一触即発
「ぬ・・・うおおぉおぉ!!!」
叫び、体を大きく捻るバルバトス。彼の陰に刺さっていた一本の苦無が弾け飛んだ。
「ぐぅ、妙な奇術を使うガキが・・・覚悟は出来ているだろうな・・・」
バルバトスは、先程煙と共に現れた一人の少年を見下す。
「へぇ、僕の『影縫い』を気力で飛ばすなんて、ただ雑魚ではなさそうですね」
その少年、ジェイは素直な感想を述べ、バルバトスを見上げる。
その体格差はかなりのもの、偏に見ればそれは完全なる大人と子供であろう。
「その男は後回しだ。貴様から葬ってやろう」
その男とはジェイの後ろで体勢を崩しているクラトスだったが、完璧に標的が変わったようだ。
バルバトスはその銃剣をジェイに向ける。だがジェイは全く怯まない。
「どうした、逃げないのか?それとも足が動かんのか」
ジェイは皮肉にも反応せず、腰に携えた一本の苦無を取り出し、逆手に持って姿勢を低くする。
「あいにく今まで散々逃げ回ってしまいましたから・・・もう逃げるわけにはいかないんですよ」
それは、完璧な忍者の構え。
人を殺すための、完璧なる姿。
だが、ジェイは人を殺すためにその形を使うのではなく、守るために使うと決心した。
自分のしたことに・・・
「謝らなければいけない人がいましてね。それまでは死ねません」
だがバルバトスは笑う。自分の立場が判っていない小物に向けての、同情の笑い。
「残念だったな。貴様の望みは叶いそうにない」
言って、バルバトスはその銃剣を大きく振った。
「ここで死ぬのだからな!」
叫び、体を大きく捻るバルバトス。彼の陰に刺さっていた一本の苦無が弾け飛んだ。
「ぐぅ、妙な奇術を使うガキが・・・覚悟は出来ているだろうな・・・」
バルバトスは、先程煙と共に現れた一人の少年を見下す。
「へぇ、僕の『影縫い』を気力で飛ばすなんて、ただ雑魚ではなさそうですね」
その少年、ジェイは素直な感想を述べ、バルバトスを見上げる。
その体格差はかなりのもの、偏に見ればそれは完全なる大人と子供であろう。
「その男は後回しだ。貴様から葬ってやろう」
その男とはジェイの後ろで体勢を崩しているクラトスだったが、完璧に標的が変わったようだ。
バルバトスはその銃剣をジェイに向ける。だがジェイは全く怯まない。
「どうした、逃げないのか?それとも足が動かんのか」
ジェイは皮肉にも反応せず、腰に携えた一本の苦無を取り出し、逆手に持って姿勢を低くする。
「あいにく今まで散々逃げ回ってしまいましたから・・・もう逃げるわけにはいかないんですよ」
それは、完璧な忍者の構え。
人を殺すための、完璧なる姿。
だが、ジェイは人を殺すためにその形を使うのではなく、守るために使うと決心した。
自分のしたことに・・・
「謝らなければいけない人がいましてね。それまでは死ねません」
だがバルバトスは笑う。自分の立場が判っていない小物に向けての、同情の笑い。
「残念だったな。貴様の望みは叶いそうにない」
言って、バルバトスはその銃剣を大きく振った。
「ここで死ぬのだからな!」
ザァン!
大きな音が響く。だがそこに少年の姿が無い。素早く銃剣を整え
「甘いわ!!」
後ろに振る。高速移動を施し後ろに回るも、その気配を察したようだ。
斬激をジェイはしゃがんでやり過ごし、咄嗟に後方へと遠くに飛ぶ。
「僕の気配を辿られるとは・・・ますます只者ではないようですね」
バルバトスは銃剣を担ぎ、ゆっくりとジェイに近づく。
「これでも英雄殺しなのでな・・・殺しには長けている。気配を察すなどどうさもない」
「へぇ、そうですか。じゃあ長期戦は不利ですね」
体格の違いでスタミナの底も恐らく違うだろう。確かに長時間の戦闘はこちらにとっては喜ばしいものではない。
「そうだな。大人しく俺に殺されることだ」
「だから死ねないッて言ってるじゃないですか・・・貴方も相当バカですね」
皮肉でジェイははき捨てたが、バルバトスに挑発は通じない。幾度もの戦場を駆け抜けてきた男に、そんなものなど通用するハズも無かった。
「・・・お喋りは終わりだ。殺す」
「そうですね、さっさと終わらせましょう」
互いの間は5メートルほど、一つの風が吹く。
そこには確かな静寂。そしてすぐさま起こる戦闘への確かな兆候。
大きな音が響く。だがそこに少年の姿が無い。素早く銃剣を整え
「甘いわ!!」
後ろに振る。高速移動を施し後ろに回るも、その気配を察したようだ。
斬激をジェイはしゃがんでやり過ごし、咄嗟に後方へと遠くに飛ぶ。
「僕の気配を辿られるとは・・・ますます只者ではないようですね」
バルバトスは銃剣を担ぎ、ゆっくりとジェイに近づく。
「これでも英雄殺しなのでな・・・殺しには長けている。気配を察すなどどうさもない」
「へぇ、そうですか。じゃあ長期戦は不利ですね」
体格の違いでスタミナの底も恐らく違うだろう。確かに長時間の戦闘はこちらにとっては喜ばしいものではない。
「そうだな。大人しく俺に殺されることだ」
「だから死ねないッて言ってるじゃないですか・・・貴方も相当バカですね」
皮肉でジェイははき捨てたが、バルバトスに挑発は通じない。幾度もの戦場を駆け抜けてきた男に、そんなものなど通用するハズも無かった。
「・・・お喋りは終わりだ。殺す」
「そうですね、さっさと終わらせましょう」
互いの間は5メートルほど、一つの風が吹く。
そこには確かな静寂。そしてすぐさま起こる戦闘への確かな兆候。
―――どこかで、大きな嵐が起こった。
ジェイは苦無を一本投げる。バルバトスは銃剣で容易く交わす。
刹那、眼前にジェイの姿があった。
「何!?」
通り過ぎ、そして突然の爆発。腹部にもろに喰らった。
「ぐあぁ!」
「『闇走焔』」
だが傷は浅い。バルバトスはすぐさま銃剣を振り下ろす。
ジェイは両手に苦無を逆手に構え、二つで受け止める。
凄まじい衝撃。何とか持ちこたえたが、周囲の地面がへこんでいる。
少し傾けて軌道をずらし、すぐさま懐に飛び込む。
体勢を逆さまにしてありったけの力を足に込め、敵に放った。
「ぬぅ!温いわ!!」
腹に強く当てたものの、やはり重量の相手にはあまり通じない。間を開けることなく苦無を投げる。
「『鈴鳴苦無』!!」
だがその攻撃も銃剣により弾かれる。
バルバトスの武器は正に一撃必殺。一度でもその攻撃を受ければ、絶命は確実に免れないだろう。
故にあちらの攻撃を受けるわけにはいかない。全ての攻撃を回避し、微弱でもこちらの攻撃を確実に当てていかなければならない。
こっちは小柄な分小回りが利く。全体魔法でもない限り、ジェイは回避に絶対の自信を持っていた。
刹那、眼前にジェイの姿があった。
「何!?」
通り過ぎ、そして突然の爆発。腹部にもろに喰らった。
「ぐあぁ!」
「『闇走焔』」
だが傷は浅い。バルバトスはすぐさま銃剣を振り下ろす。
ジェイは両手に苦無を逆手に構え、二つで受け止める。
凄まじい衝撃。何とか持ちこたえたが、周囲の地面がへこんでいる。
少し傾けて軌道をずらし、すぐさま懐に飛び込む。
体勢を逆さまにしてありったけの力を足に込め、敵に放った。
「ぬぅ!温いわ!!」
腹に強く当てたものの、やはり重量の相手にはあまり通じない。間を開けることなく苦無を投げる。
「『鈴鳴苦無』!!」
だがその攻撃も銃剣により弾かれる。
バルバトスの武器は正に一撃必殺。一度でもその攻撃を受ければ、絶命は確実に免れないだろう。
故にあちらの攻撃を受けるわけにはいかない。全ての攻撃を回避し、微弱でもこちらの攻撃を確実に当てていかなければならない。
こっちは小柄な分小回りが利く。全体魔法でもない限り、ジェイは回避に絶対の自信を持っていた。
バルバトスが蹴りを繰り出す。バック転でそれを避け、苦無をバルバトスの足元に投げつける。
バルバトスは後ろに飛ぶが、まだそれは術の範囲内だった。
突き刺さった苦無は急激に冷気を纏い、その周辺を凍結させた。
「『氷樹』!」
「ぬぁ!?」
バルバトスの足が凍る。一瞬その動きを止める。
その一瞬でバルバトスの正面まで近づく。
が、その間にバルバトスは銃剣に闘気を纏わせ、ジェイに向ける。接近が仇となったか、銃口が目の前にあった。
「『ジェノサイドブレイバー』!!!」
大きな閃光と光線。完全にジェイへとクリーンヒットした。
―――かに見えた。
閃光が止んだとき、目の前には焦げた丸太のみが転がっていた。
「何だと!?」
紛れも無く変わり身、ジェイは遥か向こう側にその姿を現した。
「今のは間一髪でしたね・・・しかしこのままではマズイ」
次第にバルバトスの足元の氷が溶ける。ゆっくりとその歩を進めてくる。
「あの男との一対一は戦局的に・・・」
「危ない!!」
不意に、遠くから声が飛ぶ。その声は精神の消耗で参戦できないでいたクラトスのもの。
だがその言葉の意味がわかる前にその「突然」は迫ってきた。
傍の急速なマナの流れを察し、ジェイは咄嗟に横転する。
さっきまでいた場所に火の海が表れる。すんでのところで灼熱の炎を回避した。
「これはイラプション!?けど、あの男が詠唱した素振りは無かった・・・」
詠唱の類ではない何かか・・・そう思考を巡らせていたとき、「突然」はまた迫ってきた。
後ろ振り向く。が、もうすでに攻撃は始まっていた。
「『翔連脚』・・・」
バルバトスとは違う別の男に、足技による連打を喰らってしまった。
「うわぁ!!」
空中に飛ばされるがすぐさま身を返して着地。その男を見据える。
ジェイにはそれが誰だか判らなかったが、
「おやおや・・・状況はかなり不利ですね・・・」
それだけはかろうじて判った。
バルバトスは後ろに飛ぶが、まだそれは術の範囲内だった。
突き刺さった苦無は急激に冷気を纏い、その周辺を凍結させた。
「『氷樹』!」
「ぬぁ!?」
バルバトスの足が凍る。一瞬その動きを止める。
その一瞬でバルバトスの正面まで近づく。
が、その間にバルバトスは銃剣に闘気を纏わせ、ジェイに向ける。接近が仇となったか、銃口が目の前にあった。
「『ジェノサイドブレイバー』!!!」
大きな閃光と光線。完全にジェイへとクリーンヒットした。
―――かに見えた。
閃光が止んだとき、目の前には焦げた丸太のみが転がっていた。
「何だと!?」
紛れも無く変わり身、ジェイは遥か向こう側にその姿を現した。
「今のは間一髪でしたね・・・しかしこのままではマズイ」
次第にバルバトスの足元の氷が溶ける。ゆっくりとその歩を進めてくる。
「あの男との一対一は戦局的に・・・」
「危ない!!」
不意に、遠くから声が飛ぶ。その声は精神の消耗で参戦できないでいたクラトスのもの。
だがその言葉の意味がわかる前にその「突然」は迫ってきた。
傍の急速なマナの流れを察し、ジェイは咄嗟に横転する。
さっきまでいた場所に火の海が表れる。すんでのところで灼熱の炎を回避した。
「これはイラプション!?けど、あの男が詠唱した素振りは無かった・・・」
詠唱の類ではない何かか・・・そう思考を巡らせていたとき、「突然」はまた迫ってきた。
後ろ振り向く。が、もうすでに攻撃は始まっていた。
「『翔連脚』・・・」
バルバトスとは違う別の男に、足技による連打を喰らってしまった。
「うわぁ!!」
空中に飛ばされるがすぐさま身を返して着地。その男を見据える。
ジェイにはそれが誰だか判らなかったが、
「おやおや・・・状況はかなり不利ですね・・・」
それだけはかろうじて判った。
F2平原から北上していたデミテルとティトレイはE2城を見つけ、そこにいる人影を見つけた。
状況を把握するには簡単だった。
一人の男は膝をついて疲れている。恐らくあれ以上の戦闘は無理だろう。
少年が青髪の大男と交戦している。傍から見れば少年のほうが優勢か。だが、
「私たちには関係の無いことだな」
言ってティトレイを先行させ、後ろから詠唱を開始。
イラプションは避けられたがティトレイの攻撃は当たったようだ。
「よしよし。とりあえずはあの少年か」
デミテルもその戦場へと足を進めた。
状況を把握するには簡単だった。
一人の男は膝をついて疲れている。恐らくあれ以上の戦闘は無理だろう。
少年が青髪の大男と交戦している。傍から見れば少年のほうが優勢か。だが、
「私たちには関係の無いことだな」
言ってティトレイを先行させ、後ろから詠唱を開始。
イラプションは避けられたがティトレイの攻撃は当たったようだ。
「よしよし。とりあえずはあの少年か」
デミテルもその戦場へと足を進めた。
ジェイが後ろにバルバトス、前にティトレイの構図を背にしている。
「く・・・このままでは・・・」
そう安危していた時、遠方からその声は響いた。
「く・・・このままでは・・・」
そう安危していた時、遠方からその声は響いた。
『皆聞える!? 私はファラ、ファラ・エルステッド!――』
「「「「!?」」」」
その場にいる全員が、あのティトレイまでもがその声に反応する。
その場にいる全員が、あのティトレイまでもがその声に反応する。
ファラの思いは、ここにも確実に影響を与えていた。
【クラトス 生存確認】
状態:足元の火傷(小) 精神的疲労(戦闘困難)
所持品:マテリアルブレード(フランベルジュ使用)
第一行動方針:青髪の男への対処
第二行動方針:カイルを探す
第三行動方針:コレットが気になる
第四行動方針:ロイドが気になる
現在位置:E2平原
状態:足元の火傷(小) 精神的疲労(戦闘困難)
所持品:マテリアルブレード(フランベルジュ使用)
第一行動方針:青髪の男への対処
第二行動方針:カイルを探す
第三行動方針:コレットが気になる
第四行動方針:ロイドが気になる
現在位置:E2平原
【ジェイ 生存確認】
状態:頸部に切傷 全身にあざ
所持品:忍刀・雷電 ダーツセット クナイ(三枚)
第一行動方針:不利な戦局への対処
第二行動方針:ミントへの謝罪
第三行動方針:シャーリィと合流
現在位置:E2平原
状態:頸部に切傷 全身にあざ
所持品:忍刀・雷電 ダーツセット クナイ(三枚)
第一行動方針:不利な戦局への対処
第二行動方針:ミントへの謝罪
第三行動方針:シャーリィと合流
現在位置:E2平原
【バルバトス 生存確認】
状態:TP中消費
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(弾丸残り2発。一射ごとに要再装填) クローナシンボル エクスフィア
第一行動方針:ジェイの抹殺
第二行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先
第三行動方針:マグニスと作戦会議、そして連係プレーの練習を行う。可能ならば「ユニゾン・アタック」を習得する。
現在位置:E2平原
状態:TP中消費
所持品:銃剣付き歩兵用対戦車榴弾砲(弾丸残り2発。一射ごとに要再装填) クローナシンボル エクスフィア
第一行動方針:ジェイの抹殺
第二行動方針:マグニスと同盟を組み、残る参加者を全員抹殺する。特に「英雄」の抹殺を最優先
第三行動方針:マグニスと作戦会議、そして連係プレーの練習を行う。可能ならば「ユニゾン・アタック」を習得する。
現在位置:E2平原
【デミテル 生存確認】
状態:TP2/3消費
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティシンボル 金属バット
第一行動方針:少年の抹殺
第二行動方針:出来るだけ最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第三行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在位置:E2平原
状態:TP2/3消費
所持品:フィートシンボル ストロー ミスティシンボル 金属バット
第一行動方針:少年の抹殺
第二行動方針:出来るだけ最低限の方法で邪魔者を駆逐する
第三行動方針:ダオスを倒せそうなキャラをダオスに仕向ける
現在位置:E2平原
【ティトレイ・クロウ 生存確認】
状態:感情喪失 全身の痛み、軽いやけど(回復小) TP中消費
所持品:メンタルバングル バトルブック
第一行動方針:かえりたい
第二行動方針:デミテルに従う
現在位置:E2平原
状態:感情喪失 全身の痛み、軽いやけど(回復小) TP中消費
所持品:メンタルバングル バトルブック
第一行動方針:かえりたい
第二行動方針:デミテルに従う
現在位置:E2平原