………
……
…
……
…
結局その日は、それ以上何も無く、お皿を片付けて一緒にテレビを見た後、あまり遅くならないうちに志乃を送り届けた。
「おやすみ、舞人……」
「ああ、おやすみ志乃」
そのとき、少し残念そうな表情を浮かべていたのは気のせいだっただろうか。
「おやすみ、舞人……」
「ああ、おやすみ志乃」
そのとき、少し残念そうな表情を浮かべていたのは気のせいだっただろうか。
ともあれ、その日を境に舞人と志乃の仲は若干ではあるが進展していた。
お互いの部屋へ遊びにいくようになり、休日に遊びに行くことも増えた。
しかし、どちらも想いを告白することはなく、もどかしい親友関係が続いていた。
関係の破壊を恐れているのは、何も舞人ばかりではなかった。
「じゃーな、志乃」
「うん。また明日、学校でね。舞人」
手を軽く振り、志乃を家まで送り届けた舞人が帰っていく。
今日も二人はデートを満喫してきた。
喫茶店で軽い昼食から始まり、天気がよかったので公園を散歩したり、買い物をしたり。
買い物の途中で目に入ったショーウィンドウに飾られたゴスロリ服を、志乃が何気なく「かわいいね」と言ったことから、舞人のゴスロリ萌魂に火をつけてしまったり。
それからカラオケにいって、舞人のマニアックな選曲にも「おもしろいね」だの「熱い歌だね」だのとちょっとズレた感性で素直に楽しんだり。
チャンスはいくらでもあったはずなのに。
「……はぅー。告白できないよー……」
結局今日も、告白はおろか手をつなぐこともしないまま、さよならしてしまった。
舞人の気持ちがわからない。
自分に好意を持ってくれていることは分かっていたが、それが愛情なのか、友愛なのか。
肝心なところで奥手な志乃には、どうしてもそれが確かめられなかった。
舞人に気持ちを伝えたいと想う反面、今でも十分幸せを感じることが出来るこの関係を壊したくないという想い。
複雑な乙女心のジレンマが、志乃から今以上の勇気を奪っていた。
「舞人……舞人……」
舞人を呼び捨てにすることに、もう抵抗は無い。
稀に友達から、そのことに関して勘ぐられることもある。
だけどいつも、苦笑して「お友達だよ」としか言い返せない。
胸を張って、「お付き合いしてるんだよ」といえたらどれだけ幸せだろうか。
「舞人………」
お互いの部屋へ遊びにいくようになり、休日に遊びに行くことも増えた。
しかし、どちらも想いを告白することはなく、もどかしい親友関係が続いていた。
関係の破壊を恐れているのは、何も舞人ばかりではなかった。
「じゃーな、志乃」
「うん。また明日、学校でね。舞人」
手を軽く振り、志乃を家まで送り届けた舞人が帰っていく。
今日も二人はデートを満喫してきた。
喫茶店で軽い昼食から始まり、天気がよかったので公園を散歩したり、買い物をしたり。
買い物の途中で目に入ったショーウィンドウに飾られたゴスロリ服を、志乃が何気なく「かわいいね」と言ったことから、舞人のゴスロリ萌魂に火をつけてしまったり。
それからカラオケにいって、舞人のマニアックな選曲にも「おもしろいね」だの「熱い歌だね」だのとちょっとズレた感性で素直に楽しんだり。
チャンスはいくらでもあったはずなのに。
「……はぅー。告白できないよー……」
結局今日も、告白はおろか手をつなぐこともしないまま、さよならしてしまった。
舞人の気持ちがわからない。
自分に好意を持ってくれていることは分かっていたが、それが愛情なのか、友愛なのか。
肝心なところで奥手な志乃には、どうしてもそれが確かめられなかった。
舞人に気持ちを伝えたいと想う反面、今でも十分幸せを感じることが出来るこの関係を壊したくないという想い。
複雑な乙女心のジレンマが、志乃から今以上の勇気を奪っていた。
「舞人……舞人……」
舞人を呼び捨てにすることに、もう抵抗は無い。
稀に友達から、そのことに関して勘ぐられることもある。
だけどいつも、苦笑して「お友達だよ」としか言い返せない。
胸を張って、「お付き合いしてるんだよ」といえたらどれだけ幸せだろうか。
「舞人………」
(回想終了)
「まい……と……好き……」
「………」
志乃の寝言を耳にした舞人は、陰鬱の世界から舞い戻ってきた。
舞人はむくりとソファーから起き上がると、志乃が眠るベッドに静かに歩み寄った。
「まいと……」
愛しそうに、それでいて魘されるように舞人の名を呟く志乃。
舞人は、その丸出しだったお尻にそっと毛布をかぶせてやった。
「まいと……まいと……」
その拍子に、志乃が舞人の袖をつかんだ。
「……むしろ、こんなに好かれてるのに、ずるいとか理由つけて応えないほうがよっぽどヘタレか……」
「………」
志乃の寝言を耳にした舞人は、陰鬱の世界から舞い戻ってきた。
舞人はむくりとソファーから起き上がると、志乃が眠るベッドに静かに歩み寄った。
「まいと……」
愛しそうに、それでいて魘されるように舞人の名を呟く志乃。
舞人は、その丸出しだったお尻にそっと毛布をかぶせてやった。
「まいと……まいと……」
その拍子に、志乃が舞人の袖をつかんだ。
「……むしろ、こんなに好かれてるのに、ずるいとか理由つけて応えないほうがよっぽどヘタレか……」
ガツン……ッ!!
「ってぇ……」
自嘲の笑みを浮かべて、鬱々オーラを払拭するように、自分の頬を殴る舞人。
鋭い痛みに、目が覚めてきた。
「志乃は俺が好き。俺も志乃が好き。最初から両想いだった……それでいいじゃないか」
志乃が好いてくれるから靡いたわけじゃない。
気づく前から好き合っていた。
そう思い直すことで、だいぶ気が楽になった。
「なぁ、それでいいだろ………」
自嘲の笑みを浮かべて、鬱々オーラを払拭するように、自分の頬を殴る舞人。
鋭い痛みに、目が覚めてきた。
「志乃は俺が好き。俺も志乃が好き。最初から両想いだった……それでいいじゃないか」
志乃が好いてくれるから靡いたわけじゃない。
気づく前から好き合っていた。
そう思い直すことで、だいぶ気が楽になった。
「なぁ、それでいいだろ………」