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風と鋼
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シングマンは復讐のために飛び立つバリカンの旧友を見送った後、
屋上から飛び降りすぐに地上へ移動した。
常人であれば五体が砕け散りまず生きていないだろうが
ほとんどの超人は人間よりも遙かに屈強な肉体を持って生まれ
その超人の中でも最強クラスの存在である完璧超人始祖はずばぬけた頑強性をもつ。
完璧超人始祖が落下死するわけがない。
そこらのやわな人間やただの超人とは全てにおいて次元が違う。
屋上から飛び降りすぐに地上へ移動した。
常人であれば五体が砕け散りまず生きていないだろうが
ほとんどの超人は人間よりも遙かに屈強な肉体を持って生まれ
その超人の中でも最強クラスの存在である完璧超人始祖はずばぬけた頑強性をもつ。
完璧超人始祖が落下死するわけがない。
そこらのやわな人間やただの超人とは全てにおいて次元が違う。
「何者だァ?てめェは…」
目の前の竹刀を構えた人間はやわではないが。
◆
現在地を確認し支給された竹刀と弟の形見となった銃を装備した
不死川は西側にあるミナモデパートに向かっている。
デパートには直接赴いたことはないが田舎の商店や百貨店とは
比較にならないほど商品が充実している施設であることぐらいは知っている。
不死川は西側にあるミナモデパートに向かっている。
デパートには直接赴いたことはないが田舎の商店や百貨店とは
比較にならないほど商品が充実している施設であることぐらいは知っている。
(キン肉ハウスってのよりはマシなんじゃねェのか?)
殺し合いの場に配置されているため
従来のデパートとはまた違っているかもしれないが
東に建てられているキン肉ハウスよりは
ましな道具や有益な情報、そして参加者たちに
出会える可能性が高いと判断し向かうことにした。
従来のデパートとはまた違っているかもしれないが
東に建てられているキン肉ハウスよりは
ましな道具や有益な情報、そして参加者たちに
出会える可能性が高いと判断し向かうことにした。
ある程度歩いてデパートに着いた不死川は見上げてデパートを眺めた。
もし玄弥をはじめとした兄弟たちが生きていれば
不死川家は貧乏なため経済に余裕はないが
みんなをこのような楽しそうな場所に年に一回くらいは連れて行くことができただろう。
不死川家は貧乏なため経済に余裕はないが
みんなをこのような楽しそうな場所に年に一回くらいは連れて行くことができただろう。
無惨が滅んだ後の平和をある程度堪能した影響か
殺し合いに巻き込まられているにも関わらず
亡き家族を思い浮かべ感傷にほんの一瞬浸る。
殺し合いに巻き込まられているにも関わらず
亡き家族を思い浮かべ感傷にほんの一瞬浸る。
(呆けているばあいじゃねェな)
すぐさま我に返りデパート内へ入店しようとしたが
天から降ってきた異形を察知しすぐさま後退した。
天から降ってきた異形を察知しすぐさま後退した。
「ちっ!」
突然の出来事に思わず舌打ちし
落ちてきた異形を見やる。
落ちてきた異形を見やる。
そいつは全身濃い桃色で肉体はまるで鋼のような光沢を放っている。
「何者だァ?てめェは…」
「貴様…自分が何を持っているのかわかっているのか?
下等超人があやつ愛用の竹刀を…」
下等超人があやつ愛用の竹刀を…」
不死川の装着している竹刀が目に映った異形はひどくいらだっていた。。
「もしその竹刀が身の丈に合っていないと少しでも思うならいますぐに渡すといい
逆に合っていると思えば今すぐに私と一戦交えて貰おうか。」
逆に合っていると思えば今すぐに私と一戦交えて貰おうか。」
異形ことシングマンが怒るのは不死川から見れば
支給された道具を不当に要求してくる理不尽でしかないが
そのシングマンからすればとんでもない事態だ。
支給された道具を不当に要求してくる理不尽でしかないが
そのシングマンからすればとんでもない事態だ。
世の調和と秩序を崩壊させた元凶である下等超人が
敬愛するあやつの愛用する竹刀を
我が物顔で扱うとはおこがましいにもほどがある。
こんなに許されてはならぬ事態はない。
敬愛するあやつの愛用する竹刀を
我が物顔で扱うとはおこがましいにもほどがある。
こんなに許されてはならぬ事態はない。
「初対面の言葉とは思えねェな頭沸いてやがる、
いきなり降ってきて渡されたもんを寄越せだァ?」
いきなり降ってきて渡されたもんを寄越せだァ?」
鬼という種族の醜悪性を嫌というほど知っている不死川からすれば
目の前の異形、いや鬼が意味不明な言葉をわめき、
不当に強奪しようとするのは特別違和感を感じるようなことではない。
目の前の異形、いや鬼が意味不明な言葉をわめき、
不当に強奪しようとするのは特別違和感を感じるようなことではない。
今まで屠った鬼にも荒唐無稽としか思えない言葉をつぶやきながら
抹殺にかかってくる雑魚鬼は腐るほどいた。
こいつもいつものような醜い鬼の一匹に過ぎないのだろう。
抹殺にかかってくる雑魚鬼は腐るほどいた。
こいつもいつものような醜い鬼の一匹に過ぎないのだろう。
この鬼はそもそも鬼ではなく
また別種の鬼の上官に当たる存在であるが
あまりにも情報に不足している不死川は気づくことができない。
また別種の鬼の上官に当たる存在であるが
あまりにも情報に不足している不死川は気づくことができない。
(日輪刀がない今、こいつは陽光でぶっころすしかできねェな)
通常の刃物や武器では鬼を殺傷できず日輪刀という
一年中日の光を当てられた猩々緋鉱石を素材として作られた刀で頸を切ることで葬れる。
今は制限によって頸を切るのは日輪刀以外の手段でも対処可能だが
まだ誰も気づけてはいない。
一年中日の光を当てられた猩々緋鉱石を素材として作られた刀で頸を切ることで葬れる。
今は制限によって頸を切るのは日輪刀以外の手段でも対処可能だが
まだ誰も気づけてはいない。
不死川が現れた鬼を殺すために取るつもりの手段は滅多斬りにして
再生が追いつかなくなり弱って動けなくなったところを
竹刀を胴体に地もろとも突き刺して固定する。
再生が追いつかなくなり弱って動けなくなったところを
竹刀を胴体に地もろとも突き刺して固定する。
そして朝という日の昇る時まで放置するという強引で危険極まりない方法だ。
鬼殺隊に入隊するまで鬼は全てこの手段で殺し尽くしてきた。
―――風の呼吸壱の型 塵旋風・削ぎ
螺旋状に回転し
速度のあまりに地を削ぐほどの竜巻を起こしつつ
スクリューのようにシングマンへ不死川は突撃した。
元残虐超人にして正義超人、ウォーズマンの
スクリュードライバーと類似している技だった。
速度のあまりに地を削ぐほどの竜巻を起こしつつ
スクリューのようにシングマンへ不死川は突撃した。
元残虐超人にして正義超人、ウォーズマンの
スクリュードライバーと類似している技だった。
「ギラギラ!それがどうした!」
シングマンは回避どころか堂々と直立したままの状態かつ
右手だけで回転中の不死川が装備していた竹刀を掴んだ。
右手だけで回転中の不死川が装備していた竹刀を掴んだ。
「チィ!てめェ…」
「その竹刀は下等超人如きが触れることすらはばかられる偉大な道具だ
さっさと渡して貰おう、さもなくば腕ずくで取り返すまでだ」
さっさと渡して貰おう、さもなくば腕ずくで取り返すまでだ」
「ああ上等だ、わけわかんねェ妄言
吐く暇あんならよォ
さっさとぶっ殺しにこいよォ。」
吐く暇あんならよォ
さっさとぶっ殺しにこいよォ。」
掴んだ竹刀もろともシングマンは不死川を軽く放り投げるが
地に叩きつけられるまでに着地の構えを整えケガ一つ無く着地した。
地に叩きつけられるまでに着地の構えを整えケガ一つ無く着地した。
「リング外なのにも関わらず血で血を洗おうとするのも下等超人の悪癖よ。
だが下等なお前でもあやつの竹刀が支給されるほどの超人らしい…」
だが下等なお前でもあやつの竹刀が支給されるほどの超人らしい…」
「そんなお前との決着はリングで付けるのがベストだろう!」
「マッ!!」
下等超人とはいえどんな超人よりも偉大な
あやつの振るう竹刀が支給されるくらいだから
相応の気骨はある超人に違いない。
あやつの振るう竹刀が支給されるくらいだから
相応の気骨はある超人に違いない。
それほど超人をリング外で淡々と粛正するのは惜しく
神聖なリングでケリを付けるのが適切。
神聖なリングでケリを付けるのが適切。
不死川から聞けばとんちんかんな宣言とともに
シングマンのいる場を囲むように正方形の線が現れ
線が上昇すると一瞬でリングに化けた。
シングマンのいる場を囲むように正方形の線が現れ
線が上昇すると一瞬でリングに化けた。
「さあ貴様もこい!無理難題だが何が何でも
竹刀が欲しければ私を倒してみせよ!」
竹刀が欲しければ私を倒してみせよ!」
「一体何がしてェんだ?」
シングマンの言動全てに意味があると不死川は思えなかった、
まず竹刀云々もあるが、なんでそのりんぐとやらの上で戦おうとするのか
まず竹刀云々もあるが、なんでそのりんぐとやらの上で戦おうとするのか
そんなよくわからない土俵みたいなのにわざわざあがる必要性は感じられず
普通に今ここで戦っても同じなのでは?
意味があるとすれば搦め手を成す手段の一つと言ったところか。
普通に今ここで戦っても同じなのでは?
意味があるとすれば搦め手を成す手段の一つと言ったところか。
とりあえず馬鹿正直にリングへ上がるのは危険と判断した不死川は
形見の銃を構え、直ちにシングマンへ向け数発発砲した。
形見の銃を構え、直ちにシングマンへ向け数発発砲した。
「き、貴様何を!?」
(前段命中したが、傷がまったくできない、
硬度だけなら今までのどんな奴よりも上か
こいつの肉体はマジで金属そのものかよ。)
硬度だけなら今までのどんな奴よりも上か
こいつの肉体はマジで金属そのものかよ。)
全弾が命中したがシングマンには一切の傷がなかった。
宇宙にある金属物質で肉体が構成されているシングマンには
地球上の物体ではかすり傷をつけることすらも夢のまた夢だ。
宇宙にある金属物質で肉体が構成されているシングマンには
地球上の物体ではかすり傷をつけることすらも夢のまた夢だ。
「なんと愚かな超人だ、リングに上がらぬどころか
重火器までもちだすとは…恥知らずの極みだ…」
重火器までもちだすとは…恥知らずの極みだ…」
一方のシングマンも目の前の下等超人もとい、
不死川の言動に怒りを通り越してもはやあきれていた。
不死川の言動に怒りを通り越してもはやあきれていた。
せっかく出現させたリングにインしないどころか
堂々と銃を持ち出し罪悪も疑問も感じていない表情のまま発砲するしまつ。
堂々と銃を持ち出し罪悪も疑問も感じていない表情のまま発砲するしまつ。
品がなく無為に暴力を振るうことしか能の無い下等超人の中でも
ここまで恥を知らない下等超人は珍しい、
サイコマンの弟子にして元完傑のネプチューン・キングとためを張れるほどの厚顔無恥。
なんでこんな超人にあの竹刀が支給されたのか理解に苦しむ。
それともレスリングそのものを知らないからリングインを拒んだだけなのか?
ここまで恥を知らない下等超人は珍しい、
サイコマンの弟子にして元完傑のネプチューン・キングとためを張れるほどの厚顔無恥。
なんでこんな超人にあの竹刀が支給されたのか理解に苦しむ。
それともレスリングそのものを知らないからリングインを拒んだだけなのか?
「その仕切りになんの意味があるか知らねェが
押しつけがましいなァオイ。」
押しつけがましいなァオイ。」
上弦の壱のように自らの思想を至上のものとして押しつける輩や
こいつのような自分の決まり事を一方的に強要するような輩は
ただひたすら癪にさわる、相手を一切配慮せず
身勝手な願望のままに人々を追い詰めていく鬼の醜悪性が
一切かすむことなくむき出しになっているようにしか不死川は感じられなかった。
こいつのような自分の決まり事を一方的に強要するような輩は
ただひたすら癪にさわる、相手を一切配慮せず
身勝手な願望のままに人々を追い詰めていく鬼の醜悪性が
一切かすむことなくむき出しになっているようにしか不死川は感じられなかった。
「やむをえんな、よかろう
我ら完璧超人始祖がリング外で行う力をみせれば…
戦いを通り越したワンサイドゲームだと思い知れ!」
我ら完璧超人始祖がリング外で行う力をみせれば…
戦いを通り越したワンサイドゲームだと思い知れ!」
太古の昔、誰よりも慈悲深かったザ・マンが殺戮を苦悩と絶望の末決めたあの日、
欲に振り回され、いたずらに平和を狂わせる下等超人どもを粛正したあの日、
ザ・マンが超人閻魔に成り果てる第一歩となったあの日、
欲に振り回され、いたずらに平和を狂わせる下等超人どもを粛正したあの日、
ザ・マンが超人閻魔に成り果てる第一歩となったあの日、
粛正された下等超人たちは偉大な指導者ザ・マンの指導を受け同じ始祖以外何者も
寄せ付けない神に迫る強さを身につけている完璧超人始祖の11人に文字通り歯が立たず
ある下等超人は一発の蹴りで腹を開けられ、
また別の下等超人は頭をりんごのように潰され
それとはまた別の下等超人は強靱なホルンで胴体を切断され
寄せ付けない神に迫る強さを身につけている完璧超人始祖の11人に文字通り歯が立たず
ある下等超人は一発の蹴りで腹を開けられ、
また別の下等超人は頭をりんごのように潰され
それとはまた別の下等超人は強靱なホルンで胴体を切断され
不届きな下等超人どものいた地上は瞬く間に血の海へ変貌を遂げた。
シングマン自身にとっても思い返したくもない粛正がこの場で再現されようとしている。
ザ・マンが始祖の全員からあやつ呼ばわりされる男へ
落ちぶれるきっかけとなった日のことだ。
ザ・マンが始祖の全員からあやつ呼ばわりされる男へ
落ちぶれるきっかけとなった日のことだ。
下等超人を懲らしめたカタルシスどころか忌まわしい時であったと始祖なら誰もが思う。
そう思うとリングから飛び出したシングマンにとって
この白髪の下等超人は愚かにしか見えなかった。
この白髪の下等超人は愚かにしか見えなかった。
―――風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐
腰を深く下ろし宙を舞う砂塵を思わせる多量の斬撃を放つが片手ですぐに
竹刀をつかみ取られ持ち上げた。
竹刀をつかみ取られ持ち上げた。
抵抗するも力の差は歴然でありびくともしない。
(んだよ、この馬鹿力は…!)
「さっさと離さねェかデクのぼうがァ!」
無為に振るわれ折られる前にシングマンは竹刀を強引に奪い取り
残った片手で不死川の胴体を目にもとまらぬ早さで頸を軽く締め上げ投げた。
奪った竹刀はバッグに収納した。
残った片手で不死川の胴体を目にもとまらぬ早さで頸を軽く締め上げ投げた。
奪った竹刀はバッグに収納した。
「そんなに剣を振るいたいのなら…
これでも使ってみろ。」
これでも使ってみろ。」
投げ飛ばされた不死川の前に
支給された道具の一つであるはがねのつるぎを放り出した。
支給された道具の一つであるはがねのつるぎを放り出した。
「何のつもりだ?敵に塩を送るたァ…
どこまでコケにしてんだァ」
どこまでコケにしてんだァ」
剣士にとって剣とは命のように大切な物だ、
戦いの最中に砕かれたり奪われたりすれば
有効打を失うことを意味しており
途端に降りへろ傾く。
戦いの最中に砕かれたり奪われたりすれば
有効打を失うことを意味しており
途端に降りへろ傾く。
優勢をより強固とするために竹刀を奪ったのかと思えば
なぜか別の剣を渡してきた。
それも竹刀より遙かに頑丈な鉄製の剣であった。
なぜか別の剣を渡してきた。
それも竹刀より遙かに頑丈な鉄製の剣であった。
「剣をもって戦うようだから、その剣をくれてやったまで、
もっともどんな武器をもちだそうが
お前に私が倒せるとはおもえんがなァ。」
もっともどんな武器をもちだそうが
お前に私が倒せるとはおもえんがなァ。」
「そうかいィ、後悔して地獄行きだぜてめェはよォォ!」
敵に面白半分で押しつけられた武器を使うのは屈辱で
何かの罠だろうが今はそうもいってられない。
明け渡された剣をすぐさま手に取り
八つ裂きとするために跳躍し一気に距離を縮めた。
何かの罠だろうが今はそうもいってられない。
明け渡された剣をすぐさま手に取り
八つ裂きとするために跳躍し一気に距離を縮めた。
―――風の呼吸弐の型 爪々・科戸風
四度の斬撃を縦で間髪をいれずに顔面に向けて放つ。
この剣の切れ味は普段愛用している日輪刀に
ひけを取らず刀身の鋭さも十分であった。
しかし全身を余すことなく切り刻むもまた傷を付けることはできなかった。
むしろ振るえば振るうほど剣の刃はどんどんこぼれ
ぶつかり合う金属音だけが虚しく響く。
ひけを取らず刀身の鋭さも十分であった。
しかし全身を余すことなく切り刻むもまた傷を付けることはできなかった。
むしろ振るえば振るうほど剣の刃はどんどんこぼれ
ぶつかり合う金属音だけが虚しく響く。
回避するまでもなくシングマンは
全ての斬撃をなにもせずその身で受け止めている。
全ての斬撃をなにもせずその身で受け止めている。
「これで理解できたか、下等超人がどんな武器を使っても
我が肉体を痛めつけることは不可能!かすり傷一つも付けられーん!」
我が肉体を痛めつけることは不可能!かすり傷一つも付けられーん!」
(こうなりゃ最後の手段だ!コレが通じねェなら手はなにもねェ!)
不死川はシングマンのを
切りつけようとする直前で
右腕を自ら切りつけ出血し
風邪の呼吸の応用で切った部分の脈を加速させ
血を噴水のように撃ち飛ばした。
切りつけようとする直前で
右腕を自ら切りつけ出血し
風邪の呼吸の応用で切った部分の脈を加速させ
血を噴水のように撃ち飛ばした。
シングマンの顔面を一気に稀血で染まった。
相変わらず不動だが効果を発揮し酩酊状態に陥った可能性に賭けて
頸を狙い体をひねり陸ノ型 黒風烟嵐を繰り出すが。
頸を狙い体をひねり陸ノ型 黒風烟嵐を繰り出すが。
「ほらどうだァ!稀血の中でも極上の血がこれだ!存分に酔いしれ…」
「それがどうした。」
刃は確かに頸に直撃しけたたましい金属音が鳴り響くも
また傷を付けるには至ることはなく
それどころか極上の稀血を浴びたにも関わらず
酔いしれる気配が毛ほどもなかった。
大地に執拗にたたきつけられるも不死川は剣は放さなかった。
また傷を付けるには至ることはなく
それどころか極上の稀血を浴びたにも関わらず
酔いしれる気配が毛ほどもなかった。
大地に執拗にたたきつけられるも不死川は剣は放さなかった。
(稀血の耐性も今までの鬼よりも遙かにぶっちぎってんのか!)
耐性が付けられたとはいえあの上弦の壱にすら、
はじめは通じたあの稀血による酩酊の戦法が
目前にそびえる金属鬼には一切通じない。
はじめは通じたあの稀血による酩酊の戦法が
目前にそびえる金属鬼には一切通じない。
「気概、精神力は目をはるものがあるが…意地だけで完璧超人始祖は滅びぬ!」
不死川の胴体を巨手で締め上げ、飽きられたおもちゃのように
執拗に大地にたたきつけて最後にはぶん投げた。
投げ飛ばされた不死川にシングマンは駆け寄り
倒れた不死川の両足を抱え込み裏返して馬乗りになり、足を反り返らせて締め上げた。
ひるんだ隙を突き俗に言う逆エビ固め、またの名をボストンクラブ。
下半身は強烈に締め付けられ
上半身にはシングマンの800㎏に及ぶ体重がのしかかり呼吸困難となり
加えて完璧超人始祖の比類無い膂力も上乗せされている。
執拗に大地にたたきつけて最後にはぶん投げた。
投げ飛ばされた不死川にシングマンは駆け寄り
倒れた不死川の両足を抱え込み裏返して馬乗りになり、足を反り返らせて締め上げた。
ひるんだ隙を突き俗に言う逆エビ固め、またの名をボストンクラブ。
下半身は強烈に締め付けられ
上半身にはシングマンの800㎏に及ぶ体重がのしかかり呼吸困難となり
加えて完璧超人始祖の比類無い膂力も上乗せされている。
呼吸や鍛錬によって身体能力が非常に優れている不死川も
人間であることに変わらない。
人間であることに変わらない。
加減されているとはいえ始祖が繰り出した技を
耐えきることはできず意識をあっという間に無へ落とし風はやんだ。
耐えきることはできず意識をあっという間に無へ落とし風はやんだ。
「ぎ…、いあ…ちく…しょおォォォ……」
鬼との死闘を繰り返して勝ち抜き
血反吐をまく鍛錬とあまたの理不尽と脅威に耐えられる
精神と屈指の肉体を持つ者だけが就ける柱、
血反吐をまく鍛錬とあまたの理不尽と脅威に耐えられる
精神と屈指の肉体を持つ者だけが就ける柱、
不死川も柱の一人であり、常識が通用しない猛者ではあるが
古代数億年にわたり、鍛錬を重ね
慈悲の神に行った選抜に含められるほどの高潔で
神々にとどくほどである完璧超人始祖にはあまりにも及ばなかった。
古代数億年にわたり、鍛錬を重ね
慈悲の神に行った選抜に含められるほどの高潔で
神々にとどくほどである完璧超人始祖にはあまりにも及ばなかった。
どんな猛者であろうとも、神や仏の前では血反吐を吐くほど
鍛練を重ねても亀の歩みでしかない。
鍛練を重ねても亀の歩みでしかない。
シングマンを相手に勝つには
剣の技巧と筋力だけではとても足りず
もし純粋な力だけでダメージを与えるとなれば類がないほど
極まっている力でないとすり傷すらも絶対に与えられない。
剣の技巧と筋力だけではとても足りず
もし純粋な力だけでダメージを与えるとなれば類がないほど
極まっている力でないとすり傷すらも絶対に与えられない。
または今回の戦闘もといワンサイドゲームでは用いられなかったが
シングマンの突起状の肩に収納されている
ディスクカッターを逆手に取った作戦を仕掛けない限り僅かな可能性すら望めない。
試合の決着はもう付いた。
シングマンの突起状の肩に収納されている
ディスクカッターを逆手に取った作戦を仕掛けない限り僅かな可能性すら望めない。
試合の決着はもう付いた。
烈戦のバトルロワイアル
ミナモデパート前
鬼殺隊 風柱
●不死川実弥
(ボストンクラブ)
シングマン○
完璧超人始祖完璧・捌式
ミナモデパート前
鬼殺隊 風柱
●不死川実弥
(ボストンクラブ)
シングマン○
完璧超人始祖完璧・捌式
不死川の気絶を確認したシングマンは逆エビ固めを解いた。
「本来であれば殺しても構わんが…
それではサカキの思うつぼだ、
ギラギラ、貴様も竹刀の価値を知らないから
無礼にしか振る舞えなかったというのもあるだろう。」
それではサカキの思うつぼだ、
ギラギラ、貴様も竹刀の価値を知らないから
無礼にしか振る舞えなかったというのもあるだろう。」
いくら竹刀が大事であっても
一方的にわけのわからない怒号を浴びせられ
渡す気になるお人好しはそういないだろう。
その点を言えばシングマンにも非はあった。
一方的にわけのわからない怒号を浴びせられ
渡す気になるお人好しはそういないだろう。
その点を言えばシングマンにも非はあった。
こちら側の非を考慮して殺すのは控え
威力を加減することによって失神にとどめた。
主催者サカキの望むようにただ殺すのが癪に障ったのも放置した理由の一つだ。
威力を加減することによって失神にとどめた。
主催者サカキの望むようにただ殺すのが癪に障ったのも放置した理由の一つだ。
「今は見逃すことにしてやる、せいぜい殺さないように立ち回ってみるがいい。」
幾億年の時間の中で文字通りのパーフェクトを誇る
完璧超人始祖は並どころか鬼殺隊盛前期の剣士ですらも相手にはならず
正面から挑めば一方的な蹂躙だけが待ち受けている。
完璧超人始祖は並どころか鬼殺隊盛前期の剣士ですらも相手にはならず
正面から挑めば一方的な蹂躙だけが待ち受けている。
不死川を放置したシングマンはデパートから離れ
サカキを粛正する手がかりを探しはじめた。
サカキを粛正する手がかりを探しはじめた。
◆
「はぁっ、はぁっ…あのヤロォォ…」
シングマンが去ってからしばらくたち、失神から目覚めた不死川は静かに起き上がった。
歯が立たずに敗れたが命に別状はないどころが
後遺症の様子も全くない。
強いて言えば関節技によって下半身の節々が痛むくらいだ。
歯が立たずに敗れたが命に別状はないどころが
後遺症の様子も全くない。
強いて言えば関節技によって下半身の節々が痛むくらいだ。
「奴は間違いなく手加減していた…その気になりゃすぐにぶっ殺すこともできたはずだ…」
腹を割かれて臓物が飛び出しかけても呼吸により
臓の露出を抑えることができる余力があるほどしぶとく、
生命力の強い不死川だが
殺されなかったのは別に自身の粘り強さは殆ど関係なく
あの鬼が実力を抑えて気絶する程度にとどめただけだろう。
たんなる平鬼だろうが上弦の鬼だろうが
稀血の中でも別格の血を流す自分に勝利したのなら普通喰らうはず、
しかし奴は貪るどころか放置した。
臓の露出を抑えることができる余力があるほどしぶとく、
生命力の強い不死川だが
殺されなかったのは別に自身の粘り強さは殆ど関係なく
あの鬼が実力を抑えて気絶する程度にとどめただけだろう。
たんなる平鬼だろうが上弦の鬼だろうが
稀血の中でも別格の血を流す自分に勝利したのなら普通喰らうはず、
しかし奴は貪るどころか放置した。
「荒唐無稽に思えるがあいつ…鬼以外の異形ってやつか…?」
上弦の壱にも効き目があった稀血を浴びてもなんの反応もおこさず
何事もなかったように戦闘を続行する。
何事もなかったように戦闘を続行する。
特異個体の鬼と結論づけることもできるがある一つの可能性がよぎった。
あの金属野郎は鬼や人間ともまた違う未知の種族であり、
耐性の問題ではなくそもそも主食は人肉ではないから稀血にも興味を示さず
酩酊することもなかった。
耐性の問題ではなくそもそも主食は人肉ではないから稀血にも興味を示さず
酩酊することもなかった。
元の世界にいれば鬼、人間、動物以外の種族の存在など考えもしなかったが
主催サカキの開催演説には以下の内容が確かに含まれていた。
主催サカキの開催演説には以下の内容が確かに含まれていた。
『あらゆる世界に、全ての時代に!存在する生物を支配できるレインボーロケット団!』
あらゆる世界と全ての時代という言葉に着目する。
「…悪鬼の他にも化け物がうようよいやがってもおかしくはねェのか。」
上弦の肆に鳴鬼という鬼がかつており、そいつは異次元空間に
無限城という仕掛けまみれの巨城を出現させる
規格外の鬼血術を操る鬼がいた。
無限城という仕掛けまみれの巨城を出現させる
規格外の鬼血術を操る鬼がいた。
もしも異次元にからくりじみた巨城ではなく不死川たちが暮らすような
世界があるとすれば…
先ほど戦った金属野郎はそういった世界から召喚されたのかも知れない
世界があるとすれば…
先ほど戦った金属野郎はそういった世界から召喚されたのかも知れない
だがあらゆる世界というのは文字通り異次元にある世界というわけではなく
海外をはじめとした日本以外を指している可能性もあり
その場合は過去か未来と考えられ
大正とは違う時代が呼び込まれたとも言える。
海外をはじめとした日本以外を指している可能性もあり
その場合は過去か未来と考えられ
大正とは違う時代が呼び込まれたとも言える。
「違う時代ねェ、そうなら三人は俺の知っている三人じゃねェのかもな」
しのぶ、匡近、カナエの鬼との死闘で命を燃やし尽くした三人は
不死川とは異なる時間軸から召喚され
極端な話、幼かった頃の三人がいざなわれていてもおかしくはない
もっと極端に言えば赤子時代からきていることだって在るかも知れないのだ。
不死川とは異なる時間軸から召喚され
極端な話、幼かった頃の三人がいざなわれていてもおかしくはない
もっと極端に言えば赤子時代からきていることだって在るかも知れないのだ。
「ゴチャゴチャ考えててもわかることじゃねェ…
とにかくとっと合流するに超したはないだろォ、」
とにかくとっと合流するに超したはないだろォ、」
本当に幼かったり、他人の手がないとなにもできないような
赤子のときに呼ばれていれば、無力であり鬼や殺し合いに乗った参加者に
無抵抗のまま殺されかねない。
赤子のときに呼ばれていれば、無力であり鬼や殺し合いに乗った参加者に
無抵抗のまま殺されかねない。
とは言ってもこれらの話は単なる可能性にでしかない、
事実は全く考察と異なる可能性もあり、
それどころかもっと驚愕するような真実が待ち受けているかもしれない。
事実は全く考察と異なる可能性もあり、
それどころかもっと驚愕するような真実が待ち受けているかもしれない。
不死川は三人を何が何でも見つけるためにデパートへ足を踏み入れた。
【5-I(ミナモデパート入り口の前)/未明/一日目】
【不死川実弥@鬼滅の刃】
[状態]節々の痛み(下半身のみ)、右腕出血(呼吸による応急処置済み)
[装備]はがねのつるぎ(刃こぼれ)@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-、玄弥の銃(残弾25)@鬼滅の刃
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本方針:サカキを倒す
1:金属野郎(シングマン)は鬼とも違う化け物かもしれない。
2:鬼、及び殺し合いに乗った参加者を倒す
3:シノブ、カナエ、匡近を探す(知らない時期から呼ばれていることの考慮)
4:今使っている剣は刃こぼれしたこともあり、やはり日輪刀は入手したい。
[備考]
参戦時期は無惨討伐後、黒死牟に切断された二本の指は主催によって再生しています。
異なる世界や違う時代の概念に気づきかけています。
[状態]節々の痛み(下半身のみ)、右腕出血(呼吸による応急処置済み)
[装備]はがねのつるぎ(刃こぼれ)@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-、玄弥の銃(残弾25)@鬼滅の刃
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~1
[思考・状況]
基本方針:サカキを倒す
1:金属野郎(シングマン)は鬼とも違う化け物かもしれない。
2:鬼、及び殺し合いに乗った参加者を倒す
3:シノブ、カナエ、匡近を探す(知らない時期から呼ばれていることの考慮)
4:今使っている剣は刃こぼれしたこともあり、やはり日輪刀は入手したい。
[備考]
参戦時期は無惨討伐後、黒死牟に切断された二本の指は主催によって再生しています。
異なる世界や違う時代の概念に気づきかけています。
【シングマン@キン肉マン】
[状態]健康、顔面に返り血。
[装備]特にない。
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止めサカキを粛正する。
1:サカキを粛正する手段を探す。
2:殺し合いにのっている者は倒す。
3:あいつ(旧友)の言い分もわからなくは無いが罪は罪だ。
4:白髪の男は(不死川実弥)は今の所放置でいいか。
[状態]健康、顔面に返り血。
[装備]特にない。
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止めサカキを粛正する。
1:サカキを粛正する手段を探す。
2:殺し合いにのっている者は倒す。
3:あいつ(旧友)の言い分もわからなくは無いが罪は罪だ。
4:白髪の男は(不死川実弥)は今の所放置でいいか。
【支給品解説】
【ストロング・ザ・武道の竹刀@キン肉マン】
ストロング・ザ・武道が持ち歩いていた竹刀。
落下の勢いが加わっていたとはいえ超人の体を貫くほどの硬度があるのを見ると、
見た目が竹刀なだけで竹ではない素材でできているのかもしれない。
【ストロング・ザ・武道の竹刀@キン肉マン】
ストロング・ザ・武道が持ち歩いていた竹刀。
落下の勢いが加わっていたとはいえ超人の体を貫くほどの硬度があるのを見ると、
見た目が竹刀なだけで竹ではない素材でできているのかもしれない。
【玄弥の銃@鬼滅の刃】
全集中の呼吸を会得できなかった玄弥が、日輪刀の代わりに使用していた武器。
弾丸は日輪刀と同じ鉱石でできているため、鬼にも有効。
全集中の呼吸を会得できなかった玄弥が、日輪刀の代わりに使用していた武器。
弾丸は日輪刀と同じ鉱石でできているため、鬼にも有効。
【はがねのつるぎ@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】
勇者ダイがロモス王から授かったはがねで刀身が作られている剣、
特に変わった能力や魔力が込められているわけではない普通の剣である。
勇者ダイがロモス王から授かったはがねで刀身が作られている剣、
特に変わった能力や魔力が込められているわけではない普通の剣である。
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