「……ん…ゃ…」
「か…んちゃ…」
「かばんちゃん!」
すっかり聞き慣れた、友達の呼ぶ声で、僕、かばんは目覚めた。
「……あれ、サーバルちゃん、どうかしたの…って、ここは一体……?」
辺りを見回すと、そこはジャパリパークではなく、真っ暗で、冷たい部屋の中だった。
その時、部屋の中が突然明るくなり、僕達は思わず目を逸らす。
その時、部屋の中が突然明るくなり、僕達は思わず目を逸らす。
やがて、明るさに慣れた僕の視界に映ったのは、30人以上の人……人でないものもいるが、が同じく困惑しているような様子だった。
そして、そこには僕の友達…フレンズも何人かいた。
「一体何が……ってサーバルちゃん、何それ、首に変なものついてるけど……?」
「かばんちゃんにもついてるよ、それ……」
「かばんちゃんにもついてるよ、それ……」
サーバルちゃんに言われて初めて気づいた。首元には冷たい金属の『ナニカ』がついている。
もう一度辺りを見回すと、ここにいる人たち全員が同じようなものをつけられているのが見えた。
「一体全体、どうなってるの……?」
僕がそんな声を上げると、突然どこからともなく『Howdy!』という、この冷たい空間とは全くマッチしない、明るい声が聞こえた。辺りは一瞬で静まり返り、その視線は声の発信源である、四角い機械に集められた。そこには、中心に可愛い顔がついたお花が映っていた。
「ボクはフラウィー、お花のフラウィーさ! みんな、やっと目が覚めたね……お目覚めはどう?
今回、君たちを集めたのは、あるゲームをやってもらいたいからなのさ」
今回、君たちを集めたのは、あるゲームをやってもらいたいからなのさ」
不思議と、口を開く者はいなかった。そして、そのお花は邪悪な笑みを浮かべ、次のように言い放った。
「……これから、君たちには殺し合いをしてもらうよ」
その言葉を聞いた瞬間、僕の何かが凍りついたような気がした。
立っていられなくなり、膝から崩れ落ちる。「かばんちゃん!」というサーバルちゃんの叫びによって、何とか意識は失わずに済んだが。
立っていられなくなり、膝から崩れ落ちる。「かばんちゃん!」というサーバルちゃんの叫びによって、何とか意識は失わずに済んだが。
「ちょっとあんた、いくらなんでも冗談が過ぎるんじゃないの?」
強い怒りの声のした方を向くと、そこには赤髪を2つにまとめ、豊満な体つきと、それを隠そうともしない服装の女の人がいた。
「うーん、困るなぁ……まだルールの説明は終わってないんだけど……先に首輪の説明しなきゃダメかぁ……」
「うるっさいわね! 冗談じゃないわ、殺し合いなんて、アンタはお花よね? だったら炎で一瞬で燃え尽きる筈よ、メラゾーマ!」
「うるっさいわね! 冗談じゃないわ、殺し合いなんて、アンタはお花よね? だったら炎で一瞬で燃え尽きる筈よ、メラゾーマ!」
女の人がそう叫ぶと、大きな火球がモニターに向かって放たれ、火柱が上がる。「……メラミでも良かったかしら?」という女の人の余裕の表情は、次の瞬間、驚愕へと変わる。
「バカだなぁ、ボクは今、『ここにはいない』。
そんな炎を放ったって、無駄に決まってるじゃないか」
そんな炎を放ったって、無駄に決まってるじゃないか」
モニターには、傷一つついていなかった。フラウィーとやらは邪悪な笑みを浮かべている。
「口で説明しようと思ったけど……実際に見てもらった方が早いか」
そう言って、フラウィーの口元が更に歪んだ、その時。
ピピピピピ
「……私か!?」
不気味なアラームが、辺りに響く。それは見たことも無いような服に身を包んだ男の人の首から鳴っていた。
「本当なら君を殺そうと思ったんだけどね…気が変わったよ。良かったね。君」
フラウィーの言う『君』とは、赤髪の女の人なのだろう。ふと女の人を見ると、強く拳を握りしめているのが見えた。
そして、アラームの発信源である男の人は、強くフラウィーを睨みつけていた。
「……確か、ふらうぃと言ったな。
私を殺しても無駄だ。その薄汚い命をもって、罪を償う時が必ず来る!」
私を殺しても無駄だ。その薄汚い命をもって、罪を償う時が必ず来る!」
ーーバァンッ!
そこまで言った時、大きな爆発音が響き、その人がいた場所には、胴体と首が泣き別れになった死体と、赤い液体が水たまりを作っているのだけが残っていた。
僕は、いよいよ恐怖で、体を動かすことすら出来なくなってしまっていた。恐怖で固まった僕の耳には、『きゃああああ!』という悲鳴、『ふざけんじゃねぇ!』という怒りの声が入り交じって入ってきた。
◆
「さて、落ち着いたところでルール説明に入ろうか」
やがて声が落ち着き、フラウィーが改めて説明を始める。もう、フラウィーに歯向かおうとする人はいなかった。
「君たちにはボクの作った会場で殺し合いをしてもらうよ。制限時間は72時間。最後まで生き残った1人にはどんな願いでも叶えられる権利をあげる!」
「次に、その首輪についてだけど……これについてもうひとつ説明することがあるよ。その首輪には君たちの能力を制限する力がある。君たちで言うところの……『程度の能力』とかがそうかな?」
「そして、君たちには一人一つ、デイパックを支給してあげる。中には水と食料、地図、コンパス
、ライト、名簿、そして殺し合いに役に立つかもしれないアイテムを1個から3個支給するよ。殺し合いに役立つかもしれないアイテムは…何が入っているか運任せだけどね?
あっ、袋に入れられるアイテムの量には制限はないからそこは安心していいよ?」
、ライト、名簿、そして殺し合いに役に立つかもしれないアイテムを1個から3個支給するよ。殺し合いに役立つかもしれないアイテムは…何が入っているか運任せだけどね?
あっ、袋に入れられるアイテムの量には制限はないからそこは安心していいよ?」
「最後に、6時間毎に放送をするよ。内容は脱落者の発表に、禁止エリアの発表。禁止エリアが発表されてから1、3、5時間後にそのエリアは禁止エリアになる。禁止エリアになってもそこに留まっていたら……首輪がドカン! アラームで警告するから、アラームが鳴り終わるまでに外に出られればセーフだけどね」
「……まあ、こんな所かな。それじゃ、幸運を祈るよ!」
フラウィーがそこまで言った時、僕の視界は白く染まっていき、この殺し合いは幕を開けたのであった……
【お奉行@鬼滅の刃 死亡】
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