Chapter 9.2
翻訳者: AFK: Twitter
日暮れて
- 以下はモンテス・ライカニス公然陳列における輸送任務についてアキ・ライカニスから送られた通信の内容です
発信者: ライカニス家宇宙評議会通信役アキ・ライカニス
発信地: 南方光輪 惑星エデン メインドッキングベイ
レポート No.1 - ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 任務報告
発信地: 南方光輪 惑星エデン メインドッキングベイ
レポート No.1 - ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 任務報告
こちらライカニス家第七男アキ、これよりモンテス・ライ…いや、囚人モンテスの公然陳列についての進捗報告を行う。エデンの大地は神聖なるものと見なされており、奴の晒し上げを行うのには不適切である。そこで奴を惑星チズムの起動周回上にあるカナ・ステーションに送った。この惑星は現在ライカニス家の旗下にあるものだ。カナ・ステーションでは通信体制がすでに整えられており、奴の映像を全派閥に向けて中継することが可能である。なお不測の事態に備え、奴の護送船にはライカニス家の軍船団が随行している。ただし言うまでもなく帝国惑星群のインナー・リムは警備が大変厳重である。護衛を増やす必要性は極めて小さいとだけ言っておく。
発信者: ライカニス家宇宙評議会通信役アキ・ライカニス
発信地: 中央光輪 惑星エデン中央都市オリス
レポート No.2 - ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 任務報告
発信地: 中央光輪 惑星エデン中央都市オリス
レポート No.2 - ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 任務報告
こちらライカニス家第七男アキ、少し前にモンテスの護送船がカナ・ステーションに到着している予定だったのだが…ステーションとの通信を受け、未だ到着してないことを確認した。なお護送船の信号を確認したところ、護送船の追跡ができなくなっていた事実が発覚した。そこでクラス D 哨戒船団を、護送船が最後の信号記録の場所へと向かわせることにする。
発信者: ライカニス家宇宙評議会通信役アキ・ライカニス
発信地: 惑星エデン用第四通信機関 西方光輪
レポート No.3 - ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 任務報告
発信地: 惑星エデン用第四通信機関 西方光輪
レポート No.3 - ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 任務報告
護送船を発見した。護衛に当たっていた軍船団もだ。どの船も見た目には無傷だが…クアンタム・ドライブが壊れている。バックアップの動力源も機能しない。また争いの痕跡も一切見られない。乗組員たちも無傷で、ただ気絶しているだけの状態だ。エアロックが開けられた痕跡もない。
つまり、護送船は出発当時と何ら変わりのない状態と言うことだ…ある一点を除いては、だが。哨戒船乗組員の報告によると、独房がもぬけの殻になっていたそうだ。つまり、モンテスが消えたのだ。奴の拘束具が無理矢理破壊された痕跡も見当たらない。というかその…外されていたのだ。乗組員は、帝国の技術に相当詳しい者にしかこんなことはできないと断言している。
なお護送船および護衛軍船団は現在エデンに向けて帰還中だ。ちなみに、護送船の記録を復元することができるかもしれない。あるいは誰か、もしくは何かが痕跡のようなものを残しているかもしれない。もっとも、その可能性は極めて低そうだが。
- 通信内容終了
モンテス・ライカニスは逃亡したものと思われます。直感的に考えると、紅狼の襲撃によるものではないかという疑念は湧きますが、報告の内容からしてそうではないものと思われます。事実、紅狼はしばらく姿を現していません。そして連邦と連合の宙域で略奪を行っていたことを鑑みても、帝国宙域のインナー・リムに急に出現するのは合理的とは言えないでしょう。また、もし仮に紅狼が首領の解放を狙うのであれば、大々的に喧伝して事に臨むでしょう。
このことから、今回の件では別の勢力が関与したのではないかと思われます。評議会の把握していない、未知の勢力によるものであるかもしれません。しかしこのモンテスの逃亡により、イクサス-βにおけるヴルプス・オクリの政治運動がいくぶん鎮まったようです。今回の事案で直接的な影響がもたらされる事態は回避されました。また、評議会も本件に関与する必要はなくなりました。しかし今後も警戒を緩めるわけにはいきません。モンテスの逃亡に関与した勢力が存在している可能性を鑑みると、もう一度評議会が行動の決断を下さねばならぬときが来るのは時間の問題でしょう。