別にそんなのが本気で気になったわけじゃなかった。
「真紅ってぇ、髪長ぁいわよね?」
自分だって背中まであるのだから長い方だ。しかし、目の前に揺れている金髪は二つに上で揺ってるのに、腰ほどまである。
「そ、そうかしら?」
何故だかギクッと揺れた肩に疑問を持ちながらも深くは追及しない。
「降ろすとどれくらいあるの?」
手を伸ばせば届く髪を一房指に絡めとる。癖毛の割にさらさらと指の隙間から零れ落ちるほど滑らかである。
「太もも…くらいだと思うわ」
「へぇ」
離しがたくて掬っては溢す、掬っては溢すを繰り返す。
「手入れ大変でしょう?」
「えぇ、大仕事なのだわ」
毎朝この長さの髪に櫛を入れ、高い位置で結い上げる。
毛先まで手入れが届いている。きちんとコンディショナーも使っているのだろう。
「大変そうねぇ…」
私が言いたいのはこんなことじゃなくて。でも切り出すタイミングがなくて迷っている。
「シャンプーも労働なのだわ」
「へ、へぇ…」
言いたい言葉を先に言われ、少し動揺してしまったが、気付かれてはないらしい。
「絡まないように流れに沿って、って意外に難しいのよ」
その点は自分も一緒なので分かる。ただでさえ猫っ毛で絡みやすいのだ。
「でも、よくやるわねぇ」
「まぁ、仕方ないことだわ」
「どうやってやるのぉ?」
「だから、さっき言った通り…」
「そうじゃなくてぇ、具体的に、よぉ」
ニコッと微笑みかけると怪訝な表情が返ってきた。
「まさか、『一緒に入りたい』とか言い出すんじゃないでしょうねぇ…?」
おっと、分かっているのなら話は早い。
ニコッと自分的極上の笑みを浮かべると真紅の髪に口づけた。
「洗ってあげるわぁ、隅から隅まで、ね?」
返ってきたのは諦めきった表情と深いため息だった。
──Bathroom with lover
普段はめったに使わないバニラの香りのを入れる。蛇口をひねり、温度を調整すると部屋に戻る。
「さぁ、入るわよぉ、真紅」
部屋のドアを開けると、まだ訝しげに眉を寄せている。
「本当に入る気なの?」
どうやらあまり乗り気ではないらしい。当然かもしれないが。
「ここまで来て何言ってんのよぉ。当ったり前でしょう?」
強引に腕を引き、脱衣場まで連れていこうとするが、まだ抵抗してくる。
何とかしなければ。
「お風呂嫌ぁいなの?」
「いいえ…」
「じゃあ、何で…」
わざとらしく、そこで切ってしばらく間を空ける。
「私が嫌い…?」
もちろん演技。そう言えば否定することは分かっている。
「そ、そうじゃないわっ!」
「でもぉ…お風呂嫌いじゃない、でも私とのお風呂は嫌なんでしょう?」
ということはぁ…、とわざとらしく下をを俯くと案の定おろおろとしている。
「わ、分かったわよ」
ほぉら、作戦成功。
下に向けていた顔を全開の笑顔で上げてやると、驚いてる真紅の表情。
「さ、行きましょう、真紅ぅ」
「だ、騙したわねっ」
そんな言葉は無視して仲良く手を繋いで脱衣場に向かった。
浴槽を覗くと、ほどよくお湯が溜まっていて、一面にバニラの香りの泡沫が浮かんでいた。
蛇口を捻り、お湯を止め、脱衣場に戻る。
「本当に入るの?」
「なぁに、言ってんの!早く脱がないと脱がすわよぉ?」
言いながら自分はさっさと服を脱ぐ。私がブラジャーに手をかけたところで諦めたらしく服を脱ぎ始めた。
「す、少しは隠しなさいよ」
全裸で仁王立ちしていた私に、顔を真っ赤に染めて、そう言った。
しかし、既にお互いの隅々まで知っているのだ。今さら恥ずかしがる意味が分からない。
服を脱ぎきった真紅を先導させ、シャワーをひねる。暖かいお湯が体に流れるのが気持ちいい。
「先に洗っちゃう派?」
「えぇ」
「なら一緒ね」
マットの上に膝を立てて座り、その上に真紅をのせる。それだけでもう嫌と言い出したが、降ろしはしない。
シャンプーを手にとって、程よく泡立てると真紅の髪の毛に塗り込んだ。
細く、柔らかい髪の毛は水に濡れるとペタンとその質量を減らした。
「やっぱり大変ねぇ」
髪の毛が柔らかいので指先が痛くなることはないが、長いし絡まないように気を付けるのが大変だ。
柔らかな髪の感触を楽しみながら、洗ってやるとだんだんと緊張が解けてきたらしい。
少しずつ笑顔を見せるようになってきた。
「真紅もして?」
気持ち良さそうに目を閉じていた真紅にシャンプーを渡すと手に乗せ泡立てた。
「水銀燈も大変そうよ」
私はストレートの猫っ毛なので、あまり絡むことはないが、長さの話だろう。
しかし真紅に比べれば楽な方で、毛先まで洗うのが本当に大変だ。
なんとか洗い終え、シャンプーを流しリンスを手にとる。
「これを毎日やってるんでしょぉ?大変だわぁ」
「そうかしら?慣れみたいなものだわ」
頭皮を揉むようにリンスを塗り込み、シャワーで流した。
真紅の髪が床に振れないように支えてやり、長いクリップを使ってまとめあげる。
それさえも重労働で、毎日二つに結っていることを尊敬さえした。
自分もまとめあげるとボディーソープを手元に引き寄せた。
「次は体ねぇ」
ボディーソープを手に足らし、泡立てると、真紅の体に塗り込む。
「ほらぁ、真紅もぉ」
真紅の手のひらに、同じように数滴垂らしてやると、少し戸惑ってはいたが、ゆっくり私の肩に塗り込んでくれた。
「んふー、気持ちいい?」「えぇ」
恥ずかしそうではあるが、小さく頷いたことに満足し、更に念を入れる。
「相変わらず小さいわねぇ」
胸を揉みながらそう言えば、また不機嫌な表情になったが、ふざけ合いの延長、と言った感じだった。
「うるさいわよ。大体、貴女が大きすぎるのよ」
その内真紅も私の胸を重点的に触れてくるようになった。
「小さいと感度がいいって本当ぉ?」
「そんなの知らないわよ。大きくなったことなんてないのだから」
最初はそんな感じでふざけ合っていたが、そんなことでは終わらせはしない。
時々、突起を掠めてやると熱っぽい吐息が漏れ始めた。
「っ…」
「真紅ぅ、感じてるのぉ?」
「ち、ちが…」
柔らかく耳朶に噛みついてやると、甘く悲鳴を上げた。
「あっ…っん」
「やっぱり感じてるんじゃない」
指先を大胆に突起に滑らせ、時折痛いほど摘まむ。
「あ、っ…すいぎ、とぉ…」
堪らない声を上げ始めた真紅にシャワーで泡を落とすと柔らかな肩に唇を寄せた。
腕を突っ張らせて嫌がるが、腕を背に回し、更に近付ける。
ちゅ、と強めに鎖骨辺りを吸うと、肌に赤い華が咲いた。
少し真紅の体が震えたので、抱っこしてやると湯船に浸かった。
真紅を後ろ抱きにするように抱えてやると、ふうと息を吐いた。
「貴女、軽すぎよぉ?今何キロあるのぉ?」
「え、と…この間量ったときは40ぐらいだったかしら?」
高校生としては軽すぎるその数字に思わず目を見張った。
「だから貴女は胸がないのねぇ。よぉく分かったわよぉ」
「う、うるさ…っ」
怒鳴ろうとしたところを後ろを振り向かせ、口を口で塞いで、奥まで舌を入れ込んだ。
最初は抵抗してきたが、柔らかく舐めてやると段々と腕の力が抜けてくる。
その間に再び突起を擽り、下の方へ手を伸ばした。
それに反応して時々ピクピクと跳ねる姿が愛らしい。
「や、やぁ…すい、」
どちらのものとも分からない唾液が二人の舌から垂れた。
涙目になりながら感じている真紅の顔を見つめながら、指を二本に増やす。
「や、やぁぁ…」
アップになっていることで露になっているうなじに口付けて、両手の人差し指ずつを真紅の中に入れた。
「…っやぁ!…すい、ぎんとっ…お湯がぁ…っ」
指を揃えて入れているときは良かったが、バラバラに入れるとお湯が流れ込んでくるのだ。
「ふぁっ…やぁぁっ!…熱、い…ぃあっ」
首を振って嫌がるが、離してはやらない。
「熱い?本当ぉ?真紅のここの方が熱いわよぉ?」
そう言いながら、ぐりぐりと最奥を擽ってやるとたまらないという声をあげた。
「やっ、…ちがぁあっ…ひぃああっ…」
「こんなに熱くしちゃってぇ、そんなに気持ちいいのぉ?」
涙声で嬌声をあげる真紅の耳元でそう問いかける。
もともと道徳心が強いせいか、羞恥心を煽られるようなことを言われると感じてしまうらしい。
「ちがっ、んっ…やぁぁ…っ」
「何が違うのぉ?自分で触ってみるぅ?」
手を掴むと真紅のそこへ導いてやる。
「いや、いやぁぁっ!や、すいぎ、…」
目を見開いて嫌々と首を振るが、無理やり手をそこへ導かせる。
「ほら、触って…」
指先を突起に触れさせると、ビクッと体を跳ねさせ、手を引いた。
「や、やぁぁ…おねが、…やめ…」
本気で嫌がるので、頭を撫でながらあやし、手を離してやる。
「ごめんねぇ…」
頬に柔らかく口付けしてやり、再び真紅の中に手を入れる。
「や、やぁあっ…あっ、あぁ…」
中の質量を三本に増やし、空いている指で突起を擽ってやると、悲鳴をあげた。
「や、やぁぁっ…ひぁぁ…っ…だ、め…もっ」
「イっちゃう?」
そう問いかければ微弱ながらも、首を縦に振った。
ならば、と中をぐりぐりと強く擦ってやると、嬌声をあげながら達した。
「お風呂入ってなんだか疲れたわ」
気だるげにため息を吐く彼女に二度目の風呂に誘うと、容赦ない鉄拳が飛んできた。
終わり
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