【初出】
SIII巻
【解説】
“
紅世の王”。
真名は“絶佳の望蜀”(ぜっかのぼうしょく)。
炎の色はマゼンダ。
[
宝石の一味]に所属する四人の“王”の一人。頭目である
コヨーテが「ちゃん」とつけて呼んでいるために女性の“王”と推測されているが、結局は最後まで明かされなかった。
XII巻の回想で、『
永遠の恋人』
ヨーハンが言っていた「
誇大妄想の狂信的な“王”」とはイナンナのことである。
富と美術品の集積に執着する拝金主義者で、コヨーテたち三人は度々その口車と手管に乗って、余計な財宝探しや盗みに駆り出されている。
1864年には、頭目のコヨーテもその動向を把握していなかった。現代まで生存しているかどうかは不明。
【由来・元ネタ考察】
「絶佳」は風景がすぐれていて美しいこと。「望蜀」は中国24史の一つ『後漢書』の一節に由来し、欲望に限りがないことを指す。
真名としては「世にも美しい欲深き者」または「美しいものを追い求める者」という意味だと思われる。
イナンナ(Inanna)はシュメール神話における金星の女神。性愛・戦・金星の女神であり、数多くの愛人(愛神)を持つメソポタミア神話のイシュタルと同一視される。
最終更新:2024年11月22日 18:54