ディスクブレイカー☆フラン 第一話『頭にDISC』
OPテーマ キングクリムゾン『RED』
「いってきま~す!」
ドッゴォォ―――z___ン!
少女の声と共に紅魔館の壁は轟音を上げて破壊された。
そこから飛び出すのは日傘を持ち、ランドセルを背負った少女。
「ちょっとフラン様! 寺子屋に行くのはともかくちゃんとドアを開けて出てくださいって何回言ったら解るんですか!」
轟音に叩き起こされた美倫の声も空しく、空を飛ぶ少女――フランドール・スカーレットは人里の方へと飛んでいく。
フランドールは以前の赤い霧の異変から数日後、晴れて外に出ることが出来るようになったのだ。
その際、人付き合いなどを学ぶため、人里にある寺子屋へ通うようになったのだ……そこ、495歳の小学生とか言わない。
「いやっほーい!」
今日もハイテンションで空を戦闘機のような速さで飛ぶ。
左右へ錐揉み回転し、急降下して湖の水面すれすれを飛ぶ。
アクロバット飛行にも程があった。
「だいかいてーん!」
湖を抜けると、今度は高く飛び上がり、戦闘機も同然のスピードで逆宙返りをしようとすると、
「あれ……? 目の前が、真っ赤だよ……?」
フランの視界は赤一色になり、意識が薄れていった。
OPテーマ キングクリムゾン『RED』
「いってきま~す!」
ドッゴォォ―――z___ン!
少女の声と共に紅魔館の壁は轟音を上げて破壊された。
そこから飛び出すのは日傘を持ち、ランドセルを背負った少女。
「ちょっとフラン様! 寺子屋に行くのはともかくちゃんとドアを開けて出てくださいって何回言ったら解るんですか!」
轟音に叩き起こされた美倫の声も空しく、空を飛ぶ少女――フランドール・スカーレットは人里の方へと飛んでいく。
フランドールは以前の赤い霧の異変から数日後、晴れて外に出ることが出来るようになったのだ。
その際、人付き合いなどを学ぶため、人里にある寺子屋へ通うようになったのだ……そこ、495歳の小学生とか言わない。
「いやっほーい!」
今日もハイテンションで空を戦闘機のような速さで飛ぶ。
左右へ錐揉み回転し、急降下して湖の水面すれすれを飛ぶ。
アクロバット飛行にも程があった。
「だいかいてーん!」
湖を抜けると、今度は高く飛び上がり、戦闘機も同然のスピードで逆宙返りをしようとすると、
「あれ……? 目の前が、真っ赤だよ……?」
フランの視界は赤一色になり、意識が薄れていった。
岡崎夢美の科学教室
夢美「逆宙返りをやると強烈な遠心力、つまり『G』(ガッツではない)が掛かって体中の血液が頭に集中して、視界が真っ赤になるんだ」
ルーミア「そーなのかー」
夢美「この状態が長く続くと気を失ったりするから気をつけなさいよ」
ルーミア「そーなのかー」
夢美「逆宙返りをやると強烈な遠心力、つまり『G』(ガッツではない)が掛かって体中の血液が頭に集中して、視界が真っ赤になるんだ」
ルーミア「そーなのかー」
夢美「この状態が長く続くと気を失ったりするから気をつけなさいよ」
ルーミア「そーなのかー」
「……ハッ! ここはどこ!? 私はフラン!」
目を覚ますと、フランは森の中にいた。
まあ、フランの下には森が広がっていたのだから、当然である。
周囲をきょろきょろと見渡すフラン。
「……って、ここは森か。森には……確か魔理沙がいたっけ」
生い茂る木の葉で周囲は暗く、絡み合う木々が天井のようになっている。
「これじゃぁ、高くは飛べないなぁ」
フランはため息をつき、とりあえず知り合いである魔理沙を探すために浮かび上がった。
そのまま、歩くような速さで、森の中を飛んでいく。
しばらく飛んでいると、フランは不思議な場所にたどり着いた。
木々が乱雑に並んでいる森の中、そこだけ、そこだけ木が規則正しく並び、トンネルを作っていた。
「魔理沙の家はこの先かな?」
初めて森に立ち入ったフランは、何の疑いも無く木が並ぶ道を行く。
フランは知らなかった――そこが幻想郷の中でも指折り数えるほどの危険地帯、無縁塚へと続く道、『再思の道』だということに…………
目を覚ますと、フランは森の中にいた。
まあ、フランの下には森が広がっていたのだから、当然である。
周囲をきょろきょろと見渡すフラン。
「……って、ここは森か。森には……確か魔理沙がいたっけ」
生い茂る木の葉で周囲は暗く、絡み合う木々が天井のようになっている。
「これじゃぁ、高くは飛べないなぁ」
フランはため息をつき、とりあえず知り合いである魔理沙を探すために浮かび上がった。
そのまま、歩くような速さで、森の中を飛んでいく。
しばらく飛んでいると、フランは不思議な場所にたどり着いた。
木々が乱雑に並んでいる森の中、そこだけ、そこだけ木が規則正しく並び、トンネルを作っていた。
「魔理沙の家はこの先かな?」
初めて森に立ち入ったフランは、何の疑いも無く木が並ぶ道を行く。
フランは知らなかった――そこが幻想郷の中でも指折り数えるほどの危険地帯、無縁塚へと続く道、『再思の道』だということに…………
彼岸花が咲き乱れる無縁塚。
そこは美しいが、幻想郷の中でも指折り数えるほどの危険地帯。
そんな激ヤバ地帯をフランは、
「り~ん~ご~と~は~ちみつ~」
歌いながら歩いていた。
少しくたびれた日傘を差し、のんきに彼岸花を眺める。
「こ~おぉ~ちゃの~って、あれ?」
ここまで来て、フランは周囲の光景に気づいた。
「ここ、どこ?」
立ち止まり、固まってしまうフラン。
「…………」
迷子、という単語がフランの頭に浮かんだ。
そんな考えに至るのも無理は無い。
なぜならここを知る人物はごく僅かしかいないからだ。
自然と、遅刻という単語が頭の中に浮かんだ。
遅刻。それは許されざる行為。
遅刻。それは同じクラスのナランチャやチルノがよくやっていること。
遅刻。それは慧 音 先 生 か ら 頭 突 き を く ら う と い う こ と
「や……やば……」
フランの表情は焦燥に染まった。
しかしここは右も左もわからない無縁塚。
「遅刻する! 遅刻しちゃう!」
すっかりパニックに陥り、わめき始める。
「嫌だよーッ! 慧音先生の頭突きだけはイヤァァァァ!」
泣き叫び、その場にへたり込むフラン。
そんな彼女に、一人の男が歩み寄ってきた。
「人の声がすると思って来てみたら、君は咲夜の主人の妹さんじゃないか」
「……だれ?」
フランは声を引きつらせながら、声が聞こえてきた方を向く。
そこには、動かない古道具屋、森近霖之助が大きなかごを背負って立っていた。
「そういえば、こうやって実際に会うのは初めてだったね。僕の名前は森近霖之助。古道具屋の店主さ」
「私フラン」
「そうか。やっぱりあの一件から外を出回ることが出来るようになったのは、本当みたいだね」
納得したかのようにうなづく霖之助。
「で、霖之助さんは何でここにいるの?」
「ん? ああ。それはここに色々と外の世界の道具が落ちているからね、時々ここに来てはそれらを拾っているんだ」
「へぇ、そうなんだ。で、ここは何処?」
「無縁塚」
霖之助の言葉を聞いた瞬間、フランの顔が青ざめた。
決して無縁塚にだけは近づいちゃいけませんよ――咲夜の声が、頭の中で響く。
冷や汗が、あふれ出る。
「ん? どうしたんだい?」
「死んじゃう……死んじゃうんだ……」
フランは涙をあふれさせ、うわごとのように呟き始めた。
「…………」
霖之助は複雑な表情でフランを見つめると、
「すこし、落ち着こうか」
懐から一つの紙袋を取り出した。
がさごそとその紙袋の中を漁り、霖之助はプリンを取り出す。
「これを食べるといい。少しは落ち着くだろう」
フランは泣きじゃくりながら、霖之助から渡されたプリンを、プリンに一緒についていたプラスチックのスプーンで食べ始めた。
口の中に広がる滑らかな甘みが、恐怖を和らげてくれる。
「さて、落ち着いたかな?」
フランがプリンを食べ終える頃には、まるで魔法を使ったかのごとくフランは冷静になっていた。
「ここは危険だから、君は早く帰ったほうがいい。このDISCを君にあげよう」
すっかり落ち着いたフランに、霖之助は懐から一枚のDISCを渡す。
そのDISCには、『ディアボロ』の文字が書かれている。
「これ、何?」
フランは、手元のDISCを見つめて、霖之助に質問した。
「これは『ディアボロのDISC』。用途は、自分の拠点に戻る。最近、こういった道具がよくここに流れ着いていてね。外の世界で流行していたのかもしれない」
「へぇ。で、どうやって使うの?」
「簡単だ。頭にあてがうだけさ。」
「そうなんだ。で、霖之助さんはこれからどうするの?」
「まだこの辺りをうろつこうと思う」
そう言って、霖之助は振り返って、歩き出す。
すると、カチリという音がした。
「「ん?」」
その異音に二人が頭をかしげると、それは上からやってきた。
「うわぁ!」
上からやってきたそれは、霖之助の懐にもぐりこみ、一枚のDISCを吊り上げていった。
足元には、カナブンのような物が一つ。
ワイアードの罠だった。
霖之助はしばらくそれを見つめると、
「ま、いいか」
頭を掻きながら、歩いてゆく。
フランはそれを見送ると、
「これを頭にあてがうんだっけ……」
手元にある『ディアボロのDISC』を頭にあてがった。
そこは美しいが、幻想郷の中でも指折り数えるほどの危険地帯。
そんな激ヤバ地帯をフランは、
「り~ん~ご~と~は~ちみつ~」
歌いながら歩いていた。
少しくたびれた日傘を差し、のんきに彼岸花を眺める。
「こ~おぉ~ちゃの~って、あれ?」
ここまで来て、フランは周囲の光景に気づいた。
「ここ、どこ?」
立ち止まり、固まってしまうフラン。
「…………」
迷子、という単語がフランの頭に浮かんだ。
そんな考えに至るのも無理は無い。
なぜならここを知る人物はごく僅かしかいないからだ。
自然と、遅刻という単語が頭の中に浮かんだ。
遅刻。それは許されざる行為。
遅刻。それは同じクラスのナランチャやチルノがよくやっていること。
遅刻。それは慧 音 先 生 か ら 頭 突 き を く ら う と い う こ と
「や……やば……」
フランの表情は焦燥に染まった。
しかしここは右も左もわからない無縁塚。
「遅刻する! 遅刻しちゃう!」
すっかりパニックに陥り、わめき始める。
「嫌だよーッ! 慧音先生の頭突きだけはイヤァァァァ!」
泣き叫び、その場にへたり込むフラン。
そんな彼女に、一人の男が歩み寄ってきた。
「人の声がすると思って来てみたら、君は咲夜の主人の妹さんじゃないか」
「……だれ?」
フランは声を引きつらせながら、声が聞こえてきた方を向く。
そこには、動かない古道具屋、森近霖之助が大きなかごを背負って立っていた。
「そういえば、こうやって実際に会うのは初めてだったね。僕の名前は森近霖之助。古道具屋の店主さ」
「私フラン」
「そうか。やっぱりあの一件から外を出回ることが出来るようになったのは、本当みたいだね」
納得したかのようにうなづく霖之助。
「で、霖之助さんは何でここにいるの?」
「ん? ああ。それはここに色々と外の世界の道具が落ちているからね、時々ここに来てはそれらを拾っているんだ」
「へぇ、そうなんだ。で、ここは何処?」
「無縁塚」
霖之助の言葉を聞いた瞬間、フランの顔が青ざめた。
決して無縁塚にだけは近づいちゃいけませんよ――咲夜の声が、頭の中で響く。
冷や汗が、あふれ出る。
「ん? どうしたんだい?」
「死んじゃう……死んじゃうんだ……」
フランは涙をあふれさせ、うわごとのように呟き始めた。
「…………」
霖之助は複雑な表情でフランを見つめると、
「すこし、落ち着こうか」
懐から一つの紙袋を取り出した。
がさごそとその紙袋の中を漁り、霖之助はプリンを取り出す。
「これを食べるといい。少しは落ち着くだろう」
フランは泣きじゃくりながら、霖之助から渡されたプリンを、プリンに一緒についていたプラスチックのスプーンで食べ始めた。
口の中に広がる滑らかな甘みが、恐怖を和らげてくれる。
「さて、落ち着いたかな?」
フランがプリンを食べ終える頃には、まるで魔法を使ったかのごとくフランは冷静になっていた。
「ここは危険だから、君は早く帰ったほうがいい。このDISCを君にあげよう」
すっかり落ち着いたフランに、霖之助は懐から一枚のDISCを渡す。
そのDISCには、『ディアボロ』の文字が書かれている。
「これ、何?」
フランは、手元のDISCを見つめて、霖之助に質問した。
「これは『ディアボロのDISC』。用途は、自分の拠点に戻る。最近、こういった道具がよくここに流れ着いていてね。外の世界で流行していたのかもしれない」
「へぇ。で、どうやって使うの?」
「簡単だ。頭にあてがうだけさ。」
「そうなんだ。で、霖之助さんはこれからどうするの?」
「まだこの辺りをうろつこうと思う」
そう言って、霖之助は振り返って、歩き出す。
すると、カチリという音がした。
「「ん?」」
その異音に二人が頭をかしげると、それは上からやってきた。
「うわぁ!」
上からやってきたそれは、霖之助の懐にもぐりこみ、一枚のDISCを吊り上げていった。
足元には、カナブンのような物が一つ。
ワイアードの罠だった。
霖之助はしばらくそれを見つめると、
「ま、いいか」
頭を掻きながら、歩いてゆく。
フランはそれを見送ると、
「これを頭にあてがうんだっけ……」
手元にある『ディアボロのDISC』を頭にあてがった。
気がついたら、紅魔館の門の前にいた。
門の前では美鈴がいびきを掻いて寝ている。
時計台を見つめると、時間はまだ7時45分。
「これなら間に合うかも……」
フランは日傘を差しなおすと、寺子屋へと飛んでいった。
門の前では美鈴がいびきを掻いて寝ている。
時計台を見つめると、時間はまだ7時45分。
「これなら間に合うかも……」
フランは日傘を差しなおすと、寺子屋へと飛んでいった。
「いかん……ここは何処だ……? 岸辺露伴に『ボヘミアンラプソディーのDISC』を渡して、気がついたらここだ……」
無縁塚に、ピンク色の髪の男――ディアボロがいた。
「さて……こうなったらまずは周囲の危険を察知せねばな」
ディアボロは、懐から一枚のDISCを取り出し、頭にあてがった。
DISCはずぶずぶと頭の中に吸い込まれていく。
「念のために持ってきておいてよかったな……『ホワイトアルバムのDISC★8+99』。周囲に動くものが無いか探知する」
ディアボロの顔に、DBのスカウターそっくりのものが出現する。
画面には、黄色い点が一つ。
「なるほど……危険は無いようだな……」
ディアボロはそう呟くと、一歩を歩み始めた。
……が、カチリ。
「カチリ?」
その音は、ディアボロの背筋に寒気を走らせるのには十分だった。
なんと、ディアボロはさっき装備したDISCに罠を探知す『ドラゴンズドリーム』を合成していなかったのだ。
「まさか……」
ディアボロは、『キングクリムゾン★8+99』と『エピタフ★8+99』を装備し忘れたことを呪いながら、ゆっくりと視線を足元へ向ける。
そこには、『ボヨヨォン』の文字。
「うわあああぁぁぁ!」
ディアボロは情けない悲鳴を上げて、空たかく飛んでいった。
無縁塚に、ピンク色の髪の男――ディアボロがいた。
「さて……こうなったらまずは周囲の危険を察知せねばな」
ディアボロは、懐から一枚のDISCを取り出し、頭にあてがった。
DISCはずぶずぶと頭の中に吸い込まれていく。
「念のために持ってきておいてよかったな……『ホワイトアルバムのDISC★8+99』。周囲に動くものが無いか探知する」
ディアボロの顔に、DBのスカウターそっくりのものが出現する。
画面には、黄色い点が一つ。
「なるほど……危険は無いようだな……」
ディアボロはそう呟くと、一歩を歩み始めた。
……が、カチリ。
「カチリ?」
その音は、ディアボロの背筋に寒気を走らせるのには十分だった。
なんと、ディアボロはさっき装備したDISCに罠を探知す『ドラゴンズドリーム』を合成していなかったのだ。
「まさか……」
ディアボロは、『キングクリムゾン★8+99』と『エピタフ★8+99』を装備し忘れたことを呪いながら、ゆっくりと視線を足元へ向ける。
そこには、『ボヨヨォン』の文字。
「うわあああぁぁぁ!」
ディアボロは情けない悲鳴を上げて、空たかく飛んでいった。
今日も平和な紅魔館。
その門番こと美鈴は今日も爆睡している。
そこへ、運命のいたずらか、天から一枚のDISCが落ちてきて、美鈴の頭に突き刺さる。
のんきに鼻提灯を膨らませる美鈴。
DISCは、美鈴にINした。
そのDISCの名は、スタープラチナ。あろうことか最強クラスのスタンドのDISCであった。
奇遇にも、それは霖之助がワイアードの罠で釣られてしまった代物であった。
その門番こと美鈴は今日も爆睡している。
そこへ、運命のいたずらか、天から一枚のDISCが落ちてきて、美鈴の頭に突き刺さる。
のんきに鼻提灯を膨らませる美鈴。
DISCは、美鈴にINした。
そのDISCの名は、スタープラチナ。あろうことか最強クラスのスタンドのDISCであった。
奇遇にも、それは霖之助がワイアードの罠で釣られてしまった代物であった。
寺子屋にて。
「今日はここまで。宿題はちゃんとやってくるように」
生徒たちに問題の書かれた紙を手渡し、算数を教えている先生ことパンナコッタ・フーゴは教室を後にした。
それを合図に、子供たちは教室から飛び出し、それぞれの家や遊び場へと向かって行く。
寺子屋最年長(?)のナランチャも、例外ではなかった。
「よっしチルノ! 釣り行こうぜ釣り!」
鞄を持って、ナランチャは同じクラスの氷精、チルノを呼ぶ。
「釣りでもあたいはサイキョーなんだからね!」
チルノも鞄を持って、教室の窓から飛び出していく。
「うおぃ! 待ってよチルノォォォー! 飛んでいくなんてヒキョーだぞー!」
ナランチャも慌てて廊下を走り出す。
「さて、私も帰ってマンガでも読もうかな」
フランも、鞄を持って教室の窓から飛び立つ。
背後から、窓から飛び出すなー! と叫ぶ慧音の声が聞こえたが、フランもチルノも気にしなかった。
「今日はここまで。宿題はちゃんとやってくるように」
生徒たちに問題の書かれた紙を手渡し、算数を教えている先生ことパンナコッタ・フーゴは教室を後にした。
それを合図に、子供たちは教室から飛び出し、それぞれの家や遊び場へと向かって行く。
寺子屋最年長(?)のナランチャも、例外ではなかった。
「よっしチルノ! 釣り行こうぜ釣り!」
鞄を持って、ナランチャは同じクラスの氷精、チルノを呼ぶ。
「釣りでもあたいはサイキョーなんだからね!」
チルノも鞄を持って、教室の窓から飛び出していく。
「うおぃ! 待ってよチルノォォォー! 飛んでいくなんてヒキョーだぞー!」
ナランチャも慌てて廊下を走り出す。
「さて、私も帰ってマンガでも読もうかな」
フランも、鞄を持って教室の窓から飛び立つ。
背後から、窓から飛び出すなー! と叫ぶ慧音の声が聞こえたが、フランもチルノも気にしなかった。
紅魔館の近くにある湖で、チルノとナランチャは釣り糸を垂れ始めた。
その背後ではチルノの姉的な存在である大妖精がその様子を見守っている。
釣竿、とは言ったものの、そこらへんの木の枝に糸と針、そしてミミズを付け足しただけという簡素なものだ。
むしろそんなもので魚が釣れるのかと言いたくなって来る。
しかし、
「きたッ! きたきたきたァーッ!」
ナランチャの持つ枝に衝撃が走ってきた。
枝を思い切り引っ張ると、それは勢い良く湖から飛び出した。
魚、というには彼は大きすぎた。
魚、というには姿がかけ離れすぎた。
それは人間だった
むしろディアボロだった。
彼は意識を失い、湖畔の草むらにその体を投げ出している。
もちろん、釣り上げられたばっかりなので全身びしょ濡れだ。
「……人が釣れたぞ」
唖然とした表情を浮かべるナランチャ。
「誰かなコイツ?」
好奇の表情を浮かべるチルノ。
「とりあえず、こんなときは胸の部分を押して水を吐かせたほうがいいかと……」
戸惑う大妖精。
「よ、よし。じゃあオレがやってみるよ」
ナランチャは、ディアボロに近づいて、
「胸の辺りを押すんだな……」
心臓マッサージの要領で胸を圧迫すると、ディアボロの口から水が噴水のように吹き出た。
それと一緒に、口から魚が一匹飛び出した。
「ぷっ!」
それを見たチルノは、思わず噴き出してしまった。
「ぷっ……ククク……まるで人間ポンプだぜ……」
ナランチャはディアボロの胸を圧迫するのを忘れ、笑いをこらえるために口元を押さえる。
すると、
「ガハッ!」
ディアボロは更に口から魚を2、3匹ほど飛び出させてから跳ね起きた。
そして、
「オウェェェェェ……」
その場に大量の魚を吐き出し始めた。
「「アーッハッハッハ!」」
チルノとナランチャはその光景に耐えられず、ついに⑨笑いこと馬鹿笑いを始める。
ディアボロが延々と魚をはき続ける光景を見て、大妖精が、
「まるで鵜飼いの鵜みたいですね……」
と呟くと……
「「鵜飼いって何だ?」」
チルノとナランチャが食いついてきた。
「鵜飼いって言うのはね、川とかで鵜という鳥に魚を食べさせて、船とかに集めて鵜の中の魚を吐かせて魚を取ることを言う……ハッ!」
そこまで言って、大妖精はチルノの目がキラーンと光っているのに気がついた。
しまった……大妖精は、後悔した。
「あたい……いいこと考えた」
「奇遇だなぁ! オレもだ!」
チルノとナランチャは、目を輝かせながらディアボロに迫る。
魚を吐きながら話を聞いていたディアボロは、
「なんだかよくわからんがヤバイッ!」
すぐに立ち上がって走り始めた。
「あっ! 逃げた!」
チルノは飛んでそれを追う。
「待ちやがれッ!」
ナランチャも『エアロスミス』を出して走る。
「あっ! 二人とも待ちなさい! あの人は人間で鵜じゃないから~!」
大妖精も、チルノとナランチャを追い始める。
「くらえ雹符『ヘイルストーム』!」
チルノは殺る気満々のハードスペルでディアボロを氷漬けにしようとするが、
「フン! 氷漬にする魂胆が丸見えだがこの『ホワイトアルバムのDISC★8+99がある限りオレの足止めは出来ん!」
能力に装備している『ホワイトアルバムのDISC★8+99』のせいでちっとも効果が無い。
「何であたいの渾身のスペカが効かないのよ!」
チルノは目の前で起こった事態に腹を立てて、
「潰れろッ! 氷塊『グレートクラッシャー』!」
惜しげもなく巨大な氷塊を作り出してディアボロを潰そうとする。
しかしそれは、
「チルノ何やってんだ! 潰したらおしまいだろ!」
ナランチャの一声で止まる。
「あ、そっか。潰したら縛れないもんね」
チルノは氷塊を作るのを止めると、ディアボロを追おうとする。が、
「……あれ? あのピンク髪はどこ?」
見失ってしまった。
「いない! アイツどっか行った!」
チルノは周囲を見渡す。
しかし、ナランチャは落ち着いていた。
「フフフ……こんな時こそオレの『エアロスミス』が真価を発揮する時!」
何かマンガっぽいポーズをとると、ナランチャの顔の前にレーダーが出てきた。
「おお! これは!」
チルノは期待のまなざしでナランチャを見つめる。
ナランチャのレーダーの中心には大きな点が二つ。
そして、少し離れたところにひときわ大きな点が一つ。
チルノと、ナランチャの目が光った。
「「そこかぁ……」」
ゆっくりと二人はディアボロがいる場所へと近づく。
その背後ではチルノの姉的な存在である大妖精がその様子を見守っている。
釣竿、とは言ったものの、そこらへんの木の枝に糸と針、そしてミミズを付け足しただけという簡素なものだ。
むしろそんなもので魚が釣れるのかと言いたくなって来る。
しかし、
「きたッ! きたきたきたァーッ!」
ナランチャの持つ枝に衝撃が走ってきた。
枝を思い切り引っ張ると、それは勢い良く湖から飛び出した。
魚、というには彼は大きすぎた。
魚、というには姿がかけ離れすぎた。
それは人間だった
むしろディアボロだった。
彼は意識を失い、湖畔の草むらにその体を投げ出している。
もちろん、釣り上げられたばっかりなので全身びしょ濡れだ。
「……人が釣れたぞ」
唖然とした表情を浮かべるナランチャ。
「誰かなコイツ?」
好奇の表情を浮かべるチルノ。
「とりあえず、こんなときは胸の部分を押して水を吐かせたほうがいいかと……」
戸惑う大妖精。
「よ、よし。じゃあオレがやってみるよ」
ナランチャは、ディアボロに近づいて、
「胸の辺りを押すんだな……」
心臓マッサージの要領で胸を圧迫すると、ディアボロの口から水が噴水のように吹き出た。
それと一緒に、口から魚が一匹飛び出した。
「ぷっ!」
それを見たチルノは、思わず噴き出してしまった。
「ぷっ……ククク……まるで人間ポンプだぜ……」
ナランチャはディアボロの胸を圧迫するのを忘れ、笑いをこらえるために口元を押さえる。
すると、
「ガハッ!」
ディアボロは更に口から魚を2、3匹ほど飛び出させてから跳ね起きた。
そして、
「オウェェェェェ……」
その場に大量の魚を吐き出し始めた。
「「アーッハッハッハ!」」
チルノとナランチャはその光景に耐えられず、ついに⑨笑いこと馬鹿笑いを始める。
ディアボロが延々と魚をはき続ける光景を見て、大妖精が、
「まるで鵜飼いの鵜みたいですね……」
と呟くと……
「「鵜飼いって何だ?」」
チルノとナランチャが食いついてきた。
「鵜飼いって言うのはね、川とかで鵜という鳥に魚を食べさせて、船とかに集めて鵜の中の魚を吐かせて魚を取ることを言う……ハッ!」
そこまで言って、大妖精はチルノの目がキラーンと光っているのに気がついた。
しまった……大妖精は、後悔した。
「あたい……いいこと考えた」
「奇遇だなぁ! オレもだ!」
チルノとナランチャは、目を輝かせながらディアボロに迫る。
魚を吐きながら話を聞いていたディアボロは、
「なんだかよくわからんがヤバイッ!」
すぐに立ち上がって走り始めた。
「あっ! 逃げた!」
チルノは飛んでそれを追う。
「待ちやがれッ!」
ナランチャも『エアロスミス』を出して走る。
「あっ! 二人とも待ちなさい! あの人は人間で鵜じゃないから~!」
大妖精も、チルノとナランチャを追い始める。
「くらえ雹符『ヘイルストーム』!」
チルノは殺る気満々のハードスペルでディアボロを氷漬けにしようとするが、
「フン! 氷漬にする魂胆が丸見えだがこの『ホワイトアルバムのDISC★8+99がある限りオレの足止めは出来ん!」
能力に装備している『ホワイトアルバムのDISC★8+99』のせいでちっとも効果が無い。
「何であたいの渾身のスペカが効かないのよ!」
チルノは目の前で起こった事態に腹を立てて、
「潰れろッ! 氷塊『グレートクラッシャー』!」
惜しげもなく巨大な氷塊を作り出してディアボロを潰そうとする。
しかしそれは、
「チルノ何やってんだ! 潰したらおしまいだろ!」
ナランチャの一声で止まる。
「あ、そっか。潰したら縛れないもんね」
チルノは氷塊を作るのを止めると、ディアボロを追おうとする。が、
「……あれ? あのピンク髪はどこ?」
見失ってしまった。
「いない! アイツどっか行った!」
チルノは周囲を見渡す。
しかし、ナランチャは落ち着いていた。
「フフフ……こんな時こそオレの『エアロスミス』が真価を発揮する時!」
何かマンガっぽいポーズをとると、ナランチャの顔の前にレーダーが出てきた。
「おお! これは!」
チルノは期待のまなざしでナランチャを見つめる。
ナランチャのレーダーの中心には大きな点が二つ。
そして、少し離れたところにひときわ大きな点が一つ。
チルノと、ナランチャの目が光った。
「「そこかぁ……」」
ゆっくりと二人はディアボロがいる場所へと近づく。
ディアボロは、とっさに『メタリカのDISC』を発動して回避しようとした。
だが、迫り来るバカ二人に居場所を悟られ、焦っていた。
「このままでは鵜飼いの鵜にされて死亡なんてことになる……」
今の手持ちには居場所を移すアイテムも無ければ目くらまし用の『チリペッパーのDISC』も無い。
「絶対絶命だな……」
もう少しすれば『メタリカのDISC』の効力も消える。
そうなれば足を『エアロスミス』で撃たれて鵜飼いの鵜にされて死ぬだろう。
「畜生……畜生……ッ! これだけは使いたくなかった……ッ! でも、これを使わないと……使わないと!」
ディアボロは涙を流しながら懐から一枚のDISCを取り出す。
それは『メイドインヘヴンのDICC★5+3』。
それを装備すればものすごいスピードで動くことが出来るが、同時に装備しているDISC以外のアイテムは朽ち果ててしまう諸刃の剣。
涙を滝のように流し、せめてこれだけは失いたくないと『エピタフのDISC★8+99』を装備すると、彼は『メイドインヘヴンのDICC★5+3』を装備した。
だが、迫り来るバカ二人に居場所を悟られ、焦っていた。
「このままでは鵜飼いの鵜にされて死亡なんてことになる……」
今の手持ちには居場所を移すアイテムも無ければ目くらまし用の『チリペッパーのDISC』も無い。
「絶対絶命だな……」
もう少しすれば『メタリカのDISC』の効力も消える。
そうなれば足を『エアロスミス』で撃たれて鵜飼いの鵜にされて死ぬだろう。
「畜生……畜生……ッ! これだけは使いたくなかった……ッ! でも、これを使わないと……使わないと!」
ディアボロは涙を流しながら懐から一枚のDISCを取り出す。
それは『メイドインヘヴンのDICC★5+3』。
それを装備すればものすごいスピードで動くことが出来るが、同時に装備しているDISC以外のアイテムは朽ち果ててしまう諸刃の剣。
涙を滝のように流し、せめてこれだけは失いたくないと『エピタフのDISC★8+99』を装備すると、彼は『メイドインヘヴンのDICC★5+3』を装備した。
不穏な『気』を察知し、紅魔館の門番、紅美鈴は目を覚ました。
目の前には、ギリシャやローマの拳闘士にも似た風貌の、青い肌の大男。
「……侵入者だッ!」
美鈴はすぐに大男に向かって弾幕を放つ。
煌びやかな光を放つ光弾は大男に向かって行く。
目の前の大男は弾幕を前にして、
「オラッ! オラッ!」
拳を振るい、弾幕を打ち砕く。
光の粒が、大男の周囲に散らばる。
それを突き破るようにして、拳を握り締めた美鈴が大男に肉薄した。
弾幕は、ただの目くらましだったのだ。
「やぁッ!」
美鈴の左拳が、大男の顔に向かう。
「オラァッ!」
大男が右拳を振るい、美鈴を殴り飛ばそうとするが、それは美鈴の右手がブロック。
美鈴の左拳も、大男の右手で跳ね除けられ、再び振るわれる大男の右拳を美鈴は左手で掴む。
右手を掴まれた大男は右腕を円を描くように振り払い、美鈴の手を離させる。
その描かれた円の中心に美鈴は右拳を突き出し、大男はそれを首を振って避ける。
再び首を振って美鈴の右手を突き飛ばすと、大男は左拳を美鈴の胴めがけて振るう。
美鈴は半身になってそれを避け、左肘を大男の胴に突き出す。
大男も半身になって避けると、半身に移動する力を使って回転、強力な右拳の裏拳を振るう。
美鈴はすぐさま右拳を振るい、相手の裏拳の軌道を上に逸らす。
そして、お互いに二歩下がる。
「こいつ……只者じゃないッ!」
拳を構え、目の前の大男――スタープラチナを見据える美鈴。
一方、スタープラチナは何の構えも見せず、ただただ突っ立っている。
「構えを見せない……そういう流派なのか?」
半歩、美鈴は引き下がる。
半歩、スタープラチナは前進する。
美鈴は深く息を吐き、次で決めるために『気』を集中させる。
そして一歩を踏み出すべく左足を上げた時――
「ねぇ、美鈴。何やってんの?」
フランの能天気な声が背後から聞こえてきた。
意外な方向から飛んできた場違いな雰囲気の声に、美鈴は変に力が抜けて盛大にこける。
「うわ! あやし~い」
美鈴がこけてしまったため、彼女と相対していたスタープラチナの姿がフランの目に入る。
「妹様の手を煩わせるまでもありません。ここは私に任せてください」
美鈴は立ち上がり、再び構える。
「パチュリーの持ってた漫画でその台詞言ってたキャラが勝っていた例がないなぁ」
「……ともかく、妹様はまだ力の使い方に慣れていないでしょう。りんごの外側を壊さずに内側だけを壊すこと、できるようになりましたか?」
「う……それはまだ出来てない……メロンは出来るようになったけど……」
視線を伏せて唸るフラン。
「でしょう? 今の妹様ではアイツを倒すことは出来ても、他のまでに被害が及ぶ危険がありますから、私がやるのですよ」
「でも、向こう凄く強そうだよ。ムキムキマッチョだし」
「ムキムキマッチョは関係ありません。咲夜さんやお嬢様はムキムキマッチョじゃなくても強いでしょう?」
「…………」
美鈴に言われて、フランは頭の中にムキムキマッチョな咲夜とレミリアを思い浮かべた。
頭痛がした。
一旦このことを考えることを止め、フランはうなづく。
「確かに、見た目と強さは違うね」
「でしょう? とりあえず、私は目の前のムキムキマッチョをどうにかします。妹様は先に帰っていてください」
「うん。解った。ところで美鈴、その頭に刺さっているの何?」
フランは美鈴の頭を指差す。
フランの指の先には、きらきら輝く一枚のDISC
「へ?」
美鈴は思わず上を向く。そんなことしても自分の頭なんて見えないのに。
両手で、頭を触る。
確かに、何かが頭の上にあるような感触がある。
「それはDISCだ」
「「うわ!」」
予想外のタイミングで、予想外の男の声が聞こえてきた。
「あんた、誰?」
フランは美鈴の背後を指差す。
美鈴の背後には、ピンク色の髪の男が立っている。
「そこの中国風の女、お前の頭に刺さっているのはDISCだ」
「えっと……誰?」
「恐らく、お前の目の前に立ちはだかっているスタープラチナの」
男――ディアボロは美鈴とフランの話を聞いていなかった。
「ここでスタプラのDISCが手に入るのは非常に嬉しい。そのDISC、もらうぞ」
そのままディアボロは美鈴の頭に手を伸ばし、DISCをつまんで、引っ張る。
が、抜けない。
「…………」
辺りが、静かになった。
風が、吹き抜けた。
三人の前に立ちはだかるスタープラチナは動かない。
「そうか。DISCの適正が中途半端にあるため抜くに抜けないのか」
ディアボロは、ため息をつく。
「「だから、アンタ誰!?」」
二人がかりの怒鳴り声に、ディアボロは少しのけぞった。
「そこまで大声を出さなくてもいいじゃないか。俺はディアボロ。いずれ頂点を取り戻す男だ」
「へぇ、それでその頂点を取り戻す男がここに何の用ですか?」
ジト目でディアボロを見つめるフラン。非常に大人気ない。
「俺は馬鹿二人に追われてここに来た。あのままだと俺は鵜飼いの鵜にされて死んでいただろう」
真顔で答えるディアボロ。
「「鵜飼いの鵜ねぇ……ぷくく」」
目の前の男が紐で縛られて川を泳ぐ光景を頭に浮かべたフランと美鈴は、思わず噴き出してしまった。
「わ、笑うな! 本当の事だったんだからな!」
「わかった。わかったわ。ところで、あなた目の前にいるムキムキマッチョのことについて何か知っているみたいね」
美鈴は笑いをこらえながら、視線をスタープラチナへと流す。
ディアボロは、スタープラチナを見ると、頷き目の前の事態について話すことにした。
そうした方が、自分に得だと思ったからだ。
「あれは、スタープラチナ。最強クラスのスタンド使い、空条承太郎のスタンド……の記録だ」
「記録? 何それ」
美鈴の隣に立つフランが首を傾げた。
頭の上に疑問符を浮かべるその表情が実に無邪気で可愛らしい。
「本来、スタンドは同じものが二つも存在することはありえない。だが、俺がいた所、奇妙なダンジョンの中ではそのスタンドが記録という形で存在していたのだ」
「なるほど……さっぱりわからない」
真顔で頷くフラン。その表情からはディアボロが何を言っているのか本当に理解していないようだ。
「ある記録は独立して動き、襲い掛かる。ある記録はDISCという形をとり、またある記録は俺の手助けをしてくれた」
「なるほど……で、私の目の前にいるのが、あなたが言っている襲い掛かってくる記録、と」
美鈴はディアボロが言っている事が少し理解できたらしく、頷いている。
「惜しいな。今回のケースは特殊だ。本来DISCを装備するには適正っていうのが必要だ。適正が無いとDISCは身に着けることはできない。お前の場合は中途半端に適正があるから、DISCの中のスタンドが暴走しているだけだろう」
ディアボロはスタープラチナへと歩み寄る。
「こいつを倒すことが出来れば、お前の頭に中途半端に刺さっているDISCが抜ける……たぶん。俺は目の前のこいつを倒してそのDISCを貰い受ける。」
持っている『エピタフのDISC+99★8』を攻撃用に、『メイドインヘヴンのDISC+3★5』を防御用にセットしてスタープラチナへと歩を進める。
あと一歩で射程距離内に入る。
美鈴とフランの二人はそれを見守る。
そしてディアボロが一歩を踏み出したとき、カチリという音がした。
「まさか……」
ディアボロの背筋に怖気が走った。
バシ! と物騒な音がしてディアボロの頭からDISCが三枚、飛び出す。
こんなところにホワイトスネイクの罠があった。
「何でこんな所にイイィ―――z___ッ!」
「オラァァァーッ!」
スタープラチナの拳が振るわれる。
「オラオラオラオラオラオラオラ……オオオオラァァーッ!
スタープラチナの拳が流星群のようにディアボロに降りかかる。
ディアボロは、死んだ。
目の前には、ギリシャやローマの拳闘士にも似た風貌の、青い肌の大男。
「……侵入者だッ!」
美鈴はすぐに大男に向かって弾幕を放つ。
煌びやかな光を放つ光弾は大男に向かって行く。
目の前の大男は弾幕を前にして、
「オラッ! オラッ!」
拳を振るい、弾幕を打ち砕く。
光の粒が、大男の周囲に散らばる。
それを突き破るようにして、拳を握り締めた美鈴が大男に肉薄した。
弾幕は、ただの目くらましだったのだ。
「やぁッ!」
美鈴の左拳が、大男の顔に向かう。
「オラァッ!」
大男が右拳を振るい、美鈴を殴り飛ばそうとするが、それは美鈴の右手がブロック。
美鈴の左拳も、大男の右手で跳ね除けられ、再び振るわれる大男の右拳を美鈴は左手で掴む。
右手を掴まれた大男は右腕を円を描くように振り払い、美鈴の手を離させる。
その描かれた円の中心に美鈴は右拳を突き出し、大男はそれを首を振って避ける。
再び首を振って美鈴の右手を突き飛ばすと、大男は左拳を美鈴の胴めがけて振るう。
美鈴は半身になってそれを避け、左肘を大男の胴に突き出す。
大男も半身になって避けると、半身に移動する力を使って回転、強力な右拳の裏拳を振るう。
美鈴はすぐさま右拳を振るい、相手の裏拳の軌道を上に逸らす。
そして、お互いに二歩下がる。
「こいつ……只者じゃないッ!」
拳を構え、目の前の大男――スタープラチナを見据える美鈴。
一方、スタープラチナは何の構えも見せず、ただただ突っ立っている。
「構えを見せない……そういう流派なのか?」
半歩、美鈴は引き下がる。
半歩、スタープラチナは前進する。
美鈴は深く息を吐き、次で決めるために『気』を集中させる。
そして一歩を踏み出すべく左足を上げた時――
「ねぇ、美鈴。何やってんの?」
フランの能天気な声が背後から聞こえてきた。
意外な方向から飛んできた場違いな雰囲気の声に、美鈴は変に力が抜けて盛大にこける。
「うわ! あやし~い」
美鈴がこけてしまったため、彼女と相対していたスタープラチナの姿がフランの目に入る。
「妹様の手を煩わせるまでもありません。ここは私に任せてください」
美鈴は立ち上がり、再び構える。
「パチュリーの持ってた漫画でその台詞言ってたキャラが勝っていた例がないなぁ」
「……ともかく、妹様はまだ力の使い方に慣れていないでしょう。りんごの外側を壊さずに内側だけを壊すこと、できるようになりましたか?」
「う……それはまだ出来てない……メロンは出来るようになったけど……」
視線を伏せて唸るフラン。
「でしょう? 今の妹様ではアイツを倒すことは出来ても、他のまでに被害が及ぶ危険がありますから、私がやるのですよ」
「でも、向こう凄く強そうだよ。ムキムキマッチョだし」
「ムキムキマッチョは関係ありません。咲夜さんやお嬢様はムキムキマッチョじゃなくても強いでしょう?」
「…………」
美鈴に言われて、フランは頭の中にムキムキマッチョな咲夜とレミリアを思い浮かべた。
頭痛がした。
一旦このことを考えることを止め、フランはうなづく。
「確かに、見た目と強さは違うね」
「でしょう? とりあえず、私は目の前のムキムキマッチョをどうにかします。妹様は先に帰っていてください」
「うん。解った。ところで美鈴、その頭に刺さっているの何?」
フランは美鈴の頭を指差す。
フランの指の先には、きらきら輝く一枚のDISC
「へ?」
美鈴は思わず上を向く。そんなことしても自分の頭なんて見えないのに。
両手で、頭を触る。
確かに、何かが頭の上にあるような感触がある。
「それはDISCだ」
「「うわ!」」
予想外のタイミングで、予想外の男の声が聞こえてきた。
「あんた、誰?」
フランは美鈴の背後を指差す。
美鈴の背後には、ピンク色の髪の男が立っている。
「そこの中国風の女、お前の頭に刺さっているのはDISCだ」
「えっと……誰?」
「恐らく、お前の目の前に立ちはだかっているスタープラチナの」
男――ディアボロは美鈴とフランの話を聞いていなかった。
「ここでスタプラのDISCが手に入るのは非常に嬉しい。そのDISC、もらうぞ」
そのままディアボロは美鈴の頭に手を伸ばし、DISCをつまんで、引っ張る。
が、抜けない。
「…………」
辺りが、静かになった。
風が、吹き抜けた。
三人の前に立ちはだかるスタープラチナは動かない。
「そうか。DISCの適正が中途半端にあるため抜くに抜けないのか」
ディアボロは、ため息をつく。
「「だから、アンタ誰!?」」
二人がかりの怒鳴り声に、ディアボロは少しのけぞった。
「そこまで大声を出さなくてもいいじゃないか。俺はディアボロ。いずれ頂点を取り戻す男だ」
「へぇ、それでその頂点を取り戻す男がここに何の用ですか?」
ジト目でディアボロを見つめるフラン。非常に大人気ない。
「俺は馬鹿二人に追われてここに来た。あのままだと俺は鵜飼いの鵜にされて死んでいただろう」
真顔で答えるディアボロ。
「「鵜飼いの鵜ねぇ……ぷくく」」
目の前の男が紐で縛られて川を泳ぐ光景を頭に浮かべたフランと美鈴は、思わず噴き出してしまった。
「わ、笑うな! 本当の事だったんだからな!」
「わかった。わかったわ。ところで、あなた目の前にいるムキムキマッチョのことについて何か知っているみたいね」
美鈴は笑いをこらえながら、視線をスタープラチナへと流す。
ディアボロは、スタープラチナを見ると、頷き目の前の事態について話すことにした。
そうした方が、自分に得だと思ったからだ。
「あれは、スタープラチナ。最強クラスのスタンド使い、空条承太郎のスタンド……の記録だ」
「記録? 何それ」
美鈴の隣に立つフランが首を傾げた。
頭の上に疑問符を浮かべるその表情が実に無邪気で可愛らしい。
「本来、スタンドは同じものが二つも存在することはありえない。だが、俺がいた所、奇妙なダンジョンの中ではそのスタンドが記録という形で存在していたのだ」
「なるほど……さっぱりわからない」
真顔で頷くフラン。その表情からはディアボロが何を言っているのか本当に理解していないようだ。
「ある記録は独立して動き、襲い掛かる。ある記録はDISCという形をとり、またある記録は俺の手助けをしてくれた」
「なるほど……で、私の目の前にいるのが、あなたが言っている襲い掛かってくる記録、と」
美鈴はディアボロが言っている事が少し理解できたらしく、頷いている。
「惜しいな。今回のケースは特殊だ。本来DISCを装備するには適正っていうのが必要だ。適正が無いとDISCは身に着けることはできない。お前の場合は中途半端に適正があるから、DISCの中のスタンドが暴走しているだけだろう」
ディアボロはスタープラチナへと歩み寄る。
「こいつを倒すことが出来れば、お前の頭に中途半端に刺さっているDISCが抜ける……たぶん。俺は目の前のこいつを倒してそのDISCを貰い受ける。」
持っている『エピタフのDISC+99★8』を攻撃用に、『メイドインヘヴンのDISC+3★5』を防御用にセットしてスタープラチナへと歩を進める。
あと一歩で射程距離内に入る。
美鈴とフランの二人はそれを見守る。
そしてディアボロが一歩を踏み出したとき、カチリという音がした。
「まさか……」
ディアボロの背筋に怖気が走った。
バシ! と物騒な音がしてディアボロの頭からDISCが三枚、飛び出す。
こんなところにホワイトスネイクの罠があった。
「何でこんな所にイイィ―――z___ッ!」
「オラァァァーッ!」
スタープラチナの拳が振るわれる。
「オラオラオラオラオラオラオラ……オオオオラァァーッ!
スタープラチナの拳が流星群のようにディアボロに降りかかる。
ディアボロは、死んだ。
「さて、どうしますかね……咲夜さんにばれる前に何とかしないと……」
美鈴は、門の前で仁王立ちを続けるスタープラチナを前に腕を組んで考え事をしていた。
「どうしようかな~ディアボロって人の言うことには美鈴の頭に刺さっているものが原因だとか……」
フランも、日傘をくるくる回してスタープラチナを見る。
二人の視線を浴びるスタープラチナは、仁王立ちのまま動かない。
「このまま立ち尽くしていてもしょうがないですね」
美鈴が、一歩前に踏み出した。
スタープラチナも、一歩前に踏み出す。
(私とスタープラチナの拳の力は互角……ならば狙うべきは蹴りの一撃……蹴りの威力は拳の数倍ッ! 大きな隙を作り出して蹴りの一撃を叩き込み相手の動きをとめ……最強の一撃を叩き込む!)
一気に、美鈴が走り出した。
左の拳を握り締め、一気に引く。
右の拳を開き、前に突き出す。
「せいやッ!」
美鈴が左拳を振るうのと、
「オラァッ!」
スタープラチナが拳を振るうのはほぼ同時だった。
二つの拳は正面衝突し、威力を相殺する。
「まだッ! 手数で勝負だ! 虹符『烈虹真拳』!」
続けて美鈴はスペルカードを発動し、気を込めた正拳を乱打。
「オラオラオラオラ!」
スタープラチナも、負けじと拳の弾幕を放ち、一つ一つを受け止める。
美鈴は、確信した。この拳の打ち合いの後、必ず相手に隙が出来ることを。
しかし、その確信は覆された。
「スターフィンガー!」
突然伸びてきたスタープラチナの人差し指に、肩を貫かれて。
「なっ……」
大きく姿勢を崩した美鈴の目の前で、スタープラチナは拳を後ろに引く。
強力な一撃を叩き込むつもりだが、今の美鈴にそれを回避する術は無い。
美鈴は、骨が3、4本折れることを覚悟した。
「隙あり! 禁忌『レーヴァテイン』!」
拳が振るわれんとするとき、フランが赤い剣で乱入してきた。
地面に叩き付けられた巨大な剣は、スタープラチナを吹き飛ばすだけでなく、周囲の木々も吹き飛ばし、霧の湖に大きな水柱を作り上げる。
「美鈴、大丈夫?」
手元の剣を消し、フランは肩から血を流す美鈴に駆け寄る。
「これ位の傷、咲夜さんに突かれるのに比べたらなんてことありませんよ」
美鈴は立ち上がり、砂煙の向こうにいるスタープラチナを見る。
「さて、これだけ大きな音を立ててしまったから、次で決めないといけませんね」
呼吸を整え、体に流れる気を両腕に溜める。
そして、走り出した。
砂煙を払って、スタープラチナの拳が美鈴に迫る。
拳が美鈴の胴に突き刺さる。
が、美鈴は怯まなかった。
「熾撃『大鵬墜撃拳』ッ!」
気をまとった拳が、スタープラチナの胴に入った。
すぐに全身を使ったタックルを入れ、スタープラチナを浮かせる。
最後に、渾身のアッパーでスタープラチナを空高く吹き飛ばす。
ガシャン、と何かが外れる音がした。
スタープラチナの姿は、空に溶けて消えた。
「フゥーッ」
深く息を吐き、美鈴はキメのポーズをする。
「これがあのピンク色の人が言ってたDISCだね」
フランが、美鈴の足元に落ちているDISCを拾った。
少し角度を変えると、DISCの面にスタープラチナの顔が映る。
「ねー美鈴、これどうする?」
「そうですね。妹様の好きにしてください」
そう言われて、
「それじゃぁ、そーれっ!」
フランはDISCを高く放り投げた。
小さな手を開くと、そこには淡い球体が。
「ぎゅっとして……どかーん!」
それを握り締めると、夕焼けの空に放り投げられたDISCは、白銀の花火になった。
←to be continued...
EDテーマ ふぉれすとぴれお『彼女が一番少女なのか?』
美鈴は、門の前で仁王立ちを続けるスタープラチナを前に腕を組んで考え事をしていた。
「どうしようかな~ディアボロって人の言うことには美鈴の頭に刺さっているものが原因だとか……」
フランも、日傘をくるくる回してスタープラチナを見る。
二人の視線を浴びるスタープラチナは、仁王立ちのまま動かない。
「このまま立ち尽くしていてもしょうがないですね」
美鈴が、一歩前に踏み出した。
スタープラチナも、一歩前に踏み出す。
(私とスタープラチナの拳の力は互角……ならば狙うべきは蹴りの一撃……蹴りの威力は拳の数倍ッ! 大きな隙を作り出して蹴りの一撃を叩き込み相手の動きをとめ……最強の一撃を叩き込む!)
一気に、美鈴が走り出した。
左の拳を握り締め、一気に引く。
右の拳を開き、前に突き出す。
「せいやッ!」
美鈴が左拳を振るうのと、
「オラァッ!」
スタープラチナが拳を振るうのはほぼ同時だった。
二つの拳は正面衝突し、威力を相殺する。
「まだッ! 手数で勝負だ! 虹符『烈虹真拳』!」
続けて美鈴はスペルカードを発動し、気を込めた正拳を乱打。
「オラオラオラオラ!」
スタープラチナも、負けじと拳の弾幕を放ち、一つ一つを受け止める。
美鈴は、確信した。この拳の打ち合いの後、必ず相手に隙が出来ることを。
しかし、その確信は覆された。
「スターフィンガー!」
突然伸びてきたスタープラチナの人差し指に、肩を貫かれて。
「なっ……」
大きく姿勢を崩した美鈴の目の前で、スタープラチナは拳を後ろに引く。
強力な一撃を叩き込むつもりだが、今の美鈴にそれを回避する術は無い。
美鈴は、骨が3、4本折れることを覚悟した。
「隙あり! 禁忌『レーヴァテイン』!」
拳が振るわれんとするとき、フランが赤い剣で乱入してきた。
地面に叩き付けられた巨大な剣は、スタープラチナを吹き飛ばすだけでなく、周囲の木々も吹き飛ばし、霧の湖に大きな水柱を作り上げる。
「美鈴、大丈夫?」
手元の剣を消し、フランは肩から血を流す美鈴に駆け寄る。
「これ位の傷、咲夜さんに突かれるのに比べたらなんてことありませんよ」
美鈴は立ち上がり、砂煙の向こうにいるスタープラチナを見る。
「さて、これだけ大きな音を立ててしまったから、次で決めないといけませんね」
呼吸を整え、体に流れる気を両腕に溜める。
そして、走り出した。
砂煙を払って、スタープラチナの拳が美鈴に迫る。
拳が美鈴の胴に突き刺さる。
が、美鈴は怯まなかった。
「熾撃『大鵬墜撃拳』ッ!」
気をまとった拳が、スタープラチナの胴に入った。
すぐに全身を使ったタックルを入れ、スタープラチナを浮かせる。
最後に、渾身のアッパーでスタープラチナを空高く吹き飛ばす。
ガシャン、と何かが外れる音がした。
スタープラチナの姿は、空に溶けて消えた。
「フゥーッ」
深く息を吐き、美鈴はキメのポーズをする。
「これがあのピンク色の人が言ってたDISCだね」
フランが、美鈴の足元に落ちているDISCを拾った。
少し角度を変えると、DISCの面にスタープラチナの顔が映る。
「ねー美鈴、これどうする?」
「そうですね。妹様の好きにしてください」
そう言われて、
「それじゃぁ、そーれっ!」
フランはDISCを高く放り投げた。
小さな手を開くと、そこには淡い球体が。
「ぎゅっとして……どかーん!」
それを握り締めると、夕焼けの空に放り投げられたDISCは、白銀の花火になった。
←to be continued...
EDテーマ ふぉれすとぴれお『彼女が一番少女なのか?』
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