|| __ ,,-γヽ、
|| へ/ vWヽ 待たせたな豚ども! ノ川^^川i / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|| ミ(d|゚Дメ)/ 次は俺さまとバルバトスの夢の競演だぁ! ∩゜Д゜从< 英雄ども! おののけブルアアア! ||_ (o σ _____ □………(つ | \___________
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| | バルバトスの .|
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| | バルバトスの .|
三三三三三三三 コメント |
廃墟の塔。
その塔ははるか昔、古代の人々が打ち捨てたまま、時の流れの内に朽ちるに任せていたのか、はたまた最初からこんな造りなのか。
今となっては、もはや憶測することしか出来ない。
唯一確たる事実は、この塔ははるか昔に時の大河の流れに取り残された、古き遺産にある懐古的かつ神秘的な雰囲気をたたえているという事。
ただ、それだけだ。
この地に送り込まれた54人の人間は、これから最後の1人になるまで血まみれの争いを繰り広げる。
けれども塔は、その争いにはただ無関心を決め込むかのように、地平線からようやく離れた太陽の光を、その覗き窓から切り取って自らの腹の内に取り込む。
何の取りとめもない光景。異変一つ見せない石造りの内装。
ただ、塔にとって残念なことは、今や怠惰な沈黙を決め込み、日向ぼっこを続行することは出来ない、という現実がそこにあったことだ。
何せ「異変」は、向こうからやって来たのだから。
「受けてみろよぉっ! 煉獄っ!! 崩爆破あぁぁぁぁぁっ!!!」
「支給品」の一つ…特大の刃を持つ巨斧、「オーガアクス」を構えたマグニスは、みなぎる闘気に赤熱する刀身を横一文字に振るう。
灼熱の爆炎が津波と化し、「彼」を飲み込まんと強襲をかける!
しかし対する「彼」もまた、爆炎の津波に抗する奥義を持ち合わせている。「彼」は腰だめに、オーガアクスを越える更に長大な得物を構えた。
「彼」もまた、マグニスと互角か、下手をしたら彼をも越えかねない剣呑な光をその双眸に宿している。
伸び放題の青い長髪は手入れを知らぬかのように独特の癖を持ち、「彼」自身の背中にかかっている。
その鼻梁は崩れることを知らぬ岩山のように屹立し、剣呑な雰囲気を高めこそすれ、弱めるようなことは微塵もない。
この「バトル・ロワイアル」に参加したものの名簿を眺めたのならば、「彼」の名はすぐさま目星が付いたであろう。
その塔ははるか昔、古代の人々が打ち捨てたまま、時の流れの内に朽ちるに任せていたのか、はたまた最初からこんな造りなのか。
今となっては、もはや憶測することしか出来ない。
唯一確たる事実は、この塔ははるか昔に時の大河の流れに取り残された、古き遺産にある懐古的かつ神秘的な雰囲気をたたえているという事。
ただ、それだけだ。
この地に送り込まれた54人の人間は、これから最後の1人になるまで血まみれの争いを繰り広げる。
けれども塔は、その争いにはただ無関心を決め込むかのように、地平線からようやく離れた太陽の光を、その覗き窓から切り取って自らの腹の内に取り込む。
何の取りとめもない光景。異変一つ見せない石造りの内装。
ただ、塔にとって残念なことは、今や怠惰な沈黙を決め込み、日向ぼっこを続行することは出来ない、という現実がそこにあったことだ。
何せ「異変」は、向こうからやって来たのだから。
「受けてみろよぉっ! 煉獄っ!! 崩爆破あぁぁぁぁぁっ!!!」
「支給品」の一つ…特大の刃を持つ巨斧、「オーガアクス」を構えたマグニスは、みなぎる闘気に赤熱する刀身を横一文字に振るう。
灼熱の爆炎が津波と化し、「彼」を飲み込まんと強襲をかける!
しかし対する「彼」もまた、爆炎の津波に抗する奥義を持ち合わせている。「彼」は腰だめに、オーガアクスを越える更に長大な得物を構えた。
「彼」もまた、マグニスと互角か、下手をしたら彼をも越えかねない剣呑な光をその双眸に宿している。
伸び放題の青い長髪は手入れを知らぬかのように独特の癖を持ち、「彼」自身の背中にかかっている。
その鼻梁は崩れることを知らぬ岩山のように屹立し、剣呑な雰囲気を高めこそすれ、弱めるようなことは微塵もない。
この「バトル・ロワイアル」に参加したものの名簿を眺めたのならば、「彼」の名はすぐさま目星が付いたであろう。
バルバトス・ゲーティア。「英雄狩り」の異名を持つ男。
彼が腰だめに構えた物は、何と大理石の柱。あろう事かこの男…バルバトスはその桁外れの膂力にものを言わせて、大理石の柱を棍棒として扱っているのだ!
「微塵に砕けろぉっ! ジェノサイドォォォ!! ブレイブルァァァァァッ!!!」
腰だめに構えた大理石の柱が振り上げられたとき、彼の目前に紫色の悪しきオーラが生まれた。
悪しきオーラはそのまま一気に伸び、極太の光線と化して爆炎の津波を迎撃する。闇と炎…両者に残された選択肢はただ一つ…
激突!!!
腹の底まで響く轟音と、目を焼くまばゆい光。互いを食い合う闇と炎の争いには、一瞬の拮抗ののち、闇に勝利が訪れた。
爆炎の津波のどてっ腹を穿ち、その向こうにまで突き抜ける悪しきオーラ。
たとえ煉獄崩爆破で威力を殺されているとは言え、マグニスもこのジェノサイドブレイバーの直撃を受ければ、無事では済まされない!
だが惜しくも、悪しきオーラが貫いたのは、マグニスの残影のみ。
バルバトスの奥義の威力を殺しきれないと判断したマグニスは、即座に空中に逃れたのだ。
「死ねやおらぁぁぁぁぁっ!!」
大上段にオーガアクスを振り上げ、落下の勢いに更に己の腕力を追加し必殺の斬り下ろしを見舞う。
バルバトスは即座に、上段に構えたままの大理石の柱を掲げた。戦士の機転と勘でもって、大理石の最も硬い部分で斧を受け止め、全身のバネで更に衝撃を奪う。
結果、マグニスの放ったオーガアクスの一撃は、バルバトスの構えた柱の中ほどまで埋まり、底で止まる。受け切った!
「ぶるぁぁぁぁぁっ!!」
バルバトスはその柱を半ば投げ捨てるようにして、宙に浮いたままのマグニスの体勢を無理やりに崩す。すかさず空いた右の手で、マグニスの顔面に痛烈な正拳を見舞う。
だがマグニスもさるもの。柱に埋まってすぐには抜けないオーガアクスをあっさり手放すと、こちらも握り締めた拳をバルバトスに打ち返す。真っ向一撃…正面衝突!
互いの放った拳が正面からぶつかり合い、もう一度轟音を立てた頃には、投げ捨てられた大理石の柱とオーガアクスは、乱暴な地面への不時着を果たしていた。マグニスは再び地面に立ち、バルバトスはその腰を捻り込んでいる。
「…………」
「…………」
ぶつかり合った拳が、どちらからともなく引かれる。沈黙。
マグニスはバルバトスを、バルバトスはマグニスを睨みつけ、互いに出方を伺っているようだ。
ぎりぎりと緊張の弦が引き締められる。塔に差す朝日さえ、その緊張に凍り付いてしまったかのようだった。
「てめえ…なかなか出来るじゃねえか」
彼が腰だめに構えた物は、何と大理石の柱。あろう事かこの男…バルバトスはその桁外れの膂力にものを言わせて、大理石の柱を棍棒として扱っているのだ!
「微塵に砕けろぉっ! ジェノサイドォォォ!! ブレイブルァァァァァッ!!!」
腰だめに構えた大理石の柱が振り上げられたとき、彼の目前に紫色の悪しきオーラが生まれた。
悪しきオーラはそのまま一気に伸び、極太の光線と化して爆炎の津波を迎撃する。闇と炎…両者に残された選択肢はただ一つ…
激突!!!
腹の底まで響く轟音と、目を焼くまばゆい光。互いを食い合う闇と炎の争いには、一瞬の拮抗ののち、闇に勝利が訪れた。
爆炎の津波のどてっ腹を穿ち、その向こうにまで突き抜ける悪しきオーラ。
たとえ煉獄崩爆破で威力を殺されているとは言え、マグニスもこのジェノサイドブレイバーの直撃を受ければ、無事では済まされない!
だが惜しくも、悪しきオーラが貫いたのは、マグニスの残影のみ。
バルバトスの奥義の威力を殺しきれないと判断したマグニスは、即座に空中に逃れたのだ。
「死ねやおらぁぁぁぁぁっ!!」
大上段にオーガアクスを振り上げ、落下の勢いに更に己の腕力を追加し必殺の斬り下ろしを見舞う。
バルバトスは即座に、上段に構えたままの大理石の柱を掲げた。戦士の機転と勘でもって、大理石の最も硬い部分で斧を受け止め、全身のバネで更に衝撃を奪う。
結果、マグニスの放ったオーガアクスの一撃は、バルバトスの構えた柱の中ほどまで埋まり、底で止まる。受け切った!
「ぶるぁぁぁぁぁっ!!」
バルバトスはその柱を半ば投げ捨てるようにして、宙に浮いたままのマグニスの体勢を無理やりに崩す。すかさず空いた右の手で、マグニスの顔面に痛烈な正拳を見舞う。
だがマグニスもさるもの。柱に埋まってすぐには抜けないオーガアクスをあっさり手放すと、こちらも握り締めた拳をバルバトスに打ち返す。真っ向一撃…正面衝突!
互いの放った拳が正面からぶつかり合い、もう一度轟音を立てた頃には、投げ捨てられた大理石の柱とオーガアクスは、乱暴な地面への不時着を果たしていた。マグニスは再び地面に立ち、バルバトスはその腰を捻り込んでいる。
「…………」
「…………」
ぶつかり合った拳が、どちらからともなく引かれる。沈黙。
マグニスはバルバトスを、バルバトスはマグニスを睨みつけ、互いに出方を伺っているようだ。
ぎりぎりと緊張の弦が引き締められる。塔に差す朝日さえ、その緊張に凍り付いてしまったかのようだった。
「てめえ…なかなか出来るじゃねえか」
「マグニスとやら…貴様もな」
バルバトスは、ゲーム開始直前に1人の男が、もう1人の男の首をへし折ったときの光景をもちろん覚えている。
へし折った側はマグニスと名乗っていた。すなわち、目の前の男。
「…この俺さまも、ゲーム開始直後にてめえみたいな相手に会っちまったのは、果たして幸運なのか不運なのか…」
「マグニス…貴様、何が言いたい?」
バルバトスは、軽く苛立ったようにマグニスに問いかける。マグニスはにっ、と八重歯を覗かせて笑いながら答えていわく、
「てめえには俺さまと組んで、このゲームを突破する気はあるか?」
「同盟か?」
「そう。そういう事だ」
「下らんな。馴れ合いに頼る雑魚が」
バルバトスは、マグニスの提案を一蹴。再びその目に、戦意の炎を宿らせる。
「はっ、安心しな。俺さまも、てめえと馴れ合う気なんざ更々ねえ」
俺さまが欲しいのは、てめえの実力だけだ。マグニスはバルバトスに宣言した。
「いいか、てめえ…」
「…バルバトスだ。バルバトス・ゲーティア。俺の名は『てめえ』じゃねえって事を、よく覚えておけ」
「なら、バルバトス。俺さまの話を聞け」
ここで相手をみだりに挑発するのは得策ではない。マグニスは素直に、目の前の巨漢を名で呼んだ。
「てめえは俺さまと軽くやり合ってみて、どう思った? 俺さまと本気で殺り合って、てめえは無傷で勝てる自信はあるか?」
素直に答えてみな、とマグニスは結ぶ。バルバトスは不愉快な気持ちを隠しきれずに、忌々しげに返した。
「…ないな。癪に障るが、貴様には無傷で勝つ事など出来ないだろう」
最初貴様は弱い者をいたぶるしか能のない雑魚かと思っていたがな。
バルバトスはゲーム開始前のマグニスの狼藉を思い出して、言葉に若干の皮肉を込めた。
「だったらどうする? てめえはここですぐさま俺さまと殺り合うのが得策と思うか?
俺さまをブチ殺して満身創痍になったところを、他の奴らに襲われて、ゲーム開始早々に脱落してえのか?」
てめえがその気なら、これでこの話はおしまいだ。そう吐き捨てるマグニス。
「ゲームから脱落などするつもりはない。だが、男に『後退』の二文字もねえ」
それはすなわち、バルバトスは決してここで互いを見逃しあって、ゲームをそれぞれ続行するなどという甘っちょろいな選択はしない。
その意志をマグニスに伝えようとしているのだ。出会った獲物は全て殺しにかかる。それがバルバトスのやり方なのだ。
それでもマグニスは、万一に備え全身の筋肉を臨戦態勢に保ちながら、バルバトスの説得にかかっていた。
「何も俺さまもてめえと永遠に仲良しこよししよう、って言ってるわけじゃねえんだ。
バルバトスは、ゲーム開始直前に1人の男が、もう1人の男の首をへし折ったときの光景をもちろん覚えている。
へし折った側はマグニスと名乗っていた。すなわち、目の前の男。
「…この俺さまも、ゲーム開始直後にてめえみたいな相手に会っちまったのは、果たして幸運なのか不運なのか…」
「マグニス…貴様、何が言いたい?」
バルバトスは、軽く苛立ったようにマグニスに問いかける。マグニスはにっ、と八重歯を覗かせて笑いながら答えていわく、
「てめえには俺さまと組んで、このゲームを突破する気はあるか?」
「同盟か?」
「そう。そういう事だ」
「下らんな。馴れ合いに頼る雑魚が」
バルバトスは、マグニスの提案を一蹴。再びその目に、戦意の炎を宿らせる。
「はっ、安心しな。俺さまも、てめえと馴れ合う気なんざ更々ねえ」
俺さまが欲しいのは、てめえの実力だけだ。マグニスはバルバトスに宣言した。
「いいか、てめえ…」
「…バルバトスだ。バルバトス・ゲーティア。俺の名は『てめえ』じゃねえって事を、よく覚えておけ」
「なら、バルバトス。俺さまの話を聞け」
ここで相手をみだりに挑発するのは得策ではない。マグニスは素直に、目の前の巨漢を名で呼んだ。
「てめえは俺さまと軽くやり合ってみて、どう思った? 俺さまと本気で殺り合って、てめえは無傷で勝てる自信はあるか?」
素直に答えてみな、とマグニスは結ぶ。バルバトスは不愉快な気持ちを隠しきれずに、忌々しげに返した。
「…ないな。癪に障るが、貴様には無傷で勝つ事など出来ないだろう」
最初貴様は弱い者をいたぶるしか能のない雑魚かと思っていたがな。
バルバトスはゲーム開始前のマグニスの狼藉を思い出して、言葉に若干の皮肉を込めた。
「だったらどうする? てめえはここですぐさま俺さまと殺り合うのが得策と思うか?
俺さまをブチ殺して満身創痍になったところを、他の奴らに襲われて、ゲーム開始早々に脱落してえのか?」
てめえがその気なら、これでこの話はおしまいだ。そう吐き捨てるマグニス。
「ゲームから脱落などするつもりはない。だが、男に『後退』の二文字もねえ」
それはすなわち、バルバトスは決してここで互いを見逃しあって、ゲームをそれぞれ続行するなどという甘っちょろいな選択はしない。
その意志をマグニスに伝えようとしているのだ。出会った獲物は全て殺しにかかる。それがバルバトスのやり方なのだ。
それでもマグニスは、万一に備え全身の筋肉を臨戦態勢に保ちながら、バルバトスの説得にかかっていた。
「何も俺さまもてめえと永遠に仲良しこよししよう、って言ってるわけじゃねえんだ。
俺さまとてめえ、それ以外の全員をブチ殺すまで。それが俺さまとてめえの同盟の期限だ」
「…ほう?」
「悔しいが、俺さま1人じゃ歯が立ちそうもねえ相手も何人かこのゲームには参加してやがる。
最初ミクトランに立ち向かったダオスとかいう野郎は、俺の勘じゃ参加者の中でも最強級の力を持っているはずだ。
他にもヤバそうな相手は、緑髪の女ににくっついていた金髪のガキだろうか」
マグニスが言った2人はそれぞれ、マーテルとミトスを指していたが、参加者名簿をきちんとあらためる前に戦いにもつれ込んだ彼に、その名を知る術はなかった。
「それにこの会場に連れ込まれた奴らの中には、互いに仲良しの顔見知りグループもいくつかあったみたいだしな。
そいつらが合流したら、1人じゃ下手に手は出せねえぜ? 友情だの絆だのほざきながら、連中は徒党を組むんだろうな」
「ふ…友情に絆か」
突然バルバトスは、顔に嘲笑を浮かべた。
「俺さまに似合わねえ言葉だ、とでもほざくつもりか?」
「違う」
嘲笑に続けて、次は憤怒。しかし浮かび上がった憤怒の対象はマグニスの向こう側にある何かのようだった。
「世に言う英雄どもが、よく臆面もなく口にする世迷い言だな、と思っただけだ。虫唾が走る戯言だ…!」
バルバトスの目に燃えていた炎は、今や別種の輝きを帯びていた。英雄…英雄という存在そのものに対し抱く、怒りが燃えているのだ。
「だったら、バルバトスさんよ。
『友情』や『絆』でもって戦う英雄どもに対して、こっちは互いが互いを利用しあうだけの『同盟』でもって戦おうじゃねえか」
マグニスは、少しばかり気の利いた言い回しとしてその言葉を放ったつもりだった。
だがその言葉ははからずしも、バルバトスのかたくなな心を開く鍵だったのだ。
「…承知した。俺と貴様は実力も同等程度…互いに裏切り合うような心配は、よもやあるまい」
バルバトスは、その手のひらを差し出した。既にその体からは、相手の出方を警戒するような雰囲気はほとんど失せている。
マグニスもその手のひらを差し出し、音が出るほど強くバルバトスの手のひらに打ち合わせ、握り締める。
一瞬限りだが、2人は荒々しい握手を確かに交わしたのだ。
「改めて自己紹介だ。俺さまはディザイアン五聖刃筆頭マグニス」
「バルバトス・ゲーティア。『英雄狩り』のバルバトスだ」
その2人の目に燃える炎の色は、共に鮮血の色彩を帯びていた。
「…ほう?」
「悔しいが、俺さま1人じゃ歯が立ちそうもねえ相手も何人かこのゲームには参加してやがる。
最初ミクトランに立ち向かったダオスとかいう野郎は、俺の勘じゃ参加者の中でも最強級の力を持っているはずだ。
他にもヤバそうな相手は、緑髪の女ににくっついていた金髪のガキだろうか」
マグニスが言った2人はそれぞれ、マーテルとミトスを指していたが、参加者名簿をきちんとあらためる前に戦いにもつれ込んだ彼に、その名を知る術はなかった。
「それにこの会場に連れ込まれた奴らの中には、互いに仲良しの顔見知りグループもいくつかあったみたいだしな。
そいつらが合流したら、1人じゃ下手に手は出せねえぜ? 友情だの絆だのほざきながら、連中は徒党を組むんだろうな」
「ふ…友情に絆か」
突然バルバトスは、顔に嘲笑を浮かべた。
「俺さまに似合わねえ言葉だ、とでもほざくつもりか?」
「違う」
嘲笑に続けて、次は憤怒。しかし浮かび上がった憤怒の対象はマグニスの向こう側にある何かのようだった。
「世に言う英雄どもが、よく臆面もなく口にする世迷い言だな、と思っただけだ。虫唾が走る戯言だ…!」
バルバトスの目に燃えていた炎は、今や別種の輝きを帯びていた。英雄…英雄という存在そのものに対し抱く、怒りが燃えているのだ。
「だったら、バルバトスさんよ。
『友情』や『絆』でもって戦う英雄どもに対して、こっちは互いが互いを利用しあうだけの『同盟』でもって戦おうじゃねえか」
マグニスは、少しばかり気の利いた言い回しとしてその言葉を放ったつもりだった。
だがその言葉ははからずしも、バルバトスのかたくなな心を開く鍵だったのだ。
「…承知した。俺と貴様は実力も同等程度…互いに裏切り合うような心配は、よもやあるまい」
バルバトスは、その手のひらを差し出した。既にその体からは、相手の出方を警戒するような雰囲気はほとんど失せている。
マグニスもその手のひらを差し出し、音が出るほど強くバルバトスの手のひらに打ち合わせ、握り締める。
一瞬限りだが、2人は荒々しい握手を確かに交わしたのだ。
「改めて自己紹介だ。俺さまはディザイアン五聖刃筆頭マグニス」
「バルバトス・ゲーティア。『英雄狩り』のバルバトスだ」
その2人の目に燃える炎の色は、共に鮮血の色彩を帯びていた。
【マグニス 生存確認
状態:軽い疲労。肉体は無事
所持品:オーガアクス ???? ????
現在位置:B2の塔内
行動方針:バルバトスと同盟を組み、残る参加者全員を抹殺する】
【バルバトス 生存確認
状態:軽い疲労。肉体は無事
所持品:???? ???? ????
現在位置:B2の塔内
行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者全員を抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先】
状態:軽い疲労。肉体は無事
所持品:オーガアクス ???? ????
現在位置:B2の塔内
行動方針:バルバトスと同盟を組み、残る参加者全員を抹殺する】
【バルバトス 生存確認
状態:軽い疲労。肉体は無事
所持品:???? ???? ????
現在位置:B2の塔内
行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者全員を抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先】