「やべえ……まずい。」
十代は途方に暮れていた。
真人との戦いをしのげたのは幸運なことだ。
エルドリッチのスペックがなければまず命はなかっただろう。
しかし、その時のある行動が今の途方に暮れる彼に至らせる結果となっている。
真人との戦いをしのげたのは幸運なことだ。
エルドリッチのスペックがなければまず命はなかっただろう。
しかし、その時のある行動が今の途方に暮れる彼に至らせる結果となっている。
『まさか発動コストにしたのがホットラインとはね。』
「これじゃ何が起きてるかさっぱりわかんねえ~~~! そもそも今どこにいるんだよ俺は!」
頭を抱えながらじたばたと暴れる十代。
ユベルの言う通り、彼はホットラインをエルドリッチの発動コストにしてしまっていた。
おかげで彼はほぼすべての生存者が知りうるであろう情報を何一つとして手にできていない。
定期的に見返すといいと言っていた以上何かしら重要な情報もあっただろうに。
当然、ラウ・ル・クルーゼの宣言すら彼は聞いてなどいなかった。
ユベルの言う通り、彼はホットラインをエルドリッチの発動コストにしてしまっていた。
おかげで彼はほぼすべての生存者が知りうるであろう情報を何一つとして手にできていない。
定期的に見返すといいと言っていた以上何かしら重要な情報もあっただろうに。
当然、ラウ・ル・クルーゼの宣言すら彼は聞いてなどいなかった。
『逆に考えた方がいいよ十代。支給品にデッキがあった時失っていたかもしれないと。』
「俺の支給品に俺のデュエルディスクがなかったからあんまり変わらなかっただろ!!」
『どうだろうね? エルドリッチの攻撃力を考えると、
今の支給品があってもこの先は心許ないと思うよ僕は。』
今の支給品があってもこの先は心許ないと思うよ僕は。』
「まあエルドリッチが強いと言っても限度はあるよな……」
デュエルモンスターズを式神と言っていたあの男(真人)は、
こちらと違いモンスターを使わずともモンスターと渡り合えていた。
さながらデュエルモンスターズが跋扈していたあの異世界の住人だ。
デュエルなしでも強い人物や、それ以上の強さを持っている人物が、
この舞台には恐らく何人もいることだろう。エルドリッチの攻撃力2500は、
先の男との戦いを考えるとかなり不安な数値ともいえるだろう。
安全と呼べる数値はF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)などの5000ぐらいだろうか。
最悪、混沌幻魔アーミタイルのような10000でも到達できない猛者がいるのかもしれない。
こちらと違いモンスターを使わずともモンスターと渡り合えていた。
さながらデュエルモンスターズが跋扈していたあの異世界の住人だ。
デュエルなしでも強い人物や、それ以上の強さを持っている人物が、
この舞台には恐らく何人もいることだろう。エルドリッチの攻撃力2500は、
先の男との戦いを考えるとかなり不安な数値ともいえるだろう。
安全と呼べる数値はF・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)などの5000ぐらいだろうか。
最悪、混沌幻魔アーミタイルのような10000でも到達できない猛者がいるのかもしれない。
『まずは人を探すしかないね。情報のアドバンテージは、
何よりも大きいことはデュエルモンスターズで身に染みてるだろう?』
何よりも大きいことはデュエルモンスターズで身に染みてるだろう?』
「ああ、わかってるさ。唯一得られたのはルルーシュと綾小路、
それと最初の場所にいた仮面ライダーガッチャードと堀北だけか……」
それと最初の場所にいた仮面ライダーガッチャードと堀北だけか……」
近くのテレビショップに置かれていたテレビに報道されたルルーシュの演説。
羂索に何かの力を使おうとしていたところを見るに彼も殺し合いには懐疑的なはず。
だというのに敵を作る、まるで覇王のような振る舞いは違和感が拭えなかった。
羂索に何かの力を使おうとしていたところを見るに彼も殺し合いには懐疑的なはず。
だというのに敵を作る、まるで覇王のような振る舞いは違和感が拭えなかった。
『まるで覇王だね。武力や恐怖でこの殺し合いを収めようとしている。』
「覇王、か……」
覇王となれば忘れてはならない、苦々しい思い出。
ヨハンに固執し続け、仲間を失って墜ちたあの時のことを。
覇王十代となり異世界を蹂躙していったことは忘れることはない。
だからこそ一時期デュエルの楽しさを忘れてしまったり、
皆を避けていた部分はあるのだから。
ヨハンに固執し続け、仲間を失って墜ちたあの時のことを。
覇王十代となり異世界を蹂躙していったことは忘れることはない。
だからこそ一時期デュエルの楽しさを忘れてしまったり、
皆を避けていた部分はあるのだから。
『ルルーシュのやり方に十代はどう思う?』
「俺に聞くのは皮肉かよ……確かにありだと思うぜ。
あれだけ目立つことをすれば、殆どの参加者が動くと思う。」
あれだけ目立つことをすれば、殆どの参加者が動くと思う。」
ユベルの質問に一瞬げんなりとした表情をする。
十代としては、ルルーシュのやり方はありだと思った。
きっと自身と違ってちゃんとホットラインで情報を得ているのだろう。
だから人を集め、敵も集め、このゲームを乗っ取るつもりでいるのだと。
そういった手段に長けており、タクティクスだけならば間違いなく、
武藤遊戯に匹敵するか、それ以上の手腕を持っていると言えるだろう。
もしデュエリストなら、ぜひともデュエルを申し込みたくなるほどの相手だ。
もっとも、そのためのデッキが存在しないのが残念なところではあるが。
十代としては、ルルーシュのやり方はありだと思った。
きっと自身と違ってちゃんとホットラインで情報を得ているのだろう。
だから人を集め、敵も集め、このゲームを乗っ取るつもりでいるのだと。
そういった手段に長けており、タクティクスだけならば間違いなく、
武藤遊戯に匹敵するか、それ以上の手腕を持っていると言えるだろう。
もしデュエリストなら、ぜひともデュエルを申し込みたくなるほどの相手だ。
もっとも、そのためのデッキが存在しないのが残念なところではあるが。
「あいつはわざと演じてるんだ。わざと悪い奴のふりをしている。」
と、此処まではデュエリストとしての、ゲームの盤面として見た場合の話。
エンタメのためふざけた行為をせざるを得なかった万丈目に少しだが似ている。
自分を悪という役割に殉じて、他の参加者の行動を煽っている台風の目。
武力で異世界を統べる覇王十代とは全くの別物である。
悪行をもって善を成そうとしている行為だ。
覇王十代の経験やデュエリストだからこそ、
ルルーシュの考えがそういうものだと十代は感じた。
エンタメのためふざけた行為をせざるを得なかった万丈目に少しだが似ている。
自分を悪という役割に殉じて、他の参加者の行動を煽っている台風の目。
武力で異世界を統べる覇王十代とは全くの別物である。
悪行をもって善を成そうとしている行為だ。
覇王十代の経験やデュエリストだからこそ、
ルルーシュの考えがそういうものだと十代は感じた。
『正解だ。開始早々味方以上に敵を増やすのはそういうことだろう。
味方が増えると言ってもあまりにリスクが大きい行為。あの時、
羂索に立ち向かった彼のことを考えれば、すべて納得がいく行為だ。』
味方が増えると言ってもあまりにリスクが大きい行為。あの時、
羂索に立ち向かった彼のことを考えれば、すべて納得がいく行為だ。』
ユベルと言う相棒がいて心底安心する十代。
お世辞にも学力があるとはいいがたい彼でも辿り着けた答えではあるが、
判断を促せる相手がいるというのは、この状況では頼もしさがより増していく。
今の状況ではヨハンやエドと言った仲間がいるのかどうかでさえ分からない状況なのだから。
いるとするなら、隣に立っている三メートル越えの黄金の化身、エルドリッチだけだ。
お世辞にも学力があるとはいいがたい彼でも辿り着けた答えではあるが、
判断を促せる相手がいるというのは、この状況では頼もしさがより増していく。
今の状況ではヨハンやエドと言った仲間がいるのかどうかでさえ分からない状況なのだから。
いるとするなら、隣に立っている三メートル越えの黄金の化身、エルドリッチだけだ。
『テレビ局の彼を止めに行くかい?
まあ、僕たちはテレビ局の場所も知らないが。』
まあ、僕たちはテレビ局の場所も知らないが。』
地図も名簿もすべてホットラインに入っている。
それがないのではテレビ局はおろか、現在地がどこかさえ二人にはわからない。
朝になったとはいえ現代都市エリアは広大であり、どこを彷徨ってるかも定かではなかった。
それがないのではテレビ局はおろか、現在地がどこかさえ二人にはわからない。
朝になったとはいえ現代都市エリアは広大であり、どこを彷徨ってるかも定かではなかった。
「テレビ局ならこの辺のどこかに……って思ったが、テレビ局ってどういう形してるんだ?」
『やれやれ、そういうと思ったよ……と言いたいが、
テレビ局の特徴は僕にもわからない。おそらくはビルだろうけど。
ホットラインがあれば確認できただろうに、どうするんだい十代?』
テレビ局の特徴は僕にもわからない。おそらくはビルだろうけど。
ホットラインがあれば確認できただろうに、どうするんだい十代?』
「場所がわからないのもあるが、
今行くとルルーシュのアレにやられそうなんだよな……」
今行くとルルーシュのアレにやられそうなんだよな……」
藤原、と言うよりはそれに変身したオネストの記憶の改竄を思い出させる能力。
視線を向けているだけで起きてしまうそれは下手に出会えばまず術中に陥るだろう。
いくらユベルと融合してると言っても、それをはねのけられるかどうかは怪しくもある。
今のまま出会ったところで意味をなさないのは間違いなかった。
視線を向けているだけで起きてしまうそれは下手に出会えばまず術中に陥るだろう。
いくらユベルと融合してると言っても、それをはねのけられるかどうかは怪しくもある。
今のまま出会ったところで意味をなさないのは間違いなかった。
『なら、仮面ライダーを探すのはどうかな?
名前に仮面とついているんだ。直接目を合わせてないと、
発動できない可能性が高いし、君にもそういう装備は必要だろう?』
名前に仮面とついているんだ。直接目を合わせてないと、
発動できない可能性が高いし、君にもそういう装備は必要だろう?』
真人との戦いでは十代は避けることこそできたが、
攻め手は完全にエルドリッチに依存している状態だった。
エルドリッチの攻撃力も不安な今、自衛の手段は用意しておきたい。
残念なことに彼の支給品の中にはそれらしいものは存在していなかった。
このまま無策に歩き回るのはNPCの不意打ちを考えるとより危険だろう。
攻め手は完全にエルドリッチに依存している状態だった。
エルドリッチの攻撃力も不安な今、自衛の手段は用意しておきたい。
残念なことに彼の支給品の中にはそれらしいものは存在していなかった。
このまま無策に歩き回るのはNPCの不意打ちを考えるとより危険だろう。
「となると、こいつの出番だな。」
支給品の中にあった、
先端に機械のようなものがついたステッキを取り出す十代。
たずね人ステッキ。ドラえもんと呼ばれる存在のひみつ道具の一つであり、
たずね『人』ではあるが、『物』を探すこともできるので仮面ライダー、
もといああいった変身ベルトを探す手段となりうる代物だ。
先端に機械のようなものがついたステッキを取り出す十代。
たずね人ステッキ。ドラえもんと呼ばれる存在のひみつ道具の一つであり、
たずね『人』ではあるが、『物』を探すこともできるので仮面ライダー、
もといああいった変身ベルトを探す手段となりうる代物だ。
「よし、これで仮面ライダーガッチャードを……って、あいつの名前なんだっけ?」
『知らないよ。羂索はあの時仮面ライダーガッチャードとしか言ってないからね。』
閑話休題。
仮面ライダーガッチャードと言う抽象的なワードで、
果たしてこれが通じてくれるのかどうかが分からない。
成功率が70%と言う微妙に外れやすい確率も考えると、
とりあえず試してみて正解にたどり着くかもわからなかった。
仮面ライダーガッチャードと言う抽象的なワードで、
果たしてこれが通じてくれるのかどうかが分からない。
成功率が70%と言う微妙に外れやすい確率も考えると、
とりあえず試してみて正解にたどり着くかもわからなかった。
「仮面ライダーの変身するための道具はどこ? で試すしかねえか……?」
『それでも当たるかどうかは……いや、この際気にしない方がいいか。
出会えるといいね。仮面ライダーを使っている敵でないことを祈りながらだけど。』
出会えるといいね。仮面ライダーを使っている敵でないことを祈りながらだけど。』
「だから不安を煽るのはやめろって。」
暗雲立ち込めるような状況に不安を感じながら、
たずね人ステッキを倒してその方角へと進む十代。
もう一人の十代がこの世界に参加していることを知ることになるのは、
少なくとも今この時ではないだろう。
たずね人ステッキを倒してその方角へと進む十代。
もう一人の十代がこの世界に参加していることを知ることになるのは、
少なくとも今この時ではないだろう。
【エリアH-11/街道/9月2日午前6時】
【遊城十代@遊戯王GX】
状態:健康
服装:オシリスレッドの制服
装備:黄金卿エルドリッチ@遊戯王OCG、たずね人ステッキ@ドラえもん
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~1(確認済み)
思考
基本:あいつ(真人)も羂索も倒す。
00:継ぎ接ぎの男(真人)を何とかする手段を探す。
01:ルルーシュとはできれば話し合いたいが、
あの能力はさすがに俺とユベルが融合してても無効にできないよな?
02:情報がなさ過ぎてやばい。
参戦時期:超融合!時空を超えた絆の本編終了後
備考
※ラウ・ル・クルーゼの放送を聞けてません
※ホットラインがないため名簿も地図もわかりません
状態:健康
服装:オシリスレッドの制服
装備:黄金卿エルドリッチ@遊戯王OCG、たずね人ステッキ@ドラえもん
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~1(確認済み)
思考
基本:あいつ(真人)も羂索も倒す。
00:継ぎ接ぎの男(真人)を何とかする手段を探す。
01:ルルーシュとはできれば話し合いたいが、
あの能力はさすがに俺とユベルが融合してても無効にできないよな?
02:情報がなさ過ぎてやばい。
参戦時期:超融合!時空を超えた絆の本編終了後
備考
※ラウ・ル・クルーゼの放送を聞けてません
※ホットラインがないため名簿も地図もわかりません
【たずね人ステッキ@ドラえもん】
十代に支給。先端に機械のようなものがついたステッキでひみつ道具の一つ。
人や物をイメージしながら倒すとその方角へと倒れるが、確率は7割と微妙に外れる。
十代に支給。先端に機械のようなものがついたステッキでひみつ道具の一つ。
人や物をイメージしながら倒すとその方角へと倒れるが、確率は7割と微妙に外れる。
040:信-Lost Essence- | 投下順 | 042:三者三葉 |
時系列順 | 038:セカイ ノ ハンブン | |
候補作104:黒き覚醒のアルケミスト | 遊城十代 | 062:再戦の誓い |