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あねくろ@臨時まとめ
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あねくろ@臨時まとめ

幽霊の正体みたり

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だれでも歓迎! 編集
[その他]
舞人の眠れない夜もそろそろあけようとしているとき。

[その他]
ひゅおおおおおおお……

[舞人]
「ううっ!? サップゥッ!!」
[その他]
突如吹き込んできた真冬のような寒風に思わず実を振るわせる舞人。
[ルーシィ]
「っ!!」
[その他]
そのとき、隣で熟睡していたはずのルーシィの体がびくんと震えた。
[ルーシィ]
「で、ででで……でっ!!」
[その他]
目をぎゅっとつぶり、ガチガチと歯を鳴らしながら舞人にしがみつくルーシィ。
とてもさっきまで寝ていたとは思えない。
危機察知能力は超一流らしかったが、察知したところで相手の正体がわかった以上、何も出来なくなるのであまり意味はなさそうだ。
[舞人]
「これが例の幽霊の登場シーンってやつか?」
[ルーシィ]
「そ、そそそ、そうっ!!」
[その他]
舞人はルーシィを庇うようにベッドから身を起こし、
[舞人]
「――ッ!!」
[その他]
息を呑んだ。
[その他]
『恨めし……憎らし……』
[その他]
そこには半透明の女が浮いていた。
髪はざんばらで顔は隠れているが、ルーシィと同じくらいの年頃の女というより少女のように思える。
時代錯誤な古めかしいデザインの鎧を身にまとっていることから、戦士か騎士の亡霊だろうか。
[舞人]
「おっ、お前は何モンだ……!!」
[その他]
思わず引き気味に怒鳴りつける舞人。
もっとも、幽霊相手に何者だと聞くのもどうかと思うが。
[その他]
『恨めしい……力ある……勇者が恨めしい……』
[その他]
ルーシィが使い物にならない以上、自分が気張らなければ。
舞人は果たして素の状態の自分にどれだけの魔力が備わっているだろうかと考えた。
特訓を続けて結構たつが……
[舞人]
(やべ。MPが上がってる気がしない)
[その他]
となると、どうにかツンデイン一発で倒すしか方法はない。
舞人は会話を続け隙をうかがう作戦に出た。
[舞人]
「勇者が憎い? てことはお前、勇者に倒されたなんかの霊か!」
[その他]
『……倒された……違う……私は……私は……』
[その他]
意外なことに会話が成立している。
しかし、霊は問いに答えず苦悶の表情を浮かべる。
同時に、

[その他]
ガタガタガタガタっ!!

[舞人]
「うおっ、ポルターガイスト!?」
[ルーシィ]
「ひいいいいいいっ!!」
[その他]
周囲の机やらベッドが激しく動き出し、慌てる舞人と悲鳴を上げるルーシィ。
[その他]
『私は……』

[その他]
ひゅううううううっ!!

[舞人]
「なっ……!!」
[その他]
寒風が再び吹き荒び、幽霊のバサバサの髪を舞い上げた。
そこに覗いていた顔は――
[舞人]
「る、ルーシィ……?」
[その他]
ルーシィに瓜二つの美少女だったのだ。
[その他]
『私は……モナ・アシュレイ……400年前の勇者……』
[舞人]
「な、なんだってー!!」



[その他]
その空間はなんともカオスだった。
[舞人]
「ま、とりあえず茶でも飲んでくれ」
[モナ]
「ああっ、申し訳ないですぅ……でも私、幽霊なのでカップが……」
[その他]
明け方も近い寝室で、幽霊と差し向かう舞人。
しかも幽霊こと過去の勇者モナは、正体が明らかになった途端、なぜか間延びした口調になっていた。
すでに体が透けているほか、幽霊らしい貫禄は一切なくなってしまっている。
だがそれでも怖いのか、ルーシィは舞人の背中越しに隠れるように様子を伺っている。
[舞人]
「で、モナさんとやら。なんだってルーシィの先祖のあんたが、ルーシィを脅かしてるんだ」
[モナ]
「それには深い事情があるんですぅ……」
[舞人]
「事情ってのは?」
[モナ]
「そ、それはですねぇ……」
[その他]
モナは知られざる歴史の真実をぽつぽつと語りだした。

[その他]
400年前。突如魔王立候補を宣言したひとりの魔族は、瞬く間に近隣諸国を征服し魔王の称号をその手に入れた。
その年、16歳の誕生日を迎えた勇者モナは当然伝承に従い、魔王を討伐しにいくこととなる。
[舞人]
「でも負けたと?」
[モナ]
「はいぃ……そうなんですぅ……」
[その他]
モナはしょぼんとしながら話を続ける。
このままでは世界は魔王に征服されてしまう。
事態を重く見た魔術王ルネは、異世界から勇者を召喚したのである。
[モナ]
「それが勇者タカですぅ」
[舞人]
「へぇ……名前からして、そいつも日本人みたいだな」
[モナ]
「ニホンジン?」
[舞人]
「気にせずに続けてくれ」
[その他]
突如異世界に召喚されてきたタカは、戸惑いはしたもののすぐさまその実力を開花させ、見る見るうちに勇者専用魔法を身につけていった。
そして、一度敗北したとは言えフォスタリアの未来を救う勇者であるモナを仲間に、魔王に挑んでいったのだという。
[ルーシィ]
「なんか、誰かさんとは大違いみたいだね、その勇者タカって人」
[その他]
若干余裕を取り戻してきたらしいルーシィが、舞人の背中をつつく。
[舞人]
「う、うるさいやい」
[モナ]
「私はタカの実力に最初は嫉妬こそしたものの、次第に惹かれていったんですぅ……」
[その他]
器用に霊体の頬をぽっと染めるモナ。
[モナ]
「そしてついに魔王は倒れました……ですけど……」
[その他]
不意に目を伏せるモナ。
[舞人]
「そうか、わかったぞ……そのタカって奴はお前を選ばずに自分の世界に帰ったんだな?」
[ルーシィ]
「えっ……」
[その他]
舞人の推測にわずかに動揺の色が滲むルーシィ。
その瞳が不安げに舞人を見つめていたが、背中にいるため舞人はそれに気づかなかった。
[モナ]
「いいえ、違うですぅ」
[舞人]
「え、あ、違った? ……まぁ確かに、自分の世界に帰ったのになんでルーシィを恨むんだよって話だよな」
[ルーシィ]
「じゃあ、どうしたの……?」
[その他]
控えめに会話に参加してくるルーシィ。
モナはもったいぶるように――ゆったりしているのは地らしいが――言葉を続けた。
[モナ]
「タカは……戦いの最中、魔王の強さに心惹かれていったんです」
[舞人]
「……は?」
[モナ]
「そしてタカは……倒した魔王の命を助け、そのまま……」
[その他]
ふるふると肩が震えだすモナ。
[モナ]
「そのまま二人は駆け落ちしちゃったんですぅぅぅぅ!!!」

[その他]
ゴゴゴゴゴゴゴッ!!

[舞人]
「うおおっ、ポルターガイスト再びっ!!」
[その他]
モナの悲痛な叫びと共に、またしても家具が超振動する。
[舞人]
「っていうか、なんだよそのオチはっ!!」
[モナ]
「散々私と旅の途中イイコトしてきたのにぃぃ、結局は男同士でぇぇぇっ、しかもよりによって魔王とですよぉぉ!?」
[舞人]
「あ、イイ仲だったんだ、一応……」
[モナ]
「子供まで作っておいて必要なくなったらポイだなんて酷すぎますぅぅぅぅ!! しかも男の魔王とぉぉぉ!!」

[その他]
オオオオオ……

[その他]
モナの顔が次第に幽霊じみていき、どこかのホラー漫画にありがちな効果音を背負いだす。
[舞人]
「オチはさておき事情はわかったが、なんでそれでルーシィを脅かすっ!?」
[モナ]
「だって私にもっと力があればタカの心を繋ぎとめられたかもしれないんですよぉ!?」
[舞人]
「だから!?」
[モナ]
「力のある勇者が羨ましいんですぅぅ、妬ましいですぅぅ、そねましいですぅぅ!!」
[舞人]
「思いッッッッッッきり逆恨みもいいとこじゃねーか!!」
[モナ]
「そんなこと知ったこっちゃねーですぅぅぅ!! どーせ幽霊になっちゃったんですから、もう勇者の血なんかどーでもいいですぅぅぅ!!」
[その他]
すでに幽霊というより、たちの悪いヒス女である。
[舞人]
「とかいいつつ、その勇者の血が途絶えてないってことは出来た子供はちゃんと育てたんだよな……」
[モナ]
「自分の子供は別ですぅぅぅ! ちゃんと立派な子に育ててもらったですぅ! ……パパとママに」
[舞人]
「うわぁなんというワガママな幽霊だ……っていうか育てたの両親かよ!?」
[その他]
さすがの舞人でもそれには引いた。
[モナ]
「だってぇぇ……私はあの子を生んですぐに……」
[舞人]
「う……」
[その他]
子育て放棄と思いきや、実は重たい理由に言葉を詰まらせる舞人。
[モナ]
「捨てられたショックでだいぶ体が参ってて出産に耐え切れなかったんですぅぅ……」
[舞人]
「そ、それにしたって……っていうか、それならやっぱ恨むならそのタカって勇者を奪った魔族を恨めよ……」
[モナ]
「魔族に化けてでても怖がってもらえないじゃないですかぁぁぁ!!」
[舞人]
「うわ、そんな理由で逆恨みかよ……」
[モナ]
「というか、この家に自縛しちゃったものでここから離れられないから、とりあえず恨みのはけ口を手近なところで……」
[舞人]
「それが本音かよ!!」
[その他]
もともと勇者の血筋で嘘が得意でないらしく、ついついぽろりと本音をこぼすモナ。
勇者っぽいのやらぽくないのやら、ぜんぜん分からない幽霊である。
[モナ]
「でも力のある勇者が妬ましいんですぅぅ、羨ましいんですぅぅ!!」
[その他]
すでにヒスを通り越してただのダダッコである。
[舞人]
「ってか、さっきから実力だの力のあるだのいってるけど、このルーシィだって魔王に負けてるんだぞ?」
[ルーシィ]
「マイト!!」
[その他]
思わず恥部を暴露され、声を荒げるルーシィ。
[モナ]
「へっ? そうなんですかぁ……?」
[その他]
不意に力の抜けるモナ。
[モナ]
「でも小さいころからツンデインをマスターしたり、剣の腕も子供とは思えないくらい一流だったし……」
[舞人]
「アレだな。神童と呼ばれても、将来どうなるかってのはわからないってことじゃねーの?」
[ルーシィ]
「マーイートーッ!!」
[舞人]
「ぐええええ!!」
[その他]
情け容赦ない舞人の言いように、ついに怒りに身を震わせて舞人の首を絞めるルーシィ。
[舞人]
「この家に自縛してるってことは、知らなかったんだなぁぁぁ……ぐえええ、いい加減はなせ、死ぬぅぅ!!」
[その他]
首を絞められながらも続ける舞人の言葉に、モナのオーラから次第に威圧的な力が消えていくのがわかった。
[モナ]
「そうだったんですかぁ……なぁーんだ……私たち、実は似たもの同士だったんですねぇ」
[その他]
次の瞬間には、モナの表情にぱぁっと花が咲いていた。
実に態度の豹変が激しい幽霊である。
[モナ]
「私たち、いい友達になれそうですねぇ☆」
[その他]
きゃるん、とまぶしい笑顔を浮かべるモナ。
[ルーシィ]
「え、え……そ、そうかなぁ……」
[その他]
今まで散々脅かしてきて自分にトラウマを植え付けてきた相手である。
いくら和解しそうとはいえ、簡単に頷けないものがあるルーシィだった。
ただ、この幽霊に関しては当初ほどの恐怖感はなくなっているのも事実だ。
ともかく、モナがルーシィに妙な親近感を覚えたことで、この家でもう恐怖現象が起こることはないだろう。
[モナ]
「ルーシィさんっ、たまには戻ってきてくださいねぇ~」
[ルーシィ]
「う、うん……」
[その他]
最も、実家に帰るたびに付きまとわれそうな気もするが。

[舞人]
「ところでさ」
[モナ]
「はい? なんですかぁ?」
[舞人]
「興味本位なんだけど、前の魔王ってなんていう名前なんだ? そいつだけ名前が出てこなかったからさ」
[その他]
舞人が何気なく聞くと、モナは不意に目を伏せた。
そして、次第にザワザワと髪がうごめき始める。
[モナ]
「思い出すのも忌々しいですぅ……魔王アーツ・グッドマン!!」
[ルーシィ]
「グッドマン!?」
[その他]
その名を聞き、ルーシィが驚愕の声を上げる。
[舞人]
「知ってんの?」
[ルーシィ]
「何言ってるの……グッドマンっていうのは……」

[???]
「ご明察だ、勇者ルーシィ」
[ルーシィ]
「!?」

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