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妬みの中で迷いゆく
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「なぜ、お前が…おまえだけが…」
妬み、憎悪、この巌勝という子供の中に渦巻いているのは
全身を五臓六腑すらも焦し尽くす負の感情のみ。
彼は余裕が無く憔悴しきった表情で当てもなく会場をさまよっていた。
サカキのバトルロワイヤルの開幕宣言も
なぜ、どういった原因でバトルロワイヤルの世界に召喚されたのか
そんな疑問などは一切頭に入っていない。
全身を五臓六腑すらも焦し尽くす負の感情のみ。
彼は余裕が無く憔悴しきった表情で当てもなく会場をさまよっていた。
サカキのバトルロワイヤルの開幕宣言も
なぜ、どういった原因でバトルロワイヤルの世界に召喚されたのか
そんな疑問などは一切頭に入っていない。
戦国時代、双子は不吉の象徴であるとして忌嫌されていた。
弟の縁壱は赤子から額の左より側頭部を包むかのように痣があった。
それらを理由に父親は縁壱を亡き者にしようとしたが
普段は穏やかで慈しい母親の朱乃が烈火の如く怒り大げんかの末に阻止された。
弟の縁壱は赤子から額の左より側頭部を包むかのように痣があった。
それらを理由に父親は縁壱を亡き者にしようとしたが
普段は穏やかで慈しい母親の朱乃が烈火の如く怒り大げんかの末に阻止された。
しかし忌み子として扱われることに変わりは無く
兄の巌勝とは教育、部屋、服装、食事などあらゆる面で差を付けて育てられた。
そんな弟を巌勝は哀れみ、
木彫りの笛を与えたり一緒に凧揚げをしたり何かと気に掛けていた。
ある日、兄の師範を担当している人物から稽古に誘われて
父の配下であるその師範を無駄の無い動きで圧勝する。
哀れんでいた存在が、守るべき弟が
己よりも全てにおいて遙かに優れていたのだ。
兄の巌勝とは教育、部屋、服装、食事などあらゆる面で差を付けて育てられた。
そんな弟を巌勝は哀れみ、
木彫りの笛を与えたり一緒に凧揚げをしたり何かと気に掛けていた。
ある日、兄の師範を担当している人物から稽古に誘われて
父の配下であるその師範を無駄の無い動きで圧勝する。
哀れんでいた存在が、守るべき弟が
己よりも全てにおいて遙かに優れていたのだ。
その後、縁壱が寺に向けて出奔した後母の日記を読みある事実が明らかとなる。
母親に軟弱者のように甘えてすがりついていたのではなく
病魔に蝕まれていた事実を見抜き常に支えていた。
母親に軟弱者のように甘えてすがりついていたのではなく
病魔に蝕まれていた事実を見抜き常に支えていた。
今までの哀れみからきていた行動は全て
道化の振る舞いであったも同然。
弟は神童の化身にすら気づかず無用な施しを行い、
母にすがりついていたと誤解していた。
妬みと憎しみを業火のように燃え上がらせるには十分、無慈悲な二つの真実。
道化の振る舞いであったも同然。
弟は神童の化身にすら気づかず無用な施しを行い、
母にすがりついていたと誤解していた。
妬みと憎しみを業火のように燃え上がらせるには十分、無慈悲な二つの真実。
俺も兄上のようになりたいです。俺はこの国で二番目に強い侍になります。
悪意など全くない縁壱の純粋な憧れの言葉が呪縛となる。
おまえなど生まれてこなければ
黒い感情に支配された少年は歩き続ける、
晴れようのない心すらも抱えて。
晴れようのない心すらも抱えて。
◆
「なにがおこっとるんじゃ☆
じゃじゃじゃのじゃじゃじゃのじゃ☆
ジョセフ☆おじいちゃん大葬☆」
じゃじゃじゃのじゃじゃじゃのじゃ☆
ジョセフ☆おじいちゃん大葬☆」
殺し合いの舞台という緊迫感と恐怖の場所にどういうわけか
やたらと陽気でコミカルなオリジナルソングを歌いながら歩いている老人がいる。
やたらと陽気でコミカルなオリジナルソングを歌いながら歩いている老人がいる。
「はァーやっぱこんな歌程度じゃ気が紛れんわ、やめじゃやめーい。」
歌をやめると彼は気が沈んだ表情でため息をついた。
老人の名はジョセフ・ジョースター
やばくなった娘のホリィを救うべく、
元凶のDIOを倒すべく孫などの仲間と共にエジプトへ
旅だった波紋使いにして、反射神経がやたら優れているスタンド使いである。
老人の名はジョセフ・ジョースター
やばくなった娘のホリィを救うべく、
元凶のDIOを倒すべく孫などの仲間と共にエジプトへ
旅だった波紋使いにして、反射神経がやたら優れているスタンド使いである。
そんな彼は落胆している。
理由は殺し合いに召喚されたことも
多少は含んでいると思われるが最大の理由は異なる。
理由は殺し合いに召喚されたことも
多少は含んでいると思われるが最大の理由は異なる。
「最期のあの台詞、かっこよさはともかく悪役っぽいし、
味方の承太郎にかける言葉ではなかったわい。」
味方の承太郎にかける言葉ではなかったわい。」
時を止める能力を最後の力を振り絞って承太郎に伝え
『お前が来るのを地獄で楽しみにしているぞ承太郎』という
誰がどう聞いても悪役の台詞にしかきこえない言葉を吐き捨てた後。
『お前が来るのを地獄で楽しみにしているぞ承太郎』という
誰がどう聞いても悪役の台詞にしかきこえない言葉を吐き捨てた後。
「最期だからかっこつけたいからって、
あれはさすがにアウトじゃったのー
いくらなんでもだめだめじゃった…承太郎も
『何言ってんだこのじじい!イラっときたぜ!』
みたいな感じかーんかんじゃろう。」
あれはさすがにアウトじゃったのー
いくらなんでもだめだめじゃった…承太郎も
『何言ってんだこのじじい!イラっときたぜ!』
みたいな感じかーんかんじゃろう。」
この過ちが落ち込んでいる最大の理由であった。
台詞を猛省するジョセフ、宿敵との決戦に臨む
孫に書ける言葉では無いのは誰から見ても明らか。
家族のホリィを救うか救えずかの決戦であるのに不適切極まりない。
台詞を猛省するジョセフ、宿敵との決戦に臨む
孫に書ける言葉では無いのは誰から見ても明らか。
家族のホリィを救うか救えずかの決戦であるのに不適切極まりない。
「次にあんな展開になったらもうちょっと
良い台詞を考えるべきじゃ、
いや死なない超したとはないのじゃろうが…」
良い台詞を考えるべきじゃ、
いや死なない超したとはないのじゃろうが…」
このジョセフはダニエル・Jダービーに
賭け事で敗北し、魂を抜き取られた時といい
どうも最期の台詞にこだわる傾向がある。
賭け事で敗北し、魂を抜き取られた時といい
どうも最期の台詞にこだわる傾向がある。
「まぁまずは名簿じゃな…どれどれこのポケナビの操作方法は…ん?」
歩きながら名簿の確認を始めようとしたら浮かない表情で
俯きながら歩く紫色の和服を着た少年がいた。
俯きながら歩く紫色の和服を着た少年がいた。
◆
目の前に居る老人に気づき顔を上げる巌勝、
その直後すぐにまた顔を下げ
とぼとぼとジョセフの横を通りさった。
その直後すぐにまた顔を下げ
とぼとぼとジョセフの横を通りさった。
「おいおいおいおい、ちょっとまつんじゃあ!
初対面のおじいちゃん相手ににスルーはいかんぞいっ!」
初対面のおじいちゃん相手ににスルーはいかんぞいっ!」
スルーした和服の少年に話しかけるジョセフ
このジョセフも会場にいる承太郎とポルナレフのように
“本来の”ジョセフ・ジョースターとは実質別人だが、
心根にはまぁたぶん黄金の精神が宿る戦士である。
このジョセフも会場にいる承太郎とポルナレフのように
“本来の”ジョセフ・ジョースターとは実質別人だが、
心根にはまぁたぶん黄金の精神が宿る戦士である。
だから殺し合いを強いられる最悪の世界を
さまよう子供を無視したり、見捨てるようなまねは何があろうともしない。
さまよう子供を無視したり、見捨てるようなまねは何があろうともしない。
「わしを相手に武器を取り出したり、
殴りかかったりしないとか
過激だったり変な行動とかしとらんから
殺し合いには乗っておらんのじゃろう?」
殴りかかったりしないとか
過激だったり変な行動とかしとらんから
殺し合いには乗っておらんのじゃろう?」
少年が殺し合いに乗っていないのは事実
今彼の精神状態は殺し合いどころでは無いのだから。
今彼の精神状態は殺し合いどころでは無いのだから。
「そーんなに落ち込んでどうしたんじゃあ?
理由はなんというかこんなバトルロワイヤルに
無理矢理呼ばれちゃったことで
怖くてヒィーーみたいになってる感じかな。」
理由はなんというかこんなバトルロワイヤルに
無理矢理呼ばれちゃったことで
怖くてヒィーーみたいになってる感じかな。」
何も言わずうつむき無力な亡霊のように歩く
少年にかまわず話しかけるジョセフ。
落ち込んでいる理由を殺し合いに呼ばれた
恐怖や絶望から起因していると予想する、大外れである。
少年にかまわず話しかけるジョセフ。
落ち込んでいる理由を殺し合いに呼ばれた
恐怖や絶望から起因していると予想する、大外れである。
「だが大丈夫じゃあ!スピードワゴン財団の後ろ盾でウッハウハで
若い頃に波紋の修行もこなして高性能おじいちゃんに分類される
このわしがきっちりみっちり助けてやるぞい!」
若い頃に波紋の修行もこなして高性能おじいちゃんに分類される
このわしがきっちりみっちり助けてやるぞい!」
「黙ってくれ…」
老人のあまりにも陽気で空気の読めぬひょうきんな行動に
助けてやるというあたり
悪意が無いのは一応わかっては居るが、
それでも苛立ちを抑えられない。
震えながら口を開く。
助けてやるというあたり
悪意が無いのは一応わかっては居るが、
それでも苛立ちを抑えられない。
震えながら口を開く。
「え?あのーもしも」
「だまってくれといっているだろう!!!」
怒りと鬱憤と負の感情を爆発させ
老人を相手に怒鳴り散らす。
老人を相手に怒鳴り散らす。
「さっきから何だ!意味のわからない言葉を吐いて
助けるとか勝手なことばかり抜かして…!!」
助けるとか勝手なことばかり抜かして…!!」
「ちょ、ちょっといきなり話しかけすぎたのは悪かった!
お前さんが怒るのはもっともじゃ!
ど、どうかここは落ち着くんじゃあ!」
お前さんが怒るのはもっともじゃ!
ど、どうかここは落ち着くんじゃあ!」
手のひらの正面を少年に向けながら
自分の顔の近くよせ前後におすような動きをする。
落ち込む人物を相手に話すにしては
態度などを含め空気が読めていなかったのは事実。
自分の顔の近くよせ前後におすような動きをする。
落ち込む人物を相手に話すにしては
態度などを含め空気が読めていなかったのは事実。
「いったい何がわかる!望まれた才を一切与えられない苦しみが!
弟のような神の歩みの前では、私のような者進歩なんて亀の歩みに過ぎないんだ!」
弟のような神の歩みの前では、私のような者進歩なんて亀の歩みに過ぎないんだ!」
やり場の無い思いを向け
黒く濁った妬みと苦悩を吐き出す。
黒く濁った妬みと苦悩を吐き出す。
「わしも悪かったからどうか落ち着いてくれ!
いきなりそんな情報いわれてなんのこっちゃっていう感じじゃ!」
いきなりそんな情報いわれてなんのこっちゃっていう感じじゃ!」
「誰かはわからないがもうかまわないで放っておいてくれ!!」
「いやいやそうはせんよ!お前さんやばい奴らが
ハッスルマッスルしてもおかしくないこの場所で生き残れる自信があるのか?」
ハッスルマッスルしてもおかしくないこの場所で生き残れる自信があるのか?」
「そんなこともう知らない!失せてくれ!」
「強硬手段じゃ!おちつきドラーーイブっっ!!(精神安定波紋疾走)」
少年の肩をつかみ
電撃のような波紋を流した。
電撃のような波紋を流した。
「うがああっああ、あああーー!」
全身をしびれるような感覚が包み込む
しかし奇妙なことに波紋を浴びれば浴びるほど
しかし奇妙なことに波紋を浴びれば浴びるほど
「…」
落ち着きを取り戻していた。
おちつきドライブ(精神安定波紋疾走)とは
その名通り精神が高ぶっている者を落ち着かせる波紋疾走である。
空条承太郎も仲間の花京院典明が
テレンス・T・ダービーに魂を抜き取られ
激怒した際にジョセフに使用された。
その名通り精神が高ぶっている者を落ち着かせる波紋疾走である。
空条承太郎も仲間の花京院典明が
テレンス・T・ダービーに魂を抜き取られ
激怒した際にジョセフに使用された。
「ど、どうじゃの…おちついたか?」
「………」
精神が先ほどと比べて多少は落ち着いた。
あくまでも多少であり完全に安定したわけでは無い、
あれほどの嫉妬と憎しみがすぐ跡形も無く
消え失せることにはならない。
あくまでも多少であり完全に安定したわけでは無い、
あれほどの嫉妬と憎しみがすぐ跡形も無く
消え失せることにはならない。
「…うぅ…」
落ち着いて多少冷静になったのか思考が回り改めて思い知る。
母親の抱えていた病気に気づけなかった自分の節穴な目に
縁壱との埋められぬであろう開きすぎている差に
悔しさとやるせなさのあまりに涙が流れゆく。
母親の抱えていた病気に気づけなかった自分の節穴な目に
縁壱との埋められぬであろう開きすぎている差に
悔しさとやるせなさのあまりに涙が流れゆく。
「今度は泣いちまってどうしたんじゃあ!?
また一発おちつきドライブやった方が良いか?」
また一発おちつきドライブやった方が良いか?」
「いや…今はただこのままに…してくれ…」
由緒正しき家の侍を目指す者にとって
なにより戦国時代の男児にとって
人前で涙を流すのは恥でしかない。
それでも今の巌勝には耐えられず
今は膝と両手を地につけてただ泣き崩れた。
なにより戦国時代の男児にとって
人前で涙を流すのは恥でしかない。
それでも今の巌勝には耐えられず
今は膝と両手を地につけてただ泣き崩れた。
「うわああああ……!!」
◆
「どうしたもんかのぅ…」
一方ジョセフは目の前の少年に困惑していた。
おそらく悪童ではないだろうが、激しく怒ったり
落ち着かせたと思えば泣き出したりする。
一体何を抱えどのような苦悩があるのか。
今は知ることはできない。
おそらく悪童ではないだろうが、激しく怒ったり
落ち着かせたと思えば泣き出したりする。
一体何を抱えどのような苦悩があるのか。
今は知ることはできない。
「まぁこの子から離れるわけにもいかんし…名簿でも見てみるか。」
今度こそ説明書を読んでポケナビを
操作するジョセフだったが
この後、彼は戦慄することになる。
操作するジョセフだったが
この後、彼は戦慄することになる。
「承太郎、ポルナレフ…DIOに弟の方のダービーか…ん?」
彼にとって縁のある名字が見えた。どちらかというと…
いや、かなりアレな方での縁である。
どんな感じの縁と言えば愛しき妻のスージーQにばれたら
怒りの頂点という意味での縁だ。
仮にばれたら「見てぇ~」みたいな悠長な台詞を言わず大激怒し、
ジョースター一族を巻き込む騒動になるだろう。
いや、かなりアレな方での縁である。
どんな感じの縁と言えば愛しき妻のスージーQにばれたら
怒りの頂点という意味での縁だ。
仮にばれたら「見てぇ~」みたいな悠長な台詞を言わず大激怒し、
ジョースター一族を巻き込む騒動になるだろう。
「ひがし……かた……?」
侍を目指す少年と娘を救わんとする波紋戦士、
それぞれの精神状態は通常とか平静とはほど遠い状態だ。
それぞれの精神状態は通常とか平静とはほど遠い状態だ。
【C-4/未明/一日目】
【継国巌勝@鬼滅の刃】
[状態]:縁壱への妬みと憎悪(中)、悔しさと無力感(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3、
[思考・状況]基本行動方針:????
1: 今はただもう泣きたい
[備考]
母である朱乃の日記を読んだ直後に参戦しました。
【継国巌勝@鬼滅の刃】
[状態]:縁壱への妬みと憎悪(中)、悔しさと無力感(大)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3、
[思考・状況]基本行動方針:????
1: 今はただもう泣きたい
[備考]
母である朱乃の日記を読んだ直後に参戦しました。
【ジョセフ・ジョースター@うろ覚えで振り返る 承太郎の奇妙な冒険】
[状態]:動揺(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3、
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らない。
1: 東方…まさか…。
2: 一応承太郎やポルナレフと合流したいが…
3: なんというか…その…気まずい…
4:別人…であることを祈るぞい。
5: DIOは打ち倒したい。
[備考]
参戦時期はパート57でナイフを首に刺され失神したあとです。
制限で波紋法によって20歳の姿に若返ることはできません。
[状態]:動揺(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3、
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らない。
1: 東方…まさか…。
2: 一応承太郎やポルナレフと合流したいが…
3: なんというか…その…気まずい…
4:別人…であることを祈るぞい。
5: DIOは打ち倒したい。
[備考]
参戦時期はパート57でナイフを首に刺され失神したあとです。
制限で波紋法によって20歳の姿に若返ることはできません。
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