【金子一馬】
…メガテンシリーズのキャラクター及びグラフィックデザインを担当。その特異なタッチでゲーム世界を神秘色に染めていく、悪魔絵師。
真・女神転生ですか？けっして満足してないですよ。3Dで容量くっちゃって、色替えでいくつもダンジョンを表現しなければならなかったりね。2Dのマップ面とか、もっとこだわりたかった。独特のコンピューターライズされた平面世界を描きたかったんでね。最初は2Dのマップをワイヤーフレームでやろうとしてたくらいなんです。でも結局線画の方が容量をくいすぎるということで、ボツ。
キャラクターに関しては、定番通りにおさめちゃったな、と。次回作ではもっともっとデザイン的に遊んでみたい。例えばね、聖書の『エゼキエルの書』とかを紐解いてみると、天使とかもとんでもない姿なんですよ。足が何本あって、頭がいくつくっついていて……ほとんど月着陸船（笑）。化物みたいに天使を描いてるわけです。だから、僕ももっともっとぶっとんでも構わないだろうと……。
まだまだ東南アジアとかケルトとか、女神転生シリーズで未開拓の神と悪魔はいくらでもいるんで、そのあたりも突っ込んでみたいですね。そんな題材を選んで、絵として表現したいテーマとしては、やはり怖さです。といっても、ただ牙がはえているとか血が出ているとかいうのではなく、もっと内面的な恐怖。例えば悪魔というものが何で存在しているのか、そこに込められた悲しさや怒り、そういったものが描けて、初めて本当の怖さを表すことができると思ってます。
先日、京都の三十三間堂に仏像を見にいってきたんですよ。すごく多くの仏像があって、それぞれが違う表情を持っていて……。デザインがどうこうというレベルを超えて、神の、仏の領域に踏み込んだ感動があったんです。そんな強い存在感、出してみたいですね！
最終更新：2018年12月22日 16:43
