スパイダーマン・ノワール(Spider-Man Noir) / ピーター・パーカー(Peter Parker)

(キャラクター、マーベル

Earth-90214のスパイダーマン



初登場:Spider-Man Noir #1(2008年12月)、邦訳版『スパイダーマン・ノワール』2023年5月
属性:後天的変異者、アメリカ人

概要

Earth-90214、世界が大恐慌に見舞われた1930年代のアメリカを舞台にしたシリーズのスパイダーマン。
漆黒のコスチュームに身を包む。
なお、*スパイダーマン・ノワールはあくまでコミックのタイトルであり、作中での彼の呼び名は「スパイダーマン」もしくは「ザ・スパイダーマン」である。

オリジンと経歴

1932年アメリカ、ニューヨーク。
世界的な大恐慌の影響で失業者が街に溢れ、資本家と労働者階級の対立は激化していた。
ピーター・パーカーはそんな時代に叔母のメイと叔父のベンに育てられた青年。
メイ・パーカーは貧困層のための福祉施設を運営する一方、労働者の権利のために戦う運動家であった。
叔父のベンは既に死亡。生前はある資本家の工場を3つ閉鎖に追い込むほどの運動家であり、ピーターはベンを殺したのはゴブリンと呼ばれる男ノーマン・オズボーンであると見抜いていた。
オズボーンは腐敗した資本家や権力者に雇われ反乱分子を抹殺するなどの仕事を請け負う一方、麻薬や売春や保険金詐欺の片棒を担ぎ多額の報酬を得ていたのだ。
新聞社デイリー・ビューグルの記者兼カメラマンのベン・ユーリックと出会ったピーターは酒場に連れられ、そこでオズボーンに出会うと怒りから顔面に酒をぶっかけてしまう。第四の権力としてオズボーンもマスコミには迂闊に手をだせないことを知っていたユーリックは、ピーターを守るためデイリー・ビューグルで働くことを提案。ピーターはユーリックの助手として働き始めた。
ある日、ユーリックへの情報屋からの電話をとったピーターは、ユーリックが裏社会では「スパイダー」のコードネームで呼ばれていることとオズボーンの手下が深夜に埠頭で古美術の積荷を運び出す予定であることを知る。
深夜1時、オズボーンの手下たちが積荷を運搬していると、その1つを落としてしまい箱が破損。中には大量の蜘蛛と蜘蛛の神の偶像があり、蜘蛛に噛まれた手下は即死してしまう。
現場に潜入していたピーターの手元にも蜘蛛が這い寄ると蜘蛛の神の幻影が現れ、彼に告げる。
「我が噛みは悪しき意思を持つ者どもにのみ死をもたらす...お前にはより大きな苦しみを授けよう...力という呪いを...」
かくしてピーターは蜘蛛の力を授けられたのだった。
一方、実はオズボーンの悪事に加担していたユーリックだったが、取材を通してピーターの社会への怒りや情熱に触れ、徐々に感化されていた。
オズボーンのオフィスに訪れ、犯罪の証拠となる写真を使って取引しようとしたところを覆面をしたピーターが襲撃、ユーリックは逃亡。
追いすがったピーターはユーリックに怒りを吐き出した。
ユーリックはオズボーンに今後一切手を切ると宣言。しかしその夜、ユーリックは自宅で暗殺される。
ピーターはユーリックのコードネーム「スパイダー」を受け継ぎ、エースパイロットだった叔父の第一次世界大戦中の漆黒のユニフォームを纏って「スパイダーマン」を名乗るのだった。

能力

超人的な腕力、身体能力、耐久力、回復力など。
手足で壁に貼り付く能力
ウェブは生体ウェブで、手首から噴出する。ウェブの色は黒い
スパイダーセンス
叔父の銃などで武装

その他

「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉を受けずにスパイダーマンになった。
彼に影響を与えたのは"if those in power can't be trusted, it's the responsibility of the people to remove them."
「力を持つ者たちが信用できないのならば、それを取り上げるするのは人々の責任だ」で、資本家や権力者と労働者階級の対立が強くなった時代背景に即したものになっている。
のちに"Spider-Verse"で「大いなる力には大いなる責任が伴う」の教訓を受け入れることとなる。




最終更新:2023年06月27日 13:21