「あいつら…ラピュタの科学力でも使っているのか?あの月も、まさか飛行石が入ってたりするのか?」
草原の上で、そう呟く麦わら帽子を被った少年が一人いた。
少年は、名をパズーといった。
少年は、名をパズーといった。
少年と表現したが、外見的には青年といった方が適切だったかもしれない。
また、その身体は何故かパズーの元の肉体と声が同じように感じられた。
胸には、大きな×印状の傷跡もあった。
また、その身体は何故かパズーの元の肉体と声が同じように感じられた。
胸には、大きな×印状の傷跡もあった。
「こいつの名はモンキー・D・ルフィ、海賊なのか…」
パズーは、自身に支給されていたタブレット内のファイルを開くことに何とか成功した。
とは言っても、これは本来は彼の生きていた時代には無い技術のもの。
扱うのも慎重に、恐る恐るやっていた。
プロフィールは今のところ、最初も最初の一部分にしか目を通していない。
パズーからしてみれば、このタブレットもラピュタの技術で作ったのかなんて考えが浮かんでしまうような代物であった。
とは言っても、これは本来は彼の生きていた時代には無い技術のもの。
扱うのも慎重に、恐る恐るやっていた。
プロフィールは今のところ、最初も最初の一部分にしか目を通していない。
パズーからしてみれば、このタブレットもラピュタの技術で作ったのかなんて考えが浮かんでしまうような代物であった。
そしてパズーは、自身の肉体とされたルフィという人物が、海賊であることについて注目した。
彼自身が、かつて海賊と関わったことがあるからだ。
彼自身が、かつて海賊と関わったことがあるからだ。
海賊ドーラ一家、パズーは彼らと最初は敵対していたが、後にラピュタに行くために共闘した。
その過程で彼らとの間には絆が生まれていた。
彼らは一応悪人ではあったが、良い人達でもあったのだ。
その過程で彼らとの間には絆が生まれていた。
彼らは一応悪人ではあったが、良い人達でもあったのだ。
そんな人達との関わりがあった以上、ルフィと彼らのことをどうしても比較してしまう。
彼らが良い人達だったからといって、ルフィという海賊もそうであるとは限らないのだ。
彼らが良い人達だったからといって、ルフィという海賊もそうであるとは限らないのだ。
プロフィールを見たところ、この男はどうも『海賊王』になることを目指しているらしい。
ただ正直なところ、そんな記述があると、こいつは本当に大丈夫な奴なのかと少し疑問に感じてしまう。
ただ正直なところ、そんな記述があると、こいつは本当に大丈夫な奴なのかと少し疑問に感じてしまう。
王を自称する者と言えば、ラピュタ王になろうとしていたムスカという男のことを思い出してしまう。
ムスカは、かつてのラピュタにあった帝国のように、その科学力を利用した地上の支配を目論んでいた。
思えば、この殺し合いの主催者達もそれに似たやり方をしていると言えるかもしれない。
月かラピュタかの違いはあれど、空に浮かぶ脅威で地上にいる者達を思い通りにしようとしている点は共通しているだろう。
ムスカは、かつてのラピュタにあった帝国のように、その科学力を利用した地上の支配を目論んでいた。
思えば、この殺し合いの主催者達もそれに似たやり方をしていると言えるかもしれない。
月かラピュタかの違いはあれど、空に浮かぶ脅威で地上にいる者達を思い通りにしようとしている点は共通しているだろう。
閑話休題。
まあようするに、海賊の王を名乗ろうとするだなんて、もしかして何か危ない奴なんじゃないかという考えも浮かんでしまっていた。
ルフィは、プロフィールの冒頭部分だけではそんな印象を抱いてしまう者だった。
ルフィは、プロフィールの冒頭部分だけではそんな印象を抱いてしまう者だった。
「それに、『ゴムゴムの実を食べたゴム人間』だって?また奇妙なことが書いてあるな」
ルフィは、悪魔の実という特殊な果実を口にし、体がゴムのようになる能力を得たと書いてあった。
その代わり、水の中だと体から力が抜けて泳げなくなってしまうらしい。
にわかには信じられない話だが、それが事実であるかどうかはこの場ですぐに試すことはできる。
その代わり、水の中だと体から力が抜けて泳げなくなってしまうらしい。
にわかには信じられない話だが、それが事実であるかどうかはこの場ですぐに試すことはできる。
パズーは草原の上にあった岩を手で掴み、そのまま後ろに歩いてみた。
「うわっ!?『バチッ』……本当に伸びた」
歩いた分だけ、腕は普通の人間ではあり得ない長さに伸びた。
その際に、痛みが生じることもなかった。
それに驚いたことで手を離し、腕はそれこそ伸ばされたゴムのように勢いよく縮んで戻ってきた。
少なくともこれで、ルフィの肉体には人智を超えた力があることが証明された。
その際に、痛みが生じることもなかった。
それに驚いたことで手を離し、腕はそれこそ伸ばされたゴムのように勢いよく縮んで戻ってきた。
少なくともこれで、ルフィの肉体には人智を超えた力があることが証明された。
「こいつはすごいなあ…悪魔の実ってのは一体何なんだ…」
ルフィの肉体に宿る特殊な能力には素直に関心を持つ。
これもラピュタの科学力によるものか、それとも全く別の何かなのか。
気になるが、ここにおいてはその答えを得ることはできない。
これもラピュタの科学力によるものか、それとも全く別の何かなのか。
気になるが、ここにおいてはその答えを得ることはできない。
◇
パズーはやがて、プロフィールを全部見終える前に、デイパックの中の他の支給品を確かめることとした。
そうしたのは、まずそもそもタブレット端末は彼にとって使い慣れたものでなく下手な使い方をすれば壊してしまうかもしれないこと。
ルフィに対する印象が今は少し悪い方向に傾いていて、プロフィールを読み進めることに流石のパズーも少し不安が出てきたこと。
だから、ちょっとした気分転換がてらに、先に支給品の確認を行おうとした。
ルフィに対する印象が今は少し悪い方向に傾いていて、プロフィールを読み進めることに流石のパズーも少し不安が出てきたこと。
だから、ちょっとした気分転換がてらに、先に支給品の確認を行おうとした。
パズーはデイパックの中に手を入れてみて中を探った。
そして、ある球状の物体がその手に掴まれた。
そして、ある球状の物体がその手に掴まれた。
「なんだこれ、木…実?と、石でできているのか?」
それは、上下で二色に別れたほとんど木製と思われるボールだった。
上は赤っぽく、下は木目のある木のように見える。
赤い部分の上には謎の金属製のように思える何かの排出口と思われる穴が付いている。
二色の境目部分には金属と思われる枠と、留め具の付いた円形の部品が付いてる。
上は赤っぽく、下は木目のある木のように見える。
赤い部分の上には謎の金属製のように思える何かの排出口と思われる穴が付いている。
二色の境目部分には金属と思われる枠と、留め具の付いた円形の部品が付いてる。
「……!?動いた!?」
不思議に思ってそのボールを見ていたら、そいつが突然勝手に動いたようだった。
パズーの手の中で、ボールは何度も揺れていた。
まるで、そこから抜け出そうとしているかのようだった。
パズーの手の中で、ボールは何度も揺れていた。
まるで、そこから抜け出そうとしているかのようだった。
パズーは試しに恐る恐る、ボールに付いた留め具の部分に指を近づけてみる。
そしてその留め具を軽く弾き、外してみた。
そしてその留め具を軽く弾き、外してみた。
すると、同時にボールが境目から割れ、その中から何かが飛び出してきた。
「うわあっ!!?」
パズーは驚きの声を出す。
ボールから飛び出してきたそいつが何なのか一瞬認識できないまま取り逃がす。
ボールから出てきたものは、明らかにボールのサイズよりも大きかった。
だからこそ、パズーは咄嗟の対応ができなかった。
ボールから飛び出してきたそいつが何なのか一瞬認識できないまま取り逃がす。
ボールから出てきたものは、明らかにボールのサイズよりも大きかった。
だからこそ、パズーは咄嗟の対応ができなかった。
ボールから飛び出たのは、生物だった。
そいつはパズーから少し離れた後、立ち止まって空を見上げた。
そうやって動きを止めたことで、パズーはようやくそいつがどんな姿をしているのかを確認できた。
そいつはパズーから少し離れた後、立ち止まって空を見上げた。
そうやって動きを止めたことで、パズーはようやくそいつがどんな姿をしているのかを確認できた。
そいつは、頭と上半身は水色で、下半身は黒色の毛並みを持った、犬か猫くらいの大きさの四足歩行の謎の生物だった。
パズーは知らぬことだったが、そいつは「ポケモン」という生物群に分類される、『コリンク』という種名の生物だった。
コリンクは、空の上にある『月』を睨みつけていた。
その表情は、どこか「決意」に満ち溢れているようだった。
その表情は、どこか「決意」に満ち溢れているようだった。
◆
彼は、あの『月』を知っていた。
それを、操っている者のことも。
そしてそいつは、彼自身がその手で討ち滅ぼしたはずだった。
それを、操っている者のことも。
そしてそいつは、彼自身がその手で討ち滅ぼしたはずだった。
彼が倒したそいつの名は『ムジュラの仮面』、身に着けた者を操る邪悪な意思を持つ仮面だった。
あの人面月は本来、タルミナという世界の空に浮かび、落ちてくるはずのものだった。
彼がタルミナを訪れた時、月は3日後に落ちてくるとされていた。
それこそまさに、今彼が巻き込まれているこの殺し合いの状況と同じだった。
彼がタルミナを訪れた時、月は3日後に落ちてくるとされていた。
それこそまさに、今彼が巻き込まれているこの殺し合いの状況と同じだった。
タルミナでの事件を引き起こした元凶であるムジュラの仮面、その姿を彼はこの殺し合いの最初のルール説明で目撃した。
最初はあの仮面の邪悪な意思がまだ存在していることを信じられなかった。
だが、ようやく外に出てその空に浮かぶ月を見て、この状況を受け入れるしかないことを理解した。
だが、ようやく外に出てその空に浮かぶ月を見て、この状況を受け入れるしかないことを理解した。
自分が最初に目覚めた時の状況から、自分がこの殺し合いにおいてどのような扱いを受けているのかも理解しているつもりだ。
ルール説明にあった参加者以外の意思を持つ支給品、自分はそれにされている。
そのため、自分はこの殺し合いで参加者として扱われない、奴らが言っていた優勝の権利を手に入れることはできない。
もっとも、もし自分が参加者の立場であったとしても、優勝を狙うことはない。
あの仮面が関わっているとなると、この殺し合いの主催陣営が何を考えているか分からない。
もしかしたら、全てをただの"遊び"でやっているのかもしれない。
ルール説明にあった参加者以外の意思を持つ支給品、自分はそれにされている。
そのため、自分はこの殺し合いで参加者として扱われない、奴らが言っていた優勝の権利を手に入れることはできない。
もっとも、もし自分が参加者の立場であったとしても、優勝を狙うことはない。
あの仮面が関わっているとなると、この殺し合いの主催陣営が何を考えているか分からない。
もしかしたら、全てをただの"遊び"でやっているのかもしれない。
ならば、彼のやることは決まっている。
この遊びを、終わらせるだけだ。
この遊びを、終わらせるだけだ。
もしこの遊びを"かくれんぼ"だとする場合、奴らの隠れ場所も彼は予測がついている。
先ほどのルール説明が行われた場所に見覚えがあった。
それがどこの中なのか、心当たりがあった。
だから彼は、空に浮かぶその場所を睨みつける。
あの、『月』を。
先ほどのルール説明が行われた場所に見覚えがあった。
それがどこの中なのか、心当たりがあった。
だから彼は、空に浮かぶその場所を睨みつける。
あの、『月』を。
それを睨む少年は、名を『リンク』といった。
◇
リンクは少しした後、やがて空を見上げるのを止め、パズーの方に向き直る。
そして、何かを訴えかけるような力強い視線を向けた。
そして、何かを訴えかけるような力強い視線を向けた。
「えっと、君は…」
パズーは、ボールから動物が飛び出て来たという事実に対する衝撃がまだ抜けきっていない。
それでも、相手が一体どんな状態にあるもので、何を伝えたいのかは何となく察してくる。
相手は、ルール説明においてあった意思を持つ支給品、それに精神をあてがわれた何者かであること。
そして、自分はこの殺し合いにおいて一体どんなスタンスでいるつもりなのかを問いかけていること。
それでも、相手が一体どんな状態にあるもので、何を伝えたいのかは何となく察してくる。
相手は、ルール説明においてあった意思を持つ支給品、それに精神をあてがわれた何者かであること。
そして、自分はこの殺し合いにおいて一体どんなスタンスでいるつもりなのかを問いかけていること。
「…僕は殺し合いには乗らないよ。えっと、これでいいかな?」
パズーの言葉にリンクは一度相槌を打ち納得した様子を見せる。
言葉での意思疎通は不可能でも、互いの考えは一致していることを確かめられた。
言葉での意思疎通は不可能でも、互いの考えは一致していることを確かめられた。
だが、一番決定的なことをリンクは伝えられていない。
そのための手段もまだない。
でもきっといつか、それも伝えなければならない。
方法を考えるなり、見つけるなりしなければならない。
そのための手段もまだない。
でもきっといつか、それも伝えなければならない。
方法を考えるなり、見つけるなりしなければならない。
そして、まだをそのことを知らないパズーにとっては、ある意味経験のあることではあった。
リンクの思惑、それは空に浮かぶあの『月』へと行くこと。
パズーがかつて、ラピュタに向かったように。
パズーがかつて、ラピュタに向かったように。
あの『月』に、この殺し合いの首謀者達がいることを、リンクは確信していた。
【パズー@天空の城ラピュタ】
[身体]:モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE
[状態]:健康
[装備]:ヒスイ地方のモンスターボール@ポケットモンスターシリーズ(Pokémon LEGENDS アルセウス)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いには乗らない
1:この動物は一体…?中にいる誰かは殺し合いに否定的みたいだけど…
2:他の支給品も確かめたい。
3:ルフィという海賊は危険な人物なのか?
[備考]
※本編終了後から参戦とします。
※ルフィの肉体の細かい参戦時期は後続の書き手にお任せしますが、少なくとも新世界編以後のものとします。
※ルフィのプロフィールにウタと幼馴染であるといった情報が書かれているかどうかは後続の書き手にお任せします。
[身体]:モンキー・D・ルフィ@ONE PIECE
[状態]:健康
[装備]:ヒスイ地方のモンスターボール@ポケットモンスターシリーズ(Pokémon LEGENDS アルセウス)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いには乗らない
1:この動物は一体…?中にいる誰かは殺し合いに否定的みたいだけど…
2:他の支給品も確かめたい。
3:ルフィという海賊は危険な人物なのか?
[備考]
※本編終了後から参戦とします。
※ルフィの肉体の細かい参戦時期は後続の書き手にお任せしますが、少なくとも新世界編以後のものとします。
※ルフィのプロフィールにウタと幼馴染であるといった情報が書かれているかどうかは後続の書き手にお任せします。
[意思持ち支給品状態表]
【リンク@ゼルダの伝説ムジュラの仮面】
[身体]:コリンク@ポケットモンスターシリーズ(Pokémon LEGENDS アルセウス)
[状態]:健康
[思考・状況]基本方針:ムジュラの仮面を倒すために月に行く
1:オレを出した、目の前にいる人物(パズー)と共に行動
2:オレが知っている、月やムジュラの仮面についての情報を伝えたい
[備考]
※ゲームクリア後からの参戦とします。
※コリンクとしての性別はオスとします。
※技構成などは後続の書き手にお任せします。
【リンク@ゼルダの伝説ムジュラの仮面】
[身体]:コリンク@ポケットモンスターシリーズ(Pokémon LEGENDS アルセウス)
[状態]:健康
[思考・状況]基本方針:ムジュラの仮面を倒すために月に行く
1:オレを出した、目の前にいる人物(パズー)と共に行動
2:オレが知っている、月やムジュラの仮面についての情報を伝えたい
[備考]
※ゲームクリア後からの参戦とします。
※コリンクとしての性別はオスとします。
※技構成などは後続の書き手にお任せします。
【コリンク+ヒスイ地方のモンスターボール@ポケットモンスターシリーズ(Pokémon LEGENDS アルセウス)】
シンオウ地方の過去であるヒスイ地方産のモンスターボールとそれに入れられたコリンク。
このモンスターボールは現代のものとは違い木材が使われている。
ポケモンを捕まえた際には上部から蒸気が噴き出す(なお、既に中身がいる以上これについての記述の意味はない)。
ゲームにおいてはぼんぐりのみとたまいしからクラフトすることで入手することができる。
コリンク自体はせんこうポケモンに分類されるでんきタイプのポケモン。
基本的には自分をボールから出した者に従うものとする。
状態表に先述したように、性別はオスとし、技構成などは後続の書き手にお任せします。
シンオウ地方の過去であるヒスイ地方産のモンスターボールとそれに入れられたコリンク。
このモンスターボールは現代のものとは違い木材が使われている。
ポケモンを捕まえた際には上部から蒸気が噴き出す(なお、既に中身がいる以上これについての記述の意味はない)。
ゲームにおいてはぼんぐりのみとたまいしからクラフトすることで入手することができる。
コリンク自体はせんこうポケモンに分類されるでんきタイプのポケモン。
基本的には自分をボールから出した者に従うものとする。
状態表に先述したように、性別はオスとし、技構成などは後続の書き手にお任せします。
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