「ウオオオオォォォーーッ!!!」
ポプ子は今、街中を走っている。
ロナルド吸血鬼退治事務所を飛び出した彼女の次の目的地は、ここから南東方向にあるH-8エリア、そこにある錦御殿だ。
精神入れ替えが可能らしい物がある場所の把握のため、彼女は施設を片っ端から探すことに決めていた。
そして前にロナルド吸血鬼以下略の中でとりあえず現在地を確認した後、本当に全ての施設を順番に巡ることができるようにするために、南東の端の錦御殿の方に向かおうとしていた。
けれども彼女はまだ、G-7エリアのやや西寄りの方にいた。
元々いたロナルド以下略がそもそもこのエリアのやや西寄りにあったからだ。
ロナルド吸血鬼退治事務所を飛び出した彼女の次の目的地は、ここから南東方向にあるH-8エリア、そこにある錦御殿だ。
精神入れ替えが可能らしい物がある場所の把握のため、彼女は施設を片っ端から探すことに決めていた。
そして前にロナルド吸血鬼以下略の中でとりあえず現在地を確認した後、本当に全ての施設を順番に巡ることができるようにするために、南東の端の錦御殿の方に向かおうとしていた。
けれども彼女はまだ、G-7エリアのやや西寄りの方にいた。
元々いたロナルド以下略がそもそもこのエリアのやや西寄りにあったからだ。
そしてそこからまだ脱出できていない段階で、非常事態が起きることになる。
まだ、南東の方へ行くための方向転換をしたばかりの時であった。
まだ、南東の方へ行くための方向転換をしたばかりの時であった。
「それじゃあ早速、やってちょうだい」
『SHAAAA!』
「何だっ!?」
『SHAAAA!』
「何だっ!?」
ポプ子めがけて何かが飛んできた。
その何かを、ポプ子は咄嗟に横に跳んで避けた。
飛んできたものは、黄味がかかった吐瀉物のような見た目の液体の塊だった。
液体は先ほどまでポプ子のいた場所に着弾すると、そこのコンクリートの地面を瞬く間に溶かしていった。
飛んできたものは溶解液だったのだ。
その何かを、ポプ子は咄嗟に横に跳んで避けた。
飛んできたものは、黄味がかかった吐瀉物のような見た目の液体の塊だった。
液体は先ほどまでポプ子のいた場所に着弾すると、そこのコンクリートの地面を瞬く間に溶かしていった。
飛んできたものは溶解液だったのだ。
「あら……まあ、とりあえずはこんなものでしょうか」
「てめえは…!」
「てめえは…!」
溶解液の飛んできた方へ顔を向けると、紫を基調としたカラーリングの仮面の騎士が、その場に立っていた。
その隣には、これまた紫の体色をした巨大なコブラが佇んでいた。
仮面ライダー王蛇とその契約ミラーモンスターのベノスネーカーがそこにいた。
溶解液を吐いたのはミラーモンスターの方だ。
彼らの中身は、本来の王蛇である浅倉威の身体となった朝倉涼子と、その並行同位体のあちゃくらさんだ。
その隣には、これまた紫の体色をした巨大なコブラが佇んでいた。
仮面ライダー王蛇とその契約ミラーモンスターのベノスネーカーがそこにいた。
溶解液を吐いたのはミラーモンスターの方だ。
彼らの中身は、本来の王蛇である浅倉威の身体となった朝倉涼子と、その並行同位体のあちゃくらさんだ。
◇
「いきなり何すっだてめえぇーーーッ!!!」
「殺し合いにいきなりも何もないでしょう」
「殺し合いにいきなりも何もないでしょう」
ポプ子がロ以下略内の窓ガラスを割った音を聞き付けて、朝倉涼子はこの場に現れた。
標的となる者を見つけたのなら、後は元の世界に速やかに帰還するという自分の目的のために排除するだけだ。
ポプ子を発見した彼女は早速、あちゃくらさんの方に指示を出して攻撃させた。
結果は避けられこちら側にも気付かれたが、ならば次は相手を倒せるまで戦うだけだ。
標的となる者を見つけたのなら、後は元の世界に速やかに帰還するという自分の目的のために排除するだけだ。
ポプ子を発見した彼女は早速、あちゃくらさんの方に指示を出して攻撃させた。
結果は避けられこちら側にも気付かれたが、ならば次は相手を倒せるまで戦うだけだ。
『SWORD VENT』
朝倉はデッキから取り出したソードベントのカードを杖型召喚機のベノバイザーに装填する。
そうして召喚したベノスネーカーの尻尾を模した武器であるベノサーベルを手に取り構える。
そうして召喚したベノスネーカーの尻尾を模した武器であるベノサーベルを手に取り構える。
「初対面なところ申し訳ありませんが、私には急いで行かなければいけないところがあるので、この殺し合いを早く終わらせるために死んでください」
「急いでんのはこっちだって同じじゃボケェーッ!!てめえが先に消えろやあーっ!!」
「急いでんのはこっちだって同じじゃボケェーッ!!てめえが先に消えろやあーっ!!」
朝倉の言葉に対しポプ子も中指を立てながら叫ぶ。
ムカついたポプ子は移動を一旦止めて、応戦することを決めた。
そして腕を振り回しながら、ベノサーベルを構える朝倉に向かって走って突っ込んでいく。
ムカついたポプ子は移動を一旦止めて、応戦することを決めた。
そして腕を振り回しながら、ベノサーベルを構える朝倉に向かって走って突っ込んでいく。
「おりゃあ!」
ポプ子はパンチを繰り出そうとする。
しかしそれは明らかに、相手に届かない距離からでのものであった。
けれども、それで問題は無かった。
しかしそれは明らかに、相手に届かない距離からでのものであった。
けれども、それで問題は無かった。
『ビュンッ』
「!」
「!」
今のポプ子のレグとしての身体での腕は、前腕から先がロボットらしく機械の外観をしている。
その前腕の更に前半分の部分が、ポプ子が腕を振り回すと同時に割れる。
割れたとは言っても、離れた部分とはワイヤーロープで繋がっていた。
その前腕の更に前半分の部分が、ポプ子が腕を振り回すと同時に割れる。
割れたとは言っても、離れた部分とはワイヤーロープで繋がっていた。
そして割れた先の拳部分が、朝倉の方に目掛けて飛んでいった。
飛んで離れていくにつれて、ワイヤーも体から出て伸びていく。
飛んで離れていくにつれて、ワイヤーも体から出て伸びていく。
こうしてポプ子の拳は、ワイヤーを伸ばしながら離れたところからでも朝倉に向かって飛んでいくことができていた。
朝倉はそれに対し、咄嗟にベノサーベルを自分の顔の前辺りを守るよう斜めに立てる形に構え直す。
朝倉はそれに対し、咄嗟にベノサーベルを自分の顔の前辺りを守るよう斜めに立てる形に構え直す。
『ガシィ』
ポプ子は伸ばした手を開き、ベノサーベルの刃部分を掴んだ。
これを掴んでも、その機械の手の平が傷付くことはない。
これを掴んでも、その機械の手の平が傷付くことはない。
「でえい!」
『ブン!』
「わっ…」
『ブン!』
「わっ…」
ポプ子は腕を上に勢いよく上げる。
繋がるワイヤーと離れた手の方もそれに伴って空中へと引き上げられる。
ポプ子の手が掴むベノサーベルを朝倉もまだしっかりと持ち手を握っていたために、彼女も一緒に空中へと放られる形になる。
繋がるワイヤーと離れた手の方もそれに伴って空中へと引き上げられる。
ポプ子の手が掴むベノサーベルを朝倉もまだしっかりと持ち手を握っていたために、彼女も一緒に空中へと放られる形になる。
(お願いしますよ)
『SHAAA!(あっはい!)』
『SHAAA!(あっはい!)』
空中に放り出された朝倉は、視線を一瞬ベノスネーカー(あちゃくら)の方に向ける。
その視線から相手が伝えんとしている意図を察知したあちゃくらが行動に出る。
あちゃくらは、もう一度ポプ子に向かって溶解液を吐いた。
その視線から相手が伝えんとしている意図を察知したあちゃくらが行動に出る。
あちゃくらは、もう一度ポプ子に向かって溶解液を吐いた。
「クソッ!」
ポプ子はその溶解液も横に飛んで避ける。
『パッ』
ポプ子がその行動をとった隙に、朝倉はベノサーベルを一度手から離す。
地面に降り立ち、もう片方の手に持っていたベノバイザーを構える。
地面に降り立ち、もう片方の手に持っていたベノバイザーを構える。
「私を奴に向けて弾き飛ばしなさい」
『SHA?(えっ?)』
「いいからやりなさい」
『SHA,SHAA!(は、はい!)』
『SHA?(えっ?)』
「いいからやりなさい」
『SHA,SHAA!(は、はい!)』
朝倉はあちゃくらに自分をポプ子に向かって飛ばすよう指示する。
『バシィ』『ビュンッ』『ドゴォ』
「ぐへぇ!?」
「ぐへぇ!?」
あちゃくらは尻尾で朝倉を弾き飛ばす。
朝倉はベノバイザーの下部先端を前に向けながら吹っ飛んでいった。
ポプ子はそれを止められず、ベノバイザーの先端による突きを胸元に喰らう。
その衝撃でポプ子も吹っ飛ばされ、伸びた手の先に掴んでいたベノサーベルの刃も離してしまう。
朝倉はベノバイザーの下部先端を前に向けながら吹っ飛んでいった。
ポプ子はそれを止められず、ベノバイザーの先端による突きを胸元に喰らう。
その衝撃でポプ子も吹っ飛ばされ、伸びた手の先に掴んでいたベノサーベルの刃も離してしまう。
「ふーん……皮膚は人間とそこまで変わらないようですが…?」
朝倉は先の攻撃の感触からそんな風に感じる。
腕がロープに繋がる形で分離して伸びるところから、相手の身体が普通の人間のものではないことは流石に理解している。
今の自分の身体は一応は普通の人間のもので、戦闘能力は支給品の変身アイテムに依存してしまっている状態だ。
相手の能力はまだほんの僅かなものしか見ていないが、その点からまだ自分の方が一歩劣っているかもしれないと感じる。
けれども相手が衝撃によって苦悶の声を上げるのならば、隙に付け入れられる可能性も見えてくる。
ただ皮膚の感触は人間と変わらなかったが、突いたところは傷が付いたようには見えない。
感触は同じでも、人間よりも頑丈そうでもあった。
そんなことも考えながら、朝倉は後ろに下がって地面に落ちたベノサーベルを拾い上げる。
腕がロープに繋がる形で分離して伸びるところから、相手の身体が普通の人間のものではないことは流石に理解している。
今の自分の身体は一応は普通の人間のもので、戦闘能力は支給品の変身アイテムに依存してしまっている状態だ。
相手の能力はまだほんの僅かなものしか見ていないが、その点からまだ自分の方が一歩劣っているかもしれないと感じる。
けれども相手が衝撃によって苦悶の声を上げるのならば、隙に付け入れられる可能性も見えてくる。
ただ皮膚の感触は人間と変わらなかったが、突いたところは傷が付いたようには見えない。
感触は同じでも、人間よりも頑丈そうでもあった。
そんなことも考えながら、朝倉は後ろに下がって地面に落ちたベノサーベルを拾い上げる。
「で、あなたの方は私にしては反応が鈍いですね。もっとしっかりしてください」
『S,SHAaa…(は、はあ…)』
『S,SHAaa…(は、はあ…)』
ついでに朝倉はあちゃくらに文句を言う。
並行世界(スピンオフ)とはいえかつては同じ朝倉涼子という存在だった。
しかしここに来る前まで、ぶっちゃけあちゃくらは本来の自分の使命を忘れかけているくらいにはボケかけているところがある。
これまでは長門有希の家事の手伝いばかりだったため、それも無理はないかもしれない。
おかげで戦闘のための心構えもできていないままここにいる。
並行世界(スピンオフ)とはいえかつては同じ朝倉涼子という存在だった。
しかしここに来る前まで、ぶっちゃけあちゃくらは本来の自分の使命を忘れかけているくらいにはボケかけているところがある。
これまでは長門有希の家事の手伝いばかりだったため、それも無理はないかもしれない。
おかげで戦闘のための心構えもできていないままここにいる。
「ちっ、やるじゃねえか…」
ベノバイザーで突かれて倒れていたポプ子が起き上がる。
伸ばされたワイヤーロープも仕舞われて腕も最初の状態に戻っている。
ほんの少しの攻防だが、相手は手練れであることが感じられる。
自分もまた、より気を引き締めて戦わなければないことを思わされる。
伸ばされたワイヤーロープも仕舞われて腕も最初の状態に戻っている。
ほんの少しの攻防だが、相手は手練れであることが感じられる。
自分もまた、より気を引き締めて戦わなければないことを思わされる。
「そんじゃあ、もういっちょ行きますか!」
ポプ子はもう一度攻撃を試みようとする。
左腕の中からワイヤーを少し引き出し、その先の手は拳を握りしめる。
そして右手でワイヤーロープ部分の途中を掴み、そこを中心に繋がった腕をブンブンと回転させ始める。
左腕の中からワイヤーを少し引き出し、その先の手は拳を握りしめる。
そして右手でワイヤーロープ部分の途中を掴み、そこを中心に繋がった腕をブンブンと回転させ始める。
「うおおおおおお!!」
ポプ子は腕の回転速度を上げながらもう一度駆け出す。
「おりゃあ!!」
そうして速度を付けたワイヤー先の握り拳を、朝倉に向けて投げ出した。
対する朝倉はベノサーベルでそれを弾き返すことを考えながら構える。
対する朝倉はベノサーベルでそれを弾き返すことを考えながら構える。
そして、その拳が朝倉の方に届きそうになった時だった。
『ADVENT』
そんな音声と共に、近くに落ちていたガラスから1体の大きな影が飛び出した。
そのガラスは、近くにあるロナルド吸血鬼退治事務所の窓ガラスが割れたものだ。
ポプ子が中から割って吹っ飛ばしたものだ。
そのガラスは、近くにあるロナルド吸血鬼退治事務所の窓ガラスが割れたものだ。
ポプ子が中から割って吹っ飛ばしたものだ。
『バシッ』『ガキンッ』
「何ッ!?」
「あら…」
「何ッ!?」
「あら…」
影はポプ子と朝倉の間に入り、2人の攻撃を受け止める。
それは白い体に青い縞模様の虎のような姿をした二足歩行の怪物だ。
現れたそいつの正体は、ミラーモンスターのデストワイルダー。
さらに言えばそこに宿された精神、城戸真司だ。
それは白い体に青い縞模様の虎のような姿をした二足歩行の怪物だ。
現れたそいつの正体は、ミラーモンスターのデストワイルダー。
さらに言えばそこに宿された精神、城戸真司だ。
「はいはーい!そこ2人、一旦ストップしてねー」
女の声でそんな言葉が投げかけられる。
声の聞こえて来た方向に顔を向けてみれば、そこには全身を白銀の鎧のようなもので包んだ者がいた。
それは朝倉が変身している仮面ライダー王蛇と同じく、ミラーワールドで活動するための仮面ライダーの1人であるタイガだ。
そして今は姿を隠しているその中身は、エディータ・ロスマンの身体となっている五条悟だ。
彼は、予め支給品のデッキを使って変身した状態でこの場に現れた。
声の聞こえて来た方向に顔を向けてみれば、そこには全身を白銀の鎧のようなもので包んだ者がいた。
それは朝倉が変身している仮面ライダー王蛇と同じく、ミラーワールドで活動するための仮面ライダーの1人であるタイガだ。
そして今は姿を隠しているその中身は、エディータ・ロスマンの身体となっている五条悟だ。
彼は、予め支給品のデッキを使って変身した状態でこの場に現れた。
◆
五条悟と城戸真司も、朝倉達と同じくガラスの破壊音を聞きつけてここに来た。
彼らがたどり着いた時にはもう、戦いは始まっていた。
ポプ子と朝倉達はそれぞれ相手方に集中していて五条達が来たことには気づいていなかった。
そのためその隙に、五条はタイガのデッキを使って変身しておいた。
そしてポプ子と朝倉2人を止めるためにそれぞれが攻撃を行おうとするタイミングに合わせてデストワイルダー(真司)をアドベントのカードで召喚した。
良い位置にガラスの破片も落ちていたため、そこに映る鏡像からこちら側に呼び出して2人の間に割り込ませることができた。
彼らがたどり着いた時にはもう、戦いは始まっていた。
ポプ子と朝倉達はそれぞれ相手方に集中していて五条達が来たことには気づいていなかった。
そのためその隙に、五条はタイガのデッキを使って変身しておいた。
そしてポプ子と朝倉2人を止めるためにそれぞれが攻撃を行おうとするタイミングに合わせてデストワイルダー(真司)をアドベントのカードで召喚した。
良い位置にガラスの破片も落ちていたため、そこに映る鏡像からこちら側に呼び出して2人の間に割り込ませることができた。
(しかしまさか、王蛇のデッキまであったなんて……声からして、体も浅倉のものか?)
自分が片腕で止めているベノサーベルの持ち主を見ながら真司は考える。
浅倉威の身体がこの舞台に存在することは五条から見せてもらった身体側名簿から把握していたが、まさかこんな早くそれと対面することになるとは思っていなかった。
しかもピンポイントに王蛇に変身できるようになっていることも驚きだった。
付属品に自分(デストワイルダー)が付いてきているタイガのデッキの支給先は本来の持ち主である東條悟のものでなかったためにも余計にそんな風に感じていた。
※そもそも、参加者の精神・身体側にも東條悟がいない。
本来の使い手である浅倉の身体ならば、それにしっかりとフィットして力を発揮できるだろうという考えからそこに支給したのだろうか。
浅倉威の身体がこの舞台に存在することは五条から見せてもらった身体側名簿から把握していたが、まさかこんな早くそれと対面することになるとは思っていなかった。
しかもピンポイントに王蛇に変身できるようになっていることも驚きだった。
付属品に自分(デストワイルダー)が付いてきているタイガのデッキの支給先は本来の持ち主である東條悟のものでなかったためにも余計にそんな風に感じていた。
※そもそも、参加者の精神・身体側にも東條悟がいない。
本来の使い手である浅倉の身体ならば、それにしっかりとフィットして力を発揮できるだろうという考えからそこに支給したのだろうか。
(それにあのミラーモンスター、あいつも俺と同じで誰かが中にいるってことだよな……)
王蛇のデッキがあるならば、それに付属してミラーモンスターのベノスネーカーも一緒にいることも必然なことだった。
そしてその中身もまた、自分と同じく人間の誰かの精神が宿らされていることも真司には察せられた。
そしてその中身もまた、自分と同じく人間の誰かの精神が宿らされていることも真司には察せられた。
「さてと、一応言うだけ言ってみようか…。僕は五条悟、君たちはこの名前に聞き覚えは?」
「あ゛ぁ゛っ!?てめえなんざ知るかあ!」
「私もあなたのことは知りませんね」
「あ゛ぁ゛っ!?てめえなんざ知るかあ!」
「私もあなたのことは知りませんね」
真司を間に挟んだまま五条の質問にポプ子と朝倉は答える。
ポプ子の方は伸ばした腕を元に戻し、離れた所にいたままに答えていた。
朝倉はともかく、ここにいるポプ子は五条の知識は無いようだった。
ポプ子の方は伸ばした腕を元に戻し、離れた所にいたままに答えていた。
朝倉はともかく、ここにいるポプ子は五条の知識は無いようだった。
「よし、分かった。それじゃあ次に、君たちはこの殺し合いには乗っているのかな?」
「一々聞くんじゃねえよ面倒くせえ!急いでんだよ死ねや!!」
「…………そうですね、私にも急がなければならない用事があるので、どんな形でもこの殺し合いはさっさと終わらせたいです」
「一々聞くんじゃねえよ面倒くせえ!急いでんだよ死ねや!!」
「…………そうですね、私にも急がなければならない用事があるので、どんな形でもこの殺し合いはさっさと終わらせたいです」
五条からの質問にポプ子は殺意で返す。
朝倉も自分の方から仕掛けた手前あまり誤魔化さず、少し遠回しに優勝してでも元の所に帰りたいことを伝える。
朝倉も自分の方から仕掛けた手前あまり誤魔化さず、少し遠回しに優勝してでも元の所に帰りたいことを伝える。
『GUO,GAA!(お、おいあんた!)』
『S,SHA!?(は、はい!?)』
『S,SHA!?(は、はい!?)』
真司の方も近くにいるベノスネーカー(あちゃくら)に対話を試みる。
ミラーモンスター同士ならば言葉が通じる、という事実を生前に確認したことがあるわけではない。
けれどもミラーモンスターになっている者同士、少しでも可能性があるのならば相手が何を考えているかを確かめない訳にもいかない。
もしかしたら無理矢理従わされているだけで、本当は人を殺すための道具として利用されることを嫌だと思っているかもしれない、とも真司は考えていた。
そして今声をかけてみた感じ、どうやらこの場においてはミラーモンスター同士ならば言葉は通じるようだった。
ミラーモンスター同士ならば言葉が通じる、という事実を生前に確認したことがあるわけではない。
けれどもミラーモンスターになっている者同士、少しでも可能性があるのならば相手が何を考えているかを確かめない訳にもいかない。
もしかしたら無理矢理従わされているだけで、本当は人を殺すための道具として利用されることを嫌だと思っているかもしれない、とも真司は考えていた。
そして今声をかけてみた感じ、どうやらこの場においてはミラーモンスター同士ならば言葉は通じるようだった。
『GUU,GUO!GUAO!(あんた、本当はそいつに従うのは嫌だと思ってねえか?それなら、何とか逆らってみないか!?)』
真司としては、ミラーモンスターが契約主を攻撃したことのある事例を知っている。
それこそ件の浅倉威が契約していた3体のミラーモンスターがそうであった。
彼らは浅倉が餌となる野良のミラーモンスターを倒して自分達に与えてくれないために、そんなことになってしまった。
そんな時に対し浅倉は、餌に出来そうな野良ミラーモンスターを倒すために、中学生の少女を囮にした。
ちなみにその時の浅倉はあくまで囮にしただけで助けるつもりは全く無かったが、結果的にはその少女を守る形となり、彼女の心の拠り所になっていた。
これについては少女が両親を上記の野良ミラーモンスターに殺されたばかりだったからということもあったが。
最終的には浅倉を見捨てないことを決めた真司が配慮したこともあり、浅倉は少女を狙っていたミラーモンスターを餌として与えることができた。
それこそ件の浅倉威が契約していた3体のミラーモンスターがそうであった。
彼らは浅倉が餌となる野良のミラーモンスターを倒して自分達に与えてくれないために、そんなことになってしまった。
そんな時に対し浅倉は、餌に出来そうな野良ミラーモンスターを倒すために、中学生の少女を囮にした。
ちなみにその時の浅倉はあくまで囮にしただけで助けるつもりは全く無かったが、結果的にはその少女を守る形となり、彼女の心の拠り所になっていた。
これについては少女が両親を上記の野良ミラーモンスターに殺されたばかりだったからということもあったが。
最終的には浅倉を見捨てないことを決めた真司が配慮したこともあり、浅倉は少女を狙っていたミラーモンスターを餌として与えることができた。
話は逸れたがようするに、基本的には命を食うという本能を満たすためにミラーモンスターは契約者に従うが、それが無くなれば攻撃してくる。
ここにはミラーモンスターはライダーのカードデッキと契約状態にあるもの以外の野良は存在しないため、食事が出来る機会は滅多にない、契約継続のための条件を満たしにくいだろう。
そもそも中に人がいる状態だったミラーモンスターを食べたいとも思わないだろう(これについては真司の希望的観測を含む)。
そして本来のミラーモンスターよりも人間らしい思考ができている自分達ならば、より逆らいやすいのではないかという可能性を真司は考えていた。
ここにはミラーモンスターはライダーのカードデッキと契約状態にあるもの以外の野良は存在しないため、食事が出来る機会は滅多にない、契約継続のための条件を満たしにくいだろう。
そもそも中に人がいる状態だったミラーモンスターを食べたいとも思わないだろう(これについては真司の希望的観測を含む)。
そして本来のミラーモンスターよりも人間らしい思考ができている自分達ならば、より逆らいやすいのではないかという可能性を真司は考えていた。
『Shiii……Aaaa……(いやー……そのぉ……)』
真司に対しあちゃくらは歯切れの悪い状態になる。
『S、SHAAa.(いや、そのですね?私としては別にこの人を見捨てても構わないのですが……何か、いきなり自分を裏切るようなことをしたら私の死亡フラグも立つような気もしてきまして…ね?)』
『GAU?(はぁ?)』
『GAU?(はぁ?)』
あちゃくらは煮え切らない感じのまま真司にそんなことを伝える。
こんなことを言うのは、ただデッキの契約の力で従わされているからだけではない。
殺し合いが始まって早々に裏切るような真似をするのは読者等に対し悪印象を与えるかもしれない。
そうしたら、早死にするかもしれないみたいな考えも浮かんできていた。
だから今この瞬間はまだ、朝倉のことを完全に表立って裏切るのはまだ早いと思ってきていた。
こんなことを言うのは、ただデッキの契約の力で従わされているからだけではない。
殺し合いが始まって早々に裏切るような真似をするのは読者等に対し悪印象を与えるかもしれない。
そうしたら、早死にするかもしれないみたいな考えも浮かんできていた。
だから今この瞬間はまだ、朝倉のことを完全に表立って裏切るのはまだ早いと思ってきていた。
あちゃくらのそんな思惑までは真司にはあまりよく飲み込めなかった。
特に、『自分』を裏切るという発言の意図が特にクエスチョンマークが浮かんだ。
まあ、まさかライダーと契約ミラーモンスターで、それぞれの中身が並行世界の同一人物同士だなんてことは流石に真司の想像の範囲を超えていたことであったが。
そのおかげで、真司からしてみれば相手の発言は要領を得ないものとしか捉えられない。
特に、『自分』を裏切るという発言の意図が特にクエスチョンマークが浮かんだ。
まあ、まさかライダーと契約ミラーモンスターで、それぞれの中身が並行世界の同一人物同士だなんてことは流石に真司の想像の範囲を超えていたことであったが。
そのおかげで、真司からしてみれば相手の発言は要領を得ないものとしか捉えられない。
◇
「まあ、君達がとにかく急いでいることは分かったけど……だからってどうしても殺し合わなくちゃいけないのかい?」
「ふうん…?」
「はあぁあぁあ~~っん!?」
「ふうん…?」
「はあぁあぁあ~~っん!?」
五条はポプ子と朝倉に対し問いかけた。
その言葉に、朝倉は少しだけ耳を傾けるような仕草を見せるが、ポプ子の方はそのような態度にならなかった。
その言葉に、朝倉は少しだけ耳を傾けるような仕草を見せるが、ポプ子の方はそのような態度にならなかった。
「帰ることが目的なら、無闇に戦って敵を増やすよりも、まずは一緒にこの舞台から脱出する方法を探してみる方が生き残るためにも良いとは思わないかい?」
五条は今ここで行われていた戦いを停戦することを呼び掛けた。
帰ることだけが目的ならば、殺し合い以外にも道はあるかもしれないと言っていた。
帰ることだけが目的ならば、殺し合い以外にも道はあるかもしれないと言っていた。
「ナメんじゃねえぞ!」
しかしポプ子はその言葉に反発する。
「こちとら今滅茶苦茶ムカついてんじゃ!そこの奴はぶっ殺さなきゃ気が済まねえ!」
ポプ子は声を荒げながら叫ぶ。
自分に対し攻撃を仕掛けてきた朝倉に対する苛つきと殺意は抑えられない。
ここで停戦するなんて彼女の中ではあり得ないことだった。
五条の言葉に対し聞く耳は初めから持っていなかった。
自分に対し攻撃を仕掛けてきた朝倉に対する苛つきと殺意は抑えられない。
ここで停戦するなんて彼女の中ではあり得ないことだった。
五条の言葉に対し聞く耳は初めから持っていなかった。
「そうですね……確かに、あなたの言うことにも一理あるかもしれません」
対する朝倉の方は、何と引き下がるような動きを見せた。
ベノサーベルを下ろし、数歩下がって真司から離れる。
ベノサーベルを下ろし、数歩下がって真司から離れる。
「帰るだけなら確かに、あの月と殺し合いの舞台周りに張られているというバリアを何とかできれば良いですよね。ごめんさないね、こんなことをしていて」
朝倉は何と、五条の言葉の方に賛同するようなことを言い始めた。
「身体の方は元に戻さなくても良いのかい?」
「それはまあ……どうせ私の本来のものはありませんし、別にここから帰れた後で解決策を探しますよ」
「それはまあ……どうせ私の本来のものはありませんし、別にここから帰れた後で解決策を探しますよ」
そしてあくまで、脱出の方が優先事項だということも伝える。
『G,GI,GUAU!(な、何だよ、あんたの相棒、話せば分かる奴じゃんか!)』
『…SHIii……Aaa……?(…いやー……そのー………どうなんでしょう……?)』
『GAU?(え?)』
『…SHIii……Aaa……?(…いやー……そのー………どうなんでしょう……?)』
『GAU?(え?)』
意外にも朝倉が歩み寄ってくれたと思い、少々楽観的な反応をしてしまう。
しかしそれに対しあちゃくらの方は、先ほどよりも更に歯切れの悪い感じになる。
しかしそれに対しあちゃくらの方は、先ほどよりも更に歯切れの悪い感じになる。
「あーハイハイそーですかそーですか分かりましたよ!!」
朝倉の言葉に対し五条が何か返事をする前に、ポプ子がうんざりしたような様子を見せながら声を出す。
「お前らが共闘しようが裏切り合おうがどうでもいい!どうせここにナナチはいねえんだ!どのみち視界に映るお前ら全員ぶっ殺せば良いってだけのことよおッ!!」
そう叫んでポプ子は、攻撃のための活動を再開した。
◆
「オラァ!」
ポプ子は元からいた遠距離の方から、再び拳をワイヤーで伸ばして飛ばしてくる。
『グイッ』
『GUO!?(うおっ!?)』
『ガキィン!』
『GUO!?(うおっ!?)』
『ガキィン!』
それに対し朝倉が真司を引っ張って後ろにやり、ポプ子の拳をベノサーベルで弾く。
「私を信用できるかどうかは別として、一先ずはアレを何とかしてから話をしましょう」
ポプ子の方に向けて剣を構えながら朝倉は五条に話しかける。
先ほどポプ子がさりげなく裏切りの可能性を指摘していたためか、前もって信頼性の問題にも触れていた。
先ほどポプ子がさりげなく裏切りの可能性を指摘していたためか、前もって信頼性の問題にも触れていた。
「……まあそうだね。アイツ相当興奮しているみたいだし」
五条は少し考え込む様子を見せるが、すぐにポプ子の方に向き直る。
先ほど真司を呼び出すために使ったタイガ用の召喚機でもあるタイガとしての武器、デストバイザーという斧を構える。
先ほど真司を呼び出すために使ったタイガ用の召喚機でもあるタイガとしての武器、デストバイザーという斧を構える。
『バッ』
ポプ子は伸ばした腕をまた一旦元に戻す。
その直ぐ後に、両腕を地面に対し平行な横向きの動きで自分の後ろの方に回す。
その直ぐ後に、両腕を地面に対し平行な横向きの動きで自分の後ろの方に回す。
「ウオオオリャアァッ!!」
『ビュンッ』
『ビュンッ』
そしてそこから戻すような形で再び横向きに腕を前の方に勢いよく回し振る。
同時に、両腕のワイヤーロープが遠心力に従うように伸ばされる。
それはこれまでよりも速く、そして長く伸びていった。
伸びていく量は明らかに、合計すればこれを出しているポプ子のレグとしての身体の体積を超えていた。
ポプ子が両腕を広げていたことにより、どんどん伸びていくワイヤーの線は、五条や朝倉達をまとめて囲う程に拡がっていく。
同時に、両腕のワイヤーロープが遠心力に従うように伸ばされる。
それはこれまでよりも速く、そして長く伸びていった。
伸びていく量は明らかに、合計すればこれを出しているポプ子のレグとしての身体の体積を超えていた。
ポプ子が両腕を広げていたことにより、どんどん伸びていくワイヤーの線は、五条や朝倉達をまとめて囲う程に拡がっていく。
「フンッ!」
ポプ子は腕を手前で閉じ、それに伴い伸ばし拡げたワイヤーも閉じていく。
そうして閉じていくワイヤーが五条・朝倉達の方に迫って行く。
位置的には、ポプ子の右腕のワイヤーアームが五条に、左腕の方があちゃくらさんに届きそうになっていた。
そうして閉じていくワイヤーが五条・朝倉達の方に迫って行く。
位置的には、ポプ子の右腕のワイヤーアームが五条に、左腕の方があちゃくらさんに届きそうになっていた。
「せいっ!」
五条はこれに対し、デストバイザーの刃をワイヤーに向かって振るう。
『ギン』『グニッ』
「むっ…」
「むっ…」
ワイヤーはその刃で断ち切られることはなかった。
明らかに金属製のように見えるため、それが束ねられたものが刃程度で斬れるといったことはまあ期待していなかった。
しかしそれだけでなく、ワイヤーの勢いを止めることも出来なかった。
ワイヤーはそのまま進み、五条の体に腹の上から何重にも巻き付いて行く。
その際に、デストバイザーを持っていた右腕も一緒に巻き込まれてしまう。
デストバイザーの持ち手部分ごと右腕を体に固定される。
これにより、五条は左腕以外の身動きが取れなくなる。
明らかに金属製のように見えるため、それが束ねられたものが刃程度で斬れるといったことはまあ期待していなかった。
しかしそれだけでなく、ワイヤーの勢いを止めることも出来なかった。
ワイヤーはそのまま進み、五条の体に腹の上から何重にも巻き付いて行く。
その際に、デストバイザーを持っていた右腕も一緒に巻き込まれてしまう。
デストバイザーの持ち手部分ごと右腕を体に固定される。
これにより、五条は左腕以外の身動きが取れなくなる。
『Ju,JURA!SHA!』
あちゃくらも自分に向かってくるワイヤーに対応しようとする。
咄嗟に溶解液を吐いてハイヤーに当てようとする。
…が、高速で迫っていたため狙いを定められず外してしまう。
咄嗟に溶解液を吐いてハイヤーに当てようとする。
…が、高速で迫っていたため狙いを定められず外してしまう。
『グル』
そのままワイヤーはベノスネーカーとしての身体にぶつかり、そこを起点として曲がり巻いて回る。
回るワイヤーはあちゃくらよりもワイヤーの範囲の内側にいた朝倉と真司にも向かっていく。
回るワイヤーはあちゃくらよりもワイヤーの範囲の内側にいた朝倉と真司にも向かっていく。
「ハッ」
『GAU!』
『GAU!』
それに対して朝倉と真司は、近くに落ちていたガラスの破片に向かって飛んだ。
そこに映る鏡像から、ミラーワールドの中に飛び込んだ。
こうしてこの世界から姿を消したことにより、迫るワイヤーから避けられた。
彼らのいた場所を通り過ぎたワイヤーは回り続け、あちゃくらの長い身体に巻き付いていった。
そこに映る鏡像から、ミラーワールドの中に飛び込んだ。
こうしてこの世界から姿を消したことにより、迫るワイヤーから避けられた。
彼らのいた場所を通り過ぎたワイヤーは回り続け、あちゃくらの長い身体に巻き付いていった。
『JURAA!』
「させるか!」『ブンッ』
『SHAAA!?』
「させるか!」『ブンッ』
『SHAAA!?』
朝倉が飛び込んだのを見てあちゃくらは自分もガラスからミラーワールドに入ろうとする。
しかしその前に、ポプ子があちゃくらに巻き付かせたワイヤーが繋がる左腕を上方向に振り回す。
それに引っ張られ、あちゃくらは持ち上げられてしまう。
ベノスネーカーとしての巨体を持ち上げる程の力を、レグとしての身体は有していた。
しかしその前に、ポプ子があちゃくらに巻き付かせたワイヤーが繋がる左腕を上方向に振り回す。
それに引っ張られ、あちゃくらは持ち上げられてしまう。
ベノスネーカーとしての巨体を持ち上げる程の力を、レグとしての身体は有していた。
『ズドン』
『SHABRAa!?』
『SHABRAa!?』
あちゃくらはそのまま、地面に叩き付けられてしまう。
「ハッ!」
その次の瞬間に、朝倉がミラーワールドから飛び出して戻って来る。
ベノサーベルを構えて、ポプ子に向かって斬りかかろうと突撃してくる。
ベノサーベルを構えて、ポプ子に向かって斬りかかろうと突撃してくる。
「このっ…」
『STRIKE VENT』
「なっ!?」
『STRIKE VENT』
「なっ!?」
これに対しポプ子は、右腕のワイヤーで捕らえた五条を振り回して朝倉にぶつけようとする。
しかしそうする前に、五条の方が行動することに成功する。
しかしそうする前に、五条の方が行動することに成功する。
ワイヤーで固定されたデストバイザーは逆さまの状態になっており、刃は下向きで足の近くの方にあった。
そこに繋がるカードスロットも同じで、これは普段は虎頭の装飾に隠されている。
この装飾は斧としての持ち手部分と連動しており、これをスライドすることでスロットが出てくるようになっている。
その方に五条は動かせる左腕を何とか持っていき、持ち手を操作してカードスロットを出した。
そして同じく左腕で腹近くのカードデッキにも手を伸ばし、そこからカードを一枚取り出した。
そのカードを身をかがめながらスロットの方に差し込み、装飾を再スライドさせて戻してカードの効果を発動させた。
そこに繋がるカードスロットも同じで、これは普段は虎頭の装飾に隠されている。
この装飾は斧としての持ち手部分と連動しており、これをスライドすることでスロットが出てくるようになっている。
その方に五条は動かせる左腕を何とか持っていき、持ち手を操作してカードスロットを出した。
そして同じく左腕で腹近くのカードデッキにも手を伸ばし、そこからカードを一枚取り出した。
そのカードを身をかがめながらスロットの方に差し込み、装飾を再スライドさせて戻してカードの効果を発動させた。
タイガのストライクベントの効果は、デストワイルダーの手を模した鉤爪付きの手甲であるデストクローという武器を装備することだ。
カードの効果発動により、どこからともなく出現したそれが五条の両手に自動的に装備される。
これにより腕が急に太くなり、巻き付くワイヤーが押しのけられ、体との間に一部隙間も出来る。
カードの効果発動により、どこからともなく出現したそれが五条の両手に自動的に装備される。
これにより腕が急に太くなり、巻き付くワイヤーが押しのけられ、体との間に一部隙間も出来る。
「よっと」
そんな状態で五条は巻き付かれた右腕の方のデストクローを外しながら少し跳ぶ。
そうして、五条は自分を拘束していたワイヤーからの脱出に成功する。
ワイヤーが押された分だけ隙間ができたこともあり、このようにすることができた。
そうして、五条は自分を拘束していたワイヤーからの脱出に成功する。
ワイヤーが押された分だけ隙間ができたこともあり、このようにすることができた。
「ハアッ!」
『ゴンッ』「グアッ!」
『バシッ』「ブヘッ!」
『ドスッ』「グヘアーッ!」
『ゴンッ』「グアッ!」
『バシッ』「ブヘッ!」
『ドスッ』「グヘアーッ!」
五条が拘束から抜け出したことに驚いた隙に朝倉が近付いて来た。
彼女が持っていたベノサーベルにより、頭、顔の順で叩かれる。
そして最後の三撃目で、みぞおちの辺りを突かれて吹っ飛ばされる。
彼女が持っていたベノサーベルにより、頭、顔の順で叩かれる。
そして最後の三撃目で、みぞおちの辺りを突かれて吹っ飛ばされる。
『シュル…』『ドサッ』
朝倉の攻撃によりポプ子が怯んだことで、あちゃくらを拘束していたワイヤーロープも緩んだ。
これにより解放されたあちゃくらはコンクリートの地面に落下する。
けれども、先ほど叩き付けられたことにより目を回しており、あちゃくらはそのまま地面の上で倒れてピクピクと痙攣しながら伸びてしまっていた。
それ以上は動ける様子は見られなかった。
これにより解放されたあちゃくらはコンクリートの地面に落下する。
けれども、先ほど叩き付けられたことにより目を回しており、あちゃくらはそのまま地面の上で倒れてピクピクと痙攣しながら伸びてしまっていた。
それ以上は動ける様子は見られなかった。
「ゲホッ、ゲホッ、この…!」
「あら……これでも駄目ですか」
「あら……これでも駄目ですか」
ポプ子は咳き込みながら、戻した手で胸元を押さえながらうずくまって朝倉を睨む。
対する朝倉はポプ子の頑丈さに驚いている。
杖よりも先端の鋭い剣で突いたのに、これでも相手の体に傷付けることが出来なかった。
だが相手は衝撃から咳き込んではいるため、肺等の内臓は流石に体内に存在するかもしれないことも考えられた。
付け入れられる点があるとすれば、そこだろうか。
体の中から大量のワイヤーを出すにも関わらず、内臓の入るスペースがあるらしいことにも不思議に思うが。
対する朝倉はポプ子の頑丈さに驚いている。
杖よりも先端の鋭い剣で突いたのに、これでも相手の体に傷付けることが出来なかった。
だが相手は衝撃から咳き込んではいるため、肺等の内臓は流石に体内に存在するかもしれないことも考えられた。
付け入れられる点があるとすれば、そこだろうか。
体の中から大量のワイヤーを出すにも関わらず、内臓の入るスペースがあるらしいことにも不思議に思うが。
『ADVENT』
「次は僕たちが行こうか」
『GAU!』
「次は僕たちが行こうか」
『GAU!』
朝倉がポプ子の頑丈さに呆気にとられている隙に、五条が動く。
デストバイザーにカードを装填し、もう一度ミラーワールドにいた真司をこちら側の世界に呼び出した。
ガラスの破片の鏡像から飛び出した真司は、朝倉の前に出てうずくまるポプ子と対峙する。
デストバイザーにカードを装填し、もう一度ミラーワールドにいた真司をこちら側の世界に呼び出した。
ガラスの破片の鏡像から飛び出した真司は、朝倉の前に出てうずくまるポプ子と対峙する。
「こいつ…!」
『GAO!』『バシィ』
「ぬおぉっ!?」
『GAO!』『バシィ』
「ぬおぉっ!?」
真司はポプ子に向かって攻撃を仕掛ける。
そうして動きを止めることを五条が望んでいると、カードの効果を通して伝わっていた。
ポプ子はそれらの攻撃に怯む。
相手の巨大な虎のような手の平の打撃と鉤爪による斬撃に対し、腕で何とか防御しようとする。
そうして動きを止めることを五条が望んでいると、カードの効果を通して伝わっていた。
ポプ子はそれらの攻撃に怯む。
相手の巨大な虎のような手の平の打撃と鉤爪による斬撃に対し、腕で何とか防御しようとする。
「くっ、この…!」
『ビシィ』『バシィ』
『ビシィ』『バシィ』
しかし、そう上手くは捌けなかった。
相手の攻撃は何撃か顔等にも当たっていた。
これで表面が傷付くことはなかったが、怯まされて反撃が難しい状態にあった。
相手の攻撃は何撃か顔等にも当たっていた。
これで表面が傷付くことはなかったが、怯まされて反撃が難しい状態にあった。
「それじゃあ、早いとこ決めちゃおうか」
『FINAL VENT』
『FINAL VENT』
ポプ子が真司への対応に追われている隙に、五条は最後の決まり手とするための技の準備をし始めた。
デッキからそのためのカードを取り出し、それをデストバイザーのスロットに装填した。
それによる音声が鳴ると同時に、五条の両手に再びデストクローが装着される。
デッキからそのためのカードを取り出し、それをデストバイザーのスロットに装填した。
それによる音声が鳴ると同時に、五条の両手に再びデストクローが装着される。
『!』
『ガシィ』
「ぐぅあ…っ!?」
『ガシィ』
「ぐぅあ…っ!?」
真司の方にもカードの効果により何をするべきかの指令が伝わる。
同時に真司は、デストワイルダーとしての巨大な手でポプ子の胸元を押して地面に倒した。
同時に真司は、デストワイルダーとしての巨大な手でポプ子の胸元を押して地面に倒した。
『ズザザザザッ!』
「アババババババババッ!!?」
「アババババババババッ!!?」
真司は片手でポプ子を地面に押し付けたまま引き摺っていく。
その行き先は、五条のいる所だ。
ポプ子はこれに抵抗できないまま、そこに向かって引き摺られていく。
その行き先は、五条のいる所だ。
ポプ子はこれに抵抗できないまま、そこに向かって引き摺られていく。
「ハアアァ…」
五条は自分に向かって運ばれていくポプ子を注目しながらデストクローを構える。
「ハアッ!」
『ドスッ』
「ガッハァッ!!?」
『ドスッ』
「ガッハァッ!!?」
そして自分の前までに来たところで、右手のデストクローを地面にいるポプ子に目掛けて突き立てた。
爪が向かった先は、仰向けで引き摺られたことで盛大にこちら側に向けられた腹だ。
5本の爪の内一本は、腹の中央に存在するヘソに突き立てられた。
他の肌の部分には爪は刺さらなかったが、そこだけは柔らかいため刺された。
これによりポプ子は、今までで一番の苦悶の声を上げた。
爪が向かった先は、仰向けで引き摺られたことで盛大にこちら側に向けられた腹だ。
5本の爪の内一本は、腹の中央に存在するヘソに突き立てられた。
他の肌の部分には爪は刺さらなかったが、そこだけは柔らかいため刺された。
これによりポプ子は、今までで一番の苦悶の声を上げた。
「ハアアアァ……ハアッ!!」
『ドジャアァッ!』
「ギャアアアアアァーッ!!」
『ドジャアァッ!』
「ギャアアアアアァーッ!!」
ヘソに爪を刺したまま、五条はポプ子を持ち上げた。
その直ぐ後に、五条はポプ子を地面に向かって思いっきり叩き付けた。
そこから、更に大きな悲鳴が上がった。
その直ぐ後に、五条はポプ子を地面に向かって思いっきり叩き付けた。
そこから、更に大きな悲鳴が上がった。
地面に叩き付けられた後、ポプ子は爪を刺されたヘソから赤い血のような液体を垂れ流す。
そして白目を剥いたまま、僅かに体を痙攣させる以外は、動かなくなった。
そして白目を剥いたまま、僅かに体を痙攣させる以外は、動かなくなった。
◆
『ビュッ』
「!」
「!」
ポプ子が動かなくなったのを五条が確認した直後のことだった。
彼に目掛けて、別方向から攻撃が飛んできた。
彼に目掛けて、別方向から攻撃が飛んできた。
『ガキィン!』
五条はデストクローの広い甲の部分でその攻撃を防ぐ。
それが狙っていたのは、五条の腹にあるタイガのデッキ部分だった。
ここ目掛けて飛んできて防がれたそれは、ベノサーベルの刃の先端だった。
それが狙っていたのは、五条の腹にあるタイガのデッキ部分だった。
ここ目掛けて飛んできて防がれたそれは、ベノサーベルの刃の先端だった。
朝倉が、五条を裏切って攻撃してきたのだ。
「あら……こうなるのは分かってましたか?」
「そりゃあまあ……色々とあからさまだっだし」
「そりゃあまあ……色々とあからさまだっだし」
ぶっちゃけた話、五条もこうなる予感はしていた。
自分から停戦を誘ったとはいえ、相手の飲み込みの早さは明らかに不自然なものだった。
実際のところ、言葉にはしなくともお互いにこうなること自体は分かっていたのだろう。
朝倉はやっかいな相手であるポプ子が動かなくなってから、五条の方も倒そうとしていた。
五条がポプ子を倒したから、そうなった直後を隙と見て、ライダーの変身の源となるため弱点となる腹のデッキを狙ったのだろう。
結局は五条の方もそれを直ぐに察していたため、攻撃はあっさりと防がれてしまった。
自分から停戦を誘ったとはいえ、相手の飲み込みの早さは明らかに不自然なものだった。
実際のところ、言葉にはしなくともお互いにこうなること自体は分かっていたのだろう。
朝倉はやっかいな相手であるポプ子が動かなくなってから、五条の方も倒そうとしていた。
五条がポプ子を倒したから、そうなった直後を隙と見て、ライダーの変身の源となるため弱点となる腹のデッキを狙ったのだろう。
結局は五条の方もそれを直ぐに察していたため、攻撃はあっさりと防がれてしまった。
「月とバリアを何とかできれば殺し合いをやる必要は無いと言ってたけど、それはもう諦めたのかな?」
「確かにそうかもしれませけど、そもそもあなたはそのための解決策に心当たりはあるのですか?」
「まあそれは、人を集めてから考えても別に良いんじゃないかな?」
「そういうことだと思いました。なら、その方法よりも戦いで勝ち残る方が早くてまだ可能性もあるかもしれないと思いましてね」
「確かにそうかもしれませけど、そもそもあなたはそのための解決策に心当たりはあるのですか?」
「まあそれは、人を集めてから考えても別に良いんじゃないかな?」
「そういうことだと思いました。なら、その方法よりも戦いで勝ち残る方が早くてまだ可能性もあるかもしれないと思いましてね」
五条からの問いかけに朝倉はそう返す。
共闘の誘いに乗ったのは最初からフリだけのつもりで、何にしても最後には戦うつもりだったことを示した。
共闘の誘いに乗ったのは最初からフリだけのつもりで、何にしても最後には戦うつもりだったことを示した。
その後朝倉は、後ろ向きに跳んで五条から距離をとる。
「ほら、起きなさい。まだ戦いは終わってませんよ」
『…SHURA?』
『…SHURA?』
朝倉は地面に倒れていたあちゃくらに近付き、ベノサーベルの持ち手部分で小突いて起こす。
あちゃくらは思考がはっきりとしていないような状態のまま、ベノスネーカーとしての頭と鎌首を持ち上げて起きる。
あちゃくらは思考がはっきりとしていないような状態のまま、ベノスネーカーとしての頭と鎌首を持ち上げて起きる。
「寝ぼけていないで前を見てください。次は彼との戦います。攻撃してください」
『SHu,SHAa!』
『SHu,SHAa!』
朝倉はあちゃくらに指示を出す。
指示を受け取ったあちゃくらが先に慌て気味に動き始める。
五条の方に顔を向けて、焦るようにそっちに向けて移動しようとする。
指示を受け取ったあちゃくらが先に慌て気味に動き始める。
五条の方に顔を向けて、焦るようにそっちに向けて移動しようとする。
「おっと、そうはいかないよ」
『FREEZE VENT』
『FREEZE VENT』
あちゃくらが動き出した瞬間、五条はデストクローを外し、カードを一枚取り出してデストバイザーに装填した。
『!?(あ、あれ……?動けない…?)』
デストバイザーから音声が鳴った瞬間、あちゃくらは動けなくなった。
尻尾の先や舌先ですらも全く動かすことが出来なくなっていた。
その体は完全に、凍結させられていた。
尻尾の先や舌先ですらも全く動かすことが出来なくなっていた。
その体は完全に、凍結させられていた。
これが、タイガの持つフリーズベントのカードの効果だ。
ミラーワールドのライダー同士の戦いにおいて、相手の契約ミラーモンスターを凍結させて全く動けなくしてしまうのだ。
これにより、あちゃくらは今はその動きを完全に停止させられてしまっていた。
ミラーワールドのライダー同士の戦いにおいて、相手の契約ミラーモンスターを凍結させて全く動けなくしてしまうのだ。
これにより、あちゃくらは今はその動きを完全に停止させられてしまっていた。
「そんなカードがあるなんて…」
「どうする?降伏でもしてみるかい?」
「……いいえ、まだ勝負が決まってませんので」
「どうする?降伏でもしてみるかい?」
「……いいえ、まだ勝負が決まってませんので」
相手のミラーモンスターがまだ動ける分、1対2となり自分の方が不利だということは朝倉も理解している。
だからと言ってまだ自分が負けたわけではなく、手の内を全て晒してもいない。
朝倉はまだ諦めずに五条との戦いを続けようとしていた。
だからと言ってまだ自分が負けたわけではなく、手の内を全て晒してもいない。
朝倉はまだ諦めずに五条との戦いを続けようとしていた。
「それじゃあ真司、あいつのことも止めようか」
『……GAU』
『……GAU』
五条は真司の方にも戦いを続けるように言う。
そうしてデストバイザーを構えて前に出る。
それに対し真司は少し俯いた様子を見せてから、遅れて前に出る。
そうしてデストバイザーを構えて前に出る。
それに対し真司は少し俯いた様子を見せてから、遅れて前に出る。
「ハアッ!」
「ヤッ!」
『………』
「ヤッ!」
『………』
五条と朝倉が武器の打ち合いを始める。
しかし真司は、近くで少し攻めあぐねているような様子だった。
何か迷いがあるのか、少々挙動不審にも見えた。
しかし真司は、近くで少し攻めあぐねているような様子だった。
何か迷いがあるのか、少々挙動不審にも見えた。
真司は今、2つの事柄について思うところがあった。
1つは、今戦っている相手についてだ。
浅倉の身体と王蛇の力を手に入れたその相手は、こちらのことを裏切ってきた。
先ほどのベノスネーカー(あちゃくら)の反応からして、そっちはこうなることを分かっていたのだろう。
五条もまた、このことを分かっていたようだった。
少し考えればあんな風な形で共闘の誘いに乗るなんてことは確かに怪しかったのだろう。
それでも、本当に裏切られたことにはやるせない気持ちがある。
今の気分としては、前々に述べたような本来の浅倉が助けた少女を囮だと言い放った時のもののようだった。
浅倉の身体を与えられるような者なのだから、その精神も浅倉に類似するところがあったのだろうかなんてことも考えてしまう。
そんな決めつけるような考え方をしてしまうことも、何だか嫌な気持ちにさせられてしまう。
1つは、今戦っている相手についてだ。
浅倉の身体と王蛇の力を手に入れたその相手は、こちらのことを裏切ってきた。
先ほどのベノスネーカー(あちゃくら)の反応からして、そっちはこうなることを分かっていたのだろう。
五条もまた、このことを分かっていたようだった。
少し考えればあんな風な形で共闘の誘いに乗るなんてことは確かに怪しかったのだろう。
それでも、本当に裏切られたことにはやるせない気持ちがある。
今の気分としては、前々に述べたような本来の浅倉が助けた少女を囮だと言い放った時のもののようだった。
浅倉の身体を与えられるような者なのだから、その精神も浅倉に類似するところがあったのだろうかなんてことも考えてしまう。
そんな決めつけるような考え方をしてしまうことも、何だか嫌な気持ちにさせられてしまう。
そしてもう1つの思うことは、先ほど五条と一緒に倒した相手についてだ。
戦わなければ相手を止められないことは理解していたつもりだ。
しかし先ほどの戦いにおいては、真司はファイナルベントの際に、手加減を全く加えなかった。
それは、真司自身の意思には反しているところもあった。
これはきっと、自分が今ミラーモンスターになっているからというのもあるだろう。
そのために、カードの効果により体が勝手にファイナルベントの完遂のために動かされてしまった。
戦わなければ相手を止められないことは理解していたつもりだ。
しかし先ほどの戦いにおいては、真司はファイナルベントの際に、手加減を全く加えなかった。
それは、真司自身の意思には反しているところもあった。
これはきっと、自分が今ミラーモンスターになっているからというのもあるだろう。
そのために、カードの効果により体が勝手にファイナルベントの完遂のために動かされてしまった。
……真司はできることなら、戦いの相手の命までは奪いたくないと思っている。
しかしここに来てからの戦いの中で、五条はその点について、相手を殺す結果になっても構わないような感じがある。
ファイナルベントでの最後の一撃も、容赦はしていなかったように見えた。
殺し合いを止めたい気持ちは同じでも、自分と五条とではどこかすれ違っている点があるようにも感じ始めていた。
だがそう感じていることを五条自身に伝えることはできない。
しかしここに来てからの戦いの中で、五条はその点について、相手を殺す結果になっても構わないような感じがある。
ファイナルベントでの最後の一撃も、容赦はしていなかったように見えた。
殺し合いを止めたい気持ちは同じでも、自分と五条とではどこかすれ違っている点があるようにも感じ始めていた。
だがそう感じていることを五条自身に伝えることはできない。
自分がここではあくまでもミラーモンスターとしてしか動けないこと、それによる弊害で五条に自分が本当にやりたいことを伝えられないこと、そういったこと等が心の中で引っ掛かりがあった。
それに先ほど倒した相手も、確かに酷く興奮はしていたが、もしかしたらまだ話し合う余地はあったかもしれない。
今の自分が喋れないからこそ、問答無用で倒してしまったかのような感覚に陥ってしまう。
そんな後ろめたい気持ちが真司の中で出てきてしまっていた。
それに先ほど倒した相手も、確かに酷く興奮はしていたが、もしかしたらまだ話し合う余地はあったかもしれない。
今の自分が喋れないからこそ、問答無用で倒してしまったかのような感覚に陥ってしまう。
そんな後ろめたい気持ちが真司の中で出てきてしまっていた。
そんな気持ちがあったために、真司は何げなく先ほど倒した相手…ポプ子の方へと視線を向けた。
そこで真司は、驚かされることになる。
そこで真司は、驚かされることになる。
『!?』
「くっ……そおっ…」
「くっ……そおっ…」
ポプ子はまだ、生きていた。
◆
(嘘だろ…アレでまだ動けたのか!?)
これまでの戦いの中でも、ポプ子が相当頑丈なことは分かっていた。
しかしまさか、腹を刺されて地面に叩き付けられても耐えられる程だとは思っていなかった。
ファイナルベントは強力な必殺技だと真司も認識していたが、これでもまだすぐに意識を取り戻す程だとは想像していなかった。
しかしまさか、腹を刺されて地面に叩き付けられても耐えられる程だとは思っていなかった。
ファイナルベントは強力な必殺技だと真司も認識していたが、これでもまだすぐに意識を取り戻す程だとは想像していなかった。
(いや…あれを食べて回復したのか?)
ポプ子をよく見てみると、片腕に何か持っていた。
それは食べかけの黄色い果実であった。
それは食べかけの黄色い果実であった。
「ガブッ!むしゃゴクッ」
ポプ子はその果実の残りも全て口に運び平らげた。
彼女が今食べたその果実は「オボンのみ」というものだ。
これはポケモンが食べた場合、最大HPの1/4を回復できるとう代物だ(時代が違えば1/2も回復できることもあった)。
ポプ子の身体であるレグはロボットだが、口からものを食べてエネルギーにすることはできる。
と言うよりは電気でもエネルギーは出来るため、力という概念を取り込んでいるという説もある。
だからオボンのみを食べて体力回復することができた。
彼女が今食べたその果実は「オボンのみ」というものだ。
これはポケモンが食べた場合、最大HPの1/4を回復できるとう代物だ(時代が違えば1/2も回復できることもあった)。
ポプ子の身体であるレグはロボットだが、口からものを食べてエネルギーにすることはできる。
と言うよりは電気でもエネルギーは出来るため、力という概念を取り込んでいるという説もある。
だからオボンのみを食べて体力回復することができた。
しかしいくら効果があると言っても、口に運べるだけの元気が無ければ意味はない。
そこはやはり、レグとしての耐久力の高さがものを言ったところもある。
だがそれだけでなく、ポプ子自身が相手の必殺技を受けてしまった悔しさと憎さをバネに、何とかすぐに意識を取り戻して気力で起き上がったということもある。
そこはやはり、レグとしての耐久力の高さがものを言ったところもある。
だがそれだけでなく、ポプ子自身が相手の必殺技を受けてしまった悔しさと憎さをバネに、何とかすぐに意識を取り戻して気力で起き上がったということもある。
「ん?」
「あら…?まだ生きていたのですか?」
「あら…?まだ生きていたのですか?」
このタイミングで五条と朝倉もポプ子のことに気付く。
彼らは咄嗟に自分達の戦いを止めて距離をとる。
彼らは咄嗟に自分達の戦いを止めて距離をとる。
「いまのはいたかった…いたかったぞ―――――――――っ!!!!!」
それとほぼ同時に、ポプ子は大声を出しながら右腕を上げて前に出し、手の平を開いた。
機械的なその手の平の中央には、丸いレンズのような"発射口"が存在していた。
開かれたそれは、五条悟の方に向けられた。
機械的なその手の平の中央には、丸いレンズのような"発射口"が存在していた。
開かれたそれは、五条悟の方に向けられた。
ポプ子の手の平にエネルギーが収束する。
この瞬間、五条はほとんど棒立ちな状態となっていた。
この瞬間、五条はほとんど棒立ちな状態となっていた。
『ドンッ!!』
「うわっ!?」
「うわっ!?」
咄嗟に、真司が五条を突き飛ばした。
「はーーーーーーーーッ!!」
ポプ子の右手から、光線が放たれた。
その光は、人一人くらいなら飲み込めそうな程太く大きいものだった。
真司が五条を突き飛ばした瞬間に、その光線が通り過ぎた。
その光は、人一人くらいなら飲み込めそうな程太く大きいものだった。
真司が五条を突き飛ばした瞬間に、その光線が通り過ぎた。
『ジュッ』
光は、真司のデストワイルダーとしての身体の胸辺りから下の全てを飲み込んだ。
『ドサッ』
「……………真司?」
「……………真司?」
光が消えた後、真司の体が崩れ落ちる。
その身体の光が通り過ぎた後の部分は、完全に消滅してしまっていた。
その身体の光が通り過ぎた後の部分は、完全に消滅してしまっていた。
(………ああ、またやってしまったなあ)
薄れゆく意識の中、真司はここに来る前のことを思い出す。
真司は本来、たまたま近くにいた女の子をミラーモンスターのレイドラグーンの攻撃から庇って負った致命傷が元で死んでしまった。
けれども真司はそれについて、今も前も後悔はしていない。
自分が納得できるだけの願いの答えは見つけられているから。
真司は本来、たまたま近くにいた女の子をミラーモンスターのレイドラグーンの攻撃から庇って負った致命傷が元で死んでしまった。
けれども真司はそれについて、今も前も後悔はしていない。
自分が納得できるだけの願いの答えは見つけられているから。
(でもそれを、五条に言えないのは辛いなあ…)
生前の友である秋山蓮にはその願いが何なのかは伝えられた。
だが今の相棒である五条悟にはそれを教えられていないし、そのための方法もない。
けれども、たとえほんの約2~3時間くらいのかなり短い付き合いでも、共に戦うと決めていた相手であるからには知ってもらいたい気持ちもあった。
出来ることなら、五条にも今後は誰も殺さずに殺し合いを止めてもらいたいのが理想ではあった。
気持ちのすれ違いも解消したかった。
それもまた、伝えられない以上叶うことのない願いだなとは思ってしまう。
だが今の相棒である五条悟にはそれを教えられていないし、そのための方法もない。
けれども、たとえほんの約2~3時間くらいのかなり短い付き合いでも、共に戦うと決めていた相手であるからには知ってもらいたい気持ちもあった。
出来ることなら、五条にも今後は誰も殺さずに殺し合いを止めてもらいたいのが理想ではあった。
気持ちのすれ違いも解消したかった。
それもまた、伝えられない以上叶うことのない願いだなとは思ってしまう。
(五条…お前は、夏油って奴に、会えたら、良い、な………)
せめて、彼の過去や思っていることの詳細等は知らなくとも、五条悟自身のここでの望みが叶うことを祈った。
それを最後に、城戸真司の意識は消失した。
ミラーモンスターとしての残る肉体も消滅し、後にはそこに命があったことを示すための光の塊のような、魂のようなものがそこに浮かんでいた。
それを最後に、城戸真司の意識は消失した。
ミラーモンスターとしての残る肉体も消滅し、後にはそこに命があったことを示すための光の塊のような、魂のようなものがそこに浮かんでいた。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎(身体:デストワイルダー@仮面ライダー龍騎) 死亡】
◆
真司に突き飛ばされた後、五条は呆然としながら地面に尻餅をついていた。
そして真司が消滅した直後、彼が変身していた仮面ライダータイガから"色彩"が失われた。
差色となっていた青色が失われ、全体的な色もくすんだ灰色のようになってしまった。
契約ミラーモンスターが先に倒されたことにより、ライダーからも契約によって得られていた力が失われた。
仮面ライダータイガは今、いわゆるブランク体という大きく弱体化した状態となってしまっていた。
専用召喚機であるデストバイザーからも、虎頭の飾りが消滅してしまっていた。
そして真司が消滅した直後、彼が変身していた仮面ライダータイガから"色彩"が失われた。
差色となっていた青色が失われ、全体的な色もくすんだ灰色のようになってしまった。
契約ミラーモンスターが先に倒されたことにより、ライダーからも契約によって得られていた力が失われた。
仮面ライダータイガは今、いわゆるブランク体という大きく弱体化した状態となってしまっていた。
専用召喚機であるデストバイザーからも、虎頭の飾りが消滅してしまっていた。
(まさか、あんな武器まで隠し持っていただなんて…)
朝倉は今、ポプ子の方を大いに警戒していた。
相手が手の平から発した大きな光線はとてつもない威力だった。
それは自分が先まで戦っていたライダーのミラーモンスターを飲み込んだ後も、その先にあった街中の建物にも当たっていた。
光線は建物の当たった部分も貫通して消滅させていた。
その更に奥の建物群にも命中したのか、貫通した後の穴が一直線に並んでいるのが見て取れた。
もしこれが直撃したのならば、たとえライダーに変身していたとしても即死するだろう。
だから今は、ミラーモンスターを失った上に隙だらけの五条よりも、ポプ子の方に注目していた。
相手が手の平から発した大きな光線はとてつもない威力だった。
それは自分が先まで戦っていたライダーのミラーモンスターを飲み込んだ後も、その先にあった街中の建物にも当たっていた。
光線は建物の当たった部分も貫通して消滅させていた。
その更に奥の建物群にも命中したのか、貫通した後の穴が一直線に並んでいるのが見て取れた。
もしこれが直撃したのならば、たとえライダーに変身していたとしても即死するだろう。
だから今は、ミラーモンスターを失った上に隙だらけの五条よりも、ポプ子の方に注目していた。
「……………やっべ」
しかし朝倉の予想外なことに、ポプ子の方は顔を青ざめていた。
『クルッ』
「うおおおおおおおおぉぉぉーっ!!!」
「あら?」
「うおおおおおおおおぉぉぉーっ!!!」
「あら?」
ポプ子は朝倉や五条のいる方とは全く別の方向へ転換して走り出した。
腕のワイヤーロープを長く引き出し、近く建物の壁を越えて屋上の方へと駆け登っていった。
そしてそのまま様々な建物の屋上を乗り継ぎながら、何処かへと逃げ去ってしまった。
朝倉は相手のまさかの行動に反応できずそのまま見逃してしまった。
腕のワイヤーロープを長く引き出し、近く建物の壁を越えて屋上の方へと駆け登っていった。
そしてそのまま様々な建物の屋上を乗り継ぎながら、何処かへと逃げ去ってしまった。
朝倉は相手のまさかの行動に反応できずそのまま見逃してしまった。
「……いや、あれだけ強力なものを今まで使わなかったということは、何らかのデメリットもあったのでしょう」
だから今こうして逃げていったのだろうと、朝倉は少し考えて納得する。
しかしこうして見失ってしまったからには、追いかけても見つけるのは容易ではないだろう。
しかしこうして見失ってしまったからには、追いかけても見つけるのは容易ではないだろう。
「仕方ありません、先にあちらを仕留めましょう」
朝倉は五条の方に注目を変更する。
ミラーモンスターを失って弱体化した相手なら、倒すのもそう難しくは無いだろう。
しかも相手は相方を失ったことに対してまだ呆然としているようでもあった。
ミラーモンスターを失って弱体化した相手なら、倒すのもそう難しくは無いだろう。
しかも相手は相方を失ったことに対してまだ呆然としているようでもあった。
「ほら、行きますよ」
『SHU!?(え!?)』
「い・き・ま・す・よ」
『S,SHA!(は、はい!)』
『SHU!?(え!?)』
「い・き・ま・す・よ」
『S,SHA!(は、はい!)』
ミラーモンスターがいなくなったことで、フリーズベントの効果も消えていた。
あちゃくらも動けるようになっていたため、これから一緒に攻撃の行動に移ることを促す。
あちゃくらは状況に着いていけてなかったのか、少しボケっとしてしまってもいたが。
あちゃくらも動けるようになっていたため、これから一緒に攻撃の行動に移ることを促す。
あちゃくらは状況に着いていけてなかったのか、少しボケっとしてしまってもいたが。
「さっさと決めてしまいましょう」
『FINAL VENT』
『FINAL VENT』
朝倉は時間をかけずに相手を仕留めようとする。
今できる最上級の必殺技であるファイナルベントの発動を行おうとする。
相手がブランク体に弱体化している状態なら、これですぐに決着をつけられると判断してのものであった。
今できる最上級の必殺技であるファイナルベントの発動を行おうとする。
相手がブランク体に弱体化している状態なら、これですぐに決着をつけられると判断してのものであった。
「ハアア…!」
『SHIIA!』
『SHIIA!』
朝倉は五条のいる方へ向かって駆け出す。
その背後をベノスネーカー(あちゃくら)が地面を這って追って来る。
その背後をベノスネーカー(あちゃくら)が地面を這って追って来る。
「ハアッ!」
『SHAA!』
『SHAA!』
朝倉は走りながら跳躍し、空中で宙返りを行う。
その回っている最中の背後に向けて、あちゃくらが口から毒液を勢いよく吐き出す。
その回っている最中の背後に向けて、あちゃくらが口から毒液を勢いよく吐き出す。
「ハアアーッ!」
毒液に押されながら、朝倉はキックを放つ。
そのキックは、左右の足を交互に振るバタ足をしながらの連続キックであった。
これこそが仮面ライダー王蛇のファイナルベント、ベノクラッシュであった。
そんな必殺のキックが、五条悟に向かっていった。
そのキックは、左右の足を交互に振るバタ足をしながらの連続キックであった。
これこそが仮面ライダー王蛇のファイナルベント、ベノクラッシュであった。
そんな必殺のキックが、五条悟に向かっていった。
「!」
『サッ』
『サッ』
しかし五条の方も、何もしないわけではなかった。
五条はどこからともなく、1つのゴムベルトを取り出した。
五条はどこからともなく、1つのゴムベルトを取り出した。
『プシュー』『ポンッ』
五条はそのベルトを手で持ちながら操作した。
するとベルトの丸い金属バックルの部分から、1つのサッカーボールが膨らみながら出現した。
するとベルトの丸い金属バックルの部分から、1つのサッカーボールが膨らみながら出現した。
『バシッ』
五条はそのボールを拳で打って、自分に向かってキックしてきていた朝倉目掛けて飛ばした。
ボールは、五条と朝倉の間の距離が1メートルの程もなさそうなところで、朝倉のキックにぶつかった。
ボールは、五条と朝倉の間の距離が1メートルの程もなさそうなところで、朝倉のキックにぶつかった。
『ボォンッ!!』
「!?」
『SHU!?』
「!?」
『SHU!?』
朝倉のキックにボールが当たった瞬間、ボールは爆発した。
ただ爆発したのではなく、色彩豊かな火の光を輝かせる、花火として爆発した。
この花火により朝倉のキックの威力は殺される。
それだけでなく、朝倉自身も後方へと吹っ飛ばされた。
ただ爆発したのではなく、色彩豊かな火の光を輝かせる、花火として爆発した。
この花火により朝倉のキックの威力は殺される。
それだけでなく、朝倉自身も後方へと吹っ飛ばされた。
◇
『ドサッ』
「あ痛っ」
「あ痛っ」
朝倉は地面に強めに叩き付けられた。
その衝撃により、朝倉は王蛇への変身も解除させられていた。
その衝撃により、朝倉は王蛇への変身も解除させられていた。
「あ痛た…」
『SHURA…』
『SHURA…』
地面に倒れた朝倉にあちゃくらも心配して駆け寄ってきた。
「奴は…」
朝倉は体を起こして五条の方の様子を確認しようとする。
少しの間、周囲は花火の爆発によって発生した煙に包まれ、視界が悪くなっていた。
それが晴れた後、そこに五条の姿はなかった。
少しの間、周囲は花火の爆発によって発生した煙に包まれ、視界が悪くなっていた。
それが晴れた後、そこに五条の姿はなかった。
「……こちらにも逃げられましたか」
朝倉は地面に落ちた際に腰も強く打ち、痛めた。
少しの間は立ち上がることができない。
立ち上がれるようになる頃には、もう相手にも遠くに逃げられているだろう。
(ポンコツな)相方に追わせるのも難しいだろう。
少しの間は立ち上がることができない。
立ち上がれるようになる頃には、もう相手にも遠くに逃げられているだろう。
(ポンコツな)相方に追わせるのも難しいだろう。
「けれども…もう十分なようですね」
五条がいなくなった場所をよく見てみると、何か青色の破片のようなものが落ちているのが見てとれた。
それは、タイガのデッキの破片であった。
先ほどの花火が爆発した時、朝倉の方は足先を向けていたため、花火の爆風等は腹のデッキに正面からは届かなかった。
しかし相手の方は、地面に立った状態であったためにそれが正面から届いてしまった。
相手は、自分自身が起こした爆発の影響で、自分のデッキを壊してしまったのだ。
相手はおそらく、花火が使い切りで無い限りは、これ以上戦うための手段は持っていないだろう。
あるならもう使っているはずし逃げもしないだろう。
朝倉の目的はあくまで殺し合いを一刻も早く終わらせて元の世界に帰還すること。
そのために他参加者を殺す役割を持つのは自分で無くとも良い。
逃した相手は、放っておいても長くは生きられないだろう。
なるべくなら死んだところを直接確認できた方が安心できるだろうが、とりあえず今のところは焦って追わなくともそこまで問題は無いと思っておく。
それは、タイガのデッキの破片であった。
先ほどの花火が爆発した時、朝倉の方は足先を向けていたため、花火の爆風等は腹のデッキに正面からは届かなかった。
しかし相手の方は、地面に立った状態であったためにそれが正面から届いてしまった。
相手は、自分自身が起こした爆発の影響で、自分のデッキを壊してしまったのだ。
相手はおそらく、花火が使い切りで無い限りは、これ以上戦うための手段は持っていないだろう。
あるならもう使っているはずし逃げもしないだろう。
朝倉の目的はあくまで殺し合いを一刻も早く終わらせて元の世界に帰還すること。
そのために他参加者を殺す役割を持つのは自分で無くとも良い。
逃した相手は、放っておいても長くは生きられないだろう。
なるべくなら死んだところを直接確認できた方が安心できるだろうが、とりあえず今のところは焦って追わなくともそこまで問題は無いと思っておく。
「……アレ、どうします?」
『SHA?』
『SHA?』
次に朝倉は空中を漂う光の塊を見ながらあちゃくらに話しかける。
そこにあるのは先ほど相手方のミラーモンスター、デストワイルダー(城戸真司)が消えた後に現れたものだ。
あちゃくらはそれに対し、何か気になる様子で顔を近付ける。
そこにあるのは先ほど相手方のミラーモンスター、デストワイルダー(城戸真司)が消えた後に現れたものだ。
あちゃくらはそれに対し、何か気になる様子で顔を近付ける。
『パクッ』『ゴクッ』
「あら、そうするのですか」
「あら、そうするのですか」
あちゃくらはそれを口に含み、飲み込んだ。
朝倉もその様子を確認した。
朝倉もその様子を確認した。
(……あっ。つい食べちゃったけど、これけっこうマズイことじゃ?)
あちゃくらは今の自分の行動についてそんな風に思ってしまった。
ここで言うマズイとは、味のことではない。
光る塊を前にした時、本能的に食してしまった。
これは、身体がミラーモンスターのものになっていたためだった。
光る塊は、ミラーモンスターが消滅する際に発生するエネルギーの塊だ。
ミラーモンスターの生態として、活動するにはこれを接種する必要もあるため、つい本能的に取り込んでしまった。
ここで言うマズイとは、味のことではない。
光る塊を前にした時、本能的に食してしまった。
これは、身体がミラーモンスターのものになっていたためだった。
光る塊は、ミラーモンスターが消滅する際に発生するエネルギーの塊だ。
ミラーモンスターの生態として、活動するにはこれを接種する必要もあるため、つい本能的に取り込んでしまった。
ここであちゃくらが気にしてしまったことは、今のエネルギーと元となったミラーモンスターの精神は、どうも人間のものっぽかったところがあったことだ。
自分は今、人間を補食したも同然なのではないかと感じてしまったのだ。
自分は今、人間を補食したも同然なのではないかと感じてしまったのだ。
(いや……私もどうせ元から人間じゃないんだし、そこまで気にすることでもないかな…?………うん、気にしなくていい………はず)
あちゃくらは自分に言い聞かせる。
どうせもう食べてしまった以上戻すこともできない。
過ぎてしまったことは受け入れるしかない。
どうせもう食べてしまった以上戻すこともできない。
過ぎてしまったことは受け入れるしかない。
「それじゃあ次は、どうしましょうかね…」
朝倉は地面に座り込んだまま、体の痛みが引くのを待つ。
そうした後、次はどこに向かい何をするべきかを考え始めた。
そうした後、次はどこに向かい何をするべきかを考え始めた。
【G-7 街 ロナルド吸血鬼退治事務所付近/黎明】
【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[身体]:浅倉威@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康、ダメージ(小)、腰が少し痛い
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:優勝して元の世界に帰る
1:体の痛みが引くまで少し待つ
2:次はどうしましょうか…
[備考]
※参戦時期はキョンを襲撃する直前
[身体]:浅倉威@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康、ダメージ(小)、腰が少し痛い
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:優勝して元の世界に帰る
1:体の痛みが引くまで少し待つ
2:次はどうしましょうか…
[備考]
※参戦時期はキョンを襲撃する直前
[意思持ち支給品状態表]
【あちゃくらさん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
[身体]:ベノスネーカー@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康、ミラーモンスターの消滅で発生したエネルギーを摂取
[思考・状況]基本方針:生還する
1:今のうちは、朝倉に従う。裏切るには少し早い気もする
2:さっきのやつ(ミラーモンスターのエネルギー)…本当に食べても大丈夫だった?
3:場合によっては、朝倉を見捨てることも辞さない
4:知り合い……いないのよね?
【あちゃくらさん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
[身体]:ベノスネーカー@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康、ミラーモンスターの消滅で発生したエネルギーを摂取
[思考・状況]基本方針:生還する
1:今のうちは、朝倉に従う。裏切るには少し早い気もする
2:さっきのやつ(ミラーモンスターのエネルギー)…本当に食べても大丈夫だった?
3:場合によっては、朝倉を見捨てることも辞さない
4:知り合い……いないのよね?
※G-7の周囲の一部の建物が、火葬砲の影響で一直線に大穴が開いています。
※他のエリアにも影響が出ているかは後続の書き手にお任せします。
※他のエリアにも影響が出ているかは後続の書き手にお任せします。
◆
「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!」
ポプ子は今も、様々な建物の屋上を次から次へと跳び渡っていた。
彼女は先ほど怒りに身を任せて、今の自分に使える最上の必殺技である「火葬砲(インシネレーター)」を使用した。
これはレグとしての身体の手の平や足の裏に搭載されているレンズのような部分から発射することができる。
彼女は先ほど怒りに身を任せて、今の自分に使える最上の必殺技である「火葬砲(インシネレーター)」を使用した。
これはレグとしての身体の手の平や足の裏に搭載されているレンズのような部分から発射することができる。
この火葬砲はただの熱光線などではない、その威力は常軌を逸している。
火葬砲が当たった物体は何であろうと、分解されたように焼かれながら消滅してしまう。
これはレグが本来存在していた魔境、奈落(アビス)のルールを書き換える程のものだと称される。
具体例を1つ言うと、アビスの「呪い」により不死の体になってしまった者を消し飛ばし、殺すことができたことがある。
それ程強力であり、特殊な武装なのだ。
火葬砲が当たった物体は何であろうと、分解されたように焼かれながら消滅してしまう。
これはレグが本来存在していた魔境、奈落(アビス)のルールを書き換える程のものだと称される。
具体例を1つ言うと、アビスの「呪い」により不死の体になってしまった者を消し飛ばし、殺すことができたことがある。
それ程強力であり、特殊な武装なのだ。
しかしそうである分、弱点も存在する。
1つは大きなエネルギーを補給しない限りは撃てる回数に制限があること。
もう1つは、一度放てば、10分後にそこから2時間も意識を失って昏倒してしまうというものだ。
1つは大きなエネルギーを補給しない限りは撃てる回数に制限があること。
もう1つは、一度放てば、10分後にそこから2時間も意識を失って昏倒してしまうというものだ。
これが今ポプ子が問題としていることだった。
ポプ子は先ほど火葬砲を一発撃ってしまった。
もうすぐ昏倒してしまい、2時間は全く動けなくなってしまう。
1人でそんなデカすぎる隙だらけの状態になってしまえば、その間に何が起きるか分からない。
それこそ先ほど戦った者が残っている場所で眠ってしまえば、その間に殺されるかもしれない。
レグの身体は頑丈だが、ヘソ等は例外だし、方法によっては切断することもできる。
下手したら、動けない内に殺されてしまうかもしれない。
それだけは絶対に避けなくてはならない。
ポプ子は先ほど火葬砲を一発撃ってしまった。
もうすぐ昏倒してしまい、2時間は全く動けなくなってしまう。
1人でそんなデカすぎる隙だらけの状態になってしまえば、その間に何が起きるか分からない。
それこそ先ほど戦った者が残っている場所で眠ってしまえば、その間に殺されるかもしれない。
レグの身体は頑丈だが、ヘソ等は例外だし、方法によっては切断することもできる。
下手したら、動けない内に殺されてしまうかもしれない。
それだけは絶対に避けなくてはならない。
だからポプ子は今は必死に逃げている。
火葬砲を撃ってから10分経つ前に、敵を撒いて隠れられる場所を見つけるために。
だが、今のポプ子はかなり焦ってしまってもいた。
自分が今どの方角に向けて逃げているかも分かっていなかった。
火葬砲を撃ってから10分経つ前に、敵を撒いて隠れられる場所を見つけるために。
だが、今のポプ子はかなり焦ってしまってもいた。
自分が今どの方角に向けて逃げているかも分かっていなかった。
そんな彼女はやがて、10分まで後数十秒といったところで、あるものを見つけた。
それは、川であった。
具体的には、F-7の方に位置する街中を西から東へと流れる川であった。
それは、川であった。
具体的には、F-7の方に位置する街中を西から東へと流れる川であった。
「ここだああああああァーッ!!」
川に気付いた瞬間、ポプ子はそこに向かって建物の屋上から大きく跳んだ。
ポプ子はレグの身体についてあることを思い出していた。
レグは呼吸はするが、もしかしたら呼吸の必要が無い可能性もあるのだ。
本来のレグは長時間水の中に潜ったこともある。
だからポプ子は、水中ならば2時間誰にも見つからずに隠れ続けられるのではないかと考えた。
この考えが間違っていて、もしかしたら溺れてしまう可能性だってまだある。
体の大部分が金属であろうロボットのレグの身体では、簡単に浮くこともできないだろう。
けれども慌てているポプ子にとっては、そんなことまで考えている余裕もなかった。
ポプ子はレグの身体についてあることを思い出していた。
レグは呼吸はするが、もしかしたら呼吸の必要が無い可能性もあるのだ。
本来のレグは長時間水の中に潜ったこともある。
だからポプ子は、水中ならば2時間誰にも見つからずに隠れ続けられるのではないかと考えた。
この考えが間違っていて、もしかしたら溺れてしまう可能性だってまだある。
体の大部分が金属であろうロボットのレグの身体では、簡単に浮くこともできないだろう。
けれども慌てているポプ子にとっては、そんなことまで考えている余裕もなかった。
そうして空中に跳び出したポプ子は、放物線を描きながら川の方へと向かって行った。
「あ゛っ」
その瞬間に、火葬砲を撃ってから10分が来てしまった。
ポプ子は宙を舞いながら、その意識を失ってしまった。
そのために、彼女はあることに気付けなかった。
自分が向かっている先に、誰がいるのかを。
ポプ子は宙を舞いながら、その意識を失ってしまった。
そのために、彼女はあることに気付けなかった。
自分が向かっている先に、誰がいるのかを。
◇
「ぐっ……はあ………ようやく上がれるか」
F-7の川の中から一つの人影が陸に上がろうとしていた。
赤い装飾を身に纏うその小柄な影の正体は、佐倉杏子の身体となっている浅倉威だ。
彼は前の戦いで川の中に突き落とされた。
そうして今、ここまで流されてしまった。
意識は保っていたが、思ったより流れが速く、未だ慣れない女子中学生の肉体であることもあり陸に上がるのに少々時間がかかった。
そして今、このF-7でようやく川の中から出られそうになっていた。
そんな時であった。
赤い装飾を身に纏うその小柄な影の正体は、佐倉杏子の身体となっている浅倉威だ。
彼は前の戦いで川の中に突き落とされた。
そうして今、ここまで流されてしまった。
意識は保っていたが、思ったより流れが速く、未だ慣れない女子中学生の肉体であることもあり陸に上がるのに少々時間がかかった。
そして今、このF-7でようやく川の中から出られそうになっていた。
そんな時であった。
『ヒュルルル…』
「ん?」
「ん?」
浅倉は何かが風を切るような音を耳にした。
下半身をまだ水に浸けたまま、浅倉はそちらの方に視線を動かした。
下半身をまだ水に浸けたまま、浅倉はそちらの方に視線を動かした。
そこからは、レグの身体のポプ子が、浅倉のいる方に目掛けて飛んできた。
『ゴンッ!』
「があっ!!?」
「があっ!!?」
浅倉が振り向いてすぐに、2人の脳天が衝突した。
ポプ子は浅倉の頭の上でバウンドし、対岸の陸の上の方へと落ちた。
浅倉の方は、衝撃で陸にかけていた両腕を思わず離してしまった。
ポプ子は浅倉の頭の上でバウンドし、対岸の陸の上の方へと落ちた。
浅倉の方は、衝撃で陸にかけていた両腕を思わず離してしまった。
「い゛だっ、でめっ、ぼぶっ…ごのっ、ごぼぼぼ………」
浅倉は再び、川の流れに呑まれた。
衝撃に頭を揺さぶられ、朦朧とする意識のまま東に向かって流されていった。
自分をこうしたものが何者なのか、あまり確認できないままに。
衝撃に頭を揺さぶられ、朦朧とする意識のまま東に向かって流されていった。
自分をこうしたものが何者なのか、あまり確認できないままに。
対するポプ子は、思い通りに川の中に飛び込めなかったことにも気づけぬまま、川の近くで眠り続けていた。
【一日目/F-7 川の近く 北側/黎明】
【ポプ子@ポプテピピック】
[身体]:レグ@メイドインアビス
[状態]:健康、昏倒中(約2時間目覚めない)、へそにダメージ(中)、エネルギー消費(火葬砲1回分)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:皆殺し。もちろん魘夢達も殺す。ただし、自分やナナチの身体については保留。
0:………
1:がんばるぞい!
2:意識を失っている中で殺られないことを祈るしかねえ
3:さっきの奴ら(五条悟、朝倉涼子)はムカつくからいつかぶっ殺す
4:自分やナナチの身体についてどうするかは一先ず保留。見つけたら一応捕まえておく。
5:面倒くさいがもしもの時のため取り替えのできる施設を探しておく。
[備考]
※レグの腕は健在です。
※『メイドインアビス』についての知識は一応有しているものとします。
※アニメ版2期の放送より前からの参戦としておきます。
※火葬砲を1発撃ちました。残り何発まで撃てる状態かは現状は不明としておきます。
[身体]:レグ@メイドインアビス
[状態]:健康、昏倒中(約2時間目覚めない)、へそにダメージ(中)、エネルギー消費(火葬砲1回分)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:皆殺し。もちろん魘夢達も殺す。ただし、自分やナナチの身体については保留。
0:………
1:がんばるぞい!
2:意識を失っている中で殺られないことを祈るしかねえ
3:さっきの奴ら(五条悟、朝倉涼子)はムカつくからいつかぶっ殺す
4:自分やナナチの身体についてどうするかは一先ず保留。見つけたら一応捕まえておく。
5:面倒くさいがもしもの時のため取り替えのできる施設を探しておく。
[備考]
※レグの腕は健在です。
※『メイドインアビス』についての知識は一応有しているものとします。
※アニメ版2期の放送より前からの参戦としておきます。
※火葬砲を1発撃ちました。残り何発まで撃てる状態かは現状は不明としておきます。
【オボンのみ@ポケットモンスターシリーズ】
現実でいうザボンという柑橘類をモチーフとした、黄色のきのみ。
ポケモンが食べると最大HPの1/4を回復する。
ポケモンに持たせれば、HPが半分になった時に勝手に食べてくれる。
「Pokémon LEGENDS アルセウス」においてのみ最大HPの1/2も回復してくれる。
ポプ子に支給。
現実でいうザボンという柑橘類をモチーフとした、黄色のきのみ。
ポケモンが食べると最大HPの1/4を回復する。
ポケモンに持たせれば、HPが半分になった時に勝手に食べてくれる。
「Pokémon LEGENDS アルセウス」においてのみ最大HPの1/2も回復してくれる。
ポプ子に支給。
【一日目/F-7 川の中/黎明】
【浅倉威@仮面ライダー龍騎】
[身体]:佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ
[状態]:ダメージ(中)、頭頂にダメージ(小)、魔法少女に変身中、デイパックなし
[装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ、キック力増強シューズ@名探偵コナン
[道具]:なし
[思考・状況]基本方針:戦いを続ける
1:何だか分からんがぶつかられてまた流されてイライラする
2:シャンクスにリベンジする。
3:戦う相手を探す。
[備考]
※参戦時期は後続の書き手にお任せします。
※ソウルジェムは支給品に含まれず、破壊されると死亡するものとします。
※槍は魔法で出したものであるため、支給品に含まれません。
※川の流れに逆らえず西から東に流されています
[身体]:佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ
[状態]:ダメージ(中)、頭頂にダメージ(小)、魔法少女に変身中、デイパックなし
[装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ、キック力増強シューズ@名探偵コナン
[道具]:なし
[思考・状況]基本方針:戦いを続ける
1:何だか分からんがぶつかられてまた流されてイライラする
2:シャンクスにリベンジする。
3:戦う相手を探す。
[備考]
※参戦時期は後続の書き手にお任せします。
※ソウルジェムは支給品に含まれず、破壊されると死亡するものとします。
※槍は魔法で出したものであるため、支給品に含まれません。
※川の流れに逆らえず西から東に流されています
◆
「………あーあ、やってしまったなあ……」
G-7のロナルド吸血鬼退治事務所から離れた所にあるどこかの路地裏、戦いから逃れた五条悟はそこにいた。
その服装や体にはところどころ傷があるようにも見えた。
その服装や体にはところどころ傷があるようにも見えた。
先の戦いの結果は、はっきり言って五条悟の敗北であっただろう。
出会ったばかりとは言え、共に戦うと言った仲間を失ってしまった。
その原因は、自分が油断していたからという風にも、五条は感じてしまっていた。
出会ったばかりとは言え、共に戦うと言った仲間を失ってしまった。
その原因は、自分が油断していたからという風にも、五条は感じてしまっていた。
本来の肉体での五条悟は、無下限呪術によりあらゆる害ある攻撃が"無限"に守られて自分に届かないようになっている。
それも、自動的になるようにしていた。
どれだけ気をつかっていても、その時の感覚が抜け切れていなかった。
あの時の相手(ポプ子)が何かただならぬことをしようとしていた時も、避けるという判断が遅れてしまっていた。
だから、城戸真司が突き飛ばして庇った。
1人生き残り、相方をこうもあっさりと死なせてしまったために、余計にそのように感じていた。
五条悟は今、親友が闇堕ちした時や、それを自分が殺した時並みの暗い感情を抱いていた。
それも、自動的になるようにしていた。
どれだけ気をつかっていても、その時の感覚が抜け切れていなかった。
あの時の相手(ポプ子)が何かただならぬことをしようとしていた時も、避けるという判断が遅れてしまっていた。
だから、城戸真司が突き飛ばして庇った。
1人生き残り、相方をこうもあっさりと死なせてしまったために、余計にそのように感じていた。
五条悟は今、親友が闇堕ちした時や、それを自分が殺した時並みの暗い感情を抱いていた。
残ったデッキも逃げるために使った花火ボールの爆風により壊れてしまった。
逃げられたのも爆風の衝撃に乗れたからというのもあるが、そのリターンにはあまり釣り合っているように感じられない。
その花火ボールも、1回だけの使い切りだ。
残る最後の支給品も、強力でも自分では使えない品だ。
逃げられたのも爆風の衝撃に乗れたからというのもあるが、そのリターンにはあまり釣り合っているように感じられない。
その花火ボールも、1回だけの使い切りだ。
残る最後の支給品も、強力でも自分では使えない品だ。
「……………何が最強だよ、クソ……」
そうして彼は一人で、最も彼らしくない言葉を呟いてしまっていた。
【一日目/G-7 ロナルド吸血鬼退治事務所から離れた場所/黎明】
【五条悟@呪術廻戦】
[身体]:エディータ・ロスマン@ブレイブウィッチーズ
[状態]:健康、疲労(大)、ダメージ(中)、夏油傑が巻き込まれていることによる動揺・怒り、自己嫌悪気味
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、どこでもボール射出ベルト(花火機能付き)(使用済み)@名探偵コナン、ブーストマークⅢバックル@仮面ライダーギーツ
[思考・状況]基本方針:殺し合い?乗るわけないでしょ。
1:………真司…………ごめんね
2:傑を探す。出来ることなら、あの頃のように共に戦いたい。
3:真希のことも探す。今はどんな状態か分からないけど、先生としてしっかりと導いてあげないとね。
4:他の禪院家(直哉、扇)については…ちゃんと協力できるか少し怪しいところがあるな。
5:伏黒甚爾の肉体の参加者を一応警戒。協力できるような奴ならいいけど…最悪の場合、恵には悪いけどもう一度殺すことになるかも。
6:へぇ、この子(ロスマン)も先生なんだ。この子の教え子や仲間が居たら探すのもありかもね。
7:飛べないのは不便だしストライカーユニットっての、あったら探そうか。
8:浅倉威という人物は一応警戒。
9:主催側が使ったのは精神と肉体を入れ替える術式か、或いは未知の何かか…。
10:最悪の場合は僕の身体が奪われ使われてるかもとも考えとく。一先ず参加者の中にはいないようだ。
11:やはりあの時の奴(羂索)も関わっているのか…?
[備考]
※参戦時期は91話の「渋谷事変⑨」にて、完全に獄門疆に封印された後からです。
[身体]:エディータ・ロスマン@ブレイブウィッチーズ
[状態]:健康、疲労(大)、ダメージ(中)、夏油傑が巻き込まれていることによる動揺・怒り、自己嫌悪気味
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、どこでもボール射出ベルト(花火機能付き)(使用済み)@名探偵コナン、ブーストマークⅢバックル@仮面ライダーギーツ
[思考・状況]基本方針:殺し合い?乗るわけないでしょ。
1:………真司…………ごめんね
2:傑を探す。出来ることなら、あの頃のように共に戦いたい。
3:真希のことも探す。今はどんな状態か分からないけど、先生としてしっかりと導いてあげないとね。
4:他の禪院家(直哉、扇)については…ちゃんと協力できるか少し怪しいところがあるな。
5:伏黒甚爾の肉体の参加者を一応警戒。協力できるような奴ならいいけど…最悪の場合、恵には悪いけどもう一度殺すことになるかも。
6:へぇ、この子(ロスマン)も先生なんだ。この子の教え子や仲間が居たら探すのもありかもね。
7:飛べないのは不便だしストライカーユニットっての、あったら探そうか。
8:浅倉威という人物は一応警戒。
9:主催側が使ったのは精神と肉体を入れ替える術式か、或いは未知の何かか…。
10:最悪の場合は僕の身体が奪われ使われてるかもとも考えとく。一先ず参加者の中にはいないようだ。
11:やはりあの時の奴(羂索)も関わっているのか…?
[備考]
※参戦時期は91話の「渋谷事変⑨」にて、完全に獄門疆に封印された後からです。
※「タイガのデッキ@仮面ライダー龍騎」は破壊されました
36:君は完璧で究極のフィジカル | 投下順に読む | 38:切って貼った 誇張されたラピュタ王が居たよ 虚構のコラージュを貼るよ |
35:永遠なんてないけれど、それでも | 時系列順に読む | |
27:支給品になったおまえが悪い | 朝倉涼子 | |
あちゃくらさん | ||
01:可愛さ旋風…巻き起こしたりますかァ… | ポプ子 | |
17:1シャンク去ってまた1シャンク | 浅倉威 | |
34:「最強」なのだった | 五条悟 | |
城戸真司 | GAME OVER |