「今度は殺し合いのゲーム、か……」
摩天楼とも言うべき高層ビルが立ち並ぶビル街のとある屋上にて、
赤いジャケットが特徴的な制服の青年、遊城十代は周囲を見下ろしながら一人呟く。
本来ならば摩天楼と言えば明かりがついて夜景として映えるものかもしれないが、
今は殺し合いのために用意されたからか、街灯と月明りだけが頼りになっている。
寧ろ薄暗く、ゴーストタウンと化してる状態も相まって不気味な光景が広がっていた。
赤いジャケットが特徴的な制服の青年、遊城十代は周囲を見下ろしながら一人呟く。
本来ならば摩天楼と言えば明かりがついて夜景として映えるものかもしれないが、
今は殺し合いのために用意されたからか、街灯と月明りだけが頼りになっている。
寧ろ薄暗く、ゴーストタウンと化してる状態も相まって不気味な光景が広がっていた。
「ヘヘッ、また世界を超えることになっちまったな。」
不謹慎とは思いつつも、十代は笑みを浮かべる。
羂索は言っていた。異能力や異形の存在しない世界の者たちと。
この舞台に集っているのは今度はデュエルモンスターズの精霊すらない、
数々の世界を超えた人物たちがいるのだろうと。
羂索は言っていた。異能力や異形の存在しない世界の者たちと。
この舞台に集っているのは今度はデュエルモンスターズの精霊すらない、
数々の世界を超えた人物たちがいるのだろうと。
分かってはいる。これは自分の命だけでなく、数々の世界が巻き込まれた未曽有の危機だ。
今まで何度も世界の脅威に立ち向かった十代だが、その規模は全てを凌駕している。
規模で言えば十二次元宇宙を消滅させようとしたユベルに匹敵するかそれ以上だろう。
危機感があるかないかで言えばある。また仲間を、無関係な人を喪うかもしれない。
けれども世界を超えた今の状況が、どこかワクワクしてしまう。
時代を超えて遊戯、遊星と共にデュエルしたあの時のように。
今まで何度も世界の脅威に立ち向かった十代だが、その規模は全てを凌駕している。
規模で言えば十二次元宇宙を消滅させようとしたユベルに匹敵するかそれ以上だろう。
危機感があるかないかで言えばある。また仲間を、無関係な人を喪うかもしれない。
けれども世界を超えた今の状況が、どこかワクワクしてしまう。
時代を超えて遊戯、遊星と共にデュエルしたあの時のように。
「羂索。お前をぶっ倒すことに、ワクワクしてきたぜ!」
彼(彼女?)や一ノ瀬宝太郎の言うガッチャが何を意味するかは分からない。
けれど同じガッチャを口癖とする十代としては、二人が他人事のように思えない。
そんなにガッチャが見たいのであれば見せてやる。ゲームを終わらせる形で。
そんな意気込みでデッキと言う名のリュックに手を突っ込む。
何が出るかはドローした時と同じで分からない。
けれどもここぞと言う時にラッキーカードは来てくれるもの。
そんな感覚で手に掴んだものを引こうとしたその瞬間、
けれど同じガッチャを口癖とする十代としては、二人が他人事のように思えない。
そんなにガッチャが見たいのであれば見せてやる。ゲームを終わらせる形で。
そんな意気込みでデッキと言う名のリュックに手を突っ込む。
何が出るかはドローした時と同じで分からない。
けれどもここぞと言う時にラッキーカードは来てくれるもの。
そんな感覚で手に掴んだものを引こうとしたその瞬間、
「あ、丁度いいところに!」
屋上の扉が勢いよく開かれると、
歓喜の声と共に駆け寄る駆け寄る黒服の青年。
青白い肌と継ぎ接ぎが目立つ顔は余り健康ではなさそう、
歓喜の声と共に駆け寄る駆け寄る黒服の青年。
青白い肌と継ぎ接ぎが目立つ顔は余り健康ではなさそう、
「あ、俺にとっても丁度良かった───」
と言うのが第一印象だったが、すぐにその考えは覆った。
駆け寄るとは言ったものの、その速度は人並みではない。
獲物を見つけた獣のような速度で接近し、顔に手を翳す。
いや、実際に獣の足だ。鹿のような脚部が十代の視界の隅に映る。
凄まじい移動速度に十代は反応したものの、顔に手が触れることは避けられない。
駆け寄るとは言ったものの、その速度は人並みではない。
獲物を見つけた獣のような速度で接近し、顔に手を翳す。
いや、実際に獣の足だ。鹿のような脚部が十代の視界の隅に映る。
凄まじい移動速度に十代は反応したものの、顔に手が触れることは避けられない。
「君で実験させてもらうよ。」
青年、真人は最初だけだが困っていた。
自分の術式『無為転変』で体を改造してもレジスターは外せなかった。
肥大化しても縮小化しても結果は同じ、レジスター周辺の部位は弄れない。
正直なところ予想はついていたことだ。参加者に選ばれてる時点でこれぐらいは想定済み。
小型の生物などになれないのは少々痛いが、術式に科せられた縛りとしてみれば緩いものだ。
自分の術式『無為転変』で体を改造してもレジスターは外せなかった。
肥大化しても縮小化しても結果は同じ、レジスター周辺の部位は弄れない。
正直なところ予想はついていたことだ。参加者に選ばれてる時点でこれぐらいは想定済み。
小型の生物などになれないのは少々痛いが、術式に科せられた縛りとしてみれば緩いものだ。
(そういえばあの縫い目、夏油にもついてたしあれって夏油じゃなくて羂索だったのかな。)
まあどっちでもいいけどね、と誰に言うでもなく注釈をつける。
大方、渋谷で事を起こすよりも楽な道を見つけてきたのだろう。
中身が夏油であれ羂索であれ、やることについて変わりはない。
最終的に自分達呪いが人として立ってればそれでいい。
その影響で他の世界がどうなろうと知ったことではないし、興味もなかった。
呪いらしく人間らしく、狡猾に行く。軸がぶれようと一貫性がなかろうと、
偽りなく欲求の赴くままに行動する。それが呪いと言うものだ。
ようするに、いつも通りであればいいのだと。
大方、渋谷で事を起こすよりも楽な道を見つけてきたのだろう。
中身が夏油であれ羂索であれ、やることについて変わりはない。
最終的に自分達呪いが人として立ってればそれでいい。
その影響で他の世界がどうなろうと知ったことではないし、興味もなかった。
呪いらしく人間らしく、狡猾に行く。軸がぶれようと一貫性がなかろうと、
偽りなく欲求の赴くままに行動する。それが呪いと言うものだ。
ようするに、いつも通りであればいいのだと。
「無為転変。」
そうして徘徊して出会ったのが十代である。
無為転変を参加者に使ったらレジスターはどうなるのか。
自分と同じように周囲だけは変化させることができないのか、
或いはもっと別の何か出たとしても面白い。
無為転変を参加者に使ったらレジスターはどうなるのか。
自分と同じように周囲だけは変化させることができないのか、
或いはもっと別の何か出たとしても面白い。
『随分十代に気安く触れるんだね。』
もっと別の何かが出たが、予想外なものだ。
魂を弄ろうとしたその瞬間に感じ取れた。
生得領域なのか定かではない、深い深淵にて。
魂は一つ。魂の知覚ができる真人にはそれがわかる。
けれど違う。何か別の存在が十代の魂に混ざり込んでいた。
男とも女とも受け取れる人型の存在を知覚すると、距離を取る。
魂を弄ろうとしたその瞬間に感じ取れた。
生得領域なのか定かではない、深い深淵にて。
魂は一つ。魂の知覚ができる真人にはそれがわかる。
けれど違う。何か別の存在が十代の魂に混ざり込んでいた。
男とも女とも受け取れる人型の存在を知覚すると、距離を取る。
「君のそれ、呪霊かい?」
「! ユベルのことが分かるのか。」
虎杖悠仁と両面宿儺と同じような存在。
他の世界にはそういうのもいるのかと関心を抱く。
十代はユベルと言う精霊と融合し、一つの魂となっている。
ある意味では虎杖悠仁と同様の器とも受け取れなくはなかった。
他の世界にはそういうのもいるのかと関心を抱く。
十代はユベルと言う精霊と融合し、一つの魂となっている。
ある意味では虎杖悠仁と同様の器とも受け取れなくはなかった。
「そんなにホイホイ宿儺もどきがいてほしくないんだけどなぁ。」
『危ないところだったよ十代。僕達の魂に直接触れてきた。』
「魂に? それってやばくねえか?」
大徳寺先生のような魂だけになった存在を知っており、
ユベルの言葉をすんなりと受け止められる。
此方がユベルを実体化させてないのに感知することができた。
本人も危ないと言うほどなので、それは相当危険ことだと察せられる。
ユベルの言葉をすんなりと受け止められる。
此方がユベルを実体化させてないのに感知することができた。
本人も危ないと言うほどなので、それは相当危険ことだと察せられる。
「本来はやばいんだけどね。俺の術式無為転変は魂に触れ、
その形を変える。魂はいつだって肉体の先にあるから、
肉体の形は魂の形に引っ張られる。雑に言えば身体が改造されてた。こんな風にね。」
その形を変える。魂はいつだって肉体の先にあるから、
肉体の形は魂の形に引っ張られる。雑に言えば身体が改造されてた。こんな風にね。」
「滅茶苦茶やべえじゃん!?」
ボコボコと腕を改変させて異形の顔へと形を変えてみれば、
意味をより理解し、顔に触れたり体中を見渡して自分を確認する十代。
無論真人からすれば宿儺のような器だ。触れても妨害されるかもしれないし、
最悪の場合宿儺の時みたいに反撃されて余計なダメージを負う可能性もある。
だから術式を開示したところで、無為転変をそのまま十代に使うつもりはない。
意味をより理解し、顔に触れたり体中を見渡して自分を確認する十代。
無論真人からすれば宿儺のような器だ。触れても妨害されるかもしれないし、
最悪の場合宿儺の時みたいに反撃されて余計なダメージを負う可能性もある。
だから術式を開示したところで、無為転変をそのまま十代に使うつもりはない。
「大丈夫。その実験をしたかったんだけど、
君は虎杖と同じで魂に触れたらよくなさそうだからね。
と言うことだから、今回は普通に殺すことにしておくよ。」
君は虎杖と同じで魂に触れたらよくなさそうだからね。
と言うことだから、今回は普通に殺すことにしておくよ。」
実験は別の参加者で試すとして、
とりあえず十代を殺すべく今度は手を刃へと変えて肉薄する。
コンクリートを破壊しうるだけの一撃だ。いくら十代と言えど当たれば死ぬ一撃だが、
身体を確認してても相手のことをちゃんと見ていた十代は刃を紙一重で躱す。
とは言えそう何度も躱せるものではないだろう。相手は体を自在に変化させる。
つまり避けきれないような面の攻撃をされれば逃げ場のない屋上では確実に詰む。
だからその前にリュックに突っ込んだままの手を動かし、今度こそ支給品を取り出す。
とりあえず十代を殺すべく今度は手を刃へと変えて肉薄する。
コンクリートを破壊しうるだけの一撃だ。いくら十代と言えど当たれば死ぬ一撃だが、
身体を確認してても相手のことをちゃんと見ていた十代は刃を紙一重で躱す。
とは言えそう何度も躱せるものではないだろう。相手は体を自在に変化させる。
つまり避けきれないような面の攻撃をされれば逃げ場のない屋上では確実に詰む。
だからその前にリュックに突っ込んだままの手を動かし、今度こそ支給品を取り出す。
「ラッキー! デュエルモンスターズ……ってみたこともねえカードだ!」
引き当てたのは馴染みのあるデュエルモンスターズではあった。
しかしE・HEROでもなければネオス関連でもない、見たことのないモンスターカード。
効果をじっくり読んでいては確実に首を刎ねられるだろうことは状況を見ればわかる。
しかしE・HEROでもなければネオス関連でもない、見たことのないモンスターカード。
効果をじっくり読んでいては確実に首を刎ねられるだろうことは状況を見ればわかる。
「ああもう仕方ねえ! 来い!」
これがラッキーカードであることを願いつつ、
最悪アクア・ネオスの時みたいに戦いながら把握すればいい。
そう判断し続けざまに来た斬撃を後方へとジャンプしながら躱しつつ、
十代がカードを目の前に翳し、召喚されるモンスターは黄金に輝いていた。
全身が黄金に覆われ、胸元の黄金螺旋のような物体が黄金の中でも紅く煌めく。
三メートル以上はあるであろう巨躯に、両者はそのモンスターの顔を見上げざるを得ない。
紫のマントを靡かせる姿はヒーローと言うよりは、魔王や覇王と言った風貌だろう。
最悪アクア・ネオスの時みたいに戦いながら把握すればいい。
そう判断し続けざまに来た斬撃を後方へとジャンプしながら躱しつつ、
十代がカードを目の前に翳し、召喚されるモンスターは黄金に輝いていた。
全身が黄金に覆われ、胸元の黄金螺旋のような物体が黄金の中でも紅く煌めく。
三メートル以上はあるであろう巨躯に、両者はそのモンスターの顔を見上げざるを得ない。
紫のマントを靡かせる姿はヒーローと言うよりは、魔王や覇王と言った風貌だろう。
「これが俺の引いたカード『黄金卿エルドリッチ』だ!」
「式神、と言ったところかな。しかもそれなりによさげの。
別に君を狙ってもいいんだけど……まあどうせだし楽しまないとね。」
別に君を狙ってもいいんだけど……まあどうせだし楽しまないとね。」
屋上を揺らしながら着地するエルドリッチを前に
あの黄金の鎧だか肉体だか分からない部位を破壊するのは刃物では不十分。
殺すのではなく破壊する、そのインスピレーションを体現するべく手をドリルへと変える。
あの黄金の鎧だか肉体だか分からない部位を破壊するのは刃物では不十分。
殺すのではなく破壊する、そのインスピレーションを体現するべく手をドリルへと変える。
「行け、エルドリッチ!」
エルドリッチの掌底と真人のドリルがぶつかり合う。
真人の見立て通りそれなりな式神であり、巨躯に違わぬパワーを持つ。
互いの攻撃がぶつかり合えば真人が床を削りながら後ずさりするものの、
真人の見立て通りそれなりな式神であり、巨躯に違わぬパワーを持つ。
互いの攻撃がぶつかり合えば真人が床を削りながら後ずさりするものの、
「うん、やっぱりそれなりによさげだけどその程度だ!!」
攻撃を中断し、飛び上がりながら左手をスパイクだらけの法螺貝へと変えて頭部へと叩き込む。
頭部にひびが入るものの、それに耐えてエルドリッチが拳を突き出す。
素早い一撃も空中で身を翻すことで真人は躱し、続けざまに右手も同じ形状にして今度は縦に振るう。
ハンマーのように振られたそれは再び頭部にクリーンヒットし、顔にさらに亀裂を広げ、遂には床が耐え切れず崩落。
頭部にひびが入るものの、それに耐えてエルドリッチが拳を突き出す。
素早い一撃も空中で身を翻すことで真人は躱し、続けざまに右手も同じ形状にして今度は縦に振るう。
ハンマーのように振られたそれは再び頭部にクリーンヒットし、顔にさらに亀裂を広げ、遂には床が耐え切れず崩落。
「エルドリッチ!」
一体と一人はそのまま落下していくが、真人はそのまま畳みかける。
一階、また一階と床ごと砕きながらエルドリッチへと攻撃を入れていく。
一階、また一階と床ごと砕きながらエルドリッチへと攻撃を入れていく。
「何か対処できる効果は……」
カードを見ながら戦況から次の一手を考える十代。
考えてる間にも破壊の音は続くのは、さながら終焉へのカウントダウンだ。
テキスト読み終えるとすぐに追いかけるように穴から下の階へ飛び移ろうとするが、
穴からは先に真人が飛んで戻ってきたため飛び退く。
考えてる間にも破壊の音は続くのは、さながら終焉へのカウントダウンだ。
テキスト読み終えるとすぐに追いかけるように穴から下の階へ飛び移ろうとするが、
穴からは先に真人が飛んで戻ってきたため飛び退く。
「結構頑丈だったからかなりの数殴る羽目になったけど
言い換えればそれだけが取り柄ってところを感じるね、あれは。」
言い換えればそれだけが取り柄ってところを感じるね、あれは。」
戻ってきたと言うことは、そういうことなのだと察した。
下の階へと落ちたまま戻ってこないのが全てを物語っている。
屋上から遥か下層にてエルドリッチは倒れている。
全身に亀裂が広がっており、瞳も光を宿していない。
誰が見ても再起不能だと認識するレベルの状態だ。
早々に式神を使ったと言うことは本人はまともに戦えないはず。
頼みの綱と思われる式神を倒された人間はどんなものか。
ニタァ、と不気味な笑みを浮かべながら振り返ってみれば、
下の階へと落ちたまま戻ってこないのが全てを物語っている。
屋上から遥か下層にてエルドリッチは倒れている。
全身に亀裂が広がっており、瞳も光を宿していない。
誰が見ても再起不能だと認識するレベルの状態だ。
早々に式神を使ったと言うことは本人はまともに戦えないはず。
頼みの綱と思われる式神を倒された人間はどんなものか。
ニタァ、と不気味な笑みを浮かべながら振り返ってみれば、
「……それはどうかな?」
その表情は不敵な笑みを浮かべている。
嘘ではない。その言葉に魂は揺らいでいなかった。
式神と戦った間は数十秒程度だ。十代は変わった様子はない。
だと言うのにその表情とまっすぐな魂に、真人は怪訝な顔をする。
嘘ではない。その言葉に魂は揺らいでいなかった。
式神と戦った間は数十秒程度だ。十代は変わった様子はない。
だと言うのにその表情とまっすぐな魂に、真人は怪訝な顔をする。
「エルドリッチのモンスター効果、発動!」
リュックに手を突っ込み何かを掴むと同時に宣言する。
黄金卿エルドリッチには二つのモンスター効果がある。
一つは自身と手札の魔法・罠をコストにカードを除去する効果。
もう一つはフィールドの魔法・罠をコストに自身を墓地から回収し、追加で手札のアンデット族を特殊召喚する効果。
双方の効果はどちらも強力だが発動コストが必要。だがデュエルモンスターズならいざ知らず、
この殺し合いにおけるフィールド上の『魔法・罠カード』は余りにも限定的すぎると疑問を感じた。
それならば最初からストレートに効果のないモンスターカードを支給してしまえばいいだけのことだ。
エルドリッチの攻撃力は2500。ブラック・マジシャンやネオスと同じなのだから態々このカードにする意義は薄い。
だから十代は思った。『ひょっとして魔法・罠カードは支給品で代替えできるのではないか?』と。
そう思ってフィールドのコスト、何の支給品なのかは分からないが手にしたものを捧げる。
黄金卿エルドリッチには二つのモンスター効果がある。
一つは自身と手札の魔法・罠をコストにカードを除去する効果。
もう一つはフィールドの魔法・罠をコストに自身を墓地から回収し、追加で手札のアンデット族を特殊召喚する効果。
双方の効果はどちらも強力だが発動コストが必要。だがデュエルモンスターズならいざ知らず、
この殺し合いにおけるフィールド上の『魔法・罠カード』は余りにも限定的すぎると疑問を感じた。
それならば最初からストレートに効果のないモンスターカードを支給してしまえばいいだけのことだ。
エルドリッチの攻撃力は2500。ブラック・マジシャンやネオスと同じなのだから態々このカードにする意義は薄い。
だから十代は思った。『ひょっとして魔法・罠カードは支給品で代替えできるのではないか?』と。
そう思ってフィールドのコスト、何の支給品なのかは分からないが手にしたものを捧げる。
「戻ってこい! 黄金卿エルドリッチ!」
十代の眼前に浮かぶ、白い黄金螺旋の物体。
それが紅く煌めくと黄金螺旋を中心に再び黄金の化身が姿を現す。
解釈は間違っていなかったのもあり、復活したことでガッツポーズする十代と、
対照的に真人は『何だそれだけか』と残念そうな表情をしながらエルドリッチと対峙する。
ただ復活しただだけの式神だ。その程度では寿命がわずかに伸びただけに過ぎないのだから。
それが紅く煌めくと黄金螺旋を中心に再び黄金の化身が姿を現す。
解釈は間違っていなかったのもあり、復活したことでガッツポーズする十代と、
対照的に真人は『何だそれだけか』と残念そうな表情をしながらエルドリッチと対峙する。
ただ復活しただだけの式神だ。その程度では寿命がわずかに伸びただけに過ぎないのだから。
「まあいいや。今度はバラバラにすれば折れるだろうけど!」
それは先ほどの焼き直しの展開だ。
エルドリッチの掌底と真人の腕を変形させたドリルがぶつかり合わせる。
何度やっても同じところを見せつければその魂も折れるだろう。
エルドリッチの掌底と真人の腕を変形させたドリルがぶつかり合わせる。
何度やっても同じところを見せつければその魂も折れるだろう。
その油断がこの場における真人の判断ミスとなる。
「あれ?」
ドリルが潰れ、鮮血が噴き出す。
予想してなかった結果に真人が戸惑う。
予想してなかった結果に真人が戸惑う。
「エルドリッチのモンスター効果には続きがあるのさ!」
エルドリッチの効果で特殊召喚したモンスターはそのままではなく、
しばらくの間攻撃力が上昇し、カード効果への破壊に対する耐性を得る効果が付与される。
油断していたのもあるが攻撃には競り勝ち、そのままドリルを潰した勢いの掌底が顔面へと叩き込まれる。
今度は床を削る程度では済まされない。フェンスを貫通し、隣のビルの壁を突き破っていく。
壁は一枚や二枚ではないだろう、かなりの数が割れる音を耳にし、威力の強さを物語っている。
十代からは真人の姿が見えなくなるぐらいにまで吹き飛ばされ、生死の確認すらできない。
しばらくの間攻撃力が上昇し、カード効果への破壊に対する耐性を得る効果が付与される。
油断していたのもあるが攻撃には競り勝ち、そのままドリルを潰した勢いの掌底が顔面へと叩き込まれる。
今度は床を削る程度では済まされない。フェンスを貫通し、隣のビルの壁を突き破っていく。
壁は一枚や二枚ではないだろう、かなりの数が割れる音を耳にし、威力の強さを物語っている。
十代からは真人の姿が見えなくなるぐらいにまで吹き飛ばされ、生死の確認すらできない。
『此処は退くべきだ十代。カードは使えるようだが、
生身の人間があれを相手し続けるのは相当苦労するはずだ。
恐らく相手は生きてると考えて動くべきだろう。』
生身の人間があれを相手し続けるのは相当苦労するはずだ。
恐らく相手は生きてると考えて動くべきだろう。』
「ああ、分かってるさユベル。」
パラドックスの時のように、
都合よく遊星が助けにくるとは限らない。
エルドリッチの攻撃力上昇効果にも時間制限がある。
今度はエルドリッチだからと油断することもないはずだ。
アレを放置するのは危険だとは分かっているがいかんせん準備が足りなさすぎる。
この状況で手を出すべきではない相手なのもあり、逃げを選ぶしかない。
都合よく遊星が助けにくるとは限らない。
エルドリッチの攻撃力上昇効果にも時間制限がある。
今度はエルドリッチだからと油断することもないはずだ。
アレを放置するのは危険だとは分かっているがいかんせん準備が足りなさすぎる。
この状況で手を出すべきではない相手なのもあり、逃げを選ぶしかない。
「頼むぜ、エルドリッチ。」
肩へ乗ると、跳躍しながら隣のビルへと飛び移る。
重量で床を崩落させないかと心配しながら十代は摩天楼を駆けていく。
重量で床を崩落させないかと心配しながら十代は摩天楼を駆けていく。
【遊城十代@遊戯王GX】
状態:健康
服装:オシリスレッドの制服
装備:黄金卿エルドリッチ@遊戯王OCG
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン(※エルドリッチのコストにこの中からどれか一つ消費)
思考
基本:あいつ(真人)も羂索も倒す。
00:継ぎ接ぎの男(真人)を何とかする手段を探す。
参戦時期:超融合!時空を超えた絆の本編終了後
備考
状態:健康
服装:オシリスレッドの制服
装備:黄金卿エルドリッチ@遊戯王OCG
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン(※エルドリッチのコストにこの中からどれか一つ消費)
思考
基本:あいつ(真人)も羂索も倒す。
00:継ぎ接ぎの男(真人)を何とかする手段を探す。
参戦時期:超融合!時空を超えた絆の本編終了後
備考
「んー……あの式神がいつまでパワーアップしてるか分からないし、追撃はやめておくかな。」
瓦礫に埋もれていた真人は何事もなかったかのように起き上がる。
本来は魂の輪郭を知覚したものや魂に直接攻撃できるものでなければ、
真人へのダメージは与えることはできないものの制限の影響か、
エルドリッチの攻撃がダメージになっており少しばかり疲労感を感じていた。
もっとも、この程度ならば修復すればどうとでもなる程度なのだが。
本来は魂の輪郭を知覚したものや魂に直接攻撃できるものでなければ、
真人へのダメージは与えることはできないものの制限の影響か、
エルドリッチの攻撃がダメージになっており少しばかり疲労感を感じていた。
もっとも、この程度ならば修復すればどうとでもなる程度なのだが。
「遊びもほどほどにってことか。」
素直に多重魂撥体と言った面の攻撃をしていれば、
呪術師でない十代には対応ができなかったので容易に殺せた。
一貫性がなくブレるのが呪いではあるが、今回はそれに足元をすくわれている。
少しばかりは気を付けようと思いながら、適当に街中を散策することにした。
呪術師でない十代には対応ができなかったので容易に殺せた。
一貫性がなくブレるのが呪いではあるが、今回はそれに足元をすくわれている。
少しばかりは気を付けようと思いながら、適当に街中を散策することにした。
「あ、靴拾ってこよ。」
【真人@呪術廻戦】
状態:ダメージ(小)
服装:いつもの(靴なし)
装備:改造人間@呪術廻戦
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:いつも通りにする。呪いらしく、人間らしく狡猾に。
00:さて、どうしようかな。
01:そんなホイホイ宿儺もどきがいても困るんだけどね。
参戦時期:少なくとも渋谷事変よりも前
備考
※魂の輪郭を知覚していればダメージはより通りますが、
魂の輪郭を知覚してなくてもダメージは通るようになってます。
※改造人間が没収されてない代わりに支給品が1枠減ってます。
状態:ダメージ(小)
服装:いつもの(靴なし)
装備:改造人間@呪術廻戦
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:いつも通りにする。呪いらしく、人間らしく狡猾に。
00:さて、どうしようかな。
01:そんなホイホイ宿儺もどきがいても困るんだけどね。
参戦時期:少なくとも渋谷事変よりも前
備考
※魂の輪郭を知覚していればダメージはより通りますが、
魂の輪郭を知覚してなくてもダメージは通るようになってます。
※改造人間が没収されてない代わりに支給品が1枠減ってます。
- 黄金卿エルドリッチ@遊戯王OCG
十代に支給。召喚すると破壊されるまで共に戦ってくれる。
破壊されるなどされると12時間使用不可能になるが、後述の②の効果で即座に使用可能。
テキストは以下の通り
効果モンスター
星10/光属性/アンデット族/攻2500/守2800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札からこのカードと魔法・罠カード1枚を墓地へ送り、
フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを墓地へ送る。
②:このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
このカードを手札に加える。その後、手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したモンスターは相手ターン終了時まで、
攻撃力・守備力が1000アップし、効果では破壊されない。
本ロワでは魔法・罠の代わりに支給品やドロップアイテム、ホットラインなどをコストにすることでも効果を発動可能。
①の効果はこのカードが召喚可能な場合にコストとしてこのカードが召喚不可になり、
②の効果はこのカードが召喚不可の状態である場合にのみ発動することができる。
ただしどちらの効果も、使用者が所持してるものでなければならない。
あくまでデュエルモンスターズのカードなため自我と言ったものはない。
破壊されるなどされると12時間使用不可能になるが、後述の②の効果で即座に使用可能。
テキストは以下の通り
効果モンスター
星10/光属性/アンデット族/攻2500/守2800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札からこのカードと魔法・罠カード1枚を墓地へ送り、
フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを墓地へ送る。
②:このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドの魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。
このカードを手札に加える。その後、手札からアンデット族モンスター1体を特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したモンスターは相手ターン終了時まで、
攻撃力・守備力が1000アップし、効果では破壊されない。
本ロワでは魔法・罠の代わりに支給品やドロップアイテム、ホットラインなどをコストにすることでも効果を発動可能。
①の効果はこのカードが召喚可能な場合にコストとしてこのカードが召喚不可になり、
②の効果はこのカードが召喚不可の状態である場合にのみ発動することができる。
ただしどちらの効果も、使用者が所持してるものでなければならない。
あくまでデュエルモンスターズのカードなため自我と言ったものはない。
候補作103:在らざるべきモノタチの足掻き | 投下順 | 候補作105:INFERNO-ILEGAL SIDE- |
時系列順 | ||
GAME START | 遊城十代 | 041:ゼロ・フォース |
真人 | 003:Reverse Position Magician |