • 朝の来ない夜に抱かれて

パワプロクンポケットバトルロワイアル

朝の来ない夜に抱かれて

最終更新:2010年01月07日 16:45

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朝の来ない夜に抱かれて ◆7WJp/yel/Y



突然だが、ヘルガや背中の傷をつけた忍者に語った『埼川珠子』とは本当の名ではない。
本当の名は、鈴に霞む、と書いて鈴霞。読みは『すずか』だ。
この名を知っているのは自分を裏切り者として処分するかつての同胞の忍者。
そして、自分の抱えている全てのことにけりをつけたら会いに行くと約束した愛しい男。
男との約束のためにもここで死ぬわけにはいかない。

だからと言って、ここに居る全員を皆殺しにしようとは思わないが。
しかし、皆殺し以外の方法を歩むと言うならばそれは茨の道だ。
この首輪がなければまだ分からないが、首輪がついたままでは逃げ出すことも戦うことも出来ない。
向こうは自由にこちらを殺せるのだから。
残念ながら機械に対する知識が全くといっていいほどない自分では外すことなど出来ないだろう。
さらにあのガンダーロボまである。
あの巨大な兵器をたった一人で倒せるほど、忍者とはメルヘンな世界の住人ではない。
圧倒的に不利、まさに八方塞。

「……しかし、諦めるわけにはいかんな」

もう三十にもなると言うのに、妙に幼い所のあるあの男が待っている。
抱えてきたものにもようやく終わりが見えてきた、自分にとっての夜が明ける時が来るのだ。
ここで死ぬわけにはいかないし、無駄な罪であの男と会いにくくなるのも困る。
意地でも生還しなければいけない。

「……あまりここに長く居るわけにもいかない」

一箇所に留まることは優勝する、つまり最後の一人になるという目的ならば最善の戦法だと言って良い。
しかし、自身の目的は最後の一人になることではなく、皆殺し以外の方法での生還。
いっそ乗ってしまおうかと思わなかったと言えば嘘になるが、さすがに辞めておいた。
先も言ったようにあの男と再開した時に後味が悪いし、何より確実に生還できると言う保証がない。
亀田は人を殺すことに何の躊躇いもなかったのだ、一生モルモットとして生かされる可能性も高い。
それに『亀田が殺し合いを開いた』と言うことを知っている人間を生かしておくとも思えない。
普通ならそんなことを言っても誰も信じないだろうが、それでも何か不審に感じる人間が居るだろう。
ならば、煙の元は完全に断ち切るはず。

「タマコ」
「おお、ヘルガ。服は乾いたのか?」

日本刀を片手に持ち、そろそろ野球場から出ようかと思っていたところにヘルガが訪れる。
その格好は軍服を綺麗に着なおしている。
会って間もないが、向こうに敵意がないことは分かっている。
忍者と言う隠密行動のプロに追われてきたため、殺意には人一倍鋭いと自負している。
少なくともヘルガはこちらを殺すつもりはない、はずだ。

「うむ、そろそろ呼ぶつもりだったが」
「そうか、で、何か見つかったか?」
「いいや、何も。精々タオルぐらいだ、バットのようなわかりやすい武器はない」

簡単に凶器を手に入れれるようにはなっていないようだ。
それでも軽く探した程度だから、もっと気合を入れて探せば違うかもしれないが。
いずれにせよ、バットや包丁といった分かりやすい凶器はなかった。それだけは確かだ。

「ならば出るか。何時までもここに留まるわけにはいかまい」
「ああ、そうだな」

座っていたベンチから腰を上げ、少しだけ選手ロッカーを眺める。
選手ロッカーを見ると思い出す、迅雷 隼人という男の振りをしてモグラーズのコーチをしていた頃を。
そして、お荷物選手からプロ野球チーム・大神モグラーズを代表する選手となったあの男のことを。
給料と経歴を問わない急募という好条件のため一時の隠れ蓑として働いていたが、楽しい日々だった。
気に食わない男も居たが、どいつもこいつも気の良い連中だ。
考えていたよりも長居し過ぎた、そのおかげであの男とも出会えたのだが。
そう考えているうちにいつの間にか野球場の外へと出ていた。
名残惜しい、ここには様々な思い出が残っている。
だが、今はそうは言っては居られない。
さっさとこの場所から脱出して全てのことを片付けなければいけない。
もう少し眺めていたい気持ちに襲われたが、直ぐに立ち去り廊下を歩いていく。

――――次に野球場に来るときは、あいつに会いに行くときだ。

そう決心し、足を踏み出す。
そろそろ太陽が見える、夜が明けて朝が来る時間だ。
今までのことを片付けて、あの男と一緒に居ることの出来る朝が自分にも来るだろうと信じて歩いていく。

そんな時に、一人の女が目の前に現れた。

「こんばんは、いえ、今の時間だとおはようございますになりますかね?」

マントを着込み、中世の貴族のような上品な服を着た女。
顔立ちは整っており、街中を通っていれば男が振り向くほどに。
見た目自体には妙な服装をした美しい女というだけで別段変わったところはない。
だが、その姿を見て背筋に寒気が走った。
瞬時に理解した、目の前の女は人間ではない、と。

「タマコ……これは」
「……ヘルガ、先に行っておけ」

ヘルガも目の前の女が只者ではないと悟ったのだろう。
軍人である以上ヘルガも戦場を見たことはあるはずだ、危険への察知能力が人より優れているのだろう。
懐のナイフに手を伸ばし、体勢を低くして身構えている。
しかし、残念ながらただの軍人であるヘルガには荷が重い相手だ。
銃があるならばともかく、ナイフしか持っていない今のヘルガははっきり言ってしまえば邪魔だ。
忍者の時代に一人での戦い方も習っている。

「私は黒羽根あやかと申します。あやか伯爵、とも呼ばれておりますが」
「……人ではないな。悪霊、いや、妖怪の類か」
「妖怪……?」
「居るんだよ、そういうのがね」

その言葉にヘルガはいぶかしげに眉を潜める。
確かに目の前の女は上手く言えない奇妙な雰囲気の女だが、妖怪とは突飛過ぎるだろう。
しかし、女は否定もしなければ自分も真剣そのもの。
ヘルガはそんな私たちの間に走る緊張感を察したようだ。
人間には分というものがある、長生きするためにはその分を超えないことが大事だ。

「……わかった、先に行かせてもらおう」
「安心しろ、直ぐに追いつく」

聞き分けの良いヘルガに安心する。
所詮会ってから二時間程度の仲なのだから、簡単に見捨てても当然ともいえるが。

「その前に一つ、いいか?」
「何だ?」
「私の占いによるとお前はこの殺し合いと言う最悪の場で未来を見るかもしれない。
 そして、私の占いはよく当たると評判だ。
 ただ心配するな。お前はお前の生きたいように生きれば良い、それが自由と言うものだ。
 第一、当たるも八卦当たらぬも八卦、だ」
「……そうか、肝に銘じておこう」

いずれにせよ、ヘルガは立ち去った。
曖昧な内容だったが占いなんてそんなものだ。当たるも八卦、当たらぬも八卦。
よく当たると脅したが、実際は当たらないこともよくある。
ただ、他の街角でやってる占いよりも少し当たる程度レベルのものだ。

「ツキがないな、これなら正面玄関ではなく選手用の出入り口を使えばよかった」
「ふふ、そう嫌わなくてもいいではないですか」
「……で、お前は殺し合いに乗っているのか」
「はい、と答えるしかありませんね。貴女には嘘が通じそうにない」

足音でヘルガが確実に遠くへ行ったのを感じると、あやかと向かい合い口を開く。
軽口を叩いているが、珠子は斬りかかる隙を窺っていた。
目の前の女は殺し合いに乗っていると認めた。
ならば、放っておくわけにはいかない。ここで斬る必要がある。
だが、隙がない。誘いはかけているが乗りもしない。
このまま向かい合っているのは危険だ。何処かからやってきた新しい下手人が来ても面倒。
最善の選択肢は自分から斬りかかる、という選択肢だ。

「それにしても……本当にそっくりですね。
 初めてではないですが、やはり何度見ても驚きますよ」
「……何のことだ?」

目の前の女、あやかの言っていることが理解できない。
少なくとも珠子は目の前の女と会ったことはないはずだ。
それに、あやかの口調も自分と初めて会ったような口ぶり。
つまり自分はあやかの知り合いの誰かと似ているのだろう。
しかし、自分にとって妖怪の知り合いに似ているなどどうでもいいことだ。
そう、次の言葉が聞くまではそう思っていた。

「鈴霞、ですよね?」

その言葉と共に何かに弾かれたように素早く飛び掛る。
とっくに日本刀は鞘の中から抜いており、その刀身はあやかの首筋を確実に切り落とそうと襲い掛かる。
しかし、それを同じく素早く鞘から抜いたあやかに受け止められる。
そのやり取りだけであやかが怪しげな雰囲気に違わない実力だとわかる。

「ヘルガを立ち去らせて正解だったな。
 何故妖風情が追っ手なのかは知らんが……ここで斬る!」
「出来ますか? 貴女に」

舐められている、そのくせ油断はしていないという面倒な相手だ。
日本刀を正眼に構えて、あやかを見据える。
先ほどのやり取りだけでは確かな力量を見定めることが出来なかった。
出来ることなら撤退したいところだが、そう簡単に逃げさせてくれるとは思えない。
何より、あやかを野放しにしていれば確実に人が死んでいく。
それは避けたい。ここに来てしまった人間にもあの男のように、私のように夢がある。
それを軽々と消してしまう類の妖怪を生かしておくことは出来ない。

そう考えているうちに今度はあやかが襲い掛かってきた。
太刀筋は決して甘くなく、それを受け流すように防御するので精一杯だ。
しかし、その一つでは終わりはしない、凄まじい速さで刀を振るっていく。
フェイントも混ぜた手数をふんだんに使った戦い方。
唯一の朗報は体から想像がつく通りの威力だということ、妖怪といっても力自体は大したことがないようだ。
つまり、あやかという妖怪はスピードは凄いが、力押しするタイプではないということだ。

――――大丈夫だ、確かに強いが……十分戦える。

恐らくではあるが自分より少し上といったレベル。
そして、そんな忍者のようなタイプとは格上格下問わず腐るほど戦ってきた。
致命傷を避けていれば、死ぬことはない。
あやかがスピードを落とさずに攻め続け、自分が致命傷になるだけを確実に防いでいく。
二十数合ほど打ち合ったころ、痺れを切らしたのかあやかは間合いを取り直した。

「ふふ、やはり戦いも悪くないですね。
 心躍る、とまではいきませんが暇つぶしとしては十分すぎます」
「……」

あれほどの攻撃を続けたというのにあやかは息を切らした様子もなければ汗を流してもいない。
人間でないのだから当然とは言え凄まじい体力だ。
このまま体力勝負には持ち込んでは危ない。
しかし、防御で手一杯。

「虎穴入らずんば虎児を得ず……か」
「来ますか? 鈴霞」

目の前の妖怪は嬉しそうに笑い、挑発を多分に含んだ声で鈴霞と呼ぶ。
正直な話、その名はあの男以外には呼ばれたくない。
しかし、ここで激昂しては思う壺だ。
落ち着いて周りに何か使えそうなものはないかと窺うが、そんな都合の良いものは全くない。
野球場の中に入って仕切り直そうにも、先ほどの攻防の間に位置は逆転し相手が野球場に背を向ける形になっている。
ならば、残された戦法は一つか。
覚悟を決め刀を構えなおして、あやかへと向かって走り出す。

「特攻? 捨て鉢になりましたか?」

その言葉を無視して自分の出せる一番の斬撃を繰り出す。
これで受け止められれば厳しい、防御に移る準備はないため致命傷になる可能性が高い。

「おっと……」

あやかは刀で受け止めることはせずに首を少し逸らして避け、距離をとろうとする態勢に入る。
威力は強いが太刀筋は読みやすいものだったから、当然とも言える。

「……!?」
「取った!」

しかし、あやかが避けるよりも早く足の甲を踏みつけ動きを止める。
元々そのためだけの攻撃、行動は早かった。
焦りで隙が出来る、刀を素早く下段に構え足へと狙いをつける。
足を潰せばスピードで襲ってくるこの女の強みはほとんどなくなる。

「な……!?」

しかし、その瞬間、自分のちょうど正面に当たる球場の入り口から男が出てくる。
野球帽と野球のユニフォームを来た、野球場にはふさわしくとも殺し合いには場違いな男だ。
それだけならば問題はなかった。
自分を殺人犯と疑われるよりもこの女を生かしておくほうがよっぽど危険なのだから。
普通なら、出てきた男が誰であろうとこの刀を振るうことに躊躇うことはないはずだ。
しかし、物事には常に例外が付きまとう。
突然野球場から現れた男はその例外だった。

「……まさ、か?」

――――いや、違う、あれは―――

「あいつじゃ……ない…………?」

一瞬チラッと見ただけでは似ていると思ったが良く見ると違う。
大まかな顔つきなどは似ているが、背丈や顔の所々が違っている。
まるで出来の良くない、記憶を頼りに描いた模造画のような、そんな男だ。

「御免」

その瞬間、今までは見せなかった僅かだが確かな隙を作ってしまう。
あやかの刀が鋭く振り下ろされる。
それでも現れた男の姿から目を話すことが出来ない。

「あ……?」
「ええ、楽しかったですよ。出来ることなら、もっと続けていたかったぐらい」

燃える様な痛みが手首から感じる。
呆然としたまま、ようやく男から手首へと目を移すと持っていたはずの刀がない。
それどころか人間なら着いているはずの手がない。
そこでようやく、手首を斬りおとされたのだと気づいた。

「あ……ぁあ……!!」
「ですが、これで終わりです」

うめき声を上げようとした瞬間、刀で首輪のちょうど上となる部分、人間の急所である喉を貫かれる。
もう声も出ない、出るのはヒューヒューという声ともいえない息の音だけだ。
足に力が入らず前のめりになるが、刀が喉に突き刺さったままなので倒れることすら出来ない。

「……」
「……ぁ……ぁ……」

するすると刀が喉から抜かれていく。
ひんやりしているはずの鉄が体内にあるはずなのに喉が焼け尽きるように熱い。
そして、刀が抜けきると同時に地面に倒れこむ。
指一本動かす力がなく、立ち上がるなど出来るはずがない。
膝から崩れ落ちていき、手で支えることも出来ずに顔がどさりと地面へとぶつかる。
何が何だかわからないが、自分が殺されたのだということだけはわかった。
足や腕はもちろん、徐々に指を動かすことすら出来ないほど力が抜けてくる。
どんどんと体から力が抜けていき、喉の熱さと苦しさだけが残っていく。
ぼやけている視界から見える東の空はまだ暗いまま。

――――太陽は見えない。

――――――――朝は迎えていない。

――――――――――――夜は、明けることはなかった。


【埼川 珠子@パワプロクンポケット5 死亡】
【残り42名】



   ◆   ◆   ◆   ◆



ヘルガは低い態勢で草原を疾走していた。
後ろを振り返り誰も追ってきていないことを確認して、ようやく足を止める。
少し休もうと大きな木の傍の見晴らしの良い場所で息を殺して座り込む。
珠子がどうなったか、黒羽根あやかなる妖怪がどうなったか、それは放送を聴けば分かるだろう。
だから、今は休んでおこう。
まだ太陽の出ていない空を眺める。
その空はとても澄んでいて、このような状況でなければ非常に良い夜明けの時間だと言えた。
『しあわせ島』という隔離された強制労働島の所長を務めていた彼女にとって澄んだ空は珍しいものではない。
工場があるとはいえ、都会と比べれば何倍も綺麗な空を見ることが出来る。
つまり、ヘルガは空を眺めているのではなく、少し考え事をしていた。
世の中は少しずつではあるが良くなっている、それは間違いないのだ。
ただ、それは表面的なものばかりで重要なものはおざなりとなっている。
生活の基本となる衣食住は十年前とは比べ物にならないほど改善されている。
医療の進歩も著しく、不治の病も確実にその姿を見せなくなってきている。

(だが、我々はそれを急ぎすぎた……)

貧富の差は存在しているとはいえ、確かに人間の生活は裕福になった。
裕福にはなったが、それ故に自分を見る時間が多くなった。

(……確かに人間には逃げ込む先はまだ残されている、解明されていない謎も残されている。
 ……それでも、私はこの意思を変えることが出来ないのだ)

ヘルガはしあわせ島で出会ったあの日本人の言葉を思い出す。

――――それでも、人間の未来は続いていく。

それは事実なのかもしれない。
人間はヘルガが思うほど弱い生き物でもないのかもしれない。
ヘルガが行っていることは未来の人間から見れば取り越し苦労なありがた迷惑なのかもしれない。
それでも、ヘルガには変えることは出来ない。
あの地獄のような『戦場』というものを見てしまった生真面目な女であるヘルガは変えることが出来ないのだ。
戦場とは酷いものだった。
言語を絶する、とはあの様なものを言うのだと心で理解した。
アレを見て文章にしようと思えるものはそうは居ないはずだ。
居るとしたらそれはその仕事を誇りに、そしてそれを伝えなければいけないと思う強い意志の持ち主ぐらいだろう。
それほどまでにあの場所は酷いものだった、良くも悪くも真っ直ぐなヘルガが世界に危機を持つ程度には。

「……ふむ」

ヘルガは軽くため息をつき立ち上がる。
ここから一番近い施設は学校だ。
あやかに知られないためか、珠子はどこで待っていろとは言っていなかった。
幸い放送までもう少しだ。
珠子が生きていたのなら学校で珠子を一時間ほど待つ。
珠子が死んだのならそこから立ち去り、新たな仲間を探す。

「とりあえずはそんなもので良いだろう」

亀田に試練を与えるだの育てるだの言うには自分が力を得ないとただの妄想に過ぎない。
と言っても、ヘルガ自身が死んでしまっても何の問題もない。
むしろ、ただの軍人一人が原因で倒れてしまうようでは頼りないことこの上ない。

「……団長のオリジナルと言うだけあって、残虐性は十分だからそんなことにはならんだろうがな」

ふっと口元だけで笑い、不要になるであろう考えを自嘲する。
あの団長のオリジナル、しかも殺し合いなどという馬鹿げたことを開くほどだ。
悪として、人類の敵としての素質は十分過ぎる。

「……未来を見る、か」

それはいったいどんな未来なのか。
ヘルガの望んだ、世界の敵が居ながらも人類が生きている世界なのか。
それともヘルガの恐れた人間が己の闇に押しつぶされた世界なのか。

「所詮は占い、当たるも八卦、当たらぬも八卦とやらだ」

いずれにせよ自分がすることに変わりはない、世界のために自らを礎になるだけだ。
願わくば亀田が世界の敵となり人類の憎悪の対象となれるよう。
ヘルガはヘルガなりの考えで世界の平和を願っているのだ。


【G−3/1日目/早朝】
【ヘルガ@パワプロクンポケット6裏】
[状態]:健康
[装備]:モデルガン、ナイフ、軍服
[道具]:ラッキョウ一瓶、支給品一式
[思考・状況]
基本:亀田という悪を育てるために亀田に立ち向かう。
1:一先ず学校へと向かう、珠子が死んでいると分かったら離れる。
2:あまりにも亀田に対抗する戦力が大きくなってきた場合はそれを削る。



   ◆   ◆   ◆   ◆



太陽が東から昇りかけている早朝。
本来ならば闇の眷属は息を潜めはじめ、人間達が恐る恐ると寝床から出始める時間。
だが、そんなことはこの殺し合いの場では何の関係もない。
いや、元々この吸血鬼には朝だとか夜だとかは一切の関係もない。
どこまでも気ままに、どこまでも自分勝手に災害のように動き回る。
彼女にとっては人間も闇の眷属も関係はない。
長い時間を生きてきて、これからも長い時間を生きていくであろう。
一時の快楽のためなら喜んで殺人も犯すだろう。

「おう、終わったんかい」
「ええ、ご苦労様でしたプレイグさん」

野球のユニフォームに着替えたとある野球選手によく似た顔をした男があやかに近づいてくる。
そして一瞬のうちに顔がピエロのようなメイクをした人相の悪い男、プレイグへと変わっていく。
数時間前に茜と言う少女に化けたのと同じように、鈴霞の恋人に魔法を使い化けていたのだ。
野球のユニフォームはあやかが鈴霞たちと接触する前に侵入していた見つけたものだ。
ちなみに鈴霞たちとプレイグが先に接触せずに済んだのは彼の魔法のおかげだったりする。

「しかし……えげつない殺し方するもんやのぉ……」
「だって、ただ殺すだけではつまらないではないですか」

両手首を切り取られ喉を貫かれた珠子を眉を潜めて見つめるプレイグの傍であやかはにこりと妖艶に笑いながら、愛刀であるムラマサに着いた血をふき取っている。
その顔はリンを手玉に取りマーダーへと変えた時よりも楽しそうだ。

「えらい嬉しそうやな」
「ええ、私はこの顔が一番好きなんですよ」

綺麗に拭いたムラマサを鞘に仕舞い込み、かがんで鈴霞の顔を撫でる。
冷たくなり、目を見開いたまま空を眺めている悲しみに溢れた鈴霞の顔。
それをとても嬉しそうに、年頃の男ならば反応してしまうほど艶やかな表情であやかは見ている。

「プレイグさん、この世で最も美味しい物は何だと思いますか?」
「あん、いきなりなんやねん?
 ……まあ、そやな。やっぱり人それぞれやないんか?
 辛いもんが好きな奴やら甘いもんが好きな奴、酒が好きな奴やっておるやろ。
 誰に聞いても美味いもんなんてないやろ」
「いいえ、それがあるんですよ」

あやかは鈴霞の死体からプレイグへと視線を移す。
そして、手を広げ歌うように話し出す。
その美貌と相まってまるで歌劇に出てくる役者のようだ。

「この世で最も美味しい物、それは人の心です」
「心〜?」
「ええ、心です。
 辛いものが好きな人、甘いものが好きな人、お酒が好きな人、肉が好きな人、野菜が好きな人……確かにそれぞれです。
 でも、食材や調理法よりも、人の心が重要なのです。
 例えばどんなに美味しい物でも食べる人の心が沈んでいればそれは嬉しい時に食べるよりも味が落ちるでしょう?
 それに良く言うではないですか、皆で食べると美味しいとか、作った人の心が篭ってるって」

胡散臭い宗教家を見るような目であやかを眺めるプレイグ。
そんなプレイグの視線もどこ吹く風、興奮しきっているあやかは口を止めずに喋り続ける。

「私は長い長い時間を生きてきました。
 昔は血が好きでしたけど、今では二番目です。
 人が一時の運に浮かれ、狂喜し、最後に破滅してしまう。
 ……カジノでそれを初めて見たとき、恥ずかしい話ですが濡れてしまいましてね。
 それ以来、私はこれを見るのが最大の楽しみなんですよ」
「……趣味が悪い、とだけ言っとくわ」
「こんな良い顔の死体を見て興奮するなと言うのは難しい話ですわ」

まるで一生を誓った愛しい相手を前にしているような幸せそうな顔で鈴霞の顔を眺める。
プレイグには理解できないが、それは当然とも言える。
彼は正義と言う言葉は非常にうそ臭いため嫌いだが、人の不幸を楽しむ趣味はない。
だが、目の前の女は違う。
人が悲しむことが何よりも楽しいのだ。
そのために殺し合いに乗ったといっても良い。
先ほどの戦いだってそうだ、プレイグが恋人の変装をするなんて回りくどい戦いをせずに二対一で当たればよかったのだ。
プレイグ自身には何の危害もないから了承したものの、もし死んでいたらこの女はどうするつもりだったのだろうか。

(まあ、ええわ。こいつがどうなろうと知ったことないしの)

プレイグにとってあやかとは生き残るために利用しているだけの相手。
あやかもプレイグを暇つぶしに便利な人間としか見ていない。
ドライな関係だ、この殺し合いが終わりイルの居場所を問いただせば終わってしまう関係。

「んで、あの金髪の姉ちゃんはええんか?」
「構いません、聞いた話だと彼女も変わった人間です。
 生かしておいたほうが、面白い存在ですよ」

あやかのこんな所もプレイグには理解できない。
名前も顔も知られた相手を生かしておいて良いことなど一つもないはずだ。
さっさと追いかけて殺してしまえば良い。
あやかと共に動いているプレイグにも不利になることは願い下げだ。

「……せやけど、こいつは使えるさかいな」
「? 何か言いましたか?」
「やっぱ趣味が悪い、って言うたんや」

肩をすくめながら死体鑑賞を再開する。
プレイグも信用しているわけではない、しかしあやかは戦力としては一級品だ。
今は主導権を握られているが、こっちも直ぐに後ろを刺す準備は出来ている。

(なんにせよ、注意のし過ぎっちゅうことはないやろ)
「しかし、プレイグさん」
「ん、なんや?」

鈴霞の顔を眺めていたあやかはひどく面白そうな顔でプレイグを眺めてくる。
そして、意地の悪い笑みを浮かべ口を開いた。

「その野球着、とても似合っていますよ」
「じゃかぁしいわボケェ!! 着替えたるわこんなもん!!」


【G−3/1日目/早朝】
【黒羽根あやか@パワプロクンポケット7裏】
[参戦時期]:本編終了後
[状態]:歓喜、テンション↑
[装備]:妖刀ムラマサ@パワプロクンポケット7裏、日本刀
[道具]:支給品一式、高性能型探知機
[思考・状況]
基本:『殺し合い』を円滑に進めるために動く。方法は問わない。
1:リンの時と同じような手でマーダーを増やす
2:ゲームに乗っていない人間は殺す、マーダーに出来そうだったらする
3:『名探偵』は、今度こそこの手で………
[備考]
1:参加者全員の顔と詳細情報についての知識を持っています。
2:探知機はあやかには反応しません。

【プレイグ@パワプロクンポケット4裏】
[参戦時期]:本編終了後、イルが忍者編の世界へ飛ばされた後
[状態]:疲労、魔力消費
[装備]:ハヅキの杖@パワプロクンポケット4裏
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1〜3(杖は無い)
[思考・状況]
基本:『殺し合い』に乗り、優勝を目指す。
1:あやかについては保留。とりあえず今は殺さない。
2:もっとまともな杖が欲しいでホンマ……
[備考]
1:杖がなくとも呪文を唱える事に支障はありません。精神的にほんの少し落ち着かないだけです。

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037:Masquerade 黒羽根あやか 070:快適なり現代
040:今の自分にできること 埼川珠子 GAME OVER
037:Masquerade プレイグ 070:快適なり現代
040:今の自分にできること ヘルガ 069:愛と名付けた囲いの中で

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