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東方魔蓮記 第十六話

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匿名ユーザー

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ここは先ほどと違い、紅魔館内のレミリアの部屋。
吸血鬼姉妹とメイドと魔法使いとの戦いを終え、咲夜に出された紅茶を吸血鬼姉妹と一緒に飲むディアボロがいた。
「ふう……・」
紅茶を飲んで一息つくディアボロ。先ほどまで戦っていたとは思えない。
「……貴方、一体何者なの?」
レミリアがディアボロを見て尋ねる。
「何ヶ月も前から幻想郷にいたんだが……目立った動きをしないから知らなかったのか?」
ちょっとディアボロが不思議そうな反応をしたが、すぐに理解して返事を返す。
「まあいい……さっきは失礼したな。俺の名前はディアボロだ」
その名前を聞き、レミリアが驚いた反応をする。
「ディアボロ……?確か……」
レミリアは少し考え、答えを導き出す
「新聞に書いてあったわ。数ヶ月前から人里に住んでいる外来人で、その力は妖怪の大群を圧倒するほど……」
「そ……そんなに強いの!?」
レミリアの言葉に、フランドールは驚きを隠さない。
天狗の新聞は誇張が少なくないが、先ほどの戦いで、こればかりは嘘ではないと皆理解していた。
「もっとも、俺を狙って襲ってきているのを返り討ちにしているんだがな。自分から襲いに行くなんてことはしない」
「あら、そう」
パチュリーはディアボロの言葉にさほど興味がないらしく、どうでもいいような反応と返事を返した。

しばらく時間が絶った後、妖精メイドと咲夜は移動し、パチュリーと使い魔も図書館に移動した。
美鈴は再び門番の仕事に戻り、レミリアとフランドールとディアボロがこの場に残った。

それから少しして……外から何か凄い音が聞こえてきた。
「今の音はなんだ……?」
「私もついていくわ」
ディアボロが扉を開けて部屋から出る。レミリアとフランドールもそれに続く。
「……レミリア、あいつは誰だ?外部から入ってきたようだが」
ディアボロが見ている者は金髪で箒に乗った少女。この二つの条件を満たし、なおかつ幻想郷に住む者といえばただ一人。
そう、霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)である。
「……魔理沙。霧雨 魔理沙ね」
「魔理沙?」
ディアボロも聞き覚えがある。白蓮との会話の中で時々その名が出てきていた人間の魔法使いだ。
だがその姿は見たことがない。
「……レミリア、こいつの相手は俺がする」
だが、彼女に関してディアボロはいくつかの情報をもっている。
蒐集家(しゅうしゅうか)であること。時々この紅魔館内の図書館の本を盗んでいくこと。
そして今の彼女は大量に物が入りそうな袋を持っている。
だとすれば……
「(かなり強引にここに入ってくるということは……こいつの目的はあの図書館の本を『頂く』気か)」
キングクリムゾンで時間を消し飛ばし、彼女の目の前に移動する。
説得して追い返すことができれば簡単だが、恐らくそうもいかないだろう。
ディアボロはホルス神のDISCとケースの中のエンペラーのDISCを入れ替え、キングクリムゾンの能力を解く。

「なっ!?」
目の前に突然謎の男が現れ、突然進むのをやめる魔理沙。
「誰だお前」
「お前は誰だ」
明らかにおかしい答えをわざと返し、にらみ合いになる両者。
「パチュリーに頼まれて私を追い返しに来たのか?」
「そもそもお前は何をしに来たんだ」
ディアボロがまたどこかずれている答えをわざと返し、再びにらみ合いになる両者。
このままじゃ状況を打破できないと思ったのか、魔理沙はミニ八卦炉を、ディアボロはエンペラーを向ける。
「何してんだ?ハッタリは通じないぜ?」
どうやら魔理沙にはディアボロが何かを構える『真似』をしているだけのように見えているようだ。
「お前のほうこそ、それを向けて何がしたい?」
ディアボロも、謎のアイテムを向けられて警戒はするものの、何をしてくるのか疑問に思ってくるようだ。
……そう思っていたそのとき、エピタフの予知に驚くものが映った。
「……!?」
レーザーのようなものを彼女が撃ってくるビジョン。
そして目の前でなにやら魔力のような何かが集結してきているような気がする。
「(まさか……!)」
とっさの判断で左に飛びのくディアボロ。直後、エピタフの予知で見たレーザーがミニ八卦炉から放たれる。
「(対処すべきはあれか!)」
ディアボロはエンペラーの弾丸を一発魔理沙の右手首に、もう一発を魔理沙の左手首に撃ち込む。
「っつ!?」
突然襲って来た出血を伴う痛みにミニ八卦炉を落とす魔理沙。とっさに拾おうとするが、ザ・ワールドに先に拾われる。
「あっ!それ返せ!」
「断る」
そういってミニ八卦炉を妖精メイドに渡し、咲夜のところに向かわせるよう指示をするディアボロ。
「逃がさないぜ!」
そう言って弾幕を撃つ魔理沙だが、ディアボロは強風を発生させて奥に進むのを遅らせ、エンペラーで弾幕を撃って相殺させていく。

「(くそっ!このままじゃ進むことも難しいぜ!)」
向かい風なのに加えて強風のせいでまともに進めない魔理沙。弾幕も相殺されて、とうとう妖精メイドを逃がしてしまう。
「どうして邪魔するんだ!」
ディアボロに怒る魔理沙。ディアボロからみればかわいいものなのだが。
「……ここの図書館の本を無断で盗んで行っているんだろ?」
「死ぬまで借りているだけだぜ」
「それを盗むというんだろうが」
魔理沙の言い訳に的確な突っ込みを入れるディアボロ。
「こうなったらお前を倒して先に進む!」
「やってみろ。……言っておくが、俺を殺すぐらいの気持ちでこないと俺に勝てないぞ」

「(ミニ八卦炉を取られたせいでマスタースパークなどが使えない……)」
さらに両手首は撃たれたために傷づいており、状況は魔理沙に少し分が悪い。
「……仕方ない!」
魔理沙がそのスペルカードを宣言すると、魔理沙の周囲に赤、黄、青、緑色の球体が出現する。
「くらえっ!」
そしてその球体が全部ディアボロ目掛けて飛んでくる。
「なんだか知らんが……」
ディアボロは飛んでくる球体にエンペラーの銃口を向ける。
「全部破壊してしまえばいいだけだ」
その言葉と同時に、ザ・ワールドを利用して時を止め、それぞれのたまに何発もの弾丸を撃ち込む。
その結果、時が動き出した直後に全ての球体は大量のエンペラーの弾丸を撃ち込まれて破壊される。
「まあ、こんなもんか」
「(それなら……!)」
今度は先ほどの色の球体に加え、紫色とオレンジ色の球体が出現する。
「何度やっても一緒……!」
エピタフの予知に、6つの球体が一気にレーザーを撃って来る光景が映る。
「チッ!」
一発撃つ隙も無い。放たれたレーザーの回避に備える必要がある。
直後にレーザーが発射されるが、その全てをディアボロはうまく回避していく。
「これは面倒だな……」
全て回避しきったところで、魔理沙が更にスペルカードを発動する。
「これならどうだ!」
今度は魔理沙が大量の星型弾を撃って来る。が、ディアボロはそれも回避していく。
「弾幕ごっこは得意なのか?」
「戦い慣れしているのは認めよう」
ほんの僅かの会話の後、魔理沙はスペルカードを使わないタイプの弾幕を撃って来る。
スペルカードだけでどうにかなる相手じゃないと判断したのだろう。
だがそれさえもディアボロは回避し、命中しそうになる弾幕はキングクリムゾンで防御する。
「(どうなってんだ?あいつは弾幕を避けてばかりだし、当たりそうな弾も何かに防がれる……)」
魔理沙は弾幕を撃ちながら考える。
「(さっき突然両手首が傷ついたし、それ以外に奴は攻撃してこない……)」
ディアボロはまだ回避と防御に徹している。
「(もしかして……あいつは『弾幕を撃てない』?)」
魔理沙が導き出した結論はこれだった。
目の前の男は能力で両手首を傷つけ、ミニ八卦炉を奪った。
自分が弾幕を撃てない身である以上、自分が少しでも優位に立つためにそうせざるをえないのだと思ったと推測した。

「お前……弾幕撃てないだろ?」
「……?」
魔理沙がニヤリとしながら弾幕を撃つのを止め、ディアボロはその言葉に疑問を懐く。
「ずっと避けてばかりで反撃に出ないなんてパターン、私は見たことないぜ?」
黙らせたほうが早いと判断したディアボロはエンペラーの弾丸を四発、それぞれ両腕と両足に一発ずつ撃ち込む。
弾丸はお見事に命中し、魔理沙は次の言葉を口から出せなかった。
「……っつ!?」
「悪いが俺も弾は撃てる。……が、それは普通は見えない特殊な弾でな」
再びエンペラーの引き金を引く。今度は一旦魔理沙を通り過ぎると突然向きを変え、魔理沙の背中に命中する。
「がっ……!」
背後からの痛みにのけぞる魔理沙。さらに箒から落下して地面に落ちる。
「いててて……」
箒から落下して背中をさする魔理沙に、ディアボロはエンペラーの銃口を額に突きつける。
「今、ここで何もせずに逃げるなら見逃す。だが、もしこのまま進むのなら」
魔理沙がディアボロの目を見る。
その目はかつてのギャング時代の目。己に害を及ぼすものを躊躇なく殺そうとする目だ。
だがその目にはまだ情けを感じられる。……彼の周囲の環境の変化の影響によるものだろうか。
「お前の額を撃ち抜く」
引き金に手をかけ、いつでも引けるようにする。
「……」
その雰囲気と恐怖に完全に押されそうになる魔理沙。彼女が今まで生きてきた中でこんな雰囲気を直接感じるのは初めてかもしれない。
「……まだまだぁ!」
だが魔理沙は勇気を振り絞り、反撃といわんばかりに弾幕を撃つ。
しかしそれはエピタフの予知によって見切られていて、ディアボロは後ろに下がって距離を取り、弾幕を回避する。
エンペラーの引き金を引いて魔理沙の額を撃ち抜くことも可能だったのだが、それに失敗すれば弾幕が全弾命中しかねない。
ならば回避を優先して体勢を立て直しておいたほうが得策だ。
そして、一枚のDISCをケースの中から取り出して、装備していたザ・ワールドのDISCと入れ替える。

それは無限の可能性を秘めたスタンド。条件さえ満たしてしまえば、相手の能力も、そのスタンド像さえも奪い取ってしまうスタンド。
その力を彼が利用しないわけがない。『ディアボロの大冒険』の世界で、あるスタンドとあわせて使い、力を新たに得た。
そのスタンドの名前は『ボーイ・II・マン』。目元だけが露出している無骨な甲冑で、その逞しい体を覆った外見を持つスタンドだ。

魔理沙は再びオーレリーズソーラーシステムを使い、再び全ての球体にレーザーを撃たせる。が、次の光景に魔理沙は目を疑った。
『レーザーがいつの間にか消え、代わりに6枚の紙がヒラヒラと空中を舞っていた』のだ。
その6枚の紙をディアボロは拾い、そのうちの一枚を魔理沙に突きつける。
「これが何か分かるか?」
「わかるわけないだろ」
ディアボロの質問に、ムッとしながら答える魔理沙。だが、彼女はあの紙全てに嫌な予感を感じていた。
「そうか。なら……」
そう言いながら魔理沙に歩いて接近していくディアボロ。ふと、彼が歩くのをやめた。
「教えてやる」
そう言って一枚の紙を手放すディアボロ。
次の瞬間、紙はレーザーと化して魔理沙に向かっていった
「なっ……!?」
魔理沙は驚きながらも球体の一つからレーザーを放つ。二つのレーザーはぶつかりあい、相殺させる。
ディアボロは時を止めて残り5枚の紙を移動させ、その5枚を一斉にレーザーに『戻して』魔理沙に攻撃を仕掛ける。
「ななななな……!?」
魔理沙は慌てながらも回避し、時には球体から撃つレーザーで相殺させていく。
「(侮っていたけど……こりゃまずいぜ……)」
ミニ八卦炉は奪われている。このままでは十八番(おはこ)のマスタースパークも撃てない。
魔理沙は考え、あるアイディアを思いつく。そしてそのアイディアを実行に移すために、一度ディアボロから距離を取る。
「(何をするつもりだ?)」
ディアボロが疑問に思っていたそのとき、突然魔理沙がものすごい勢いでディアボロ目掛けて突っ込んできた。
本来はミニ八卦炉を用いてさらにスピードを上げるのだが、それがない以上威力と速さは格段に落ちている。
「!?」
エンペラーで撃つことも考えたが、向こうのスピードはディアボロの予想より速い。
「(このままではぶつかる。迎え撃ちたいところだが、今は避けたほうが確実だ……!)」
やむを得ず、この突進を回避する。勿論、魔理沙の意図は分かっていた。
「(この技で俺を突破し、妖精メイドのところに向かってさっきのあの道具を取り戻す気か)」
勿論それを見逃す彼ではない。突進を回避すると、すぐに魔理沙を追いかけ始めた。
「(咲夜の手元に渡っているなら奪還される可能性は低くなるが……)」
そう思いながら魔理沙を追い始めるディアボロ。スタンドも利用して、最大限のスピードで走る。
魔理沙を見失わないように追いかけると、突然魔理沙の前にフランドールが立ちはだかる。
「ねぇ、探しものってこれ?」
そう言ってフランドールが懐から取り出したのはミニ八卦炉。ミニ八卦炉は咲夜ではなく、フランドールの手に渡っていたのだ。
「あ!返せ!」
そう言ってフランドールに突っ込んでいこうとする魔理沙。しかしフランドールはミニ八卦炉を魔理沙目掛けて投げつける。
フランドールの予想外の行動に慌てながらもミニ八卦炉をキャッチする魔理沙。
「それを返したんだから、私と『彼』の相手をしてもらおうかしら?」
そう言ってディアボロを見るフランドール。その意味を理解したディアボロは装備しているウェザーリポートのDISCとケースの中のジャンピン・ジャック・フラッシュのDISCを入れ替える。
そしてジャンピン・ジャック・フラッシュを発動し、空中に浮く。
「なるほど、構わないぜ。私が勝ったら先に進ませてもらおうか」
「だが俺達が勝ったらお前には下がってもらうぞ」
魔理沙が勝った場合の自らの行動を提示し、ディアボロは魔理沙が負けた場合に取るべき行動を提示する。

魔理沙はミニ八卦炉を取り戻した。が、フランドールとも戦うことになってしまった。
一人の侵入者は、無事目的を果たして帰ることができるのだろうか。

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