あの後結局やることがなく、得た能力をどんな風に使えばいいのかチェックして時間を潰した。
そして朝食も済ませ、ディアボロは亀の中に戻ってきた。
「(さて、今日はどこに行ってみようか?)」
紫をヘブンズ・ドアーで本にしたときに書かれていた内容を思い出す。
「(迷わず戻ってこれることを考えると、俺が行けるのは限られてくるな……)」
ディアボロは少し考え、そして決めた。
「(少し危険だが、地底に向かってみよう)」
ディアボロがそう思っていたそのとき。突然亀の中に誰かがやってきた。
その者は何が起きたのか分からず周囲を見渡すが、ディアボロを見つけると目を輝かせた。
ディアボロはそれを気にも留めず、その者の容姿を見る。
今まで見たことも無い少女。黄緑色の髪に、髪とほぼ同じ色の目をしているが、身体の何処から出ているのか分からない青い紐のようなもので繋がっている目のようなものが、彼女が人間ではないことを教えている。
その目は閉ざされているが、ディアボロはその目の正体を知っていた。
「(あの目は……確か『見た者の心を読む』目。だが、何故閉ざされているんだ……?)」
ディアボロが考えていると、少女はディアボロに話しかけてきた。
「やっと会えた!」
子供が欲しかった物を手に入れたときと同じ反応で話す少女。
ディアボロは冷静にソファーに座り、少女を見る。
「……名前は?」
名前さえ分かれば、『あの時』の記憶を思い出すことで正体が殆ど分かる。ディアボロはそれを分かっている。
「私は古明地(こめいじ) こいし。貴方を探しに幻想郷を飛び回っていたのよ」
その名を聞き、ディアボロは思い出そうとする。
「(こいし……駄目だ。あまり分からない。『心を読めないこと』と『地霊殿に住んでいること』、そして『姉が居ること』は分かっているが……)」
思わず自分の顔に手を当てそうになるが、それを自制してこいしとの会話をする。
「……どうしたの?」
「いや、なんでもない。それより、どうやって誰にも気づかれずにやってきたんだ?」
他人の記憶から探りだせないのなら直接聞き出すまで。そう判断したディアボロは、こいしに質問をする。
「『無意識』を操ってきたの」
「(……なるほど、こいつは自分の存在を『意識されなくなる』ことができるわけか)」
こいしの一言にディアボロは納得した。確かに自分の存在を『意識される』ことがなければ、簡単にここまで来ることができる。
「わかった。次の質問に移ろう」
こいしの能力を聞き出せたディアボロは、次の質問をする。
「何の為に俺に会いにきた?俺の姿を見たいからという単純なことじゃないはずだ」
ディアボロの質問にこいしは嬉しそうに答える。
「貴方を地霊殿に案内しに来たの。だって、貴方とても強いって聞いているし」
「地霊殿?どんなところだ?」
名前も知っているし、地霊殿がどんなところかも紫の記憶を見て分かっている。
だが、不自然に思われないためにどんなところなのかをこいしに尋ねる。
「行ってみてからのお楽しみ♪」
無邪気に返事をするこいし。
ディアボロは少し困りながらも次の質問をする。
「4つ目の質問だ。俺の存在を知ったのはどのくらい前だ?」
こいしは少し考えて返事をする。
「つい最近。天狗が話しているのを聞いたの」
「(意外だな。地底にはまだ俺の存在が知られていないようだ。情報の交流があまりないということか)」
ディアボロは内心驚きながら、こいしの話を聞く。
こいしによれば、天狗の会話を聞いた後、ディアボロについて天狗の集落で調べたようだ。
その後、何度か会おうとしたものの、ディアボロが亀の中にいたり(どうやらこいしには『亀の中に居る』と思わなかったようだ)、どこかに出かけていたりしていたため、こいしはディアボロに会うことができなかった。
しかし、先ほど偶然にもディアボロが亀の中に入る瞬間を目撃したため、後を追って亀の中に入ったようだ。
「なるほど、お前がここにきた理由はわかった」
ディアボロは腕を組んでこいしを見る。
「それじゃあ、地霊殿に来てくれるの?」
こいしは期待を込めてディアボロに尋ねる。
「ああ。一度地底に行ってみたかったからな」
そう言ってディアボロはソファーから立ち上がり、亀の中からでる。こいしもその後を嬉しそうに後をついていく。
「ここが地底の入り口か」
ディアボロはジャンピン・ジャック・フラッシュで浮遊した状態で、周囲を見渡しながらこいしに尋ねる。
「そのとおり。……気をつけて。私の能力で今貴方は『意識されていない』けど、帰りはそうはいかないよ」
こいしは返事をし、ディアボロに警告をする。
そして二人は地底へと進みだす。
岩を回避し、妖精に当たらないように進み、妖怪のそばを通り過ぎ。
進んでいくと、地底の都市についた。
「……地底にこんな場所があったとは」
紫の記憶で知っていたとはいえ、驚きを隠せないディアボロ。
そしてふと、ぬえが地底について話してくれたことを思い出す。
「ねぇ、ディアボロ」
「なんだ?」
いつものように亀の中に入ってきたぬえ。
ディアボロの隣に座ると、彼にあることを聞いた。
「もし地底に妖怪が住んでいるっていったら……ディアボロはどう思う?」
ディアボロは少し考える。
地底に妖怪が住んでいることも、地霊殿の存在も知っていたが、あえて知らない振りをして会話をする。
「……居てもおかしくないと思うな」
ディアボロの答えに、ぬえは笑顔で会話を続ける。
「私はかつて地底に居たことがあるの」
「…………」
その言葉にディアボロは無言になってしまう。
どうやらぬえはびっくりして無言になったと思ったのだろう。さらに話し続ける。
地底には強力な力を持った妖怪が沢山居ること
『鬼』と呼ばれる妖怪が地底に居ること。
色々なことを話してくれた。
笑顔で話すぬえを見て、何故かドッピオのことを思い出した事も覚えている。
何で思い出したのかは分からないが……。
「(ドッピオは今……どうしているんだろうか……)」
ディアボロは少し考え、「(わかるはずがないな……)」と考えるのをやめる。
そして、こいしに話しかける。
「ここがどんなところなのかは大体知っている。俺の知り合いが教えてくれた」
「だったら、説明は不要ね」
ディアボロの言葉にこいしは納得し、二人は地霊殿に飛ぶ。
旧都から地霊殿に移動するのに、さほど時間はかからなかった。
「ここか」
ディアボロは地霊殿の扉を開き、中に入る。こいしも後からついていく。
「(……今のところ、誰の気配も感じないな)」
そう思いながら地霊殿を歩いていくディアボロ。そしてその後を低空飛行しながら追いかけるこいし。
「(静かだな……)」
ディアボロはスケアリーモンスターズを発動させ、聴覚と嗅覚を強化し、移動を再会する。
「こいし、お前のところはいつもこんな感じ……ん?」
ディアボロがこいしに質問をしようとしたとき、彼は何かの『におい』に気がついた。
「(このにおいは……動物の……犬や猫のにおいか?他にも嗅いだことの無いにおいもする)」
「どうしたの?」
こいしは、ディアボロが途中で台詞を言うのをやめたことに疑問を感じて、彼に質問をする。
すると、ディアボロは振り向いてこいしを見ると、逆に質問をした。
「こいし、お前のところでは犬や猫か何か飼っているのか?」
「うん。猫や鴉や……」
「……ああ、猫みたいな奴は居るな。向こうに見える」
こいしのセリフを遮るように喋るディアボロ。
こいしは不思議そうにディアボロが見ている方向を見ると、猫が向こうからやってきた。
いや、よく見ると普通の猫ではない。人に近い姿をしており、周囲には何か人魂のようなものがいる。
その人型の猫はディアボロとこいしに気づくと、二人に近寄ってきた。
警戒するディアボロ。そしてディアボロはその『猫』に質問をする。
「誰だ?」
「それはこっちが聞きたいんだけどなぁ……」
その『猫』はディアボロの質問に呆れる。対するディアボロは警戒を解かない。
「私はお燐。おじさん、こんなところまでこいし様を連れ帰してきてくれたのかい?」
「こいしに興味を持たれた、と言うのが正しいな」
そう言いながらディアボロはスケアリーモンスターズの能力を解除するが、警戒を解かない。
ディアボロは一枚のDISCをケースから取り出し、装備していたスケアリーモンスターズのDISCと交換する。
「そう!彼、とっても強いらしいよ!」
そう言って無邪気に話すこいしの言葉に反応するかのように、ディアボロの警戒心がさらに強まる。
「へぇ、それは楽しみだねぇ」
お燐の言葉に、ディアボロの警戒心が益々強くなっていく。
「せっかくこいし様に気に入られたんだ、一緒に暮らさないかい?そうだ、『怨霊になれば』こいし様とずっと一緒に居られるよ?」
今のセリフにコメントをするなら、『一言余計だった』だろう。
お燐に取っては冗談交じりだったのかも知れないが、ディアボロからすれば『宣戦布告』と思われてもおかしくない。
「……躾のなっていない猫だ」
ディアボロがそういった直後、彼の雰囲気が一変した。
その突然の変化に、こいしは驚きながらディアボロから離れる。
「こいし。ペットの躾ぐらいきちんとやっておけ。でないと……」
ディアボロがそう言った直後、突然こいしとお燐の目の前からディアボロが消えた。
キング・クリムゾンで時間を消し飛ばしたのだ。
「来客に失礼だ」
自分の背後から声が聞こえたことに嫌な予感を感じたお燐は、とっさに前にジャンプして振り返る。
その判断は正しかった。ディアボロが彼女の背後にいたのだ。
「お前はどうやら俺を殺してその死体をどこかに運びたいらしいが……」
紫の記憶にあった、お燐が霊夢と会話していたときのことを思い出す。
それによるとどうやらお燐は、死体をどこかに運ぶ役割をしているらしい。
ちなみにディアボロが魔理沙を本にしたとき、すぐに命令を書いたために全然本の内容を見ていない。
あの時読んでおくんだったとディアボロは心の中で軽く後悔する。
が、ディアボロはそれを口も表情にも出さずに会話を続ける。
「お前が俺の死体を運ぶことはない」
「おじさん、大した自信だねぇ」
ディアボロの発言に関心を持つお燐。
ディアボロが『死ねない』のをお燐は知らない。だから、お燐はディアボロの発言が『自分の強さに自信があるから』だと思っているようだ。
「だとしたら楽しみだねぇ。おじさんの死体でどれだけ車が重くなるのか!」
お燐はそのセリフの直後、弾幕をディアボロ目掛けて撃つ。
ディアボロはその弾幕をかわすと、反撃するためにウェザーリポートの能力で自分の周囲に雷雲を発生させた。
そして朝食も済ませ、ディアボロは亀の中に戻ってきた。
「(さて、今日はどこに行ってみようか?)」
紫をヘブンズ・ドアーで本にしたときに書かれていた内容を思い出す。
「(迷わず戻ってこれることを考えると、俺が行けるのは限られてくるな……)」
ディアボロは少し考え、そして決めた。
「(少し危険だが、地底に向かってみよう)」
ディアボロがそう思っていたそのとき。突然亀の中に誰かがやってきた。
その者は何が起きたのか分からず周囲を見渡すが、ディアボロを見つけると目を輝かせた。
ディアボロはそれを気にも留めず、その者の容姿を見る。
今まで見たことも無い少女。黄緑色の髪に、髪とほぼ同じ色の目をしているが、身体の何処から出ているのか分からない青い紐のようなもので繋がっている目のようなものが、彼女が人間ではないことを教えている。
その目は閉ざされているが、ディアボロはその目の正体を知っていた。
「(あの目は……確か『見た者の心を読む』目。だが、何故閉ざされているんだ……?)」
ディアボロが考えていると、少女はディアボロに話しかけてきた。
「やっと会えた!」
子供が欲しかった物を手に入れたときと同じ反応で話す少女。
ディアボロは冷静にソファーに座り、少女を見る。
「……名前は?」
名前さえ分かれば、『あの時』の記憶を思い出すことで正体が殆ど分かる。ディアボロはそれを分かっている。
「私は古明地(こめいじ) こいし。貴方を探しに幻想郷を飛び回っていたのよ」
その名を聞き、ディアボロは思い出そうとする。
「(こいし……駄目だ。あまり分からない。『心を読めないこと』と『地霊殿に住んでいること』、そして『姉が居ること』は分かっているが……)」
思わず自分の顔に手を当てそうになるが、それを自制してこいしとの会話をする。
「……どうしたの?」
「いや、なんでもない。それより、どうやって誰にも気づかれずにやってきたんだ?」
他人の記憶から探りだせないのなら直接聞き出すまで。そう判断したディアボロは、こいしに質問をする。
「『無意識』を操ってきたの」
「(……なるほど、こいつは自分の存在を『意識されなくなる』ことができるわけか)」
こいしの一言にディアボロは納得した。確かに自分の存在を『意識される』ことがなければ、簡単にここまで来ることができる。
「わかった。次の質問に移ろう」
こいしの能力を聞き出せたディアボロは、次の質問をする。
「何の為に俺に会いにきた?俺の姿を見たいからという単純なことじゃないはずだ」
ディアボロの質問にこいしは嬉しそうに答える。
「貴方を地霊殿に案内しに来たの。だって、貴方とても強いって聞いているし」
「地霊殿?どんなところだ?」
名前も知っているし、地霊殿がどんなところかも紫の記憶を見て分かっている。
だが、不自然に思われないためにどんなところなのかをこいしに尋ねる。
「行ってみてからのお楽しみ♪」
無邪気に返事をするこいし。
ディアボロは少し困りながらも次の質問をする。
「4つ目の質問だ。俺の存在を知ったのはどのくらい前だ?」
こいしは少し考えて返事をする。
「つい最近。天狗が話しているのを聞いたの」
「(意外だな。地底にはまだ俺の存在が知られていないようだ。情報の交流があまりないということか)」
ディアボロは内心驚きながら、こいしの話を聞く。
こいしによれば、天狗の会話を聞いた後、ディアボロについて天狗の集落で調べたようだ。
その後、何度か会おうとしたものの、ディアボロが亀の中にいたり(どうやらこいしには『亀の中に居る』と思わなかったようだ)、どこかに出かけていたりしていたため、こいしはディアボロに会うことができなかった。
しかし、先ほど偶然にもディアボロが亀の中に入る瞬間を目撃したため、後を追って亀の中に入ったようだ。
「なるほど、お前がここにきた理由はわかった」
ディアボロは腕を組んでこいしを見る。
「それじゃあ、地霊殿に来てくれるの?」
こいしは期待を込めてディアボロに尋ねる。
「ああ。一度地底に行ってみたかったからな」
そう言ってディアボロはソファーから立ち上がり、亀の中からでる。こいしもその後を嬉しそうに後をついていく。
「ここが地底の入り口か」
ディアボロはジャンピン・ジャック・フラッシュで浮遊した状態で、周囲を見渡しながらこいしに尋ねる。
「そのとおり。……気をつけて。私の能力で今貴方は『意識されていない』けど、帰りはそうはいかないよ」
こいしは返事をし、ディアボロに警告をする。
そして二人は地底へと進みだす。
岩を回避し、妖精に当たらないように進み、妖怪のそばを通り過ぎ。
進んでいくと、地底の都市についた。
「……地底にこんな場所があったとは」
紫の記憶で知っていたとはいえ、驚きを隠せないディアボロ。
そしてふと、ぬえが地底について話してくれたことを思い出す。
「ねぇ、ディアボロ」
「なんだ?」
いつものように亀の中に入ってきたぬえ。
ディアボロの隣に座ると、彼にあることを聞いた。
「もし地底に妖怪が住んでいるっていったら……ディアボロはどう思う?」
ディアボロは少し考える。
地底に妖怪が住んでいることも、地霊殿の存在も知っていたが、あえて知らない振りをして会話をする。
「……居てもおかしくないと思うな」
ディアボロの答えに、ぬえは笑顔で会話を続ける。
「私はかつて地底に居たことがあるの」
「…………」
その言葉にディアボロは無言になってしまう。
どうやらぬえはびっくりして無言になったと思ったのだろう。さらに話し続ける。
地底には強力な力を持った妖怪が沢山居ること
『鬼』と呼ばれる妖怪が地底に居ること。
色々なことを話してくれた。
笑顔で話すぬえを見て、何故かドッピオのことを思い出した事も覚えている。
何で思い出したのかは分からないが……。
「(ドッピオは今……どうしているんだろうか……)」
ディアボロは少し考え、「(わかるはずがないな……)」と考えるのをやめる。
そして、こいしに話しかける。
「ここがどんなところなのかは大体知っている。俺の知り合いが教えてくれた」
「だったら、説明は不要ね」
ディアボロの言葉にこいしは納得し、二人は地霊殿に飛ぶ。
旧都から地霊殿に移動するのに、さほど時間はかからなかった。
「ここか」
ディアボロは地霊殿の扉を開き、中に入る。こいしも後からついていく。
「(……今のところ、誰の気配も感じないな)」
そう思いながら地霊殿を歩いていくディアボロ。そしてその後を低空飛行しながら追いかけるこいし。
「(静かだな……)」
ディアボロはスケアリーモンスターズを発動させ、聴覚と嗅覚を強化し、移動を再会する。
「こいし、お前のところはいつもこんな感じ……ん?」
ディアボロがこいしに質問をしようとしたとき、彼は何かの『におい』に気がついた。
「(このにおいは……動物の……犬や猫のにおいか?他にも嗅いだことの無いにおいもする)」
「どうしたの?」
こいしは、ディアボロが途中で台詞を言うのをやめたことに疑問を感じて、彼に質問をする。
すると、ディアボロは振り向いてこいしを見ると、逆に質問をした。
「こいし、お前のところでは犬や猫か何か飼っているのか?」
「うん。猫や鴉や……」
「……ああ、猫みたいな奴は居るな。向こうに見える」
こいしのセリフを遮るように喋るディアボロ。
こいしは不思議そうにディアボロが見ている方向を見ると、猫が向こうからやってきた。
いや、よく見ると普通の猫ではない。人に近い姿をしており、周囲には何か人魂のようなものがいる。
その人型の猫はディアボロとこいしに気づくと、二人に近寄ってきた。
警戒するディアボロ。そしてディアボロはその『猫』に質問をする。
「誰だ?」
「それはこっちが聞きたいんだけどなぁ……」
その『猫』はディアボロの質問に呆れる。対するディアボロは警戒を解かない。
「私はお燐。おじさん、こんなところまでこいし様を連れ帰してきてくれたのかい?」
「こいしに興味を持たれた、と言うのが正しいな」
そう言いながらディアボロはスケアリーモンスターズの能力を解除するが、警戒を解かない。
ディアボロは一枚のDISCをケースから取り出し、装備していたスケアリーモンスターズのDISCと交換する。
「そう!彼、とっても強いらしいよ!」
そう言って無邪気に話すこいしの言葉に反応するかのように、ディアボロの警戒心がさらに強まる。
「へぇ、それは楽しみだねぇ」
お燐の言葉に、ディアボロの警戒心が益々強くなっていく。
「せっかくこいし様に気に入られたんだ、一緒に暮らさないかい?そうだ、『怨霊になれば』こいし様とずっと一緒に居られるよ?」
今のセリフにコメントをするなら、『一言余計だった』だろう。
お燐に取っては冗談交じりだったのかも知れないが、ディアボロからすれば『宣戦布告』と思われてもおかしくない。
「……躾のなっていない猫だ」
ディアボロがそういった直後、彼の雰囲気が一変した。
その突然の変化に、こいしは驚きながらディアボロから離れる。
「こいし。ペットの躾ぐらいきちんとやっておけ。でないと……」
ディアボロがそう言った直後、突然こいしとお燐の目の前からディアボロが消えた。
キング・クリムゾンで時間を消し飛ばしたのだ。
「来客に失礼だ」
自分の背後から声が聞こえたことに嫌な予感を感じたお燐は、とっさに前にジャンプして振り返る。
その判断は正しかった。ディアボロが彼女の背後にいたのだ。
「お前はどうやら俺を殺してその死体をどこかに運びたいらしいが……」
紫の記憶にあった、お燐が霊夢と会話していたときのことを思い出す。
それによるとどうやらお燐は、死体をどこかに運ぶ役割をしているらしい。
ちなみにディアボロが魔理沙を本にしたとき、すぐに命令を書いたために全然本の内容を見ていない。
あの時読んでおくんだったとディアボロは心の中で軽く後悔する。
が、ディアボロはそれを口も表情にも出さずに会話を続ける。
「お前が俺の死体を運ぶことはない」
「おじさん、大した自信だねぇ」
ディアボロの発言に関心を持つお燐。
ディアボロが『死ねない』のをお燐は知らない。だから、お燐はディアボロの発言が『自分の強さに自信があるから』だと思っているようだ。
「だとしたら楽しみだねぇ。おじさんの死体でどれだけ車が重くなるのか!」
お燐はそのセリフの直後、弾幕をディアボロ目掛けて撃つ。
ディアボロはその弾幕をかわすと、反撃するためにウェザーリポートの能力で自分の周囲に雷雲を発生させた。