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不完了体・完了体
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動詞の体
ポーランド語の動詞は,不完了体と完了体の2種類に分類されます.
- 不完了体
- 完了体
不完了体は「まだまだやる」,完了体は「一回きり」「もうこれっきり」が基本イメージ?
感覚的な違い
英語でも完了形という「完了」が付くものがありました.英語の完了形のポイントは「昔そんなことをやったので,今はこんなです.」という,昔の動作が今につながっている状態の表現.ポーランド語の完了体にも似た雰囲気を感じます.
1. Robię śniadanie. I'm making breakfast.
2. Zrobię śniadanie. I'll make breakfast.
2. Zrobię śniadanie. I'll make breakfast.

かわいいコックさんになっていますけど.
robię(robić)は不完了体,zrobię(zrobić)は完了体.śniadanieは「朝食」.
上(1.)の文章は今まさに,朝食を作っているところに視点がいっています.一方,下(2.)の文章は,朝食を作っている話をしているのですが,朝食ができて,机の上に乗っかっているイメージに視点が移っています.
英語の現在完了形では2.の時間帯に立って,「料理を作っている人(過去)」を見ながら(2.)私,朝食作っていた(で,朝食できてるよ : 現在)→朝食作ったよ.こんなニュアンスの違いを表現するようですが,ポーランド語は「完了形」を使わずに「完了体動詞」を使うみたいです.
上(1.)の文章は今まさに,朝食を作っているところに視点がいっています.一方,下(2.)の文章は,朝食を作っている話をしているのですが,朝食ができて,机の上に乗っかっているイメージに視点が移っています.
英語の現在完了形では2.の時間帯に立って,「料理を作っている人(過去)」を見ながら(2.)私,朝食作っていた(で,朝食できてるよ : 現在)→朝食作ったよ.こんなニュアンスの違いを表現するようですが,ポーランド語は「完了形」を使わずに「完了体動詞」を使うみたいです.
わざと日本語の訳の語尾を変えましたが,「彼,朝食を作ってたよ(出来てるかどうか,よくわかんないけど)」「彼,朝食を作ったよ(出来てるから食べにおいで)」みたく,日本語もちょっと違いを感じませんか?どっちも「作る」動作を話しているのに,ニュアンスはちょっと違う.言葉の作り方はポーランド語の方が複雑ですけど,やっていることは日本語も同じだと思います.
時間の帯
上の絵で,帯みたいな矢印が引かれていますが,不完了体はその帯です.
Wczoraj uczyłem się 2 godziny.
「2時間」は幅をもった時間です.不完了はこのイメージに合います.この「幅」に焦点が当たった質問「どれくらい(の時間,頻度,回数)」と聞くときは,帯の長さを聞いているので,不完了体が似合います.
Wczoraj uczyłem się 2 godziny.
「2時間」は幅をもった時間です.不完了はこのイメージに合います.この「幅」に焦点が当たった質問「どれくらい(の時間,頻度,回数)」と聞くときは,帯の長さを聞いているので,不完了体が似合います.
一方で,上の絵の「出来上がった料理」である「点」は,完了体のイメージです.
Wczoraj nauczyłem się 5 nowych słów.
まさに(いつもどうか,ではなく)「今回できたこと」が話の焦点です.「一回きり」の点が完了体の表す所です.習慣ではなく,一回きり,しかも,やりきった感を伝えるときには完了体です.不完了体を使うと,完了していない→やりきってない,終わってない感じがします.
Wczoraj nauczyłem się 5 nowych słów.
まさに(いつもどうか,ではなく)「今回できたこと」が話の焦点です.「一回きり」の点が完了体の表す所です.習慣ではなく,一回きり,しかも,やりきった感を伝えるときには完了体です.不完了体を使うと,完了していない→やりきってない,終わってない感じがします.
iść, pójść
感覚的な違い,ということでもう一つ.iść と pójść も不完了体と完了体の対を成していると教科書には書いてあります.これを通訳さん(当然?ポーランド人)に聞くと,当然,不完了体,完了体の違いもあるそうですが,iść だけ聞くと,ぶらぶらと歩いているイメージを,pójść と聞くと行き先が決まって歩いているイメージを受けるそうです.なので,対を成している,というより別の単語という感覚なんだとか.
見方を変えると,歩いている「たった今」だけを抜き出した不完了体と,着いた「先の状態」まで見越した完了体の違いが,この感覚に根付いていると行っていい例だと思います.
不完了体と定動詞
不完了体は定動詞っぽく使われる傾向にあります.
wracać(不完了) と wrócić(完了)の場合,wracać というと,「(どこかに)帰ったけど,(帰ったところから)また戻ってくる」イメージをするようです.しょっちゅう起こること,一般論のようなこともこれに近いかも.
一方で wrócić を使うと,帰ってしまったんだ,もう戻ってこないんだ,というイメージになるようです.「帰る,戻る」という動作が,完了する,帰る動作はもう起きない,そんな感覚だそうです.
仕事から家に帰るのは wracać,任期終了,ポーランドでの仕事を終えて日本に帰るときは wrócić で.
一方で wrócić を使うと,帰ってしまったんだ,もう戻ってこないんだ,というイメージになるようです.「帰る,戻る」という動作が,完了する,帰る動作はもう起きない,そんな感覚だそうです.
仕事から家に帰るのは wracać,任期終了,ポーランドでの仕事を終えて日本に帰るときは wrócić で.
完了体と副詞
いつできるんだ?という感触からか,次のような副詞と相性がいいです.
zaraz
dopiero co
jak tylko
już{already)
wreszcie
zaraz
dopiero co
jak tylko
już{already)
wreszcie
未来形
不完了体は未来形をとるけど,完了体は未来形をとらない,というルールがあります.(2.)はすでに未来を話しています.つまり,現在形だけど,すでに未来形.
見た目の違い
見た目(綴り)で,どれが不完了体で,どれが完了体で,と見分ける方法はないですが,傾向はあります.
接頭語が付いている
palić, zapalić と接頭語がついているばあいは,ついているほうが完了体.このあたりの理由は上記でしたように,接頭語で意味を添えている分,行き着く状態が明確になっているからでは,と思います.
接頭語の無い -ować 系
名詞から動詞をつくりだす接尾語ですが,不完了体となります.また1人称単数,2人称単数が -am, -asz で終わる動詞もこの傾向が強そうです.
接頭語の有る -ować
上記の -ować の派生のように,z, po, do, przy 等々,接頭語がついて不完了体を作るものがあります.で,注意する必要があるのは、接頭後がついた-ować系が,接頭語を取ったら「はい,不完了体の出来上がり」ってならないときがあることです.見分けずらいですね.そういう時は -wywać に変わることが多そうです.
dopasować dopasowywać
przegotować przegotowywać
przegotować przegotowywać
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