はじめに
この記事は、ゆっくり逃走中の華ともいえる「一般逃走者」に『応募したい!』『けどどんなことを意識したらいいか分からない!』『応募してるけど書類選考通らない!』という方向けに、これまで何人もの一般逃走者をデビュー(?)させてきた筆者の視点で、一般逃走者とその応募に関するハウツー、よもやま話などをまとめたものとなる。
既に応募を繰り返している方にとっても、きっと役に立つ情報があるだろう。
長くなるが、是非最後まで見ていただけたら幸いである。
長くなるが、是非最後まで見ていただけたら幸いである。
目次
基本
ゆっくり逃走中の一般逃走者には、大きく分かれて2つのパターンがある。
- 自身の性格や身体能力を反映したキャラクター
- イチから創作したオリジナルキャラクター
以降、前者をAタイプ、後者をBタイプと表記する。
Aタイプ(自身投影型)
Aタイプは、現実の自分の性格や身体能力を「忠実に」反映させて作られたパターンである。
例えば「高校時代に野球部で、脚の速さを買われて外野手をやっていた」という過去がある場合、それを「脚が速い」という設定の理由として用いることが出来る。他にも「方向音痴」「機械に強い」「コミュニケーション能力が高い/弱い」などの要素も取り入れられやすいだろう。
現実の自分を題材にするため、性格や長所・短所などの文章化が比較的簡単なのも良い。
Bタイプ(オリキャラ型)
Bタイプは前述のAタイプとは真逆に、完全オリジナルのキャラクターを創作するパターンである。
この場合はファンタジー的な要素を取り入れることも可能で「魔法使い」「神」「妖怪」など、多種多様な属性を持ったキャラクターを容易に生み出せる。
普段からゆっくり茶番(劇)動画やオリジナル小説等を書いている者にとっては、一からキャラクターを考案することは比較的容易である。性格などの文章化も、もしかしたらこっちのパターンの方が簡単という人もいるだろう。逆に、それらの経験がない者にとっては少しハードルは高いかもしれない。
AとBの中間
また最近は、これら2つのタイプの中間を取り「現実の自分を元に、フィクション要素を加えた」キャラクターというのも見られるようになっている。
フィクション要素の加え方は様々で「理想の自分」「ファンタジー世界の自分」など、独自設定は様々な形で取り入れられている。その要素の入れる割合も様々であり、一言では書き表せない。
一般逃走者の募集パターン
コメント欄を使用した抽選型
ゆっくり逃走中の黎明期から用いられてきた募集方法。
制作者は「募集動画」と称した動画を投稿し、応募者は動画を視聴したうえで、逃走者の情報(性格・パラメータ・目標賞金など)を動画のコメント欄に記入する形で応募する。
その後「抽選」によって逃走者を決定した後、逃走者発表動画にて当選者を発表する。
その後「抽選」によって逃走者を決定した後、逃走者発表動画にて当選者を発表する。
メリット
- 手軽に応募できる
- 文章力に自信が無くても当選の可能性がある
- 選考に用いる制作者の負担は少ない
デメリット
- 逃走者を全体的に見た場合、脚力や性格などに偏りが生じる可能性がある
- 情報量が少ないものが当選した場合、その少ない情報からキャラクター像を描くため、制作者の負担が大きい(*1)
フォームを使用した書類選考型
「アルティメット《夢の咲く島》」でさくしゃが用いてから、急速に広がった募集方法。
募集者から送られてきた「性格・ゲームの応募理由・パラメータ・ゲームスタンス」など、数十個にも及ぶ項目が1つにまとめられた「応募フォーム」の全てに目を通し、
- 応募理由・性格・自己PRがしっかり書かれているか
- 作りたい動画(ゲーム)と、逃走者のゲームスタンスの相性はどうか
- 逃走者「全体」の能力・スタンスに偏りは生じないか
など、様々な要素を考慮しながら「抽選を用いずに」逃走者を選抜する方法である。
また、この募集方法の場合、応募時に送る内容が膨大なものになるため、コメント欄ではなく「Googleフォーム」などを使用する場合がほとんどである。
メリット
- キャラクターの情報量が多いため、応募者の思い通りのキャラクター像を制作者が描きやすい(*2)
- 応募者を横に並べて比較できるため、脚力・性格・ゲームスタンスなどで全体的なバランスが取りやすい
- 文章力に自信のある人にとっては、その強みを生かしやすい
デメリット
- 性格・応募理由・ゲームスタンスが明確なものでないと当選の望みは薄いため、ハードルが高い
- 文章力の高い人が何度も当選することで、メンバーの新鮮さを欠かすことがある
- 様々な要素を元に選抜するため、選考にかかる制作者の負担は大きい
最近では・・・
なお最近では、上記2つの募集方法を組み合わせたものもあったり、書類選考でもコメント欄を用いたり、その逆もあるなど、制作者の増加に合わせてそのパターンは多様化している。
例えば抽選方式の募集では、記載内容に明らかな不備がある者を最初に除外し、その上で抽選を行う方法を取っているケースが多い。またSPECIALは、抽選で選ばれる通常枠の他に「特別選考枠」と称した書類選考枠を数人分設置している。
ここから言えることは、抽選にせよ書類選考にせよ「最低限の情報量は求められる」ことであろう。
黎明期であれば「性格:優しい」「応募理由:金」などでも通ってた(というか筆者が通してた)が、一般逃走者の数が多くなった今では恐らく通用しない。
なによりその程度の情報では、制作者は残りの属性を想像で補完するしか無く、結果的に自分の理想とするキャラクターが動画で描かれない「解釈違い」のようなことも起きやすい。
なによりその程度の情報では、制作者は残りの属性を想像で補完するしか無く、結果的に自分の理想とするキャラクターが動画で描かれない「解釈違い」のようなことも起きやすい。
一般逃走者としてゆっくり逃走中を楽しむためにも、しっかりした応募内容で送るということは必要なのである。
選考に通りやすい応募内容とは?
さて、ここからが本題だ。選考に通りやすい「応募内容」とはなんだろう?
きっと多くの人は「何千文字に渡ってフォームがびっしりと埋め尽くされているもの」を想像するかもしれない(*3)。
一応、この考えは間違っていない。やはり、文字数が多い方が、それだけ情報量も多いことには間違いないからである。
過去の例を見ても、選考型を突破出来たものの多くは、最低1,000文字は書かれている場合が多い。
とはいえ、逃走者を選ぶ視点から行くと、応募内容の文字数は正直あまり関係ない。一項目に対し数十文字程度でも、内容次第では選考通過となった者も多い。
過去の例を見ても、選考型を突破出来たものの多くは、最低1,000文字は書かれている場合が多い。
とはいえ、逃走者を選ぶ視点から行くと、応募内容の文字数は正直あまり関係ない。一項目に対し数十文字程度でも、内容次第では選考通過となった者も多い。
ではどうすれば「選考に通る応募内容」というものは作れるのだろうか?
多くの一般逃走者を見てきた筆者の視点で、これから話していこうと思う。
多くの一般逃走者を見てきた筆者の視点で、これから話していこうと思う。
1. それぞれに「具体例・経験」が添えられている
選考に通る応募内容のほぼすべてに共通しているのが、性格や長所短所、パラメータなどを説明する際に「具体例・経験」が用いられているということである。
経験はそのまんま、そのキャラクターが過去に体験してきたことになる。
具体例については義務教育の国語で学習するが、改めてその意味を確認しておこう。
具体例については義務教育の国語で学習するが、改めてその意味を確認しておこう。
事実に基づき、あるいは現実の物事に即して示される例。具体的な例示。
「優しい」「協力的」「一匹狼」など、その人を形作る様々な要素は、基本的にはその人の「経験」によって形成されていく。
また、単純に「優しい」「性格が悪い」だけでは伝わらないが「聖母マリアのような温かさ」「狂犬のごとき凶暴さ」と、例を示すことで、そのキャラクター像を思い浮かべるのは非常に簡単なものになる。
また、単純に「優しい」「性格が悪い」だけでは伝わらないが「聖母マリアのような温かさ」「狂犬のごとき凶暴さ」と、例を示すことで、そのキャラクター像を思い浮かべるのは非常に簡単なものになる。
ただそれらを一単語で表すだけでなく「どんなふうに優しいのか?」 「そこまでお人好しな理由はなぜ?」 「何がきっかけで人を嫌うようになったのか?」といった、その人の「なぜ?」「どんな?」を、具体例や経験によって埋めていこう。
2.「短所」に面白みがある
短所とは皆さんご存じの通り「人より劣っている所・欠点」のことである。
「そんなの書いたらキャラが弱く見えるだろ!」と思う人もいるかもしれない。
しかし、そんな「弱く見える」部分にこそ、そのキャラクターの「良さ」というものは現れると筆者は考える。これは筆者だけでなく、ゆっくり逃走中を作る多くの人が同じ考えであろう。なんなら筆者は、短所は「長所以上に」強く意識している。
しかし、そんな「弱く見える」部分にこそ、そのキャラクターの「良さ」というものは現れると筆者は考える。これは筆者だけでなく、ゆっくり逃走中を作る多くの人が同じ考えであろう。なんなら筆者は、短所は「長所以上に」強く意識している。
短所だって、そのキャラクターを描くには欠かせない大事な要素である。
キャラクターを考える際には「どんな強みがあるか」だけでなく「弱点はどんなこと?」 「どんな所が自信ない?」といった部分もぜひ意識してみて欲しい。
キャラクターを考える際には「どんな強みがあるか」だけでなく「弱点はどんなこと?」 「どんな所が自信ない?」といった部分もぜひ意識してみて欲しい。
また、どうしても欠点が思いつかない場合は、長所を裏返して短所に変えるという方法もある。
「長所 逆」などと検索すればたくさん出てくるので、ぜひ調べてみて欲しい。
「長所 逆」などと検索すればたくさん出てくるので、ぜひ調べてみて欲しい。
3.「応募理由」に力が入っている
これについては「そのキャラクターがゆっくり逃走中に挑戦する理由」とも言い換えられるだろう。
唐突に質問だが、君はなぜゆっくり逃走中に応募したいと思ったのだろう?
逃げ切りたいから、賞金を手に入れたいから、目立ちたいから……その理由は、きっと人それぞれだろう。
逃げ切りたいから、賞金を手に入れたいから、目立ちたいから……その理由は、きっと人それぞれだろう。
しかし、ただ漠然と「○○したい」だけでは、理由としては弱い。
逃げ切りたい・賞金を手に入れたいのは、どの逃走者も同じだからだ。
逃げ切りたい・賞金を手に入れたいのは、どの逃走者も同じだからだ。
大事なのはそこに、どれだけ「自分だけの理由」を付けられるかにある。
親のため、自分の夢のため、やりたいことをやるため……
ここまで掘り下げていけば、応募理由で他人と被ることはまずなくなる。そこに前述した「経験・具体例」などを組み合わせながら考えていけば、制作者にも響くような理由が出来上がるだろうう。
親のため、自分の夢のため、やりたいことをやるため……
ここまで掘り下げていけば、応募理由で他人と被ることはまずなくなる。そこに前述した「経験・具体例」などを組み合わせながら考えていけば、制作者にも響くような理由が出来上がるだろうう。
難しく考え無くていい。難しい言葉を使う必要もない。なんなら、取ってつけたような理由でも構わない。
大事なのは「自分の言葉で、はっきりと」伝えることであると筆者は思っている。歴代の一般逃走者も、その想いを「自分の言葉で」伝えてくれた者がほとんどだ。
大事なのは「自分の言葉で、はっきりと」伝えることであると筆者は思っている。歴代の一般逃走者も、その想いを「自分の言葉で」伝えてくれた者がほとんどだ。
4. 応募を重ねる
これに関しては「中身関係ねぇじゃねえか!」と思わるかもしれない。実際そうである。
しかし、ゆっくり逃走中の応募を重ねていくうちに「応募ってこういう感じなのか」「このゲームマスターはこんな逃走者が好きなのか」と、応募に対する「手ごたえ」というものを徐々に掴んでいくことが出来るだろう。
また、抽選型の選考では単純に数を重ねることが当選に繋がるので、なかなか出場が叶わなくとも、すぐには諦めないで欲しい。
キャラクター作成の手助けに(リンク集)
ここからは、そんなキャラクター作成の手助けになるサイトたちを紹介していく。
是非、自分にとって使いやすいものを使ってほしい。
是非、自分にとって使いやすいものを使ってほしい。
キャラシート(作成:さくしゃ)
こちらは元々、筆者であるさくしゃの「朝日が昇る場所」に応募する際に、応募内容の控え用として配布していたキャラシートである。
キャラの性格・長所短所・応募理由・ゲームスタンスなど、現代ゆっくり逃走中の応募項目として必須級のものが一通りそろっているので、これ1枚埋めることが出来れば、ほぼ全てのゆっくり逃走中に応募することが出来ると言っても過言ではない。
キャラの性格・長所短所・応募理由・ゲームスタンスなど、現代ゆっくり逃走中の応募項目として必須級のものが一通りそろっているので、これ1枚埋めることが出来れば、ほぼ全てのゆっくり逃走中に応募することが出来ると言っても過言ではない。
ゆく逃 自己紹介カード(作成:夜桜琉夏)
loading tweet...— ルナ (@Runa_1210_) November 25, 2023
こちらは、一般逃走者で出場経験のある夜桜琉夏さんによって作られた自己紹介用のキャラシートである。
先程紹介したキャラシートを埋めるのが難しい場合は、まずはこちらを使ってみてはいかがだろうか?
先程紹介したキャラシートを埋めるのが難しい場合は、まずはこちらを使ってみてはいかがだろうか?
なお、元々は自己紹介用として作られたものなので、多くの一般逃走者経験者がこのシートを埋めてX(旧Twitter)に投稿している。ここから得られる情報もきっとあるはずだ。
他の人のシートを見たい方は
こちら
Nola 小説家専用エディタツール
こちらは本来、小説を創作するための支援サイトであるが、小説内の登場人物を管理する機能をメモ代わりに用いることが出来る。UIも整っていて、私の作ったキャラシートよりも使い勝手は幾分良い。(一部機能を解放するには課金が必要)
なお、このサイトを使用するついでに、そのキャラクターの「バックストーリー」的なものを考えてみるのも面白いかもしれない。それを「応募理由」として使うことも十分可能だろう。
おわりに
最近のゆっくり逃走中は、見たものを一瞬で虜にするような奇抜な設定のキャラクターや、自分の思いを詰めに詰め込んだ超大作を送り込むケースも多く見られる様になった。
また、制作者(ゲームマスター)が増えたことで必然的に動画数も増え、一般逃走者としてデビューを果たしたキャラクターの数もこれまでと比べて多くなっている。
また、制作者(ゲームマスター)が増えたことで必然的に動画数も増え、一般逃走者としてデビューを果たしたキャラクターの数もこれまでと比べて多くなっている。
しかし、そもそもゆっくり逃走中は、一般逃走者に選ばれる時点で凄いことを忘れていけない。
チケットを掴んだ者の裏には、それ以上に多くの落選者がいることを忘れてはならない。まあ、何度も抽選に通るような人もいるけど…
チケットを掴んだ者の裏には、それ以上に多くの落選者がいることを忘れてはならない。
だから、数回募集に落ちたからといって、がっかりするようなことはしないで欲しい。
そして、ついに出場が叶った暁には、我々制作者のことを大いに信頼して欲しい。
あなたから受け取ったキャラクターは、決して無駄にはしない。
あなたから受け取ったキャラクターは、決して無駄にはしない。
今後
今後この記事は、以下の部分について追記を予定している。
- 立ち絵の選び方
- パラメータ(上限付き)の割り振り方
クレジット
この記事は、以下の編集者によって執筆されています。
- さくしゃ (id:rfmyukkuri)