■ 鮮紅(せんこう)のリクイリッツィリア
Liquirizzilia
分類:人造悪魔兵器
種別:エネミー
Liquirizzilia
分類:人造悪魔兵器
種別:エネミー
HP:高い
MP:高い
MP:高い
■ 基本構造
全高:330㎝
内訳
本体頭頂高:137㎝
脚部ブレード状ブーツ:160㎝
全高:330㎝
内訳
本体頭頂高:137㎝
脚部ブレード状ブーツ:160㎝
■ 外見
リクイリッツィリアは
彼岸花(リコリス)を模した悪魔存在である。
少女のような華奢な体格をしているが、
その姿は明らかに人間ではない。
頭部
頭髪は存在しない。代わりに
彼岸花の雄しべのような角状構造
が頭部から広がっている。
これは一本一本の角ではなく、
一塊の構造であり
そこから無数の細い突起が伸びている。
この構造が目元を覆っているため、
眼球は外から見えない。
それでも彼女は周囲を完全に認識している。
胴体
身体は少女のように小柄だが、
胴体は装甲ではなく
リコリスの花弁のようなドレス構造
になっている。
その姿は
バレリーナのプリマを思わせる
可憐な外見をしている。
スカート構造
腰から広がる花弁は
リボン状の花弁構造
になっている。
通常はドレスのスカートとして機能する。
脚部
脚には
巨大なブレード状ブーツ
が装着されている。
長さ160㎝の刃で構成されており、
移動と攻撃の主武装となる。
尾
背中から
細長い悪魔的な尾が伸びている。
先端は
彼岸花の蕾のような形状をしている。
リクイリッツィリアは
彼岸花(リコリス)を模した悪魔存在である。
少女のような華奢な体格をしているが、
その姿は明らかに人間ではない。
頭部
頭髪は存在しない。代わりに
彼岸花の雄しべのような角状構造
が頭部から広がっている。
これは一本一本の角ではなく、
一塊の構造であり
そこから無数の細い突起が伸びている。
この構造が目元を覆っているため、
眼球は外から見えない。
それでも彼女は周囲を完全に認識している。
胴体
身体は少女のように小柄だが、
胴体は装甲ではなく
リコリスの花弁のようなドレス構造
になっている。
その姿は
バレリーナのプリマを思わせる
可憐な外見をしている。
スカート構造
腰から広がる花弁は
リボン状の花弁構造
になっている。
通常はドレスのスカートとして機能する。
脚部
脚には
巨大なブレード状ブーツ
が装着されている。
長さ160㎝の刃で構成されており、
移動と攻撃の主武装となる。
尾
背中から
細長い悪魔的な尾が伸びている。
先端は
彼岸花の蕾のような形状をしている。
■ 満開形態(第二形態)
パッシブ ピエナ・フィオリートゥラ により
5ターン目に到達すると
満開形態へ移行する。
変化
スカートを構成していた
花弁リボンが解放され、
身体の周囲に展開する。
それらは背後に咲くのではなく、
彼女の輪郭そのものを形成する。
結果として
リクイリッツィリアのシルエットは
巨大な彼岸花
の形となる。
パッシブ ピエナ・フィオリートゥラ により
5ターン目に到達すると
満開形態へ移行する。
変化
スカートを構成していた
花弁リボンが解放され、
身体の周囲に展開する。
それらは背後に咲くのではなく、
彼女の輪郭そのものを形成する。
結果として
リクイリッツィリアのシルエットは
巨大な彼岸花
の形となる。
■ パッシブ能力
ピエナ・フィオリートゥラ
Piena Fioritura
ターン経過ごとに
花が開くように攻撃力が上昇。
5ターン目で満開となり
ピエナ・フィオリートゥラ
Piena Fioritura
ターン経過ごとに
花が開くように攻撃力が上昇。
5ターン目で満開となり
- 攻撃力大幅上昇
- 命中率上昇
- クリティカル率上昇
さらに
- MPが一度だけ全回復
- 必殺技「リクイリッツァリア•サングイナンテ」解禁
ヴェレーノ・モルターレ
Veleno Mortale
Veleno Mortale
- 全ての攻撃に毒属性付与
- 自身が毒状態の時、毒はダメージではなくHP回復
- 敵に与えたダメージの30%(単数切り捨て)のHPを回復
満開状態では
- 毒はHPとMPを回復
- 毒状態スタックを1獲得
- 状態になる度にスタックされ
■ 攻撃スキル
ロッソ・ストラーダ・デル・ディアブロ
リコリス形状のブレードを3つ召喚し
回転しながら敵を切り刻む。
ロッソ・ストラーダ・デル・ディアブロ
リコリス形状のブレードを3つ召喚し
回転しながら敵を切り刻む。
ウーヴェルチュール・フュネーブル
花弁状の刃を戦場に展開し
葬送の舞のような斬撃を放つ広域攻撃。
花弁状の刃を戦場に展開し
葬送の舞のような斬撃を放つ広域攻撃。
■ ブレード攻撃体系
脚部ブレードによる舞踏斬撃。
攻撃は舞踏曲のような構成を持つ。
アダジオ → アレグロ → コーダ → プリマヴィスタ
段階的に速度と攻撃密度が上昇する。
脚部ブレードによる舞踏斬撃。
攻撃は舞踏曲のような構成を持つ。
アダジオ → アレグロ → コーダ → プリマヴィスタ
段階的に速度と攻撃密度が上昇する。
回閃のアダジオ(かいせんのアダジオ)
舞踏の導入となる回転斬撃。
舞踏の導入となる回転斬撃。
炯灰のアレグロ(ほうかいのアレグロ)
高速突進回転斬撃。
高速突進回転斬撃。
蓮戟のコーダ(れんげきのコーダ)
連続踏み込み斬撃。
プリマヴィスタへの前奏。
連続踏み込み斬撃。
プリマヴィスタへの前奏。
真淵のプリマヴィスタ(しんえんのプリマヴィスタ)
即興舞踏のような
予測不能の連続回転斬撃。
即興舞踏のような
予測不能の連続回転斬撃。
■ 必殺技
ロンド・ペル・ラ・デア・デッリ・インフェーリ
Rondo per la Dea degli Inferi
空間にリコリス状魔刃を展開し
巨大な彼岸花の紋様を描く多段斬撃。
ロンド・ペル・ラ・デア・デッリ・インフェーリ
Rondo per la Dea degli Inferi
空間にリコリス状魔刃を展開し
巨大な彼岸花の紋様を描く多段斬撃。
■ 満開限定必殺
リクイリッツィリア・サングイナンテ
Liquirizzilia Sanguinante
脚部ブーツが展開し
内部から蛇腹剣が出現。
刃が敵を絡め取り
肉へ突き刺さりながら
彼岸花の花弁を形作る。
最後に蛇腹剣が収束し
敵を肉塊へと変えながら
血の花を咲かせる。
リクイリッツィリア・サングイナンテ
Liquirizzilia Sanguinante
脚部ブーツが展開し
内部から蛇腹剣が出現。
刃が敵を絡め取り
肉へ突き刺さりながら
彼岸花の花弁を形作る。
最後に蛇腹剣が収束し
敵を肉塊へと変えながら
血の花を咲かせる。
■ 性格
- 高慢
- 上から目線
- 慇懃無礼
- 余裕のある振る舞い
笑うときは
手の甲で口元を隠して鼻で笑う。
手の甲で口元を隠して鼻で笑う。
■ 挨拶
スカートを軽く持ち上げる
貴婦人の礼。
スカートを軽く持ち上げる
貴婦人の礼。
■ 呼び方
男性:シニョール
女性:シニョリーナ
男性:シニョール
女性:シニョリーナ
■ 戦闘開始台詞
「ワタクシ、お花が好きなんですの。」
「それも――真っ赤なお花が。」
男性
「シニョール? 貴方はワタクシ好みに咲いて下さるかしら?」
女性
「シニョリーナ? 貴方はワタクシ好みに咲いて下さるかしら?」
「ワタクシ、お花が好きなんですの。」
「それも――真っ赤なお花が。」
男性
「シニョール? 貴方はワタクシ好みに咲いて下さるかしら?」
女性
「シニョリーナ? 貴方はワタクシ好みに咲いて下さるかしら?」
■ フィニッシュ台詞
「――アリーヴェデルチ。」
「――アリーヴェデルチ。」
■ 最期の言葉
「嗚呼……」
「嗚呼……なんて綺麗なお花でしょう……」
「これ程綺麗な花は見たことがないわ……」
「ありがとう、シニョール(シニョリーナ)」
「アリーヴェ……デルチ……」
「嗚呼……」
「嗚呼……なんて綺麗なお花でしょう……」
「これ程綺麗な花は見たことがないわ……」
「ありがとう、シニョール(シニョリーナ)」
「アリーヴェ……デルチ……」
■ 顕現方法
彼岸花を食べる。
その際、召喚者は
願いを頭の中に思い浮かべる。
これにより
リクイリッツィリアは
願いを理解して顕現する。
顕現
彼女は
召喚者の口から現れる。
体を内側から裂きながら顕現するため
召喚者は必ず死亡する。
残骸
死体は倒れず
直立したまま残る。
裂けた上半身は花弁のように広がり
血の彼岸花
のような形になる。
■ 契約
召喚者の願いは理解するが
ほとんどの場合叶えられない。
理由は
召喚者が既に死んでいるから。
ただし
「目の前の敵を殺せ」
などの願いは実行する。
■ 起源
リクイリッツィリアは
過去文明によって作られた人造悪魔兵器。
その文明は
命を極端に軽視しており
兵器を移動させるために
人が一人死ぬことすら
問題にしなかった。
そのような文明は
いずれ互いを滅ぼす運命にあり、
やがて
消えてしまった。
■ 行動原理
彼女の目的は
敵を殺すこと。
それに一貫している。
死をもたらすことこそが
兵器としての役割だからである。
■ 渇き
彼女は寿命で死なない。
しかし
殺戮への渇きを持っている。
戦場で死を生み出し続けることが
彼女の存在を満たす。
■ 殲滅後
敵を全て殺すと
彼女は
何をしていいか分からなくなる。
彼女は
次の目標を探すことを教えられていない。
■ 待機
そのため彼女は
その場で立ち続ける。
次の召喚を待つ。
何百年でも
何千年でも
何万年でも
何億年でも。
■ 彼女の願い
彼女が求めるものは
この世で最も美しい花。
それは
自分の血で咲く花。
つまり
自分の死。
しかし彼女は
死ぬことがほとんどない。
だから彼女は
戦場を渡り続ける。
いつか
自分を殺す存在に出会い、
その花を見るために。
彼岸花を食べる。
その際、召喚者は
願いを頭の中に思い浮かべる。
これにより
リクイリッツィリアは
願いを理解して顕現する。
顕現
彼女は
召喚者の口から現れる。
体を内側から裂きながら顕現するため
召喚者は必ず死亡する。
残骸
死体は倒れず
直立したまま残る。
裂けた上半身は花弁のように広がり
血の彼岸花
のような形になる。
■ 契約
召喚者の願いは理解するが
ほとんどの場合叶えられない。
理由は
召喚者が既に死んでいるから。
ただし
「目の前の敵を殺せ」
などの願いは実行する。
■ 起源
リクイリッツィリアは
過去文明によって作られた人造悪魔兵器。
その文明は
命を極端に軽視しており
兵器を移動させるために
人が一人死ぬことすら
問題にしなかった。
そのような文明は
いずれ互いを滅ぼす運命にあり、
やがて
消えてしまった。
■ 行動原理
彼女の目的は
敵を殺すこと。
それに一貫している。
死をもたらすことこそが
兵器としての役割だからである。
■ 渇き
彼女は寿命で死なない。
しかし
殺戮への渇きを持っている。
戦場で死を生み出し続けることが
彼女の存在を満たす。
■ 殲滅後
敵を全て殺すと
彼女は
何をしていいか分からなくなる。
彼女は
次の目標を探すことを教えられていない。
■ 待機
そのため彼女は
その場で立ち続ける。
次の召喚を待つ。
何百年でも
何千年でも
何万年でも
何億年でも。
■ 彼女の願い
彼女が求めるものは
この世で最も美しい花。
それは
自分の血で咲く花。
つまり
自分の死。
しかし彼女は
死ぬことがほとんどない。
だから彼女は
戦場を渡り続ける。
いつか
自分を殺す存在に出会い、
その花を見るために。
事件導入:
夜の倉庫街。
海上コンテナと廃ビルが密集する人気のない区画で、デスライバーの非合法取引が行われていた。
表向きの取引品は古美術、古書、宗教画、出所不明の骨董品。
だがその実態は、禁書、呪物、儀式書、失われた召喚記録――そうした読まれるだけで災いを呼ぶ代物を扱う闇取引である。
今夜ここにいたデスライバー構成員は、その手の品を専門に捌く禁書ブローカーだった。
書物の価値は知っている。
どれが高く売れるかも知っている。
だが、そこに何が書かれているか、何が起きるかまでは理解していない。
理解する必要すらないと思っている男だった。
だが、その取引は失敗した。
踏み込まれ、包囲され、逃げ道を断たれ、護衛も崩れた。
床には割れた木箱、散乱した禁書、血を流して倒れたデスライバー構成員たち。
追い詰められた禁書ブローカーは、崩れた棚を背にして荒い息を吐く。
そこにあるのは敗北の光景だ。
だが、男の顔は絶望していなかった。
むしろ、口元には醜く歪んだ笑みが浮かんでいる。
震える手で懐を探り、男は小さな包みを取り出す。
油紙に丁寧に包まれたそれは、乾いてなお鮮やかな赤を失っていない一輪の彼岸花だった。
彼はその価値を知っていた。
古い禁書の一節にのみ記された、異様なほど簡潔な召喚法。
「願いを思い浮かべながら彼岸花を食べよ」
それだけで悪魔が現れる――その断片だけを知っていた。
その先がどうなるかは、どこにも書いていなかった。
あるいは、書かれていたとしても、男はそこまで読むような人間ではなかった。
血の混じった唾を吐き捨て、禁書ブローカーは勝ち誇ったように叫ぶ。
禁書ブローカー
「追い詰めた……そう思ったか? バカどもめ!!」
彼は彼岸花を掲げる。
その目には、自分が逆転の切り札を握ったという確信しかない。
禁書ブローカー
「悪魔よ! やつらを殺し、無惨な肉塊へ変えてやれ!!」
そのまま彼は、彼岸花を躊躇なく口へ押し込んだ。
最初に起きたのは、ほんの小さな異変だった。
喉が不自然に脈打つ。
飲み込んだ花が、そのまま体内で根を張ったかのように首筋の皮膚が波打つ。
男の笑みが止まる。
次の瞬間、口元が裂けた。
頬の端まで、いや、それ以上に。
顎が軋み、喉の奥から赤く細いものが何本も這い出してくる。
それは舌ではない。
血管でもない。
まるで、彼岸花の雄しべのように細く長い赤い束だった。
禁書ブローカー
「……は?」
理解するより早く、異変は全身へ広がる。
喉の奥から何かが押し上がる。
内側からだ。
胸骨が軋み、肋骨が割れ、腹が裂ける。
男はようやく悲鳴を上げるが、その声さえ肉の裂ける音に掻き消される。
彼はこの時になって初めて気付く。
呼び出したのではない。
中から出てくる。
だが、もう遅い。
上半身が花弁のように裂け開き、鮮血が噴き上がる。
それでも脚は崩れない。
膝をつくことも、倒れることもなく、直立したまま固定される。
その姿はまるで、下半身を茎として立つ、血で咲いた彼岸花だった。
そして、その死体の中心から。
静かに、一体の悪魔が歩み出る。
小柄な少女のような核。
花弁のように重なる可憐なドレス。
目元を覆い、顔の輪郭そのものを歪める、一塊の彼岸花状の角。
そして床を打つ、長大なブレード状ブーツ。
鮮紅の悪魔――
リクイリッツィリア。
彼女は裂けた死体から一歩踏み出し、何事もなかったかのように花弁のスカートを少しだけ持ち上げる。
舞踏会の挨拶のような、優雅な一礼。
続いて、手の甲で口元を隠しながら、くすりと鼻で笑った。
リクイリッツィリア
「ワタクシ、お花が好きなんですの。」
可憐な声だった。
だがその場の誰よりも冷たかった。
リクイリッツィリア
「それも――真っ赤なお花が。」
視線のない顔が、ゆっくりと敵対者たちの方へ向く。
眼球は見えない。
それでも彼女がこちらを正確に見ていることだけは、嫌というほど分かる。
男性へ向けるなら。
リクイリッツィリア
「シニョール? 貴方はワタクシ好みに咲いて下さるかしら?」
女性へ向けるなら。
リクイリッツィリア
「シニョリーナ? 貴方はワタクシ好みに咲いて下さるかしら?」
その瞬間、事件の質が変わる。
これはもはや、禁書の密売取引の摘発ではない。
デスライバーの犯罪現場でもない。
過去文明の人造悪魔兵器が、現代に解き放たれた瞬間である。
夜の倉庫街。
海上コンテナと廃ビルが密集する人気のない区画で、デスライバーの非合法取引が行われていた。
表向きの取引品は古美術、古書、宗教画、出所不明の骨董品。
だがその実態は、禁書、呪物、儀式書、失われた召喚記録――そうした読まれるだけで災いを呼ぶ代物を扱う闇取引である。
今夜ここにいたデスライバー構成員は、その手の品を専門に捌く禁書ブローカーだった。
書物の価値は知っている。
どれが高く売れるかも知っている。
だが、そこに何が書かれているか、何が起きるかまでは理解していない。
理解する必要すらないと思っている男だった。
だが、その取引は失敗した。
踏み込まれ、包囲され、逃げ道を断たれ、護衛も崩れた。
床には割れた木箱、散乱した禁書、血を流して倒れたデスライバー構成員たち。
追い詰められた禁書ブローカーは、崩れた棚を背にして荒い息を吐く。
そこにあるのは敗北の光景だ。
だが、男の顔は絶望していなかった。
むしろ、口元には醜く歪んだ笑みが浮かんでいる。
震える手で懐を探り、男は小さな包みを取り出す。
油紙に丁寧に包まれたそれは、乾いてなお鮮やかな赤を失っていない一輪の彼岸花だった。
彼はその価値を知っていた。
古い禁書の一節にのみ記された、異様なほど簡潔な召喚法。
「願いを思い浮かべながら彼岸花を食べよ」
それだけで悪魔が現れる――その断片だけを知っていた。
その先がどうなるかは、どこにも書いていなかった。
あるいは、書かれていたとしても、男はそこまで読むような人間ではなかった。
血の混じった唾を吐き捨て、禁書ブローカーは勝ち誇ったように叫ぶ。
禁書ブローカー
「追い詰めた……そう思ったか? バカどもめ!!」
彼は彼岸花を掲げる。
その目には、自分が逆転の切り札を握ったという確信しかない。
禁書ブローカー
「悪魔よ! やつらを殺し、無惨な肉塊へ変えてやれ!!」
そのまま彼は、彼岸花を躊躇なく口へ押し込んだ。
最初に起きたのは、ほんの小さな異変だった。
喉が不自然に脈打つ。
飲み込んだ花が、そのまま体内で根を張ったかのように首筋の皮膚が波打つ。
男の笑みが止まる。
次の瞬間、口元が裂けた。
頬の端まで、いや、それ以上に。
顎が軋み、喉の奥から赤く細いものが何本も這い出してくる。
それは舌ではない。
血管でもない。
まるで、彼岸花の雄しべのように細く長い赤い束だった。
禁書ブローカー
「……は?」
理解するより早く、異変は全身へ広がる。
喉の奥から何かが押し上がる。
内側からだ。
胸骨が軋み、肋骨が割れ、腹が裂ける。
男はようやく悲鳴を上げるが、その声さえ肉の裂ける音に掻き消される。
彼はこの時になって初めて気付く。
呼び出したのではない。
中から出てくる。
だが、もう遅い。
上半身が花弁のように裂け開き、鮮血が噴き上がる。
それでも脚は崩れない。
膝をつくことも、倒れることもなく、直立したまま固定される。
その姿はまるで、下半身を茎として立つ、血で咲いた彼岸花だった。
そして、その死体の中心から。
静かに、一体の悪魔が歩み出る。
小柄な少女のような核。
花弁のように重なる可憐なドレス。
目元を覆い、顔の輪郭そのものを歪める、一塊の彼岸花状の角。
そして床を打つ、長大なブレード状ブーツ。
鮮紅の悪魔――
リクイリッツィリア。
彼女は裂けた死体から一歩踏み出し、何事もなかったかのように花弁のスカートを少しだけ持ち上げる。
舞踏会の挨拶のような、優雅な一礼。
続いて、手の甲で口元を隠しながら、くすりと鼻で笑った。
リクイリッツィリア
「ワタクシ、お花が好きなんですの。」
可憐な声だった。
だがその場の誰よりも冷たかった。
リクイリッツィリア
「それも――真っ赤なお花が。」
視線のない顔が、ゆっくりと敵対者たちの方へ向く。
眼球は見えない。
それでも彼女がこちらを正確に見ていることだけは、嫌というほど分かる。
男性へ向けるなら。
リクイリッツィリア
「シニョール? 貴方はワタクシ好みに咲いて下さるかしら?」
女性へ向けるなら。
リクイリッツィリア
「シニョリーナ? 貴方はワタクシ好みに咲いて下さるかしら?」
その瞬間、事件の質が変わる。
これはもはや、禁書の密売取引の摘発ではない。
デスライバーの犯罪現場でもない。
過去文明の人造悪魔兵器が、現代に解き放たれた瞬間である。