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日常に戻ってきた罪人達。青い空のさらに上、黒い土のさらに下 その5

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shinatuki

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だれでも歓迎! 編集
はぁ・・・はぁ・・・・。」
「まったく・・・、ひどい目にあったわ・・・。」
ドッピオと天子は敵の追っ手をまいて、何とか家にたどり着いていた。
家に着く早々、ふたりしてテレビの前のソファに倒れこむ。
「「はー・・・・・。」」
ため息をつきながら、ふたりしてクッションに顔を埋める。
「・・・・ドッピオ。」
「・・・・・何?」
「コーヒー淹れて。」
「・・・・・やだ。」
このまま疲れに身を任せて、二人とも寝てしまおうか、なんて考えていると。
「つーかまえた♪」
楽しげな声が聞こえてきたかと思うと、ザンザンッと奇妙な音が扉から聞こえた。
部屋の扉が、ガラガラと崩れた。
「あーあ、気づいてよ。よくそんなんでボスの参謀とかやれたなぁ・・・。」
崩れた扉の向こうから深緑のジャケットを身にまとった男が現れる。
その両腕についている刃は、いささかも輝きを落としていない。
「さ、大丈夫。ちょっとつまらないけど、一瞬で殺してあげるからさ!!」
そういってジェラートはダッと一瞬で二人に接近する。
だが、その動きはあらかじめ予測されていたかのように、サッと避けられてしまった。
「なっ?!」
「あぁもう・・・!!家でまでこんな目にあうなんて・・・!!ドッピオ!飛ぶわよ!!」
天子はドッピオの手を引っ張ってそのまま窓から外へと飛び立った。
「逃がさないよ!!」
同じくジェラートも窓からバッと、宙に舞う。
もちろん、今の彼に空を飛ぶ能力はない、それはあくまで幻想郷の中だけの能力だ。
だが、それは彼には問題ない。
「よっと!!」
街頭の上を、洗濯物の干してあるロープの上を、屋根の上を、まるで重力がないかのように、その脚力とバランス感覚で、ジェラートは飛び跳ねていく。
「なっ・・・!!あいつ妖怪だったの?!妖気のかけらもなかったから全然わからなかったわ!!」
天子は舌打ちをして、要石を放ち続ける。
しかし威力はあるものの連射が効かないそれは、あっさりとジェラートに避けられてしまう。
「あーもー・・・、このままじゃ埒があかない・・・から仕方がないな!!」
ジェラートは咄嗟に、その場にあった建物の屋根を壊す。
そして、その破片から手ごろな大きさの物を掴み、天子とドッピオに向かって投げつける。
人外の筋力を持って投げ飛ばされたソレは、野球選手も真っ青なスピードで空を飛んでいく。
「天子!!」
「分かったわ!!」
しかし、それもあらかじめ分かっていたように、天子に弾き飛ばされた。
「うそぉっ!!」
こればっかりは流石に偶然とは言いがたい、どうやら敵は何らかの方法でこちらの攻撃を察知しているようである。
「ってうわぁっ!!」
そして、驚いている間に、うっかりジェラートは足場が下になかったことに気づいた。
どうやら、そうとう驚いていたらしい。
とっさに空中で体をひねり、体に入る衝撃を殺す。
とんっと、見事に道路に着地すると、そこは都合がいいことに人気のあまりない通りのようだった。
「お。」
そして、ジェラートはこれまた幸運に、よく慣れた『匂い』を感知する。
それを辿っていくと、街中に一つはあるバールにたどり着いた。
その中をひょいっと覗き込むと、遠い目をしながら汚れた姿のままアイスとエスプレッソを食べているギアッチョの姿があった。
完璧にショッピングモールの中で迷子になってベンチで半べそかいているお子さま状態である。
「・・・・ギアッチョー。」
そぉっと店の外から声をかけると、バッとギアッチョがそちらを向いた。
そしてポケットから適当に金を取り出す(明らかに代金よりも多い)と、そのままズンズンとジェラートの方へ近づいてくる。
「行くぞ。」
そして、さもジェラートが彼を待たせたような口調で、そのまま道を歩き始めた。
ジェラートも黙って、その横を歩き始める。
「どうしたの、ずいぶん汚れてるけど。」
「・・・・・ターゲットのクソガキにやられた・・・・。」
「あーらら。それよくお店に入れたね。」
「もう自棄だ、自棄。後でクリーニング代請求してやる。」
「いま、そいつらの場所わかってるよ。」
ジェラートがそう言った瞬間、ギアッチョが歩みを止める。
「・・・・・・・・・・・・・もっと早く言え!!」
「だってそんな事いえない空気だっただもーん。」
怒りのあまり掴みかかるギアッチョに対し、ジェラートは口笛を吹いて誤魔化す。
「とりあえずさ、俺が屋根の上伝ってそいつらここに追い詰めるから、ギアッチョは待ち伏せしててよ。ソルべ達もそこに向かってるから。」
そう言ってジェラートは、町の地図を見せ、ギアッチョに指示を出す。
「おう。」
ギアッチョは短く答えるなり、スタンドを発動させ高速でその場を去っていった。
おい!メローネ!!どっちだ!!」
明らかに交通法違反のスピードでプロシュートは車を走らせていく。
「えーっと、フォリオ通りの方角に進んでる。」」
「うしっ!!」
道路に駐車してある車をかわし、信号を無視した人間をつぎつぎにグレイズしていく。
元々、イタリア人、特に南部の人間は運転が荒っぽいが、プロシュートのそれは度を逸してる。
その為、普段はめったな事では運転を任せられないが、とにかく目的地に早く着くには有効だ。
一切合財のモノにぶつからず、爆走していくその姿はある種芸術的である。
しかし、現実とは違い、どうやら天国の警察はイタリアだっていうのにまともに仕事をしているらしい。
その後ろには大量のパトカーが二人の車を追いかけていた。
「・・・・あぁもう鬱陶しいな!!」
「お、ソルべからメール。」
イライラと歯軋りをするプロシュートに対し、メローネはいつもの余裕綽々な様子である。
「・・・・プロシュート、ターゲットをジェラートが追い詰めてる。ギアッチョも合流したって。」
「そうかよ!でも今はそれ所じゃねーぞ!!」
ハンドルをギュルギュルと回しながら、プロシュートは吼える。
「あぁ、その辺は大丈夫だよ。」
こうも話している間に、警察のパトカーは、プロシュート達の車を囲むように迫ってきた。
「あぁっ!どうするんだよ!!正面に来たら逃げられないぞ!!」
「大丈夫だって。」
とうとうメローネは携帯でネットまでし始めた。
正直、車に酔わないかどうかが不思議である。
「何やってんだよてめぇ!!」
もちろん、メローネの行動にプロシュートがいらつかないわけがない。
右手でバンバンとメローネを殴り倒す。
しかし、変態はこれくらいじゃ動じない。
メローネをどつきながらも、プロシュートは直角のコーナーを回る。
「げっ・・!!」
だが、次の瞬間、プロシュートはたじろいだ。
彼の目の前の道には、警察のバリケードがはられていた。
さらにその横の道や窓からは、大量の野次馬がその様子を楽しそうに眺めている。
まさしく、四面楚歌である。
「おい!どうすんだよ!!」
「何いってんのさ、ちゃんと見なよ。」
メローネに促されて、プロシュートは目の前をよく見てみる。
そして、次の瞬間ニヤリと笑った。
「なるほどな・・・!!」
「そう言う事、派手に行こう!!」
二人は楽しそうに笑うと、プロシュートは思いっきりアクセルを踏み、バリケードに突っ込んでいった。
バリケードのそばにいる警官達が、うろたえるのが分かる。
そして、二人の目前にバリケードが迫る。
周りで見ていた人々は、やけを起こしたかと思っただろう。
バリケードの近くの警官達は、慌てて逃げ始める。
見えるものには、見えただろう。青い蝶がふわり、とバリケードやパトカーに留まったのが。
次の瞬間、プロシュートやメローネの視界を、人間の内部やらパトカーの内部やらが通り過ぎる。
二人の乗った車が、バリケードやそれをすり抜けたのだ。
混乱しながらも、同じように二人を追いかけていたパトカーは咄嗟にブレーキをかけた。
「ばーか。」
野次馬の一人が、ぽつり、と呟いた。
彼の目の前には、大量のパトカーが面白いように突撃しあう、世界丸見えな風景が広がっていた。
「・・・・・・・・・・。」
野次馬の男は、くるり、と踵を返す。
その周囲には、無数の青い蝶が飛んでいた。
それらは男の周囲をしばらく飛んでいたが、煙のようにふっと突然消えてしまう。
周りの人間は、その異様な光景など見えていないようで、ひたすら目の前で起こった惨劇を携帯カメラにとったり騒いだりしている。
「スタンドと何とかは使いよう、バタフライは潜入以外にも使えるんだなぁ、これが。」
ニヤリ、と笑いながら野次馬の男・・・・ソルべはその場を去った。
ソルべがその場を立ち去り、プロシュートとメローネが車を捨てて警察の追跡を振り切った頃。
「まったく・・・、あんなのは久々だな。この平和な天国じゃ警察官の仕事なんて交通整理くらいと喧嘩の仲裁くらいしかないのに。」
そう言って、壊れたパトカーから、黒髪の警官が現れる。
温和なその顔はいかにも人々から慕わせそうな姿である。
「・・・ちっ!!」
そして荒っぽくその反対側の席から出てきたのは、銀色の髪の男。
その姿は確かに警官だが、雰囲気はどちらかというとチンピラであった。
「どうした?アバッキオ?」
男はいらつく相棒に、声をかける。
すると相棒の銀髪の警官は、忌々しげに唇を噛んだ。
「犯人・・・、あいつらはスタンド使いだ・・・。」
「何だって?!」
「間違いない、他の皆は見えていなかったようだが、俺には青い蝶が見えていた。」
そう言って、アバッキオは懐から携帯電話を取り出す。
仕事用の物ではない、プライベート用のものだ。
「おい・・、アバッキオ・・・。」
「悪い、ちょっと抜ける!上には適当に誤魔化してくれ!!」
そう言うなり、アバッキオは上着と帽子を脱いで、騒然としているその場から走り去ってしまった。
アバッキオは走りながら、携帯のアドレス帳を開き、慣れた番号を呼び出す。
「おい!ブチャラティ!!今大丈夫か?!ナランチャも一緒・・・?!なら頼みがある!!」
天国の平和を守るため、元ギャングの警官は、ネアポリスの町を走るのだった。

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