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東方魔蓮記 第二十七話

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鳴り響く雷鳴。沢山の雷雲から放たれる雷。そしてその雷は弾幕にぶつかり相殺される。
ディアボロとこいしの弾幕ごっこはほぼ互角だった。
だが、まだホルス神やエンペラーなど、ディアボロは遠距離攻撃の手段を他に持っている。
エンペラーやハイエロファント・グリーンで攻撃しないあたり、まだ彼は本気を出していないようだ。
「(ウェザー・リポートを使いすぎているな……。後のことを考えると、温存しておいたほうがよさそうだ)」
そう思ったディアボロは天井に移動すると、装備していたウェザー・リポートのDISCをケース内のホルス神と入れ替える。
そしてこいしの弾幕を回避しながら氷塊をこいし目掛けて飛ばす。
こいしはそれを避けるが、ディアボロもメイド・イン・ヘブンで加速し、すれ違うようにこいしの背後に移動すると、そのまま適度な距離を取り、メイドイン・ヘブンの能力を解除すると同時に先ほどよりも多く氷塊を飛ばす。
こいしは氷塊を辛うじて回避し、弾幕を撃って反撃する。
「(あの反応……メイド・イン・ヘブンの加速を見切れていないのか?)」
そう思ったディアボロは、弾幕を回避しながら攻撃のチャンスをうかがう。
ただ飛ばしただけでは、弾幕に撃ち落されるか、あるいは弾幕にぶつかって砕けるかのどちらかしかない。

メイドイン・ヘブンの加速は、発動から時間が経過すると速度が上昇していく特徴がある。最初は1時間をたったの2分……30倍の速さで時を加速させ、その後もどんどん加速していく。
その速さゆえに、メイドイン・ヘブンはエルメェス、承太郎、徐倫をあっさりと殺すことができたのだ。
メイドイン・ヘブンも、レクイエムとは進化の手段が違うとはいえ、スタンドの『完成』した形の一つ。まともに戦っても、勝てるわけが無い。
エンポリオがウェザー・リポートを使ってプッチを倒せたのも、彼が友と一緒に掴み取った『奇跡』なのかもしれない。

ディアボロがこいしに氷塊を命中させるには、『弾幕にぶつかることも、こいしに避けられることも無い』一瞬の隙をつかなければならない。
それを成功させるのは楽ではないだろう。
「まだまだ行くよー!『イドの開放』!」
こいしがスペルカードを使い、弾幕の軌道が変化する。
同時にディアボロがメイドイン・ヘブンの能力を発動し、加速状態になる。
この状態なら、ディアボロから見れば『全てが遅くなる』。弾幕も簡単に避けることができる。
そのまま攻撃のチャンスを探るが、中々見つからない。
「(正面からの攻撃のチャンスが見つからないなら……)」
ディアボロは加速状態のままこいしの背後をとると、こいしが振り返る前にジャンピン・ジャック・フラッシュの能力を使ってこいしの真上に移動する。
「……あれ?」
振り返っても誰もいないため、ディアボロを見失ったこいしは周囲を見渡す。
それを見たディアボロはメイドイン・ヘブンとホルス神の能力を使って大量の氷塊を一気に作る。
が、それを実行したためにディアボロの周りの空気が急激に冷やされる。
一方のこいしも、周りを見渡しても誰もいないため、上を見る。
そしてこいしの視界に入ったのは……ディアボロとその周囲の大量の氷塊。

それを見たこいしは『イドの開放』を再び撃ち始める。
このスペルカードのタイムリミットはまだ残されているが、先ほどと違い、大量の氷塊がこいし目掛けて飛ばされている。
そして……メイドイン・ヘブンとホルス神の能力によって、氷塊の生成スピードは弾幕の連射スピードを上回る。
その結果、無数の氷塊が次々とこいしに命中していく。
「少しは効いたか?」
ディアボロは天井から(恐らく大量の氷塊に埋もれている)こいしを見上げ、彼女に問いかける。
……が、返事が無い。
「……?(無意識を操作して俺から気づかれずに氷塊から逃げたか?)」
疑問に思ったディアボロは、周囲をスタンドに確認させる。……が、誰もいない。
「(気絶した……のか?)」
そう思ったディアボロは、メイドイン・ヘブンの能力を使って全ての氷塊の『蒸発』を加速させる。
それにより全ての氷塊は無くなり、あとには倒れているこいしだけがいた。
「(……死んだフリならぬ、気絶したフリか?)」
ディアボロは浮遊し、音を立てずにこいしに接近する。
直接こいしに触れると、不意打ちを受けたときに回避できない可能性がある。
そう判断したディアボロは、キングクリムゾンに触れさせることにした。

キングクリムゾンがこいしに触れたそのとき、こいしは素早く起き上がると、弾幕を撃ち出した。
「!?」
ディアボロはすぐにこいしから離れると、弾幕を回避する。
それと同時に、ディアボロは弾幕の軌道が先ほどと違うことも見抜いた。
「(さっきと弾幕の軌道が違うな。ということは、スペルカードを一枚攻略したということか)」
スペルカードを攻略したことに気づいたディアボロは、弾幕を回避することに集中する。
「(こいしは気絶していたのか?それとも気絶した振りをしていたのか?)」
弾幕を回避しながら、ディアボロはふと考えた。
妖怪があの程度の攻撃で気を失うとは考えにくい。氷塊の落下の速さは加速させていなかったし、氷塊の先端は尖っていなかった。
大きさもさほど大きくないため、衝撃が大きかったとは考えられない。
「(今は考えるだけ無駄か)」
そう思ったディアボロは、弾幕を避けつつこいしから離れる。弾幕があたりそうになったらキングクリムゾンで防ぐ。
ある程度距離を取ると着地し、弾幕の回避に専念する。
「(弾幕ごっこの勝利条件の1つは、スペルカードを特定枚数攻略すること……。無理に攻撃を仕掛けずとも勝つことはdekiru)」
ホルス神とメイド・イン・ヘブンを使ってさほど高くない氷の壁を作り、すぐにその壁に身を屈めて隠れるディアボロ。
一度メイド・イン・ヘブンの能力を解除し、深呼吸をした後、メイド・イン・ヘブンの能力を再び発動させる。
そしてすぐにメイド・イン・ヘブンの手刀で氷の壁を地面から切り離すと、キングクリムゾンのパンチを氷の壁の3箇所にくらわせる。
衝撃は加速させていないため、氷の壁はすぐには割れない。
そのまま氷の壁をキングクリムゾンに掴ませると、ディアボロはこいしに接近する。キングクリムゾンも氷の壁を盾に接近する。
そして弾幕を避けつつこいしにある程度近づくと、キングクリムゾンを自分の前に出し、氷の壁を放させる。
そのまま再びこいしと距離を取り、メイドイン・ヘブンの能力を解除する。

氷の壁が割れ、その破片がこいしに襲い掛かる。対してこいしは氷の破片の向こう側にいるディアボロ目掛けて弾幕を撃つ。
ディアボロはすぐにホルス神とメイド・イン・ヘブンで大量の氷塊を作り、こいし目掛けて飛ばす。
こいしは再び氷塊が飛ばされたことに気づき、後ろに下がりつつ弾幕で氷塊を撃ち落す。
「(後退したか。深追いはしない方がいいな)」
遠距離戦を行っている以上、不用意に接近すると弾幕を避けれない可能性が出てくる。
一応メイドイン・ヘブンを使えば簡単に回避できるが、発動する間もなく命中する可能性が無いわけではない。
それを考えると、あまりこいしに近づくのはいいことではない。
「(あまり離れすぎると氷塊がこいしに命中しないな)」
ディアボロはそう思いながら弾幕を回避する。
こいしの弾幕と違い、ホルス神で作った氷塊は重さの影響を受ける。
つまり、あまり離れすぎるとこいしに命中する前に地面に落ちてしまうのだ。
「(今はまだ届くが、もう少しこいしが後退したら接近するしかないが……)」
そう思いながらディアボロは氷塊をこいし目掛けて飛ばし続ける。
「(このままだと俺の方が持たないな)」
ほとんどの弾幕は氷塊に命中するせいで避けなくてもいいのだが、たまに氷塊に命中せずにこちらに飛んでくる弾幕がある。
それを氷塊と弾幕の飛び交う中で見抜いて避けるのは難しい。
先に集中力が切れるのは自分であることをディアボロは理解していた。
ディアボロは氷塊を撃つのをやめ、回避に専念しながら考える。
「(持久戦になったらスタミナの面でまず俺に勝ち目は無い。弾幕をかいくぐっての接近戦は危険……)」
持久戦も接近戦も、何らかしらの形で不利になる。
「(なら、ジャンピン・ジャック・フラッシュで氷塊を『射出』して威力を上げ……)」
ディアボロはケースからハイエロファント・グリーンのスタンドDISCを取りだし、装備していたキングクリムゾンのDISCと入れ替える。
「(メイドイン・ヘブンで至近距離に接近して確実に決める。そしてそれを機に一気に攻める!)」
そして氷塊を生成し、ジャンピン・ジャック・フラッシュの射出機に入れる。
射出機に入れられた氷塊は回転をはじめ、それを確認したディアボロは弾幕を回避する。
ハイエロファント・グリーンを出現させ、弾幕を回避しつつ狙いを定める。

メイドイン・ヘブンを発動し、弾幕のスピードを擬似的に低下させてこいしに至近距離まで接近する。
そのままこいしの腹部に射出機を突きつけ、直後に氷塊を射出する。
同時にエメラルドスプラッシュを発射するが、氷塊は射出されると同時に通常の速度に戻っている。
氷塊だけならこいしが受けるダメージはあまりないが、それに怯んでいる間にもエメラルドスプラッシュが次々と命中していく。
こいしからすれば、わけもわからないまま次々と攻撃を受けているようなものだ。
「(これで『仕上げ』だ)」
そのままこいしの真上に氷塊を大量に生成し、落下速度まで加速させてこいし目掛けて落とす。
こうして、こいしは再び大量の氷塊に埋もれることになった。

「こちらは見えない弾と氷塊の弾。但し、どちらもそのうち尽きる。そして相手の弾はほぼ無限」
ディアボロは大量の氷塊の中からキングクリムゾンを使ってこいしを引っ張り出す。
「つまり、こちらは速攻で相手を倒さなければいずれ勝てなくなる」
引っ張り出されたこいしは、「身体を痛めている」というディアボロの予想に反して平然としていた。
「……まったく、妖怪はどいつもこいつも身体が丈夫なんだな」
星はキングクリムゾンで殴ったからああなっただけなんだろうな、とディアボロは思いながら呟く。
そして引っ張り出されたこいしの表情が楽しんでいる表情だったのを見て、ディアボロは呆れる。
「……楽しかったのか?」
「うん!」
「(弾幕にぶつかると死ぬほど痛いそうだが、こいつは痛覚が鈍いのか?あるいは、『痛い』という感覚がないのか?)」
ディアボロは疑問に思ったが、たぶん本人に聞いてもわからないだろうとこいしに質問することをやめた。


さとりのいたところに戻るため、ディアボロとこいしは廊下を進んでいた。
「……あれで満足したか?」
「うん!」
質問に満足そうに答えるこいしを見て、ディアボロは呆れる。
「(……よく分からん奴だ。これじゃ、姉も苦労しているだろうな)」
ディアボロはそう思いながら、廊下を歩いていく。
こいしも笑顔を見せながら、その隣を歩いていった。

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