ドクトル・ホグバック(ONE PIECE)

登録日:2025/05/10 Sat 00:53:11
更新日:2025/05/11 Sun 11:46:47NEW!
所要時間:約 8 分で読めます






世にも名高き ドクトル・ホグバック!!!
通称!!“天才”だ!!! フォスフォスフォス!!!



Dr(ドクトル).ホグバックとは漫画『ONE PIECE』に登場するキャラクター。



【プロフィール】

本名:ホグバック
異名:天才外科医
身長:223cm
所属:スリラーバーク海賊団
所属船:スリラーバーク
役職:四怪人(幹部)
年齢:45歳→47歳
悪魔の実:なし
出身地:西の海
誕生日:12月19日 (ドクトル=1912)
星座:いて座
血液型:XF型(現実だとAB型)
初登場:単行本46巻・第446話・『ドクトル・ホグバック』
好物:スープスパゲティ
笑い方:フォスフォスフォス
CV:岩崎ひろし


【概要】

王下七武海ゲッコー・モリアに仕える三怪人の1人。異名は「天才外科医」。幹部の中では唯一の非戦闘員であり、常に助手兼使用人ゾンビのシンドリーちゃんを侍らせている。

毛皮のマントを羽織り、額にアーチ状の縫い痕を持つ丸サングラスの小太りの男。
丸めな体に細い脚というワンピースではよくある珍妙な体形で誤魔化されがちだが、上半身は裸に網タイツでズボンは股間付近に大胆な切り込みが入っているというニューカマーもビックリのファッションスタイルをしている。

"奇跡"とも称される天才的な手腕で数多くの人々の命を救ってきた自他共に認める“天才”であり、嘗ては医者として得られる地位と名声の全てを手に入れたとされる凄腕の名医。
スリラーバーク海賊団への入団と共に表舞台からは姿を消した際には世間にホグバックの誘拐・失踪事件と多くの憶測を呼び医学界を大きく揺るがせ、行方知らずとなった現在ではホグバックの名は伝説となっている程。

スリラーバーク海賊団加入後は船(島?)内に構える自身の館にて「死者の蘇生」の研究を行っているが、その様相は最早命を弄ぶ下劣なマッドサイエンティストそのものであり、
研究の実情も“死体を無理やり動かして言いなりにしているだけ”に過ぎない死者への冒涜に等しく、全人類にとっての永遠の"夢"どころかむしろ不幸にするものであった。


【人物】


尊敬すんのはてめェの自由、失望すんのは筋違い!
てめェの理想と違ったおれを医者として許せねェとでも思うのならとんだ思い違いだぜ!

世間では死者をも蘇らせる大天才と謳われその腕前も確かだがその性根は非常に冷酷かつ傲慢、更には医者としての倫理観も欠落しており、「金の為に診たくもねえ患者を診て手術をしていた」と恥ずかしげもなく吐き捨てている程の卑劣漢。
それでも以前は内面は兎も角まっとうな医者ではあったが、シンドリーちゃんの素体にして生前自身の患者で大ファンだった舞台女優ビクトリア・シンドリーとの出会いと失恋、そして死亡事故を契機にショックから仕事すら放棄し、その後接触してきたモリアに対してシンドリーを復活させる事を条件に彼の部下となり、終ぞ海賊へと身を落とした。
その為死者を動かすモリアの能力を奇跡と称しており、シンドリー復活の恩義からほかの幹部共々モリアへの忠誠心は高い。

一方で天才ながら何かとドジな一面もあり、また使用人なのにやたら反抗的なシンドリーちゃんに振り回される姿と彼女との漫才のようなやりとりは非常にコミカル。
更に他の同僚や仲間に対しては表裏ない常識人としての一面も覗かせ、敵対者にも認めた相手には「御見それした」などと本心かどうかは兎も角も彼なりに敬意を払うかのような言動を見せている。*1



【戦闘能力】


もうすぐ完成だ!!この見事な没人形(マリオ)!!
見ろよ!!シンドリーちゃん!!まさに芸術…!!天才の所業!!!!

もう一息の所で失敗すればいい

何言ってんの!?シンドリーちゃん!!!まったくおめェの暴言には毎度生き肝を抜かれるぜ!!


上述の通り幹部の中では唯一悪魔の実の能力も有しておらず、戦闘力は皆無。むしろチョッパーやロー、マルコなど戦闘能力を有する船医の方がおかしいのかもしれないが
しかし医療技術はその名声と自負に違わず作中でもトップクラスであり、傷や損傷を完璧に修復し生前よりも遙かに強靱な死体没人形(マリオ)を作り出すことができる。
モリアの能力を持ってしても1000体を軽く超える屈強なゾンビ兵を作れるのは死体の修繕・強化を行うホグバックの力が大きい。

またルフィに敗れた直後のモリアをスリラーバークから連れ出して治療し(モリア本人のしぶとさもあるとはいえ)マリンフォード頂上決戦参戦時には完治させており、
作中ではほんの数日ほどしか経過していないうちにモリアを復活させたのは間違いなく天才外科医の彼の手腕によるものであると思われる。

更にはアブサロム「ライオンの顎」「ゾウの分厚い皮膚」「熊・ゴリラの凝縮された300㎏の筋肉」を移植したり、失われたオーズの右腕を完璧に再生させる離れ業も数多くやってのけている。ここまで来るともはや医術の範疇を越えてる気が…


【来歴】

◆過去

嘗ては優秀な腕を持つまっとうな名医であり、また当時絶大な人気を誇っていた舞台女優ビクトリア・シンドリーの大ファンであった。
当初患者として彼女と出会い、その美貌と人柄に惹かれた彼は意を決してプロポーズするも既にシンドリーには婚約者がいた為あえなく失恋。
更に傷心の最中程なくして彼女は舞台から転落死し、訃報を聞いたホグバックは立て続けなるショックから仕事に身が入らない程に落ち込んでしまう。

そして12年前(新世界編時点)にモリアからの勧誘に対して、シンドリーの復活を条件に加入。
その後シンドリーの墓暴きを決行し復活させて彼の部下となり、表舞台から完全に姿を消した。
因みにモリアにスカウトされた時の回想にて、既にアブサロムとペローナがモリア側に控えており、四怪人の中では一番の新参者である様子。

◆偉大なる航路編

スリラーバーク編

スリラーバーク編で初登場。
本人より先に彼の部下であるゾンビのヒルドン(CV:松野太紀)がその存在に言及しており、医者としてその名声を知るチョッパーは彼の名前を聞いて滅茶苦茶テンションが上がっていた。

そして一足先に島に迷い込んでいたナミ、ウソップ、チョッパーをその影を奪うために自身の屋敷へと誘い込み、
接触して間もない頃は正体を隠して表向きはシンドリーちゃん特製テーブル直置きプリンや、エロサロムが覗く風呂等で丁重にもてなしつつ一晩泊まるように勧めつつ、
念願叶ったチョッパーにはノリノリでサインを書き、一度はホグバックが研究している邪道の医学とされる「死者の蘇生」にも理解を示された際には「ドクトル・チョッパー」とお礼も述べチョッパーもご満悦だった。

しかし裏ではほか幹部らと共に麦わらの一味の拿捕と影の採集を手伝っており、チョッパーに研究所の見学をお願いされた際には今までとは打って変わって凄みを効かせて断っている。
また当然ゾンビ兵についても「あれらがなにか分からねェからここに住んでる」と嘘をついてごまかし、ウソップに変なガイコツについて聞かれるも明らかに動揺しつつしらを切っていた。

その為ナミには当初からそのきな臭さを怪しまれており、結局彼女が不信感をあらわにしたことで屋敷に仕えるゾンビ兵に追いかけ回されることになるが、その際に隠し扉を通じて自室と研究所を目撃されてしまう。
企みがバレた後は本性を露わにし、シンドリーと将軍ゾンビのリューマをけしかけ弱小トリオを一蹴した。

その後は影を取り戻すために行動を開始したルフィ達と遭遇。ルフィこそ取り逃がすもロビン、そして再びチョッパーと対峙する。
当初こそ純粋に敬意を抱いていたがその本性と死者の尊厳を踏みにじる研究内容の実情を知ったチョッパーからは失望され、
激しく糾弾されるも一切悪びれることはなく、それどころか元は惚れたシンドリーちゃんを含めゾンビをロクに人間扱いしない死者を冒涜した横暴な振る舞いにより遂にチョッパーの怒りを買う。

認めろ!! これが人の永遠の夢!! "死者の蘇生"だ!! 人類は蘇る!!!

人間ならもっと自由だ!!! お前が一番人間扱いしてないんじゃないか!!!

その糾弾に表情を歪めて一瞬言葉を詰まらせるも、「人間じゃねえ奴が命を語るんじゃねえよ!」と逆上しシンドリーに攻撃を続行するよう命令。
しかしその時、チョッパーの決死の説得により突如生前のビクトリア・シンドリーの意思がホグバックの命令を拒み出し動けなくなり、その隙に島内を彷徨っていたオーズに踏み潰され戦線離脱した。

戦いが終結して一味が去った後、サンジに倒されたアブサロムとルフィとの戦いに敗れ意識を失っていたモリアを回収し、スリラーバークから逃亡。*2その後モリアを治療し、モリアをマリンフォード頂上決戦参戦にこぎつけた。

新世界編では未だ未登場。
スリラーバークの四怪人の中では唯一所在も安否も不明となっている。

【ワンピース時代劇】

「時代劇特別編 破れ!スリラー商会の罠」にて登場。
こちらではモリアが登場しないのでボスとしてスリラー商会を率いて悪さをしている。

【余談】


担当声優の岩崎氏は後にワノ国編で黒炭オロチを演じており、その高音と低音入り交ぜた独特な演技でオロチの狂気と妄執を遺憾なく表現している。

元ネタ

彼のキャラ造形のモデルはお笑いコンビ・南海キャンディーズの山ちゃんこと山里亮太とされる。
そしてシンドリーの方は相方・しずちゃんこと山崎静代がモデルであり、実際に彼らの掛け合いは南海キャンディーズの漫才がモチーフになっている。
なお山ちゃんは過去に映画ONE PIECE FILM STRONG WORLDを宣伝する企画で作者の尾田栄一郎と知り合って以来彼と交友関係があり、
スリラーバーク編が始まる以前に「今度南海キャンディーズっぽいキャラが出てくるけどいい?」と打診されたと語っている。
また両者のやりとりのみならず、しずちゃんはシンドリー同様女優業の活動でも知られることや、山ちゃんが彼女(の芸人としてのポテンシャル)に惚れ込み猛アタックの末コンビ結成に至ったこと、一時期しずちゃんとのコンビ格差から執拗にモラハラやパワハラを繰り返し一時期は実質解散といわれるほどコンビ仲が冷え切っていたこと等も設定の原型となった可能性もある。

そして偶然にも彼はホグバックの登場から実に12年後、今度はなんと声優として映画出演を果たすことになるのだが、それはまた別のお話…。

ビクトリア・シンドリーへの想い

人気者だが気取りがなく…家族思いで誰にでも優しい…いい女…

普段は漫才のようなコミカルなやりとりを見せていたシンドリーちゃんに対しても「俺を振った女の中身なんざどうでも良かった」「その美貌さえあれば良い」と吐き捨てた上に、
あまつさえ彼女を蹴飛ばして床を舐める様に命令する等かつての想い人に対しても非常にけしからん下衆極まりない台詞や行動が目立った彼だが、その一方で上述の台詞通り生前の彼女を語る際にはその美貌については一言も触れず性格や立ち振る舞いしか口にしていなかったりする
そしてその際にも生前の彼女に白衣のボタンを付け直して貰った事を思い返しており、その様は寧ろ他でも無いホグバックが誰よりもシンドリーの「中身」にホレ込んでいた事を如実に表していたと言えよう。

また彼の技術や財力があれば背格好の似た女を買うなり攫うなりして、シンドリーそっくりの顔に整形するくらいの事も出来たはずである。
にも拘わらずあくまでシンドリー本人の死体をわざわざ盗掘してゾンビにして傍に置き、それでいて屋敷内の自室に彼女の生前の写真を大量に飾っている。ゾンビとして支配下に置いた後ならば写真など幾らでも撮れる筈なのに、である。
つまるところ、内心ではシンドリーの死を全く受け入れられていない。

その事を本人が自覚していたかは定かではないが、チョッパーとの問答でみせた下劣な言動も「体は手に入れられても心は永遠に手に入らないのだから、中身なんてどうでも良い」という強がり、現実逃避であったと推測することができるかもしれない。
実際、「お前が一番人間扱いしてないんじゃないか!!!!」というチョッパーの叫びに対して、直前まで笑いながら反論をしていたホグバックが図星を突かれたかのように苦い表情で冷や汗をたらし俯くコマが挿入されている。存外に、彼の内心は相当複雑なもののようである。


す…!! すまねェ患者に追記・修正をして貰っちまうとは
ウフフいいんです

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最終更新:2025年05月11日 11:46

*1 また最終的には激しく失望されるに至ったチョッパーに対しても、時折「バカトナカイ」など罵倒の言葉を交えつつも終始「Dr.チョッパー」と呼んでおり、彼の影を助手として使おうとするなどある程度は彼を認めていたような描写も見られた

*2 ペローナに関しては時既にバーソロミュー・くまによってクライガナ島まで吹っ飛ばされてしまっていた為に発見出来ず、捜索を断念している。