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ディスクブレイカー☆フラン 第四話

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  ディスクブレイカー☆フラン『門番の頭に突き刺さるDISC』
 
 不穏な『気』を察知し、紅魔館の門番、紅美鈴は目を覚ました。
 目の前には、ギリシャやローマの拳闘士にも似た風貌の、青い肌の大男。
「……侵入者だッ!」
 美鈴はすぐに大男に向かって弾幕を放つ。
 煌びやかな光を放つ光弾は大男に向かって行く。
 目の前の大男は弾幕を前にして、
「オラッ! オラッ!」
 拳を振るい、弾幕を打ち砕く。
 光の粒が、大男の周囲に散らばる。
 それを突き破るようにして、拳を握り締めた美鈴が大男に肉薄した。
 弾幕は、ただの目くらましだったのだ。
「やぁッ!」
 美鈴の左拳が、大男の顔に向かう。
「オラァッ!」
 大男が右拳を振るい、美鈴を殴り飛ばそうとするが、それは美鈴の右手がブロック。
 美鈴の左拳も、大男の右手で跳ね除けられ、再び振るわれる大男の右拳を美鈴は左手で掴む。
 右手を掴まれた大男は右腕を円を描くように振り払い、美鈴の手を離させる。
 その描かれた円の中心に美鈴は右拳を突き出し、大男はそれを首を振って避ける。
 再び首を振って美鈴の右手を突き飛ばすと、大男は左拳を美鈴の胴めがけて振るう。
 美鈴は半身になってそれを避け、左肘を大男の胴に突き出す。
 大男も半身になって避けると、半身に移動する力を使って回転、強力な右拳の裏拳を振るう。
 美鈴はすぐさま右拳を振るい、相手の裏拳の軌道を上に逸らす。
 そして、お互いに二歩下がる。
「こいつ……只者じゃないッ!」
 拳を構え、目の前の大男――スタープラチナを見据える美鈴。
 一方、スタープラチナは何の構えも見せず、ただただ突っ立っている。
「構えを見せない……そういう流派なのか?」
 半歩、美鈴は引き下がる。
 半歩、スタープラチナは前進する。
 美鈴は深く息を吐き、次で決めるために『気』を集中させる。
 そして一歩を踏み出すべく左足を上げた時――
「ねぇ、美鈴。何やってんの?」
 フランの能天気な声が背後から聞こえてきた。
 意外な方向から飛んできた場違いな雰囲気の声に、美鈴は変に力が抜けて盛大にこける。
「うわ! あやし~い」
 美鈴がこけてしまったため、彼女と相対していたスタープラチナの姿がフランの目に入る。
「妹様の手を煩わせるまでもありません。ここは私に任せてください」
 美鈴は立ち上がり、再び構える。
「パチュリーの持ってた漫画でその台詞言ってたキャラが勝っていた例がないなぁ」
「……ともかく、妹様はまだ力の使い方に慣れていないでしょう。りんごの外側を壊さずに内側だけを壊すこと、できるようになりましたか?」
「う……それはまだ出来てない……メロンは出来るようになったけど……」
 視線を伏せて唸るフラン。
「でしょう? 今の妹様ではアイツを倒すことは出来ても、他のまでに被害が及ぶ危険がありますから、私がやるのですよ」
「でも、向こう凄く強そうだよ。ムキムキマッチョだし」
「ムキムキマッチョは関係ありません。咲夜さんやお嬢様はムキムキマッチョじゃなくても強いでしょう?」
「…………」
 美鈴に言われて、フランは頭の中にムキムキマッチョな咲夜とレミリアを思い浮かべた。
 頭痛がした。
 一旦このことを考えることを止め、フランはうなづく。
「確かに、見た目と強さは違うね」
「でしょう? とりあえず、私は目の前のムキムキマッチョをどうにかします。妹様は先に帰っていてください」
「うん。解った。ところで美鈴、その頭に刺さっているの何?」
 フランは美鈴の頭を指差す。
 フランの指の先には、きらきら輝く一枚のDISC
「へ?」
 美鈴は思わず上を向く。そんなことしても自分の頭なんて見えないのに。
 両手で、頭を触る。
 確かに、何かが頭の上にあるような感触がある。
「それはDISCだ」
「「うわ!」」
 予想外のタイミングで、予想外の男の声が聞こえてきた。
「あんた、誰?」
 フランは美鈴の背後を指差す。
 美鈴の背後には、ピンク色の髪の男が立っている。
「そこの中国風の女、お前の頭に刺さっているのはDISCだ」
「えっと……誰?」
「恐らく、お前の目の前に立ちはだかっているスタープラチナの」
 男――ディアボロは美鈴とフランの話を聞いていなかった。
「ここでスタプラのDISCが手に入るのは非常に嬉しい。そのDISC、もらうぞ」
 そのままディアボロは美鈴の頭に手を伸ばし、DISCをつまんで、引っ張る。
 が、抜けない。
「…………」
 辺りが、静かになった。
 風が、吹き抜けた。
 三人の前に立ちはだかるスタープラチナは動かない。
「そうか。DISCの適正が中途半端にあるため抜くに抜けないのか」
 ディアボロは、ため息をつく。
「「だから、アンタ誰!?」」
 二人がかりの怒鳴り声に、ディアボロは少しのけぞった。
「そこまで大声を出さなくてもいいじゃないか。俺はディアボロ。いずれ頂点を取り戻す男だ」
「へぇ、それでその頂点を取り戻す男がここに何の用ですか?」
 ジト目でディアボロを見つめるフラン。非常に大人気ない。
「俺は馬鹿二人に追われてここに来た。あのままだと俺は鵜飼いの鵜にされて死んでいただろう」
 真顔で答えるディアボロ。
「「鵜飼いの鵜ねぇ……ぷくく」」
 目の前の男が紐で縛られて川を泳ぐ光景を頭に浮かべたフランと美鈴は、思わず噴き出してしまった。
「わ、笑うな! 本当の事だったんだからな!」
「わかった。わかったわ。ところで、あなた目の前にいるムキムキマッチョのことについて何か知っているみたいね」
 美鈴は笑いをこらえながら、視線をスタープラチナへと流す。
 ディアボロは、スタープラチナを見ると、頷き目の前の事態について話すことにした。
 そうした方が、自分に得だと思ったからだ。
「あれは、スタープラチナ。最強クラスのスタンド使い、空条承太郎のスタンド……の記録だ」
「記録? 何それ」
 美鈴の隣に立つフランが首を傾げた。
 頭の上に疑問符を浮かべるその表情が実に無邪気で可愛らしい。
「本来、スタンドは同じものが二つも存在することはありえない。だが、俺がいた所、奇妙なダンジョンの中ではそのスタンドが記録という形で存在していたのだ」
「なるほど……さっぱりわからない」
 真顔で頷くフラン。その表情からはディアボロが何を言っているのか本当に理解していないようだ。
「ある記録は独立して動き、襲い掛かる。ある記録はDISCという形をとり、またある記録は俺の手助けをしてくれた」
「なるほど……で、私の目の前にいるのが、あなたが言っている襲い掛かってくる記録、と」
 美鈴はディアボロが言っている事が少し理解できたらしく、頷いている。
「惜しいな。今回のケースは特殊だ。本来DISCを装備するには適正っていうのが必要だ。適正が無いとDISCは身に着けることはできない。お前の場合は中途半端に適正があるから、DISCの中のスタンドが暴走しているだけだろう」
 ディアボロはスタープラチナへと歩み寄る。
「こいつを倒すことが出来れば、お前の頭に中途半端に刺さっているDISCが抜ける……たぶん。俺は目の前のこいつを倒してそのDISCを貰い受ける。」
 持っている『エピタフのDISC+99★8』を攻撃用に、『メイドインヘヴンのDISC+3★5』を防御用にセットしてスタープラチナへと歩を進める。
 あと一歩で射程距離内に入る。
 美鈴とフランの二人はそれを見守る。
 そしてディアボロが一歩を踏み出したとき、カチリという音がした。
「まさか……」
 ディアボロの背筋に怖気が走った。
 バシ! と物騒な音がしてディアボロの頭からDISCが三枚、飛び出す。
 こんなところにホワイトスネイクの罠があった。
「何でこんな所にイイィ―――z___ッ!」
「オラァァァーッ!」
 スタープラチナの拳が振るわれる。
「オラオラオラオラオラオラオラ……オオオオラァァーッ!
 スタープラチナの拳が流星群のようにディアボロに降りかかる。
 ディアボロは、死んだ。
←to be continued

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