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エイプリルフール

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 エイプリルフール。
 四月馬鹿と呼ばれるその日、幻想郷では仗助、億泰にナランチャ。そしてチルノや三妖精といった者たちが方々に嘘をついて回っていた。
 当然、なぜか人里にいた承太郎や慧音はそんな嘘に引っかからない。そして他の者たちも、「ああ、今日は四月一日か」となるばかりであった。
 それだけならば話はここで終わってしまう。
 しかし、その嘘に引っかかる人間、いや妖怪がいたのだ。その名は古明地さとり……心を読む程度の能力を持った少女だ。

 そんな彼女が何故エイプリルフールの嘘にひっかかるのか。それは数日前の邂逅に話は遡る。
 彼女は……永江衣玖に会ってしまったのだ。
 それはありえない邂逅、遥かな空に住まうものと遥かな地底に住まうもの……それが出会うとは一体いかなる運命なのか。それはレミリアの悪戯か、それともスキマ妖怪か。
 ともかく出会ってしまったのだ。

 そして出会った二人は成り行きで世間話をしていった。とは言うものの、二人の住まう場所は違いすぎるため、話題は必然と共通の人間……例えば紅白の巫女や白黒魔法使いと言った話になる。
 二人は言葉を交わすもののその途中でさとりは少し心を読んだりして、相手の機先を、別に争っていないのだが、取るようなことを言ったりしてしまった。そこに他意はない。
 しかし、さとりは彼女の心を読んでしまった……『空気読め』そう彼女は心の中でさとりに告げていたのだ。空気の読める衣玖さんは口には出さないがしっかりと彼女にその意思を伝えてしまったのだ。
 その後さとりは少し悩んだ。やっぱり自分は空気を読んでいないのだろうかと。

 そしてやってきた四月一日、さとりの元へやって来た仗助と億泰は告げるのだ。

「大変だ! お燐の毛の色が真っ白にッ!」

 当然心の読めるさとりはそれが嘘だとすぐに見抜いた。

「馬鹿なことを……」

 そこまで口にしてふと思い出したのだ。幾日前にであった永江衣玖の心の声、『空気読め』。
 た、大変だ~と慌てふためきながらお燐の元へ馳せ参じるふりをするさとり。そんな彼女を後ろで二人が笑っている。果てしてこれでよいのだろうか。
 ちなみにお燐はいつも通りの毛の色だった。

 次いでやって来たのはチルノと三妖精。

「大変だ! 嫉妬ばかりしていたパルスィについに春がッ!」

 当然、そんなことはあり得ないと心を読むまでもなく分かっているので、『パルスィ? 誰ですか?』とか『いや、別にどうでもいいし』なんてことは言わない。
 それはめでたい、すぐにお祝いに……とパルスィの元へ馳せ参じるふりをするのだった。そんな彼女を妖精たちが笑っている。
 何だかちょっとムカついた。

 そして騙される妖怪という噂を聞いてやって来たのはナランチャ。

「このお茶うまいぜッ! 飲んでみろよッ! アバッキオが淹れたお茶だぜッ!」

 当然空気の読めるさとりはこう言った。

「それは大変おいしそうなお茶ですね」
「そうそう、だからグィッと」
「だが断るッ!」

 心を読んでしまったらそんなお茶を飲めるわけがない。空気を読むにしても限度言うものがあるのだ。
 何だかとてもムカついた。この怒りを発散させなければいけない。

「ああ、そう言えば妹が家に飾る新しい死体がほしいと言っていましたね」
「え?」

 嘘に騙されるばかりがエイプリルフールではない。嘘をついて騙すのもまたエイプリルフールというものだ。
 そう、さとりは空気読んで嘘をついたのだ。

「そんなお茶を出してくれたお礼をしなければいけませんしね……フフッ」

 ニヤリと笑うとナランチャが小さくなって震えている。その表情にさとりはそそられた。
 もうエイプリルフールなんてどうでもよい。

「Let's弾幕タイム♪」



教訓:何事も程々に

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