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悪役幻想奇譚 第七話

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匿名ユーザー

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悪役幻想奇譚第七話
『よろずのことに耳をすませ』

2日後、吉影が映姫のもとから戻ってくるなり彼は寝た。フランが彼に声をかけようとしたが、やたらとやつれているのを見てそっとしておくことにした。
きっと彼はすぐに起きてくれるから大丈夫、そう信じて。

起きた後、彼はフランではなくレミリアを探した。

「レミリア、シアーハートアタックのことについてなんだが、もう返してもらってもいいか?」そう聞かれたレミリアは少し意外そうに言った。

「あら?あなたのもとに戻ってないの?あなたが行ってからすぐに美鈴の爆破がなくなったから、てっきりそのときに戻したものだと思っていたわ」

「バカを言うな。わたしのもとには戻ってないぞ」

「じゃあ美鈴に聞いてみたら。なにか知ってるかもしれないわよ」

「そうすることにしよう。まあ私のシアーハートアタックが門番ごときにやられることは絶対にないがな」

彼は門へ歩いていき尋ねた。
「・・・また寝てい・・・おいッ!起きろ!ちょっと聞きたいことがある・・・っち、キラークイーン!」彼は殺気を込めておのれの分身をよびたした。

「っちょ!待ってください!起きてます起きてますって!!殺気しまってくださいよ!なんですか一体!?」かなりあわてているようだ。
そりゃあ1日中爆破されれば身体が恐怖も覚えるだろう。条件反射ってやつだ。

「シアーハートアタックが見当たらないんだが・・どこに行ったか知らないか?」

「知りませんよ。あれからしばらくは怖くて寝ていませんから。門番してるんじゃないんですか?ああ、あと関係ないんですが、プッチさんがこの間尋ねにきたそうですよ。あとで暇があったら寄ってあげてください」
そう言うと彼女は本来の仕事である昼寝にもどった・・・おい。

「・・・プッチなら何か知っているかもしれないな。あとで博麗神社に行ってみるか」




その後吉影はプッチに会いに博麗神社へ行き
「プッチ?彼なら洩矢神社に行ってるわ」

「そうか、ありがとう」



洩矢神社へ行き
「プッチさんですか?入れ違いでしたね。人里のほうへ説教をしに行くと言ってましたよ」

「っち、めんどうだな。ありがとう」



人里へ行き
「神父様ならもう帰ったよ」

「なぜ今日に限って・・・。ありがとう」



結局博麗神社に戻ってきた
「ああ、プッチなら今食事を作っているわ。邪魔しないでね」

「邪魔はしない。ちょっと質問するだけだ」
目的の人物を見つけた時にはもう日が暮れていたが、そんなことは気にせず彼は話しかけた。
「プッチ、この前紅魔館に来たそうだが、何の用だったんだ?」
プッチと呼ばれた男は調理をスタンドにまかせ振り向いた。

「ああ、その件か。私一人でなんとかなりそうだからもう大丈夫だ。それよりもおもしろいことを発見してね、君のスタンド・・・シアーハートアタックだったか?に知性のDiscを入れることができたんだよ。どうだい?彼になにか変化はあったかい?」


「・・・・・・・・・・・・・」






「ほう」






「は?」


「なるほどなるほど・・・それが理由か・・・」吉影のこころにふつふつと怒りがわいてきた。


「なるほどなるほど・・・Discをねぇ・・」

いやな予感を感じたプッチはさっさと退散しようと霊夢のところへ向かおうとした。

「オイ・・・コッチヲミロォ」プッチの背後で吉影のしわがれた声が聞こえたが無視して彼は歩き出した。

「オイ・・・コッチヲミロッテ言ッテンダゼ」吉影はそんなプッチを強引に振り向かせ無表情で彼を見つめた。

“Hey, what’s the matter with you? I can’t speak Japanese. So would you please talk to Reim? コンニチワ アリガトゴザマス”

カタコトの日本語でしゃべるプッチを無視して吉影は続ける。
「オイ、エセ外国人。お前のせいでシアーハートアタックは行方不明なんだぞ。一体どうしてくれるんだ?え?」

「まあ待ってくれよ。Discがあったら誰だってそーするだろ?君だってそーするさ」
あせったようにプッチが答える。

「いいや誰もしないね。キラークイーンッ!!」吉影がスタンドを呼ぶ。

「ジョウダンデスヨネ?」プッチが冷や汗を流しながら聞いた。

「映姫に頼んで生き返らせてやる。だから・・始末させてもらう」

「ま、待て!!私は今死ぬわけにはいかないのだ!!これは都合のいい命乞いなんかじゃあないッ!!だから考え直せ!吉影!!」

吉影がプッチに一歩近づいて言った。

「おまえは『磔刑』だーッ!!キラークイーン!第1の爆弾ッ!!」

「わたしのセリフをッ!!このちっぽけな小僧が・・いや、おっさんがーッ!!ぐあばあああああああああッ!!」バシューーンッ!!

プッチが消えたあと、吉良は服に付いた埃をはらい言った。
「さてと・・・原因はわかったのは進歩だが、一体どうしろというのだ?」


三途の河にて

懲りた様子の男がぶつくさ独り言を呟いている

「くそッ!!吉影のやつめ!なにもほんとに殺すことないだろう。・・・ああ小町か、いやちょっと吉影に殺されてしまってね。うん大丈夫だ。映姫宛の手紙を預かっている。地獄でちょっと働いてから帰ることにするよ。なあに吉影からの頼みなら叶えてくれるだろう。吉影の秘密でも教えたらいいさ。最悪Discを入れたら万事解決だな」
・・・前言撤回。全く懲りていなかった。

シアーハートアタックが行方不明になってから1ヶ月が経った。
ちなみに週末は捜索に当てているので映姫のところには全く行っていない。必死の形相で何度も小町が頼みに来たが完全に無視している。吉影が来ないので映姫から八つ当たりされているそうだ。
プッチは地獄で布教にいそしんでいるらしい。なんでも信者が爆発的に増えているとか・・・。きっと複雑な気分だろう。いろいろと聞き込みを行なっているが一向に手がかりはつかめていない。
以下吉影回想

寺小屋では
「シアーハートアタック?君の左手の戦車か?いや、見ていないなぁ」

「そうか、ありがとう」

紅魔館では
「しあーはーとあたっく?あの戦車?知らないわ。ところで吉影最近遊んでくれないじゃない!!遊んでよー!!」

「わ、わかったわかった。ちょっとだけだぞ」フランの相手で1日無駄にし(「8時間のどこがちょっとだ!!くそッ!!門番でも爆破してやるッ!!」「この人でなしーッ!!」)

博麗神社では
「はぁ?知らないわよそんなの。ところであんた何プッチ殺してんのよ。まだ帰ってこないんだけど」

「帰ってきたくないんじゃあないのか?痛ッ!やめろ」
プッチのかわりに食事、雑用をして(「あら?料理上手なのね。意外だわ。もっと作っておきなさいよ」「せめて食費ぐらい払え」「・・・プッチは・・・いいやつだったわ」「わかった。作ればいいんだろ作ればッ!!」)

魔法の森では
「いや、知らないぜ。そんなことより最近アリスが新しい人形を作ったらしいぜ。一緒に見に行かないか?」

「ありがとう。だがやめておくよ」

小町からは
「吉影ッ!!頼むよ!映姫様のとこに行ってくれ!!とばっちりを受けるのはあたしなんだよ!!」

「だが断る。今行ったらしばらく帰してくれそうにないと、私の直感が告げているからな。違うか?それに今は忙しいんだ。それどころじゃあない」

「うッ・・(確かに・・絶対に帰さないとか言ってたし・・)」

「わかったらさっさと帰れ」

映姫は映姫で
「なんですって!!また連れてこられなかったのですか!?あなたは『磔刑』ですッ!!」

「(ちょっと!!プッチの影響うけてるじゃん)待ってくださいよ映姫様。きっと何か理由が・・」

「・・・なにがいけなかったのでしょう?説教が長かったのでしょうか?それとも寝ている彼にいたずらをしたから?食事に興奮剤を混ぜたからですかね?」

「・・・・多分、全部だと思います(もう・・・転職しようかな)」

「・・・そうですか?」

そんなこんなで吉影には打つ手が無くなっていた。
まぁ今のところ左手が急に重くなったりする異常はないから大丈夫だとは思うが。むず痒くなったりはするがな。

「ふぅ・・・どうすればいいんだ?今日も地道に探すしかないか」
落ち込んだ様子の吉影に1人の少女が近づいた。

「よしかげー、よしかげー」

「ん?どうしたフラン?すまないが今日は遊べないぞ」フランの頭をなでながらやるせなさそうに言った。

「ううん。違うの。吉影が困ってるから、手伝おうと思って・・・」

「そうか、ありがとう。なにか案でもあるのかい?」

「んー・・ここに頼んでみたらどうかな?」そういってフランは一枚の紙を渡した。

「『万屋パッショーネ』・・ああ、リゾットのところか。そうだな(今回出番が少ないから)すっかり忘れていたよ。ありがとうフラン」

「見つかったら遊んでねー(出番?)」

「ああ10時間でも20時間でも遊んであげよう」

「『万屋パッショーネ』・・・か。ここに来るのも久しぶりだな。相変わらず、なかなかいい家じゃあないか」
少し家を見つめた後、ここに来た目的を果たすために吉影はさっさと中に入ることにした。

「いらっしゃい!『万屋パッショーネ』にようこそ・・・ってなんだお前か」吉影の顔を見るなりさっさと作り笑顔をといて無表情に戻ったイルーゾォが言った。

「『なんだ』はないだろ『なんだ』は。今日は客だぞ」

「悪いな吉影。俺たち今かなりやべー依頼受けてんだ。リーダァー、準備できたぁ?」

「少し待て。もうペッシの準備も終わる」

「ペッシよぉ。おまえ酒に弱すぎるぞ。養命酒で酔うってよぉ。イタリア人としてどうなんだオイ?」

「あ、兄貴ぃ・・・俺、酒は最高2杯ってやつですぜ・・・wryy・・・もう大丈夫ですよ」

「準備完了か。行くぞ」ぞろぞろと2階から暗殺チームが降りてきた。

「すまない吉影。今回の依頼が終わったらすぐにお前の依頼も片付ける。明日には依頼を受けられると思うから少し待っていてくれ」

「ああ、別にかまわないよリゾット。それよりどんな依頼なんだ?」

「守秘義務だ」

「・・・そうか」
それを聞き、吉影は紅魔館に帰ることにした。また明日来よう。そう思って。

紅魔館に戻った吉影をなにかニヤニヤした門番が出迎える。

「おかえりなさい。あなたに客人ですよ」

「おい、なにニヤニヤしている。気持ち悪いからやめろ。爆破されたいか?」

「いえいえなんでもありませんよ。あっ、客人のところまで案内しますね」

「門番はいいのか?」

「案山子置いときました」

「ああ。ならいいか」いいのか!?
わたしに客人?一体誰だ?美鈴のやつがやけに上機嫌だな。新しいおもちゃを与えられた子ども、というよりはなんだ?いたずらっ子が新しいいじりネタを見つけたかのような雰囲気を・・・。大方これから会うその『客人』とやらで私をいじる魂胆なのだろう。だが誰だ?・・・まぁどちらにせよ。


「ふん・・・」


この私で遊ぼうなどと。どれ、この件が終われば少し『教育』でもしてやろうか。
まぁそんなことはどうでもいい。さっさとその『客人』とやらに会うとしよう。この私に厄介ごとをもってくるような奴でなければいいのだがな。もっとも、その『客人』とやらが『人の姿になったシアーハートアタック』だったら・・・おもしろいが、まあそんなことは宇宙が一巡するくらいにありえないことだろう。
そうこう考えている間に目的の部屋についた。

「どうぞ、あなたの愛しい『お客様』がお待ちです」美鈴が『愛しい』の部分を強調して言う。
そのにやけ笑い、私の精神の衛生に害があるな。一言で言うと『不快』だ。

「爆破されたくなかったらそのにやけ笑いをやめろ」

「あれ?いいんですか?爆破なんてしちゃったら、妹様が起きちゃいますよ?」

「それがどうした?」キラークイーンは既にお前の帽子に触れている。

「起きるだけならいいんですけど、万が一あなたが『客人』と会っている場面を見られたら・・・大丈夫ですかねえ?」

「いい加減うっとおしいぞ美鈴。とにかく『客人』に会えば話は進むのだろう!」
これ以上扉の前で話をしていても時間の無駄だ。さっさと部屋に入らせてもおう。




ギィィ





そして扉がゆっくりと開かれた





扉の先にいた人物は




「お前は・・・」



次回予告
吉影の前に現れた人物とはッ!!一体誰なのか!!?敵か味方か!?
擬人化?そんなのあるわけないじゃあないですか。ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。
物語はいよいよ起承転結の『転』あたりへ!!
次回 悪役幻想奇譚第八話
『吉良吉影は鏡を見る』
お見逃しなく!

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