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柱とロボ超人とモンスター、客観的に見れば統一感のかけらもない奇妙珍妙な3人組が
港に泊めてあるサント・アンヌ号の前にいた。
港に泊めてあるサント・アンヌ号の前にいた。
「へー!結構良さそうな船じゃん!これ俺が動かしてもいいか!?」
3人はどこに行くかについて話した結果、あては一切無いので
とりあえずぶらぶらと行く方針であり、まずは船に乗ることにした。
とりあえずぶらぶらと行く方針であり、まずは船に乗ることにした。
スージィは目の前の船、サント・アンヌ号を称賛し
興味津々で操縦したがっている。
以前サイバーシティにてギガクイーンとの決戦時に
シティの住民たちが結託して、ボコリングを操縦した経験がある。
パンチを繰り出すためにボタンを
めちゃくちゃに押しまくっても問題なく動かせたので
その経験を活用して船の操縦を試みようという算段であった。
興味津々で操縦したがっている。
以前サイバーシティにてギガクイーンとの決戦時に
シティの住民たちが結託して、ボコリングを操縦した経験がある。
パンチを繰り出すためにボタンを
めちゃくちゃに押しまくっても問題なく動かせたので
その経験を活用して船の操縦を試みようという算段であった。
「おまえ…機械に意外と強いのか?」
「意外ってなんだよ…まっ、船じゃなくてボコリングマシンってのを
がちゃがちゃ動かしたことがあってよ、
まあみてろ、軽く動かしてみせるぜ」
がちゃがちゃ動かしたことがあってよ、
まあみてろ、軽く動かしてみせるぜ」
「動かす前に説明書でもさがすぞ、
何の知識もなく初見の機械を動かせるわけないだろう。」
何の知識もなく初見の機械を動かせるわけないだろう。」
自身が100%の機械超人だけあって、3人の中で
最も機械類に対する心得をVTRは得ているつもりだ。
説明書なしで動かせるような機械があるとすればそれは
お子様用のおもちゃかよほどのぽんこつだろう。
最も機械類に対する心得をVTRは得ているつもりだ。
説明書なしで動かせるような機械があるとすればそれは
お子様用のおもちゃかよほどのぽんこつだろう。
「んなの見なくてもいーじゃん!
お前アカつくるとき規約とかいちいち読むタイプかよ?!」
お前アカつくるとき規約とかいちいち読むタイプかよ?!」
「垢…?なんだそれは」
スージィはおおざっぱな性格であり、
細かい行動は嫌っているので解説書なんぞはこれ以上読む気にならない。
ポケナビの操縦書を読んでいる際もそこそこのストレスになっていた。
せっせと走って操縦室を探すために船に乗り込んだ。
細かい行動は嫌っているので解説書なんぞはこれ以上読む気にならない。
ポケナビの操縦書を読んでいる際もそこそこのストレスになっていた。
せっせと走って操縦室を探すために船に乗り込んだ。
「よっしゃ!俺が一番のりだ!」
「お前本当になにも見ないで操作する気か!」
続いてVTRとしのぶもスージィを追う形で乗り込んだ。
「私も同じですよ、動かすのが初めてにも関わらず
何も参考にしないのは無理があると思います。」
何も参考にしないのは無理があると思います。」
◆
船内はまさに誰もがイメージする普通の旅客船といった内装であった。
「おー、やっぱ中身も悪くない感じだな!船内の地図とかどっかにねえのか?」
コックピットや船内地図を見つけるためにを駆け巡った。
途中で客向けの個室を何回かのぞいてみたが
ラルセイが用意してくれた私室に比べたら
到底及ばないとおもっただけだった。
「操作する所ってだいたい上にあるイメージだよな、階段見つけねえと。」
「おー、やっぱ中身も悪くない感じだな!船内の地図とかどっかにねえのか?」
コックピットや船内地図を見つけるためにを駆け巡った。
途中で客向けの個室を何回かのぞいてみたが
ラルセイが用意してくれた私室に比べたら
到底及ばないとおもっただけだった。
「操作する所ってだいたい上にあるイメージだよな、階段見つけねえと。」
操縦室は上にあると踏んだスージィは階段を探すことにした。
「スージィ!あまり勝手ことするなよ!」
「VTRさん少しいいですか?」
「ん?なんだ?お前も船を操作したいか?」
「いえそうではなくて」
車を含めた機械類を操縦した経験のないしのぶは
船を動かす気はさらさら無かった。
「スージィ!あまり勝手ことするなよ!」
「VTRさん少しいいですか?」
「ん?なんだ?お前も船を操作したいか?」
「いえそうではなくて」
車を含めた機械類を操縦した経験のないしのぶは
船を動かす気はさらさら無かった。
「船が配置されていることにどこ不信に感じませんか?」
「サカキが仕掛けた罠のようにおもえるのですが…」
「サカキが仕掛けた罠のようにおもえるのですが…」
港に船が泊めてあることは当然であり何ら不思議でもない
地図を見ての西の大陸と南の大陸が繋がっていないため一方通行になるが
その一方通合にならないために船を用意した可能性はある。
だがここは殺し合いの世界だ。
仮定だが殺し合いを加速させるために未知の罠が潜んでいる存在をしのぶは考慮した。
地図を見ての西の大陸と南の大陸が繋がっていないため一方通行になるが
その一方通合にならないために船を用意した可能性はある。
だがここは殺し合いの世界だ。
仮定だが殺し合いを加速させるために未知の罠が潜んでいる存在をしのぶは考慮した。
「私の考えすぎかも知れませんが本当にこの船を利用しても大丈夫でしょうか?」
「いや、オレは問題ないと思うぞ、サカキの野郎が
用意した支給品で細工が施されていたのは今のところないだろう?」
用意した支給品で細工が施されていたのは今のところないだろう?」
神だの超人になれる勲章だの寄生虫だの
荒唐無稽で常識から外れた物ばかりだが
確かに今の所主催から渡された道具に変なところはない。
荒唐無稽で常識から外れた物ばかりだが
確かに今の所主催から渡された道具に変なところはない。
「それもそうですが」
「だから意外と安全なんじゃないか?
それに船へ仕掛ける罠なんて爆弾くらいしか思いつかん、
利用して何か異常を感じたらさっさと逃げれば良い」
それに船へ仕掛ける罠なんて爆弾くらいしか思いつかん、
利用して何か異常を感じたらさっさと逃げれば良い」
主催のサカキは幹部を決めるためにバトルロワイヤルを開いた
だから参加者の死因は参加者と参加者の争いになることを望んでいるはずだ
その方がどちらが強く優れているかがわかりやすい、
単に力だけではなく知性もみるとなれば、罠を仕掛けてその罠を見破れる知謀も必要だが
そもそもサカキは“全員で戦い抜いて”と言っていたのでその線は薄い。
そのためVTRは罠の確立は高くないと予測した。
だから参加者の死因は参加者と参加者の争いになることを望んでいるはずだ
その方がどちらが強く優れているかがわかりやすい、
単に力だけではなく知性もみるとなれば、罠を仕掛けてその罠を見破れる知謀も必要だが
そもそもサカキは“全員で戦い抜いて”と言っていたのでその線は薄い。
そのためVTRは罠の確立は高くないと予測した。
◆
「以外と迷ったけどなんとか着けたっぽいな」
さんざん迷ったものの操縦室にたどり着いたスージィは
さっそくハンドルをテキトーにぶんまわし
その回りについているスイッチをめちゃくちゃに押してみた。
さっそくハンドルをテキトーにぶんまわし
その回りについているスイッチをめちゃくちゃに押してみた。
「よっしゃ動いてみろよ!」
低い気笛の音が鳴り響いたのとほぼ同時に
船がゆっくりと海面から進み出航をはじめた。
船がゆっくりと海面から進み出航をはじめた。
「えっ、成功か?」
一切何も考えず雑に操作しただけなのにも関わらず通常通りに動いたことに驚く
特にアクシデントもなく操作できたのは良いが
ここまであっさり動いたら逆に不安を感じる。
悪戦苦闘は予想していたが拍子抜けも良いところだった。
特にアクシデントもなく操作できたのは良いが
ここまであっさり動いたら逆に不安を感じる。
悪戦苦闘は予想していたが拍子抜けも良いところだった。
「なんか怪しいような…」
「まあフツーに動いたしどうでも良いか。」
「まあフツーに動いたしどうでも良いか。」
サント・アンヌ号は変わりなく進んだらしい。
◆
「この音は…」
「スージィのやつほんとにカンだけで動かしたのか?」
「スージィのやつほんとにカンだけで動かしたのか?」
気笛を聞いたしのぶとVTRは船長室へ急ぎはじめた。
「一応船を誰でも動かすために操縦方法が簡略化されている…
といったところでしょうか?」
「一応船を誰でも動かすために操縦方法が簡略化されている…
といったところでしょうか?」
「それか可能性は薄いが説明書見つけ操作したかだな」
船の操縦は初見で上手くいくほど楽ではない
日本はもちろん、VTRの故郷であるアメリカでも
免許が必要されるほどの難易度だ。
ちょっと説明書が用意されたくらいでコントロールできるとは考えずらい。
操作の簡易化が施されていると考えるのが妥当であった。
日本はもちろん、VTRの故郷であるアメリカでも
免許が必要されるほどの難易度だ。
ちょっと説明書が用意されたくらいでコントロールできるとは考えずらい。
操作の簡易化が施されていると考えるのが妥当であった。
(全くもう…船に異常でも起きたらどうする気でしょうか)
しのぶはスージィの無邪気な自由奔放ぶりに呆れたが
伊之助を思い出さずにはいられずどこか和み不思議と落ち着いていた。
伊之助を思い出さずにはいられずどこか和み不思議と落ち着いていた。
◆
「いーじゃねかよー今んとこすいすい動いてるしさぁ」
しのぶとVTRの二人も操縦室にたどり着き
スージィに説教をしていた。
「今回は問題なかったようだが今後はへんなことするなよ、ちょっとは慎重になれ!」
しのぶとVTRの二人も操縦室にたどり着き
スージィに説教をしていた。
「今回は問題なかったようだが今後はへんなことするなよ、ちょっとは慎重になれ!」
「まーまーそういうなよ、俺がなんかじゃかじゃか
やったら案外奇跡がおきるかもしれねーだろ。
この船だっててきとーにいじっても動いたんだぜ。」
やったら案外奇跡がおきるかもしれねーだろ。
この船だっててきとーにいじっても動いたんだぜ。」
クイーンとのゲーム対決の時も同じだった、
説明を黙ってろと一掃して聞かなくても
すぐに操作を覚えてクリアできたのもあり
解説無しでも操作を覚えるのには自信があるのだ、
奇跡というのは大層な表現ではあるが
機械類への自信がますます身についた。
説明を黙ってろと一掃して聞かなくても
すぐに操作を覚えてクリアできたのもあり
解説無しでも操作を覚えるのには自信があるのだ、
奇跡というのは大層な表現ではあるが
機械類への自信がますます身についた。
「奇跡というのは間違いなく違うと思いますよ、未経験でも動かせるよう
あらかじめ細工されていた可能性が高いと思います。」
あらかじめ細工されていた可能性が高いと思います。」
「へ?」
「つまり動かせたの奇跡でもなんでもなくて
誰でも動かせるほど簡易化されていたから
雑な操縦でも出航できたということです。」
「つまり動かせたの奇跡でもなんでもなくて
誰でも動かせるほど簡易化されていたから
雑な操縦でも出航できたということです。」
しのぶはからっとした笑みのまま淡々と解説した。
「ざ、雑な操縦って…」
「しのぶの言う通りだ、だから勝手にやらかして迷惑をかけるなよ?」
「しのぶの言う通りだ、だから勝手にやらかして迷惑をかけるなよ?」
「わかったよ…でもさ今度は説明書みてーなの見つけたからやるからさ
また何か機械あったら俺が使ってもいいか?」
「ああ、ちゃんと操作方法を把握できているなら全然良いんだぞ」
また何か機械あったら俺が使ってもいいか?」
「ああ、ちゃんと操作方法を把握できているなら全然良いんだぞ」
「そうこなくっちゃな!じゃあVTRは説明書をさがすかかりぃぃああ!??」
突如船が爆発したかのうような轟音とともに大きく振動した。
あまりの揺れにしのぶとVTRは立つことができず床に倒れ込んだ。
スージィだけはおもかじにとっさに捕まることで
どうにか倒れず体を地面へたたきつけずに済んだ。
あまりの揺れにしのぶとVTRは立つことができず床に倒れ込んだ。
スージィだけはおもかじにとっさに捕まることで
どうにか倒れず体を地面へたたきつけずに済んだ。
「一体どうした!?本当に爆弾でも設置してあるのか!?」
「いえ、この揺れは爆薬というよりは…」
これほど巨大な振動を引き起こす爆弾ならば
煙幕が立ちこめて煙の焦げの匂いも充満するはずだ。
だが焦げの匂いどころか窓から周囲を見渡しても煙すら全く見えない。
これほど巨大な振動を引き起こす爆弾ならば
煙幕が立ちこめて煙の焦げの匂いも充満するはずだ。
だが焦げの匂いどころか窓から周囲を見渡しても煙すら全く見えない。
(これほどの衝撃をおこせるのは…)
しのぶの脳裏にはある脅威がよぎった、
上弦の鬼だ、その中でも参の立場である猗窩座という鬼は
報告によると生物とは思えない異次元の腕力を持つという。
上弦の鬼だ、その中でも参の立場である猗窩座という鬼は
報告によると生物とは思えない異次元の腕力を持つという。
直接戦った上弦の弐は絶大な力を持つものの実力の神髄は
超越的な身体能力も含まれてはいるがこんな大振動を起こすほどの力はなく
凍てつきを操る鬼血術の驚異性にあった。
しかし単に吹雪や氷結の異能だけで
振動を叩き起こすとは考えづらい。
超越的な身体能力も含まれてはいるがこんな大振動を起こすほどの力はなく
凍てつきを操る鬼血術の驚異性にあった。
しかし単に吹雪や氷結の異能だけで
振動を叩き起こすとは考えづらい。
しのぶにも見せていない未知の鬼血術があればわからないが
今はとりあえず上弦の参が下手人と判断した。
今はとりあえず上弦の参が下手人と判断した。
「二人ともそこで待っていてください、
この揺れは爆弾ではなく鬼が起こしたかも知れません」
この揺れは爆弾ではなく鬼が起こしたかも知れません」
「鬼ってお前のねーちゃんを殺ったやつか!?」
「そいつもありえますがまた他の鬼が起こした線が濃厚です、少し見てきます」
「わかった俺は操縦者のスージィを護衛する、スージィぬかるなよ、
しのぶもやばくなったらすぐに逃げてその鬼とやらここに誘い込み全員で叩くぞ」
しのぶもやばくなったらすぐに逃げてその鬼とやらここに誘い込み全員で叩くぞ」
「はい」
しのぶは室内のドアを開き下手人を捜そうとしたがもう探す必要はなくなった。
しのぶは室内のドアを開き下手人を捜そうとしたがもう探す必要はなくなった。
「…え?」
船へ大振動を与えた下手人の面構えはたしかに悪鬼のように歪んでいた
片手で船にしがみつき巨大な武器を構えこちらをまっすぐ睨んでいる。
いやでも理解できた、今の揺れは爆弾でもなければ上弦が引き起こしたのでもない。
船へ大振動を与えた下手人の面構えはたしかに悪鬼のように歪んでいた
片手で船にしがみつき巨大な武器を構えこちらをまっすぐ睨んでいる。
いやでも理解できた、今の揺れは爆弾でもなければ上弦が引き起こしたのでもない。
こいつの巨体と携えている武器を持って揺れを起こしたのだといやでも判断できた。
そいつは岩柱の悲鳴嶼行冥が見れば間違いなく拝むだろう。
仏教の教えを知る者が拝む慈悲の象徴は常時であれば
誰も災厄とは微塵も思わず安寧をつかさどる像と認識するはず。
しかし今は慈悲の象徴どころか破壊の権下と生まれ変わってしまった。
そいつは岩柱の悲鳴嶼行冥が見れば間違いなく拝むだろう。
仏教の教えを知る者が拝む慈悲の象徴は常時であれば
誰も災厄とは微塵も思わず安寧をつかさどる像と認識するはず。
しかし今は慈悲の象徴どころか破壊の権下と生まれ変わってしまった。
魔道に引きずり込まれた元、聖なる象徴の名は大仏であった。
◆
日本人なら時代も老若男女も問わず誰もが知っている。
無数の球状の突起物をまとう頭部に慈しみと安らぎが伝わる微笑み、
そして等身大の者を遙かに見下ろすほどの巨体こと大仏。
無数の球状の突起物をまとう頭部に慈しみと安らぎが伝わる微笑み、
そして等身大の者を遙かに見下ろすほどの巨体こと大仏。
この大仏はかつてジュラル星人によって操られ
慈悲の象徴から一転、
蹂躙の渦へ全てを沈める
破壊の権下へと生まれ変わった。
慈悲の象徴から一転、
蹂躙の渦へ全てを沈める
破壊の権下へと生まれ変わった。
しかしチャージマン研の活躍によって
操っていたジュラル星人は撃破され
元の温厚で優しい大仏に戻ることができた。
操っていたジュラル星人は撃破され
元の温厚で優しい大仏に戻ることができた。
そして大仏は再びレインボーロケット団という
侵略者の手に墜ち首輪を付けられ、破壊象に逆戻りしてしまった。
平和の象徴に不似合いな最強の武器、
怪獣王の背鰭で作られしコングアックスを携えながら。
侵略者の手に墜ち首輪を付けられ、破壊象に逆戻りしてしまった。
平和の象徴に不似合いな最強の武器、
怪獣王の背鰭で作られしコングアックスを携えながら。
その大仏はD-10の海中がスタート地点であった。
憤怒と全てへの怨恨が詰まった面差を崩さずに海底から泳ぎ這い上がっている。
数分およぎ光が差したのであと少し泳げば海中から抜けられるのは明確だった。
憤怒と全てへの怨恨が詰まった面差を崩さずに海底から泳ぎ這い上がっている。
数分およぎ光が差したのであと少し泳げば海中から抜けられるのは明確だった。
一心に泳ぎ切った大仏は海面から頭部をゆっくり露出させ左右を睨み破壊対象を探す。
今の大仏はあらゆる物体を破壊しても
気が収まらぬ暴君に成り果てていた。
今の大仏はあらゆる物体を破壊しても
気が収まらぬ暴君に成り果てていた。
そんなときに低い音が響き渡り
聞こえた方へ振り向いた、その方角には一席の客船が見えた。
聞こえた方へ振り向いた、その方角には一席の客船が見えた。
動いてることから何者かが乗船しているのは確実、
存在を悟られないために大仏は海中に潜り
目立つ大きな水紋を極力発生させないよう一定の速度を保ちながら平泳ぎを始めた。
存在を悟られないために大仏は海中に潜り
目立つ大きな水紋を極力発生させないよう一定の速度を保ちながら平泳ぎを始めた。
やがて追いついた大仏は海中から息継ぎをする鯨のように
水しぶきを巻き起こしつつ飛び出し、
両手をワシの翼のように広げ、サント・アンヌ号にしがみついた。
水しぶきを巻き起こしつつ飛び出し、
両手をワシの翼のように広げ、サント・アンヌ号にしがみついた。
◆
地の底をさまよう亡者を思わせるうなり声を
天に向かって叫び上げつつアックスを深く握りしめながら上空に突き上げ
船床に振り下ろした。
天に向かって叫び上げつつアックスを深く握りしめながら上空に突き上げ
船床に振り下ろした。
「ぐっ!」
ばかぢからが込められたアックスを
叩きつけられ、叩かれた部分の船床は砕け散り
周囲にも痛々しいひびと森林の木々が一斉に折れたような凄まじい音が走った。
しのぶはとっさに愛用の日輪刀を床に突き刺し
体勢を保ち船上から放り出されぬようにこらえた。
叩きつけられ、叩かれた部分の船床は砕け散り
周囲にも痛々しいひびと森林の木々が一斉に折れたような凄まじい音が走った。
しのぶはとっさに愛用の日輪刀を床に突き刺し
体勢を保ち船上から放り出されぬようにこらえた。
「おい!また揺れたしなんかバギっつったぞ!本格的にやばくねぇかコレ!?」
「絶対この船はダメだもう脱出するぞ!」
操縦室内にいた二人も船の限界を悟っていた、
急いで退室するが目の前にはクラッシャーな巨像と化した大仏がいた。
急いで退室するが目の前にはクラッシャーな巨像と化した大仏がいた。
「はあ!?なんだよこのデカブツ!」
「もしやこれこそしのぶの言う鬼か!?」
「違います!」
「もしやこれこそしのぶの言う鬼か!?」
「違います!」
驚愕するスージィとVTRを気にもとめず両手を振り上げ
船を叩き壊そうとしたが
船を叩き壊そうとしたが
「カーカカカ!カメラレンズズームアウト!」
とっさにVTRはカメラに大仏を写し、
写された大仏が腹のテレビに表示され
テレビ内の大仏が小さくなると現実の大仏も連動し小さくなっていく。
写された大仏が腹のテレビに表示され
テレビ内の大仏が小さくなると現実の大仏も連動し小さくなっていく。
「図体がでかいだけじゃなんの意味もない、こんな風にチビにされてはなおさらだ!」
「ナイス機転!これならどーにかなるだろ!」
「ナイス機転!これならどーにかなるだろ!」
小さくされたことに激怒したのか大仏はますます暴れ狂い
アックスを無規則かつ奇天烈にふりまわし連続で船を叩きまくった。
連撃に晒された船はみるみる内にずたずたとなり
大仏がいる方の船床は殆ど崩れ船首に至っては木っ端微塵に砕かれた。
アックスを無規則かつ奇天烈にふりまわし連続で船を叩きまくった。
連撃に晒された船はみるみる内にずたずたとなり
大仏がいる方の船床は殆ど崩れ船首に至っては木っ端微塵に砕かれた。
しのぶのさした日輪刀の箇所はまだ無事ではあったが
あまりの衝撃に体勢を支える方法の無いしのぶ以外の二人は
激しい揺れの連続でとても立っていられず転倒してしまい
VTRのカメラレンズからずれたことにより大仏の縮小が停止した。
あまりの衝撃に体勢を支える方法の無いしのぶ以外の二人は
激しい揺れの連続でとても立っていられず転倒してしまい
VTRのカメラレンズからずれたことにより大仏の縮小が停止した。
本来のサイズから5分の4くらい小さくなっているとは言え
それでも太刀打ちがとてもできる相手ではない。
それでも太刀打ちがとてもできる相手ではない。
「二人ともケガはないですか!?」
「いってぇな…わりぃ全然へっちゃらじゃねえ…」
「こっちもだ…まってろもう一度チビにしてやるぜ。」
「こっちもだ…まってろもう一度チビにしてやるぜ。」
大揺れの中VTRとスージィはどうにか立ち上がって身構えたのとほぼ同時に大仏は
船の先端を片手で掴みそのままコマのように回転した。
船の先端を片手で掴みそのままコマのように回転した。
「ま、まさかのジャイアントスイングだと!??」
ジャイアントスイングは相手の両足首(または両膝)を
脇に挟んでから抱え上げ回転する技であるため厳密には
ジャイアントスイングとは異なるが
それでも大打撃を与えるには十分であり
竜巻のようなゆるがない勢いでスイングをし続け
大仏のいる海面には嵐のよるにしか生じないような
巨大なうずしおが巻き起こった。
脇に挟んでから抱え上げ回転する技であるため厳密には
ジャイアントスイングとは異なるが
それでも大打撃を与えるには十分であり
竜巻のようなゆるがない勢いでスイングをし続け
大仏のいる海面には嵐のよるにしか生じないような
巨大なうずしおが巻き起こった。
想像を絶する遠心力に飛ばされそうになるが
しのぶは引き続き床につきさした日輪刀に強く握り
下半身の膂力に最大限の力を込め踏ん張っている。
少しでも力を緩めれば紙くずのように吹き飛ばされてしまう、
全身に力をこれほど強くこめたのは上弦の弐と戦ったときでもなかった。
しのぶは引き続き床につきさした日輪刀に強く握り
下半身の膂力に最大限の力を込め踏ん張っている。
少しでも力を緩めれば紙くずのように吹き飛ばされてしまう、
全身に力をこれほど強くこめたのは上弦の弐と戦ったときでもなかった。
(もうこれ以上は…!)
しのぶの発揮できる膂力では
絶大な廻旋をこれ以上耐えるのは限界に近い。
絶大な廻旋をこれ以上耐えるのは限界に近い。
「しのぶスマン!」
「しょうがねえけど悪いな!」
「しょうがねえけど悪いな!」
その上スージィとVTRの二人が飛ばされないためにしのぶへしがみついてきたのだ。
スージィの体重はともかくVTRの重さは790kgもあり
成人の平均体重とは比較にならないほどの重さであった。
そんなVTRが一気に乗っかったしのぶはとうとう耐えきれずに
成人の平均体重とは比較にならないほどの重さであった。
そんなVTRが一気に乗っかったしのぶはとうとう耐えきれずに
「二人ともすみませんがもう…!」
手足の感覚が麻痺し限界となり
日輪刀から手を離してしまい3人は遠心力に流されて
あらぬ方向に飛び散った。
日輪刀から手を離してしまい3人は遠心力に流されて
あらぬ方向に飛び散った。
「うっ…!」
「わわーーー!」
「うおおおーーー」
「わわーーー!」
「うおおおーーー」
飛ばされた上空で手足をスージィはおもわず
ばたつかせるがもう吹き飛んだ以上地や海面に落ちるまで
どんな行動をとっても意味など無かった。
ばたつかせるがもう吹き飛んだ以上地や海面に落ちるまで
どんな行動をとっても意味など無かった。
結論からして船に罠があるというしのぶの予想は不幸にも大当たりであった。
船が発進する際の汽笛に反応して乗船者を襲うというシチュエーションを想定し
わざわざ大仏のスタート地点はクチバ港のすぐ近いD-10に設定されたのだ。
船が発進する際の汽笛に反応して乗船者を襲うというシチュエーションを想定し
わざわざ大仏のスタート地点はクチバ港のすぐ近いD-10に設定されたのだ。
これも主催者の狙い通りなのか、
大仏は船が飛んでいった方向の大海原に凄まじい形相をむけて
自分の絶大さと強靱なパワーを示威するかのように
そして終わらぬ恐怖を聞いた者へ植込むべく狂ったかのように叫んだ。
百戦錬磨の修羅ですら厭い戦慄が内にとどろくほどの邪悪な雄叫びであった。
自分の絶大さと強靱なパワーを示威するかのように
そして終わらぬ恐怖を聞いた者へ植込むべく狂ったかのように叫んだ。
百戦錬磨の修羅ですら厭い戦慄が内にとどろくほどの邪悪な雄叫びであった。
【D-10/早朝/一日目】
【胡蝶しのぶ@鬼滅の刃】
[状態]健康、サカキや童磨への怒り、複雑だが姉が生きている事への嬉しさ、大仏への驚愕、吹っ飛ばされ中
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~1(確認済み)、髑髏の勲章@キン肉マン、寄生虫サタンクロス@キン肉マン、知性の神@キン肉マン、けいけんアメXL@ポケットモンスターソード。
[思考・状況]
基本方針:殺しあいの破綻が目標
1:童磨だけは絶対に殺す。
2:カナエや不死川と粂野たち仲間との合流
3:サカキをとめる手段を探す。そのサカキがもし鬼なら殺す。
4:他に鬼がいれば殺す、人間の場合は最低限の攻撃で無力化する。
5:違う世界、鬼ではない超人やモンスターという種族への驚き。
6:知性の神が言う道具は本当にどうしようもなくなった場合に使用する。
7:あの仏像(大仏)は…!?
※備考
他の世界にいる超人やモンスターという種族について知りました。
【胡蝶しのぶ@鬼滅の刃】
[状態]健康、サカキや童磨への怒り、複雑だが姉が生きている事への嬉しさ、大仏への驚愕、吹っ飛ばされ中
[装備]
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~1(確認済み)、髑髏の勲章@キン肉マン、寄生虫サタンクロス@キン肉マン、知性の神@キン肉マン、けいけんアメXL@ポケットモンスターソード。
[思考・状況]
基本方針:殺しあいの破綻が目標
1:童磨だけは絶対に殺す。
2:カナエや不死川と粂野たち仲間との合流
3:サカキをとめる手段を探す。そのサカキがもし鬼なら殺す。
4:他に鬼がいれば殺す、人間の場合は最低限の攻撃で無力化する。
5:違う世界、鬼ではない超人やモンスターという種族への驚き。
6:知性の神が言う道具は本当にどうしようもなくなった場合に使用する。
7:あの仏像(大仏)は…!?
※備考
他の世界にいる超人やモンスターという種族について知りました。
【ミスターVTR@キン肉マン】
[状態]健康、大仏への驚愕、吹っ飛ばされ中
[装備]
[道具]基本支給品
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止め脱出する
1: 今は童磨の発見に協力する
2: 童磨が本当に危険人物であったら倒す
3:なんだあの大仏は!?
※備考
他の世界の鬼やモンスターへの知識を得ました。
能力の制限については後続の書き手様にお任せします。
しかし編集機能のフィルムカットは使えるようですが
回数制限などがあるかもしれません、
それについても後続の書き手様にお任せします。
[状態]健康、大仏への驚愕、吹っ飛ばされ中
[装備]
[道具]基本支給品
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止め脱出する
1: 今は童磨の発見に協力する
2: 童磨が本当に危険人物であったら倒す
3:なんだあの大仏は!?
※備考
他の世界の鬼やモンスターへの知識を得ました。
能力の制限については後続の書き手様にお任せします。
しかし編集機能のフィルムカットは使えるようですが
回数制限などがあるかもしれません、
それについても後続の書き手様にお任せします。
【スージィ@DELTARUNE】
[状態]健康、大仏への驚愕、吹っ飛ばされ中
[装備]帰ってきた真空の斧MARK-II@DRAGON QUEST ―ダイの大冒険-
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いをぶっこわす。
1:童磨とやらを見つけてボコボコにする。
2:殺し合いに載っている者はやっつける。
3:違う世界や知性の神への驚き。
4:んだよあのでけーの(大仏)!!
※備考
鬼や超人への知識を得ました。
[状態]健康、大仏への驚愕、吹っ飛ばされ中
[装備]帰ってきた真空の斧MARK-II@DRAGON QUEST ―ダイの大冒険-
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いをぶっこわす。
1:童磨とやらを見つけてボコボコにする。
2:殺し合いに載っている者はやっつける。
3:違う世界や知性の神への驚き。
4:んだよあのでけーの(大仏)!!
※備考
鬼や超人への知識を得ました。
【大仏@チャージマン研!】
[状態]健康、縮小(5分の4程度)
[装備]コングアックス@ゴジラVSコング
[道具]なし
[思考・状況]
基本方針:ひたすら破壊し尽くす。
1:視界に建築物や参加者が目に映り次第破壊する。
[状態]健康、縮小(5分の4程度)
[装備]コングアックス@ゴジラVSコング
[道具]なし
[思考・状況]
基本方針:ひたすら破壊し尽くす。
1:視界に建築物や参加者が目に映り次第破壊する。
【支給品解説】
髑髏の勲章@キン肉マン
ブロッケン一族が持つ勲章、
一族の中で一人前と認められた者は
これを付けることで人から超人という
種族に変わることができる。
髑髏の勲章@キン肉マン
ブロッケン一族が持つ勲章、
一族の中で一人前と認められた者は
これを付けることで人から超人という
種族に変わることができる。
寄生虫サタンクロス@キン肉マン
知性の神が所有していた寄生虫
体に寄生させ時間を掛けて育てると
宿主の欠損が再生するが
新たに足と腕が二本ずつ生えてくる。
知性の神が所有していた寄生虫
体に寄生させ時間を掛けて育てると
宿主の欠損が再生するが
新たに足と腕が二本ずつ生えてくる。
けいけんちあめXL@ポケットモンスターソード
たべると莫大な経験値が得られるあめ、
知性の神の発言からするに育つのには
時間がかかるサタンクロスも寄生時に
宿主がこれをたべればあっという間に成長するらしい。
たべると莫大な経験値が得られるあめ、
知性の神の発言からするに育つのには
時間がかかるサタンクロスも寄生時に
宿主がこれをたべればあっという間に成長するらしい。
知性の神@キン肉マン
邪悪5神の一人である知性の神、
めがねは立派な知性の証。
超人に憑依するとその超人は1億パワーの超人強度を得る。
本ロワでは支給品として参加しているが
本人として不服でこんな殺し合いは
さっさと終わらせたいと思っているようだ。
邪悪5神の一人である知性の神、
めがねは立派な知性の証。
超人に憑依するとその超人は1億パワーの超人強度を得る。
本ロワでは支給品として参加しているが
本人として不服でこんな殺し合いは
さっさと終わらせたいと思っているようだ。
帰ってきた真空の斧MARK-II@DRAGON QUEST ―ダイの大冒険-
バダックがパプニカの金属と魔宝玉で作った斧
流線形のデザインとなっている。
名前が長いのはご愛敬。
スージィに支給されたが普段扱う武器より重く
慣れるのには時間が掛かるだろう。
バダックがパプニカの金属と魔宝玉で作った斧
流線形のデザインとなっている。
名前が長いのはご愛敬。
スージィに支給されたが普段扱う武器より重く
慣れるのには時間が掛かるだろう。
コングアックス@ゴジラVSコング
コング族がゴジラ族のみに利用できる地球核エネルギーを掌握するために作られた斧
強靱な怪獣種の骨の先端にゴジラの背鰭が革のような紐でくくりつけられている。
コング族がゴジラ族のみに利用できる地球核エネルギーを掌握するために作られた斧
強靱な怪獣種の骨の先端にゴジラの背鰭が革のような紐でくくりつけられている。
※備考
船としのぶ、VTR、スージィの三人がどこに飛ばされたかは
後続の書き手様にお任せいたします。
船としのぶ、VTR、スージィの三人がどこに飛ばされたかは
後続の書き手様にお任せいたします。
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