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日常に戻ってきた罪人達。青い空のさらに上、黒い土のさらに下 その1

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shinatuki

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暗い路地裏にパンッと乾いたような音が響く。
「ひぃぃぃぃぃぃ!!」
その路地裏では、一人の少年が必死に走っていた。
高校生くらいだろうか?だが、明るい色の髪と鼻や耳に大量についたピアスはどうみても学校に通っているようには見えなかった。
「何でっ・・!!何で俺がこんな目に・・・っ!!」
彼は確かに学校にも行ってなかったし、昼間から遊んでばかりいたが、ケンカもあまりせず見かけばかりで不良としては素行のいい方だと言えた。
だが、そんな彼は今何故か、拳銃を持った男たちに追いかけられていた。
しかし地の利は彼にある。この街でずっと、彼は過ごしてきたのだから。
この街の裏は非常に入り組んでおり、この街で実際にしばらく過ごさないととてもじゃないが迷ってしまう。
そして、何とか少年は悲鳴を聞き取ってくれそうな住宅街に、たどり着いた。
「誰か・・・・っ!!誰か助けて!!」
必死に少年は叫ぶが、人が出てくる様子もパトカーのサイレンも聞こえない。
ただただ、道路反射鏡だけが少年の姿を見ていた。
「はぁ・・・・・、いい加減気づけよ。」
突然、声が聞こえ、少年は怯えながら辺りを見渡す。
だが、辺りには猫一匹居なかった。
「だーかーらー、気がつけって。」
少年は気がついた、その声は道路反射鏡から聞こえていることに。
「あー・・・・、そういうことじゃないんだけどなぁ・・・・。」
少年は気づいた、鏡に黒髪の外国人が映っていることに。
慌てて少年は後ろを振り返る・・・がそこには誰も居ない。
だが鏡に映った自分の後ろには、確かに黒髪の男がいる。
少年は混乱する、何だこいつは?!幽霊なのか?!と。
「何だよ?幽霊見たみたいな顔して。」
鏡の中の男は、不気味に笑う。その手には巨大な鎌が握られていた。
「まぁ・・・・・幽霊はお前なんだけどさ!!」
男が鎌を鏡の中の自分に振りかざす。
「ひっ・・・・・。」
少年の首と体が、短い悲鳴を残して分かれる。
男の手の中に巨大な鎌が、シュンッと音を立てて消える。
「本当に日本の漫画だな・・・・・これ。」
そう男は平然と呟く。
その足元には少年の首と体が転がっている。
少年の体は男の持っていた鎌と同じようにシュンッと光となって消えていった。
男はそれを見ると、携帯電話をポケットから取り出して、電話する。
「もしもし、リーダー。終わったけど、すぐに帰ればいいのか?何ならついでに買い物してくるけど・・・・え?牛乳?わかった。」
そう言って男・・・・イルーゾォは電話を切った。
「あーちくしょー・・・・、浮遊霊処理に人手が足りないからって・・・今日は午前中で終わるからアリスん家行くつもりだったのに。」
つもりだったのに、押し付けられたのは生前と同じような仕事である。
嫌がおうにも血や硝煙の匂いや、鏡の破片で人の喉を掻っ切る感触が思い浮かぶ。
そんな事を考えていると今度はメールが届く。
同じ任務についていたギアッチョからだ。
本文はなく、件名にそっけなく『終わった。』と言うメールが送られてきた。
レティが、自然の摂理にのっとり眠りについた。
仕方がないことだ、とレティはギアッチョを説得したが、そんな事であのギアッチョが大人しくなるわけはない。
とにかく、今のギアッチョは荒れており、リゾット以外は誰も手をつけられない状態であるのだ。
「あーあ・・・、やってらんねぇなー・・・・・。」
じめじめとまとわりつく湿気が、さらにその憂鬱の気分を加速させる。
深い深いため息をついて、イルーゾォはスーパーへと向かうことにした。
「昨日の仕事、ご苦労様でした。最近、自分が死んだことに気づかない浮遊霊が多くて・・・・・。」
そう言って、映姫はため息をついた。
彼女の目の前には、暗殺チーム一同がズラーっと並んでいた。
久しぶりに全員で呼び出されたので、一同は何かやらかしたかなーと、自分たちの悪行を思い出そうとする。
だが、ここの所大人しく、きちんと真面目に仕事をしていた。
褒められはすれど、怒られるような事はしていないはずである。
「それで、何の御用でしょうか?映姫様。」
リーダーであるリゾットが、話を切り出す。
すると、映姫は真剣な表情で、話し始めた。
「えぇ、昨日さっそく外での任務を何人かにしてもらいましたが・・・・。また別の任務です。
 チームを二つに分けて、それぞれ別の場所に行ってもらいます。」
そう言って、映姫はリゾットに資料を渡す。
そこには、青い髪に桃の飾りのついた帽子のついた少女が、何やら光るバールのような物を構えていた。
「まず、一チームは天界へ。そこにいる、とある少女を確保してもらいます。スタンドを使っても構いません。むしろ、多少の痛い目を見せてあげたほうが彼女の為でしょう。」
映姫からは、何やらただならない雰囲気が漂っている。
彼らはこの少女に見覚えが会った。この間の地震騒ぎの犯人だ。
この間の地震については、彼らも大いに迷惑をこうむった。
イルーゾォにいたってはコレクションの鏡を割られて、本気で犯人を殺そうとしていた。
「あとついでに天界の様子を観察してきてください、こちらに色々とごまかしているようなので。」
そして映姫は、もう一つ資料を渡す。
「もう片方のチームは地底・・・・旧地獄へ。そこで地霊殿の主、古明地さとりに接触してください。」
「それ・・・・、前調査したじゃないですか。」
映姫の言葉に、メローネが首をかしげた。
もっとも、彼らが駆けつけた時既に異変は解決されており、何があったか調査しただけなのだが。
「えぇ、それでその時に古明地さとりのペットに対する管理不足が見つかったため厳重注意して、報告書を提出させていたのですが・・・・。
 ・・・・なのですが、最近どうも様子がおかしくて・・・・、報告書の内容も所々おかしいのです。」
「なので秘密裏に侵入して、それを探る・・・と。」
リゾットの言葉に、映姫はうなづいた。
「そうです。」
なるほど、確かに自分たち向けの任務だといえるだろう。
人攫いから情報収集まで、通常の死神にはなかなか出来ない仕事である。
「分かりました。では準備した後、明日から取り掛かると言った形でよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします。」
映姫に一つ礼をして、一同は執務室から廊下へと出て行った。
そして、その廊下では。
「リゾット!!俺絶対ソルベと一緒じゃなとやだからね!!」
「おいリゾット!!ペッシはもちろん俺と一緒だろうな!!」
「リーダー!!俺女の子攫う方がいい!!そっちの方が楽しそう!!」
一部のメンバーが、早速わいわいと任務のチーム分けについてごちゃごちゃと騒ぎ出す。
だが、いつもの事なのでリゾットは動じない。
軽くため息をついて、騒ぐ奴らの頭を殴った。
「落ち着け、チーム編成は任務にあった奴らを選ぶ。お前らの私情は聞かん。
 大体、ここに来てから荒事が少ないからと言って弛みすぎだ。前は任務に私情など・・・・・・。」
ぶつぶつぶつと、リゾットはそのまま説教を続ける。
もちろん、逆らったらメタリカなので誰も逆らわない。
リゾットのメタリカは、いちいちスタンドビジョンを出さなくても攻撃できるのが強みである。
スタンド使いに対しても、一手先に攻撃できる。
「・・・・また面倒ごとが舞い込んでこなければいいが。」
今度は深いため息をついてリゾットはチーム編成を考え始めた。
「イタリアに来るのも久しぶりね。」
「そうだね、ジョージ達に会うのも。」
バス停近くのカフェに、二人の男女が馬車から降りてくる。
黒い髪に強い意志を秘めた青年と、優雅だがどこか老女のような雰囲気を持つ美女。
二人とも服装は、まるでシャーロックホームズの登場人物のようである。
「それにしてもいつもいつも思うのだけれど不思議な話ね、天国にも『国』があるなんて。」
そう言って日傘を差すのは・・・・エリナ・ジョースター。
「そうだね、やっぱり暮らすには馴染みのある文化の世界がいいんだろね。」
笑顔で彼女に答えるのは、若くして死んだ一人の青年・・・ジョナサン・ジョースターだった。
二人は上流階級の優雅な仕草で街を歩いていく。
その街には、最近の流行ファッションに身を包んだ若者から、中世の洋服を来た老人まで。
とにかくさまざまな人々が歩いていた。
「あら・・・・・・?」
突然、エリナが足を止める。
「どうしたんだい?」
ジョナサンもすぐに気づき、とめた。
「今、不思議な格好の子がいたのよ。」
「不思議な格好・・・?最近の服はいろいろと斬新なデザインが多いから、それほど驚く事ではないと思うけど。」
すると、エリナは首をかしげながら考え込む。
「桃の飾りのついた帽子に・・・・、それになんだが虹色の飾りについたエプロンをつけていたわ。それで、髪は青・・・顔立ちはアジア人だったわ。」
「よく一瞬でそこまで覚えたね・・・・・。」
エリナの観察眼に感心しながらも、ジョナサンは答える。
「まぁ、僕達と同じように旅行者の子じゃないかな。日本とかだったら色々と変わった服もあるだろうし。」
「そうかしらねぇ・・・・・。」
そんな会話をしながら、若い老夫婦は息子夫婦の滞在している別荘のある場所への道を聞くため、銀髪の警官に、声をかけた。

「今日も・・・、皆真面目に仕事をしていますね。」
そう言って、さとりは閻魔に出す報告書をまとめていた。
ペット達はきちんと真面目に旧地獄を管理しており、何の問題もない。
いつも道理の、平和な一日だった。
だが、ある事にふと気がつく。
「そう言えば・・・今日はこいしの姿を屋敷の中では見てませんね・・・・。」
何か不吉な予感がして、さとりは書庫に向かった。
ペット達は、いくら妖怪化と言っても所詮動物であり、あまり頭はよくない。
こいしはその事を熟知しており、その能力も併用してペット達が迎えに来ても、逃げてしまうのだ。
だが、今は問題ない。新しいペットが一人入ったからだ。
普段は他のペット達には任せられないような仕事を任せており、さとりとしてはとても助かっている。
そんな彼は暇があれば地霊殿の書庫で、本を読んでいる。
豊富な知識を持つ彼は、ありとあらゆる事に興味を持ち、本を読むのだ。
しかも複数の言語を取得しており、日本語もあっと言う間に覚えてしまった。
さとりは書庫の前まできて、トントンとノックをしてから、中に入った。
「居ますか?」
さとりは一言、そう聞く。
この地霊殿の中で、本を読むのはさとりとこいしと、彼だけだからだ。
すると、奥のほうからバタバタと騒がしい音がする。
どうやらまた時間を忘れて本を読んでいたらしい。
「すみませんさとり様!!何か御用ですか?!」
慌てて身なりを整えながら、少年は書庫の奥から出てきた。
心を読んでみると、案の定時計を見るのを忘れていた!!と慌てていた。
その年相応の様子に、思わずさとりはくすくすと笑ってしまう。
「いえ・・、いつもの事ですみませんが、こいしを連れ戻してきてください。このままだと夕飯に間に合わないので。」
「分かりました!!すぐに行って参ります!!」
少年はそう言って、すぐさま書庫から飛び出していってしまった。
その背中に、さとりは大きな声で声をかける。


「頼みますよ!!フーゴ!!」


少年・・・パンナコッタ・フーゴは振り返って手を振り、その声に答えた。

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