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日常に戻ってきた罪人達。 その1

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shinatuki

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前回の異変で大きな怪我を負った暗殺チーム一同は、しばらく働くのは無理と判断され家で療養生活をする事となった。
ボロボロだったリゾットも、大怪我を追ったギアッチョとイルーゾォも、地獄の医療施設できちんとした治療を受けた。
しかし比較的怪我のなかったメンバーは、数日の休みを置いてから普通に仕事に戻ることとなった・・・・が。
そのまま普通に仕事・・・とはいかなかった。その日の朝、突然映姫が家に突撃してきたのだった。
そしてそのまま、出勤は無しになり許されず一同はお説教を受けることになったのだ。
当然、寝たきりのギアッチョ、突然呼び出されアリスの下へ行っているイルーゾォ、動けないリゾット以外のメンツが、説教を受けることとなる。
数時間も続く長い説教、精神的にも、体力的にも一同は限界に追い込まれていた。
「まったく・・・、勝手な行動をした上大怪我をして・・・・・・始めに言ったでしょう!!命をないがしろにしてはいけないと!!
 アレは何も他の命だけではなく自身の命も含まれているのですよ?!それに妖怪相手に大暴れして・・・正当防衛とは過剰に傷つけすぎではありませんか?!」
一同がどんなに全身ボロボロだろうが気にせず、映姫の説教はつづく。
しかも全員、慣れない正座を強制され、足がもう限界である。
チラッと、横にいる
ソルベは仕方がなく、最後の手段を発動することにした。
「あー・・・、映姫さま。すみません。」
「何ですかソルベ!!まだ話は終わってませんよ!!」
怒り狂う映姫だが、ソルベは話を続ける。
「いやー、そろそろ昼飯の時間だなーって思いまして・・・。」
「何を言っているのです?!ふざけ・・・。」
激昂する映姫に対して、ソルベはへらへらとした笑いを浮かべて対応する。
「いやね、俺達はいいんですけど・・・・何せリゾットが。」
それを聞いて、映姫の表情が変わったのを一同が見逃さなかった。
「・・・リーダー、昨日食欲がないって、何も食べなかったよね。」
すかさず、ジェラートが追い討ちをかける。
「あぁ、せっかく早苗が作ってきてくれたのになぁ。わざわざ不慣れなリゾット作ってくれて。」
メローネがすかさずサポートし、その言葉の意味を強化する。
「点滴うってると確かに腹は減らないが、このままじゃ怪我が治る前に身体壊すんじゃねぇか?あいつ。」
プロシュートがあえて他人事のことのように、言う。
「それに・・・、リーダー、それでも仕事しようとしてますぜ?」
ペッシが真っ正直に言う、これは紛れもない事実である。
「リーダーである自分が仕事をサボって映姫さまに迷惑をかけるわけには行かないってよぉ。」
ホルマジオが、止めを刺した。
数秒間、映姫は固まるとすぐさま居間を飛び出していた。
その隙に、一同は財布と鍵を持ち、とっとと家から退散していった。

暗いくらい森の中、一軒の家が立っていた。
その周りでは、かわいらしい人形達が、洗濯物を干したり、花に水をやっている。
しかし、人形だけではない。その家のなかには、少女と男がいた。
「・・・ったく、怪我人を無理やり連れ出して・・・何するつもりだよ?」
残った腕で頬杖をつきながら、だるそうにイルーゾォは言う。
実際に体調は悪いのだろう、腕が一本無くしているのだから。
血もまだまだ足りないのか、血色の悪い彼の肌がさらに青白い。
「仕方ないでしょ・・・・、あんたの家までいろいろ持っていくのは大変なんだから。」
そう言ってアリスは、イルーゾォの座っているソファの横の机に、魔導書やら薬品やら、様々な物を置いていく。
そして、最後に人間の腕・・・いや、精巧に作られた、義手があった。
「あんたのこれ作るのに、毎日徹夜したんだから・・・・・・。」
そう言ってアリスはため息とつく。
その顔には疲労と同時に達成感が浮かんでいた。
「無理すんなよ・・・、腕の一本くらいなくても・・・・。」
フラフラとした様子のアリスに、思わずイルーゾォはそう零す。
「何言ってるのよ馬鹿!!大体あんたの為じゃないんだから!!腕が一本ないあんたを見るのが私が嫌なだけよ!!」
疲労のせいで頭が回らないのか、アリスは滅茶苦茶な事を言っていた。
だが、それでもイルーゾォは、アリスが自分の為にそれほどしてくれたのが、嬉しかった。
「・・・・何ニヤついてんのよ。」
どうやら笑ってしまったらしく、アリスはイルーゾォを見て怪訝な顔をする。
「別に・・・、昨日見たお笑いを思い出しただけだよ。」
そう言ってイルーゾォは自分の笑いを誤魔化した。
「ふーん・・・、ま、いいわ。義手をつけるから動かないでよ。」
アリスはそう言い、イルーゾォの服に手をかける。
「お・・・・おいアリス!!」
イルーゾォはその行為に、顔を真っ赤にして大慌てする。
「何よ、別に見られて恥ずかしいほど立派な身体してないでしょあんた。」
「ひでぇ!!」
「・・・腕一つじゃ脱ぎにくいでしょ、ほらばんざーいってしなさい。」
イルーゾォはしぶしぶ両腕を上げ、アリスに身を任せた。
上着を脱がされ、薄い胸板が晒される。
そこには、先ほどの事件で負ったであろう怪我の跡やあざが浮かんでいた。
「痛くないの?」
アリスはそう呟いて、その傷跡を撫でる。
その仕草に、イルーゾォは高鳴る心臓を必死に押さえる。
「別に、こんなの昔から普通だし。今回は軽い方だよ。」
冷静を装って、淡々とイルーゾォはアリスに告げた。
そう・・・と呟いて、アリスは机においてある器具に手を伸ばした。
アリスはイルーゾォの切れた腕に巻かれた包帯を外す。
そして自分の作った義手を、そこにはめる。
「―――、・・・・・。」
そしてぶつぶつと呪文を呟きながら、義手とイルーゾォの腕のつなぎ目に、指で文字を書いていく。
「っ・・・・!!」
イルーゾォはないはずの腕が痛み始めるのを感じた。
「かなり痛いから我慢しなさいね。」
「は・・・っ!!早く言え・・・っ!!」
脳に直接響く痛みに、イルーゾォは悲鳴を押し殺す。
噛んだ唇からは、血がにじみ出ていた。
「行くわよっ!!しっかり気を持ちなさい!!」
アリスの手から、眩しい白い光が送り込まれる。
それに反応し、ルーンなどの魔術文字が義手に浮かび上がる。
「ぐああっ!!・・・・っ・・。」
全身を食いちぎられるような痛みに、ついにイルーゾォは気を失ってしまった。
「・・っ!!イルーゾォ!!」
アリスは大慌てでイルーゾォの様子を見るが呼吸もしているし心臓も動いている。
アリスは人形を操り、気を失っているイルーゾォに毛布をかける。
そして、その隣にちょこん、とアリスは座る。
家の中には、家事をする人形達の音しか、しない。
隣に座るイルーゾォの体温を感じながら、アリスが思い出すのは先ほど言ったイルーゾォの言葉だった。


『別に、こんなの昔から普通だし。今回は軽い方だよ。』


「そう言えば、私あんたの事何も知らないのね。」
誰に言うとでもなく、アリスはぽつり、と呟いた。

「はい、ギアッチョ。あーん。」
笑顔でレティがギアッチョに食べ物を差し出す。
「・・・・・・・・・・・。」
それを見て、ギアッチョは何のリアクションも起こさない。
普通ならここで大いに照れて、見事なツンデレっぷりを発揮するはずである。
だが、ギアッチョは無表情にその光景を見つめていた。
部屋の温度は、レティが苦痛であろうほどに暑い。
何故なら、レティの隣にはコンロにかけられた土鍋があるからだ。
中身は、地獄鴉も泣いて逃げ出すあつあつおでんである。
ぐつぐつと音を立てて沸騰しているそれは、間違いなく南極条約違反ものだった。
「・・・・・・なぁ、あつあつおでんって病人に食わせる物だったか?」
「あら、ギアッチョ。これはおでんじゃないわ。関東炊きよ。」
「メローネの持ってる漫画みたいなこと言ってんじゃねぇよ!!クソッ!クソッ!!」
キレるギアッチョにお構いなく、レティはその顔におでんを押し付ける。
ちなみに具はたまごである。味はしっかり染みており、適度な温度で食べればとても美味しいだろう。
だが、それは今や凶器と化していた。
灼熱のつゆにより高温に温められたそれは湯気を放ちながらギアッチョに迫っていた。
「はい、ギアッチョ。あーーん。」
「っ・・・・。」
スタンドを発動させて玉子をさまそうとも考えたが、どうやらスタンドパワーを根こそぎレティに取られているらしい。
周りの空気は、一向に冷たくならなかった。
「・・・・・レティ、大体何そんな怒ってんだよ・・・。」
ギアッチョの言葉に、さらにレティは怒りを募らせる。
どんどん、周りの空気の温度が冷たくなっていく。
「何怒ってるかですって・・・・・・・・?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・と、大気を震わせる音が、部屋に響き渡った。
「無茶してこんな大怪我して・・・・・!!これじゃ私がいる意味がまるでないじゃない・・・・!!」
バキィッ!!と、レティの持っていた箸が砕け散る。
「もしまたこんな大怪我してみなさい・・・・・!!氷付けにして保管しちゃうんだから!!」
そう言ったレティの目には、涙が浮かんでいた。
それを見て、思わずギアッチョもギョッとする。
「な・・・・泣くなよ!!もうこんなヘマしねえからよ・・・・!!」
「本当・・・・?」
目元を赤くしたレティを見て、ギアッチョはうなづく。
「あぁ、約束するって!!」
そう言ってギアッチョは、必死に、泣くレティをなだめ続けた。

妖怪の中には、店を営む物がいる。
人間とは違い、それほど彼らに物質的な欲はないがお金はあるに越したことはないからだ。
そんな店の中に、夜雀の屋台がある。
彼女の名前はミスティア・ローレライ。普段は人間にちょっかいを出すたちの悪い妖怪なのだが、店を出しているときはそうではない。
店の女将として、人間にも負けずに今日も頑張っている。
そのおかげか、彼女の店には常連も多い。
今日来た二人のお客は、最近また出来た常連のお客だった。
「っつぁー・・・・、マジやばかったな今回はマジで・・・・・・。」
そうぼやいて、プロシュートはヤツメウナギの蒲焼を齧る。
適度に油の落とされたうなぎはしつこくなく、甘辛いたれとよく合っていた。
プロシュートの隣では、同じようにペッシがウナギに舌鼓をうっていた。
「兄貴、もう一杯頼んでも言いですかい?」
「おー、飲め飲め。今日はいくら頼んでもいいぞ。」
「へい!女将さん!もう一杯!!」
「はーい。」
和服を着たミスティアが、一升瓶を開け、ペッシのグラスに日本酒を注ぐ。
「それにしても、今回は大変だったのねぇ。まぁ、私みたいな一妖怪には関係ないけど。」
そういいながら、ミスティアは鰻を焼き始める。
「おいおい、人事だと思って勝って言うなよ?お得意様が減るんだぜ?」
「そうは言っても幻想郷ではそれほど珍しいことじゃないからね。まぁ、最近は人食い妖怪も減ったけど。」
彼女は妖怪の中では若い方だが、人間よりは長く生きている。
意外と聞き上手なこともあいまってか、彼女は中々貫禄のある女将だった。
「ん・・・・・・、もうこんな時間か。」
ふとプロシュートが腕時計を見てみると、既に飲み始めてから三時間はたっていた。
明日は普通に仕事に行かなければならないのだ、深酒は良くない。
グラスに残った日本酒を、ぐいーっと一気に飲み干す。
「あぁー・・・、前にも日本酒は飲んだことがあったが、あんまりその時はうまくなかったな。」
「それはイタリアだったからじゃないですかい?やっぱりその土地で食べたり飲んだりすると、大分違いますからね。」
何倍も日本酒を飲みながらも、平然としているプロシュートに対し、ペッシの顔は赤い。
「こんくらいで酔うなんてお前もまだまだだなぁ、ペッシ。またこりゃ特訓が必要だなぁ。」
「ひっ・・・・!!勘弁してください兄貴!!」
ケラケラと笑うプロシュートに、情けない声を上げるペッシ。
「ちょっと!お勘定!!」
そのまま立ち去ろうとした二人に、ミスティアは声をかける。
振り向いて、プロシュートは一言こういった。
「つけておいてくれ、八雲紫に。」

「おい、ジェラート・・・まだか?」
「待って・・・・・、もうちょっと。」
ソルベとジェラートの二人は、妖怪の山をテクテクと歩いていた。
ジェラートは何やらノートにずっと何かを書きこんでおり、ソルベは何やら大きいバッグを肩から提げている。
「うん・・・・、ここは終わった。でも、まだ上の方にあるみたい。ソルベ、新しいノート頂戴。」
ジェラートはソルベの方を振り向かずに、ノートを渡す。
ソルベはそれを鞄に仕舞い、鞄の中からあらたなノートを取り出す。
鞄の中には、ぎっしりと同じノートが詰められており、真ん中の色違いのノートで使用済みのものと未使用のノートが分けられていた。
「・・・ほらよ。」
「ありがと。」
この状態になったジェラートがどうにもならない事は、ソルベは分かっている。
今のジェラートは、スタンドが発現した状態である。
だが、肝心のスタンドビジョンがどこにあるからソルベにもまったく分からなかった。
ジェラートのスタンドは、複数の能力を持つスタンドである。
バオーの能力も関係しているのだろうか、成長が早く、反則的な能力を持つ。
だが、その一方で能力を使うのに制限や条件も多数多い。
「あー・・・、何で幻想郷はこんなに『曲』が多いのさ・・・・・。しかもオリジナルばっかだから後が大変だ・・・。」
そうぼやきながらも、ジェラートのペンは止まらない。
そのノートは、五線譜の書いてある音楽用のノートだった。
ジェラートは淀みなく、そこに音符や記号を書き入れていく。
「よしっ!これでここは終わり!!」
そう言ってジェラートは、筆を止める。
そして、一番曲の始めのページにこう書き入れた。
『厄神様の通り道』
「で?ジェラート。山はこれで終わりか?」
うんざりした調子で、ソルベはジェラートに聞く。
家を出て数時間、ジェラートはずっとこの調子だったのだ。
スタンドが再び出せるようになってはしゃいでいるのにしても、付き合わされる自分はたまったものではない。
だが、そんなソルベの元に、不幸の元が降りてきてしまった。
「あやややや、お二人とも、どうしたのですか?」
「げぇっ!!射命丸!!」
ソルベは思わず情けない声を上げる。
彼らは他のメンバーより長く幻想郷にいたため、この記者の事は良く知っていた。
だが、ソルベは別に、彼女に記事にされることを恐れたわけではない。

「君・・・・・・・。」
ゆらり、とジェラートが動く。
「はい・・・・っ?!」
次の瞬間、文はジェラートの顔が、異常に自分に近づいている事に気がついた。
童顔とも言える甘いマスクが、ずいっと彼女の目の前に広がっている。
人工的な色をしたジェラートの瞳が、彼女の瞳をまっすぐ捕らえていた。
幻想郷の少女にはよくある事だが、男性への耐性のない文は、思いっきり動揺してしまう。
「ソルベ、確保。」
だが、それが油断を生んでしまった。
ジェラートの言葉を受けて、ソルベが見事な動きで彼女の背後を取る。
「悪いな。」
そして、トンッと優しく文の背中に掌を押し付ける。
次の瞬間、文の全身から、力が抜けた。
「なっ・・・!!」
もちろん、文はすぐさま抵抗しようとする。
力が抜けていようが彼女は妖怪である、人間二人くらいたやすく始末できる、と思ったからだ。
だが、それは間違いだった。
「おーっと、無理に動くんじゃねぇよ。」
ソルベは彼女の身体に波紋を流した後、すぐさま彼女の両手を後ろで拘束する。
そしてその喉元に、ナイフをつきつけた。
「な・・・なんですか!!私はレーションも持ってませんし何の情報もありません!!」
突然の仕打ちに、文は混乱して訳のわからないことを口走る。
「俺だって別にダンボールに潜りたかったりツチノコを食べたりはしねーよ。ただ、ちょーっと時間が欲しいだけだ。」
そう言って、ソルベはため息をつく。
人が既に文を拘束している間にも、ジェラートはノートに曲を書き始めているようだった。
「ソルベ!!しばらくそのままでね!!この子七曲も持ってる!!」
そう言ってジェラートは一心不乱にペンを滑らせる。
その様子を、呆気に取られながら文は見ていた。
「・・・・いや、マジでわりぃな。後で取材に協力してやるから悪く思わないでくれ。」
「は・・・はぁ・・・・・。」
拘束しながらも本気で謝るソルベに、文は戸惑いの声を上げた。
「いやさぁ、この間魔理沙の奴の『曲』を採譜してた時にあんまり曲数が多いから時間がかかったんで逃げられちまってよ。
 それでジェラートの奴、とにかく『静かにさせて採譜する』って思ったらしくて・・・・・・・。」
そう言って、ソルベはため息をつく。
「あ・・・、あの・・・、話がつかめないのですが・・・・・。」
「・・・・今やってるのはこいつのスタンドの能力を使うのに必要な作業でな・・・・。
 ま、あんまり困らない範囲でならあんたに多少能力を教えてやるから、記事にでもしてくれや。」
「は・・・はい・・・・・・。」
マイペースなソルベとジェラートにとまどいながら、しばらく文はそのまま二人に拘束されたままになっていた。

そして、一同の見事に策略に乗せられ、映姫はリゾットの部屋の前まで来ていた。
「こ・・・ここがリゾットの部屋・・・・。」
ごくり、と映姫は喉を鳴らす。
どんな部屋なのだろう、地味だろうか?
シンプル?意外と何かのポスターとか貼ってあるとか?
こんこん、と乙女な期待と不安で胸を膨らませながら扉を叩いた。
「はいー?どなたさまですかー?映姫様が来たって・・・・・・。」
だが、中から足音とともに聞こえてくる女性の声。
扉を開けて出てきたのは、エプロンをつけた緑色の髪の少女、東風谷早苗だった。
どうみても奥様は女子高生です、本当にありがとうございました。
「キシャーーーーーーーーっ!!!」
「え?!えっ?!わ・・・私何かしましたか?!」
行き成り映姫に威嚇されて、早苗はビクッと怯える。
「うがーーーー!!キシャァァァァァッ!!」
威嚇を続ける映姫に早苗は困り果て・・・・・・。
「藍さーん!!慧音さーん!!助けてくださーい!!」

さなえは たすけをよんだ!!

リゾットのよめB があらわれた!!

リゾットのよめC があらわれた!!

やまだは めのまえが まっくらになった!!


「さなえちゃんどうしたのー?」
「誰かきたのかー?」


だが、次の瞬間聞こえた子供の声に、映姫はハッとする。
「あぁ、皆ごめんね。行き成り閻魔様が来たからびっくりしちゃって・・・・。」
そう言った早苗の後ろには、たくさんの子供達がいた。
よくよく見てみると、それは人間の里の子供達だった。
「ほら、皆閻魔様に挨拶しろ!」
慧音にそう言われて、子供達はいっせいにこんにちはーと元気に挨拶をした。
「あ・・・、はい、こんにちは。」
子供達に挨拶をされ、映姫は優しく微笑みながら挨拶を返した。
「すみません、この子達がどうしてもリゾットに会いたいと・・・・・。」
慧音はそう言って、映姫に頭を下げる。
とうのリゾットは怪我人だというのに、ベッドの上に横たわって子供達人数分の林檎を切っていた。
藍もその横で、それを手伝っている。
「・・・・・ところで、あなたと式神は何をしているのですか?」
出来るだけ殺気を抑えながら、映姫は早苗に質問する。
「あ!はい!!私と藍さんはリゾットさんがこんな状態なんで家事をお手伝いしてるんです!!二人とも時間が空いたときだけですけど・・・・・・・・。」
ぐっと拳を握って早苗はそう言う。
やられた、これは日々閻魔として毎日出勤している自分には出来ない事だ。
「そ・・・、それは良い事ですね・・・・・。」
「はい!!困ったときはお互い様ですから!!」
しかも早苗は邪気はゼロらしい、本気の笑顔が眩しい。
(ま・・・まけては駄目です映姫!!ここは出来る上司としての威厳を・・・・!!)
「リゾット、調子はどうですか?」
「映姫様。」
「リゾットせんせー!!うさぎちょうだーい!!」
「私もー!!」
うさぎさん林檎を求める子供達にもみくちゃにされながら、リゾットはいつもの調子で答える。
「・・・・先に林檎を配りなさい。」
「・・・・ありがとうございます・・・・こら大吉、小雪の林檎を取るな。夢太、お前は二個目だろう。一人一個だ。」
どうやらリゾットにお見舞いの林檎を持ってきたが、皆で食べる事にしたらしい。
「はい、閻魔様もどうぞ!」
「あ・・ありがとうございます。」
子供に進められて、映姫も林檎を齧る。
リゾットはどうしてこんなことになっているのか説明する。
「この林檎藍が持ってきてくれました。幻想郷ではもう林檎の時期は過ぎていますから子供達が欲しがってしまって・・・・。」
それでリゾットと藍は大慌てでうさぎりんごを量産していたらしい。
怪我人だというのに相変わらず苦労しているようである。
「あのー?そろそろいいかしらー?」
突然、空間にスキマが開く。
そこから、顔を出したのはスキマ妖怪、八雲紫だった。
「・・・・あぁ、すまない。世話になったな。」
慧音は素直に、紫に礼を言う。
おそらく、子供達を山の中腹にあるここまで連れてきたのは彼女なのだろう。
「おや、珍しく善行をつんでいるようですね。」
「げっ・・!!あ・・・・、あら映姫様、おほほほほほ。」
映姫の姿を見つけ、紫は思わず呻くが、すぐに態度を改める。
そんな紫を、映姫はジト目でみていた。
「ほ・・ほら皆ー、かえりましょー?藍!行くわよ!!」
「あ・・・ちょ・・紫様?!」
紫はおお慌てで、その場から退散する。
「さ!皆!!リゾット先生もお前らの相手して疲れただろうから、帰るぞ。」
「えー。」
「けーね先生のケチー!!」
慧音は文句を言う子供達を、慧音は一人一人ひっつかみ、紫のスキマに放り込んでいく。
そして最後の一人を放り込み、ふう、とため息を付いた。
「それではリゾット。早く復帰して、また歴史の話を聞かせてくださいね?」
先ほどとうって変わって優雅な仕草で微笑み、慧音はスキマに潜っていった。
「ほら、藍!!」
「あぁー・・・、そんな殺生なぁ~!!」
涙目になりながら藍も、一刻もこの場から離れたい紫の手によって無理やりスキマに引きずり込まれた。
こうして、リゾットの部屋には早苗と映姫が残された。
だが。
「あ・・・・!!そろそろ戻らないと加奈子様に怒られちゃう・・!!」
ポケットから携帯電話を取り出し、時刻を確認した早苗が、途端に慌てだす。
エプロンを大急ぎで脱ぎ、鞄の中に詰め込む。
「り・・リゾットさん!!すいません!失礼します!!」
そう言って、早苗は大慌てで窓から飛び立った。
「早苗!!今度からはちゃんと玄関から出て行ってくれ!」
リゾットは平然とした様子で、それだけを去っていく早苗に注意した。
そして部屋には、リゾットと映姫だけが残された。
「やれやれ・・・・。」
そうリゾットはため息を付いて、ベッドに身体を預ける。
「まったく、騒がしいですね。」
「あぁ・・・、すみません。そこの椅子に腰掛けて下さい。」
苦笑いをする映姫に、リゾットは憂鬱な表情で彼女に勧めた。
彼の顔に浮かぶ疲労は、怪我による物だけではないだろう。
だが、変化が一つあった。
「リゾット・・・・・?子供に囲まれて、大丈夫でしたか?」
「はい、どうやら何とかなったようです。やはり、疲れますが。」
大量の子供にもみくちゃにされたと言うのに、リゾットは疲労しただけで、汗も流しておらず、動悸もなかった。
それを聞いて、映姫は母親のような優しい笑みを浮かべる。
「頑張りましたね、リゾット。」
「何というか・・・・、あれですね。ショック療法・・・でしょうか?」
どこか的外れなリゾットの言葉に、ふふっと思わず映姫は笑ってしまう。
微笑んだまま、映姫は会話を続ける。
「この調子だと、プロシュート達も相当心配したのでしょうね?」
「はい、意識が戻るなりプロシュートに説教されるわジェラートが泣きながら謝ってくるわメローネが何故かナース服で登場するわ・・・・。」
どうやら相当カオスな状態だったらしい。思い出した瞬間リゾットの顔にさらに疲労が浮かんだ。
「まぁ、今回は自分も無茶しすぎたので、しょうがないこと・・・です・・・・・・。」
映姫がふとリゾットの顔を見てみると、彼は疲労のせいか、どこか眠そうにうとうとしていた。
上司の手前、寝るわけには行かないと思って耐えていたのだろうが疲れ果てているのだろう。
もう限界らしく、必死に眠気と格闘しているのがすぐに分かった。
「・・・リゾット、怪我人なのだから無理しないで寝ても構わないのですよ?」
「しかし・・・・・・。」
「寝ないとお説教を始めてしまうかもしれませんよ?」
「・・・・・・ではお言葉に甘えて。」
映姫にそういわれて、リゾットは掛け布団にもぐった。
そしてしばらくすると、リゾットの寝息が、聞こえてきた。
「・・・・・・・・・・・。」
映姫はそぉっと、立ち上がり、足音を殺してリゾットに近づく。
リゾットはすっかり安心しきって気が抜けているのか、映姫が近づいてきてもまったく反応しない。
しっかり寝ているのを確認し、映姫は布団を少しずらし、リゾットの顔を覗き込んだ。
そこには、まるで少年のように邪気のない、リゾットの寝顔があった。
「・・・・・・・・・。」
映姫は無言で携帯を取り出し、シャッターオンをオフにし、連写モードでリゾットの寝顔を取る。
某ゲームだったら間違いなくフェイタルショットだろうという具合、見事なショットだった。
「ふふ・・・・・、ふふ・・・・・。うふふふふふ・・・・・・・・。」
怪しい笑いを浮かべる映姫。
池袋辺りの中古同人ショップで血眼で中古同人誌を漁ってるみたいな笑みだった。
「待ちうけに・・いや、バレてはいけません・・・・・。パソコンに取り込んで壁紙に・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・・。」
その頃、メローネは紅魔館の図書館に非難していた。
魔導書の製作をしているパチュリーの向かいで、ぼんやりとノートPCの画面を眺めている。
他のメンバーは、幻想郷の外だったり人里だったりと色々なところに非難していた。
仕事?今日は休む。
「・・・・・どうしたの、複雑な顔をして。」
不思議な香りのするインクの羽ペンで文字を書きながら、パチュリーはメローネに質問する。
「・・・・・いや、リーダーの部屋に仕掛けたカメラが・・・・・・。」
そう言いかけて、メローネははっとする。
どうやら、相当ぼんやりしていたらしい。
新型の超小型カメラとマイクが手に入ったので、せっかく皆の部屋に仕掛けたと言うのに、ばれたらしょうがない。
「・・・・イルーゾォの着替えシーンのムービーあげるから許して。」
「何でイルーゾォなの?」
「何だかんだ言ってあいつ怒ることは怒るけど、殴ったりはしてこないから。まぁ、マジでキレると一番性質が悪いんだけどね、そこまでいかないから。」
「だいたいわかった。」
パチュリーは、何となく暗殺チームのヒエラルキーを理解した、イルーゾォはへタレ、ぱちぇわかった。
「イケナイ!しきさいばんちょう・・・って感じだなぁ・・・。本当に探したらそう言う名前の同人誌ありそう・・。
 あ、ちなみに皆はロリっ子映姫様と、ムチムチ黒ストッキング大人映姫様どっちがいい?」
「誰に話しかけてるのよ?あの閻魔は男だったら割かし典型的な受けキャラよね。」
メローネの言葉にパチュリーは突っ込みポジションなのか、ボケポジションなのかよく分からない発言をした。
こうしてメローネは、対映姫様用の強力なカードを手に入れたとかなんとか。

そして、最後に、この男は。
「うぉー・・・・、もふもふだー。」
そう言いながらホルマジオは、幸せそうに先ほどホームセンターで買ってきた高い猫缶を開ける。
「満足したら帰れよー。」
文句を言いながらも、美味しそうに猫缶を頬張る橙。
ホルマジオはマヨイガで、橙の眷属の猫にふるぬっこにされていた。

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