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ルークの日記(テイルズオブジアビス)

登録日:2026/08/19 Wed 23:24:04
更新日:2026/08/29 Sat 02:03:46
所要時間俺達はこの項目が約 4 分で読めると信じている




※本記事は『テイルズ オブ ジアビス』の核心に触れる重大なネタバレが含まれています。ご注意ください。








































































23day,rem,rem Decan
ND 2018

 また退屈な一日が始まった。

【概要】

テイルズ オブ シンフォニア』には「あらすじ」という、ゲームの進行に応じてそれまでのストーリーをまとめた文章を閲覧できる機能があった。

本作であるテイルズ オブ ジ アビスにもその「あらすじ」に相当する機能があるのだが、こちらは『シンフォニア』の発展というべきか、
主人公であるルーク・フォン・ファブレ自身が書いた日記という形でこれまでのストーリーを振り返ることができる。

長大なストーリーに合わせてその分量も膨大であり、すべての章を解放した「あらすじ」はさながら一本の長編小説のよう。
久しぶりにプレイを再開した際のナビゲーション機能も兼ねており、日記の区切りとなる部分は「〇〇へ行こう」「〇〇をしよう」など、次の目的を示す文章で締めくくられていることが多い。

日記には章毎にサブタイトルが付けられており、中には「ひとり分の日だまり」や「立てられた十字架」と、主題歌である「カルマ」の歌詞から引用したものも。

こうした日記形式でストーリーの振り返りが出来る仕様は『レジェンディア』が前身であるが、本作の後にも『ラタトスクの騎士』、『ハーツ』、『エクシリア2』等に受け継がれている。
ただ、「ルークが日記を付けている」ことは後述の通りフェイスチャットで断片的にとはいえ本編中でも語られており、
後発作品の『日記風あらすじ機能』とは一線を画した、ルークというキャラクターを醸成するにあたっての影の重要ファクターとして作品に彩を添えている。

【作中における設定】



どうして?別におかしくはないけど
でもそうね、あなたが日記をつけるような性格だとは思わなかったわ

ふん
俺だってつけたくてつけてるんじゃねぇよ


ルークが日記を書いていることは劇中のフェイスチャットでも何度か触れられており、本編から切り離された設定というわけではない。
執筆者曰く「記憶障害が再発した時に困らないよう日記をつけろと医者に言われている」とのこと。
確かに物語前半のルークの性格からすると日記をつけるタイプには見えないが*1、本人もそのことを自覚しているのか、ティアにも自分が日記をつけていることを打ち明けるのに躊躇ったりした。
しかし、ティアは笑わないどころかそれを良いことだと言ってくれたためか、他の仲間が揃う中では日記について普通に打ち明けているシーンが見受けられる*2

ただ、物語中盤に、ルークは自分が六神将の一人である「鮮血のアッシュ」のレプリカであり、アッシュが「オリジナルルーク」という事実を知る。
レプリカは現実世界で言うところの「クローン」に近く、当然オリジナルとは明確に別人であるため、その記憶も受け継がれない。
ルークが記憶障害を起こしたと思われているのは、かつて彼が何者かに誘拐され、両親の下に戻された時には以前の記憶が無かったためであるが、
実際にはこの時、誘拐されたオリジナル(アッシュ)がそのまま返されたのではなく、彼から生成されたレプリカ(ルーク)が「ルーク」として両親の下に返されており、
ルークは記憶障害を起こして以前の記憶を失ったのではなく、レプリカ故に最初からオリジナルルークの記憶を持っていなかったというのが真相だった。

そのため、元々「記憶障害への対策」であった日記の習慣は緊急性が失われ*3、無理に付ける必要はなくなったことになるが、
習慣となっていたのか元々性に合っていたのかプレイヤーへの指針というメタ使命ゆえか、ルークは旅の終わりまで日記を書き続けていた。
これについては中盤のフェイスチャットで「いつか俺がもっと大人になって、この日記を見返した時に、変わったんだなって…そう思えるように頑張るよ」と述べている。
アンソロジードラマCDによると、基本的に就寝前に日記をつけているらしい。

また、ルークが日記を付けていない日はミュウが代わりに書くこともあるようだ。
ゲーム中ではアクゼリュス崩落後、アッシュ操作に切り替わっている部分の日記をミュウが書いている事が確認できる。
頭が良いとはいえ「魔物であるミュウが人間の文字なんて書けんの?」とツッコまれそうな設定で、実際ルークにもツッコまれているが、
それに対してミュウは共用語であるフォニック言語が書けると答えている(大昔にチーグル族の先祖がユリアから教わり、それを代々受け継いでいると思われる)。

ミュウの日記はルークのそれとは文体も変わり、このようにもじはひらがなとカタカナだけになり、ごびにですのがつくようになるですの。

ティア曰く「ミュウとルークは同じような字をしている」とのこと。ミュウの字が綺麗なのか、ルークの字が汚いのか…

ミュウ以外の他人には見せてはいないが、メンバーからは「今日はヴァン師匠(せんせい)がヴァン師匠(せんせい)でヴァン師匠(せんせい)だからヴァン師匠(せんせい)だった」(by ガイ)とか、
「今日の献立についての愚痴や希望」(by ジェイド)的な内容じゃないかなどと話のタネにされている。

プレイヤーがあらすじを確認する為のメタ機能だからと言えばそれまでだが、本編の複雑な人間関係や世界観、それをどうにかするための学術的な手段などについて実に平明に要約されており、
本編のやりとりが分からなくてもこれを読んでおけば概ね理解出来るつくりになっている他、それらに対する彼なりの考えも端的に添えられている。
これは序盤、主にティアから「自分で何も考えていない」と酷評された長髪時代からも同様で、
ルークは単に世俗や知識に疎いだけで地頭が悪いわけではなく、彼なりにしっかり考えて頑張っていることの証明にもなっている。
誤字脱字がやたら多いって?それは開発期間が短かったからでルークがズボラな訳ではない…たぶん。

【ルークの心情】

さてこのルークの日記。
システム上の名前は「あらすじ」だが、日記という形にしている以上そこには単なるストーリーの概略だけではなく、その時々のルークの生々しい心情が綴られている。

過酷な運命を背負ったルークが、旅の中で何を感じ、何を思い、何を考えていたのか。
本編での彼の表面上の台詞や振る舞いだけでは分かりにくいそれらも、誰にも見せないからこそ綴れる日記を読めば、それらをより深く知ることができるだろう。

たとえば、ゲーム内外で問題視されがちな親善大使時代の頁は、彼の焦りやメンバーへの不信感などでかなり過激な文面になっている。


以下、日記の内容を主に終盤からいくつか引用するのでネタバレ注意。

  ラムダスは父上からの命令で、みんなからの手紙を握りつぶしていた。
  くそ! 何が公爵家の人間としてふさわしいものと付き合えだ! 俺は……公爵家の人間なんかじゃない!
  ただの劣化品のレプリカだ……。
  役立たずのクズじゃないか……。

  これを聞いてナタリアが、陛下に旅立ちの許可を求めた。国際的な預言(スコア)の取り扱い方法を定めて、預言による愚かな行いを防ごうと言うことらしい。
  やっぱりナタリアは、俺なんかと見ているところが全然違う。俺はレプリカだから駄目なんだ…….

  残り少ない命になっちまったけど、でも俺、今ようやく生きてるなって思える様になった。
  死ぬのはやっぱり凄く怖いし、認めたくないし、想像するのも嫌なんだけど、みんなとは楽しい思い出を作っておきたい。
  残りの日記が、いいことだけで埋まりますように。

  ティアはもう自分に隠し事はしないでくれって言った。うん。これ以上ない秘密を知られちまったし、もう隠すことは……一つを除いて何もないよ。
  ありがとう、ティア。

  翌朝になったら、少しだけ気が楽になった。変だな。誰かと痛みを共有すると、申し訳ないのに、気持ちは楽になるんだな。

  俺は俺だ。消えることがわかって、俺はようやくそのことがわかった。
  いつだって誰かに認められたかったけど、本当に大事なのはそんなことじゃなかったんだ。
  アッシュ、わかってくれ。

  夜の海は凄く綺麗で、ティアもそんな感じで、だから俺は俺の本当の気持ちを言おうかなって思ったけど、やめておいた。
  俺は消えてしまうから。だけど、俺が死んでこの日記を見られたら、もしかしたらバレるかな? バレないように書いてきたつもりだったんだけど。

 そういえば、俺は出会ってから一度も、ティアが泣いたところを見たことがない。もしかしたらティアは俺が死んだ時も泣かないのだろうか。泣かないような気がする。泣いて欲しい訳じゃないけど、ただ何となくそう思った。


…のように、シナリオにおける彼の心境の変遷が巧みに描写されており、ひとつの読み物としても読みごたえのある文面に仕上がっている。
「あらすじ」を一度も読まず終わってしまう人もいるかもしれないが、時間がある際に一読してみる事を強くオススメする。





28day,Rem,Gnome Redecan
ND2018

 今日も昼過ぎに起きた。
 相変わらず何もやることはない。追記・修正することは何もない。

この項目が面白かったなら……\双牙斬!/

最終更新:2026年08月29日 02:03

*1 事実本人も面倒くさがっているが、医者の指示に従って習慣づけている。

*2 ルーク、ティア、ジェイド、アニスのパーティで戦闘に楽勝した場合の掛け合いのセリフより。

*3 突発的な記憶障害は誰にでも起きうることであり、その対策としての有用性は残るが、「一度深刻な記憶障害を起こした人」と「これまで起こしたことがない人」を比べれば後者の方が緊急性が低くなるのは自明の理である。