雁が海を渡って遠くへ飛ぶとき、会場で羽を休めるために枯れ葦を口に加えて行くという。
要するに、その雁は準備万端と言うことであり。
『葦を啣む雁』という熟語が、準備万端を意味する言葉として存在している。
要するに、その雁は準備万端と言うことであり。
『葦を啣む雁』という熟語が、準備万端を意味する言葉として存在している。
ある家に、出来損ないの姉妹が存在した。
姉も妹も才能はなく。いや、あったにしても妹は中途半端な才能が足枷となっていた。
一卵性双生児、呪術の世界において同一人物とみなされる二人。
故に、中途半端を解消するには全てを持って行ってもらうしかない。
姉も妹も才能はなく。いや、あったにしても妹は中途半端な才能が足枷となっていた。
一卵性双生児、呪術の世界において同一人物とみなされる二人。
故に、中途半端を解消するには全てを持って行ってもらうしかない。
妹は、それを選択した。
姉の中途半端を、長くなりすぎた葦を切り離した。
切り離し、中途半端をすべて背負って、お別れを告げて、向こう側へと旅立った。
唯一、願うべき呪いを残して―――
姉の中途半端を、長くなりすぎた葦を切り離した。
切り離し、中途半端をすべて背負って、お別れを告げて、向こう側へと旅立った。
唯一、願うべき呪いを残して―――
"全部、壊して"
この日、姉は。
"完全"な零を得た。
□
「……慣れねぇもんよ、他人の体なんざ。」
瞳に映る夜空を見上げながら、禪院真希という女は一人呟いた。
禪院家を全て壊して、気がづけばこんな辺鄙な場所に、殺し合いという場所に居た。
禪院の柵(しがらみ)の次は殺し合いだとは、一周回って笑えてくると自嘲したくなる。
まずこの体は色々と不便だ。元の体と似つかぬ細腕。緑色のヘアバンドで纏めた短い金髪。如何にもご令嬢だと言わんばかりの顔立ち。
禪院真希の魂が宿る、今のこの身体(ボディ)の持ち主の名はセーニャと言った。
妹を喪った自分とは対称的な、姉を喪った妹だ。
禪院家を全て壊して、気がづけばこんな辺鄙な場所に、殺し合いという場所に居た。
禪院の柵(しがらみ)の次は殺し合いだとは、一周回って笑えてくると自嘲したくなる。
まずこの体は色々と不便だ。元の体と似つかぬ細腕。緑色のヘアバンドで纏めた短い金髪。如何にもご令嬢だと言わんばかりの顔立ち。
禪院真希の魂が宿る、今のこの身体(ボディ)の持ち主の名はセーニャと言った。
妹を喪った自分とは対称的な、姉を喪った妹だ。
「……けっ。」
運命の悪戯、にしてはたちが悪すぎるだろ、とは思った。
ただ、少なくとも身体の方は姉妹の関係は良かったようではある。姉へのコンプレックスはあれど良好な関係を築けていたようだ。
自分たちとは、違っていた。仲違いしてしまった自分たちとは、大違いだった。
最後の最後に、ああなってしまったのは、ある意味救いだったのか。それとも。
ただ、少なくとも身体の方は姉妹の関係は良かったようではある。姉へのコンプレックスはあれど良好な関係を築けていたようだ。
自分たちとは、違っていた。仲違いしてしまった自分たちとは、大違いだった。
最後の最後に、ああなってしまったのは、ある意味救いだったのか。それとも。
「……いいか。」
自分でも何を考えていたのか、馬鹿らしくなった。
まあ殺し合いというか大量虐殺なんざ禪院家だけで十分だ。必要以上に巻き込むつもりはない。
家の事は全て片付いた、こっから先は禪院家の落語者ではなく、元の世界に帰るため、禪院真希という呪術師としてやらせてもらう。
まあ殺し合いというか大量虐殺なんざ禪院家だけで十分だ。必要以上に巻き込むつもりはない。
家の事は全て片付いた、こっから先は禪院家の落語者ではなく、元の世界に帰るため、禪院真希という呪術師としてやらせてもらう。
「じゃあ、自由にやりますか。呪術師らしく、あたしらしく。」
【禪院真希@呪術廻戦】
[身体]:セーニャ@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない、さっさと元の世界へ帰らせてもらう
1:自由にやりますか。呪術師らしく、あたしらしく。
[備考]
※参戦時期は17巻『葦を啣む』以降
[身体]:セーニャ@ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本方針:殺し合いには乗らない、さっさと元の世界へ帰らせてもらう
1:自由にやりますか。呪術師らしく、あたしらしく。
[備考]
※参戦時期は17巻『葦を啣む』以降
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